female Buccaneersヨーロッパ

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 3Lv以上
獣人 3Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 09/13〜09/17

●本文

 一艘の木造船が沖を滑るように進んでいく。その旅立ちを真っ青な空も海も祝福しているようだ。
 風を孕み脹れる真っ白な帆。高々と立てられたマストに真っ赤なジョリー・ロジャー(海賊旗)がはためいてく。
 そこに映し出された金色の飾り文字『female Buccaneers 〜海を彩る美しき女海賊たち〜』とこのドラマのタイトルが流れ消えた。

 ここはヒスパニョーラ島。海賊達が憩いと住まいとして必ず訪れる場所だ。毎夜、沢山の海の荒くれな男達とそれを相手する女達の嬌声が響いている。 
「ねぇ聞いた? 海の怪物が守る宝の話。その宝‥‥『紺碧の心臓』を手に入れると全ての海を支配できるんですって」
 どこの酒場も人が溢れかえり、煩いほど賑わう。この店は一層そのようだ。隣にいる人の声を聞き取るのもやっとの程。そんな日常に慣れっこな派手なドレスを身につけた女が隣に座る青年に話しかける。
 彼はラム酒を傾けながら耳を峙てた。帽子の間から覗く頬は酒の所為だけではないだろう薔薇色に輝き、そして海賊服に包んだその身体は吃驚するほど細い。
 そう、女の声に耳を傾けラム酒を飲む、その人は男ではなかった。れっきとした女性。彼女こそ何世紀にも渡って女性のみが船長を務める幻の海賊船『ジョリー・ルージュ』号の船長だ。
「ほう、だからか国王達が躍起になってプライベーティアに命じていたのは」
「そうみたいね。ねぇ、貴女は行かないの? 本当にそこまで凄いなんて本当かどうか解らないけど」
「あぁ、行きたいのは山々だが今、手下の数が減ってしまって船が動かせない。ここにいるのも手下探しとその情報収集だ」
 ふっと息を吐き、ラム酒の入ったグラスをテーブルに置いた。女性のわりに声が低く、ぶっきらぼうだ。それでもドレスの女は気に留めず、にっこりと微笑むと、
「なら、あそこのカウンターに行ってみるといいわ。貴女が探しているような水夫達が待ってると思う」
「ふぅん、そうか。それは親切に」
 言うが早いか、女船長は席を立ち、彼女が教えてくれたカウンターに歩み寄った。
「おい、俺は今船乗りと今回の宝の情報を捜している。そうだな、船乗りの条件は体力に勇気、そして知力のある者だ。できれば女が良い。男だったらこの場で俺と勝負して勝った者だ。誰か居ないか?」
 肩帯からぶら下がる五丁の拳銃の一つを抜き酒樽の上に置かれたグラス目掛けて一発発射。見事にガラスを打ち抜いた。
 この態度は横暴とも思えるが、これも海賊ならではのしきたり。女船長に興味を持った酒場の水夫達が近付いてきた。



 出演者を募集します。
 英国発のドラマ『female Buccaneers』は、海賊船・ジョリー・ルージュの女船長、そして乗組員また彼女の敵役をしてくださる出演者を募集しています。
 ジョリー・ルージュは基本的に女船長が仕切る船のため、なるべく女性の船員が好ましいと考えております。また、プライベーティアは英国の貴族によって組まれた王室から許可書を得た私掠船。こちらは男性の乗組員で構成して頂きたいと考えております。
 そして配役は二つの船の船長以外、まだきちんと決まっておりません。この二つの役が重ならない限り、皆様の演じたい役のご希望を頂ければ嬉しく、また添えるよう努力させて頂きます。ただしあくまでもこのドラマに沿った役でお願いします。

 ジョリー・ルージュの船長 腕っ節と機転の良く利く女船長。
 プライベーティアの船長  明晰な頭脳と繊細な神経の持ち主だが、土壇場に強い男
 
 操舵手
 帆手
 甲板長
 調理長など船に関わる仕事。またはヒスパニョーラ島の酒場の水夫。

●今回の参加者

 fa0204 天音(24歳・♀・鷹)
 fa1385 リネット・ハウンド(25歳・♀・狼)
 fa1761 AAA(35歳・♂・猿)
 fa2825 リーベ・レンジ(39歳・♂・ハムスター)
 fa3293 Even(22歳・♂・狐)
 fa3325 マーシャ・イェリーツァ(23歳・♀・兎)
 fa4123 豊浦 まつり(24歳・♀・猫)
 fa4611 ブラウネ・スターン(24歳・♀・豹)

●リプレイ本文


 ここヒスパニョーラ島に夜の帳がおりると昼間より一層、賑わいは拍車を掛け最高潮を迎える。
 メインの通りを挟んでに並ぶ酒場には人が溢れ、酒を酌み交わす海賊と女達の嬌声や笑い声、そして欲望の声が響き渡っていた。
 そんな酒場の一つにあのジョリールージュ号の船長、リコリス・コーラル(天音(fa0204))が、声を張り上げる。
「おい、俺は船乗りと今回の宝の情報を捜している。船乗りの条件は体力に勇気、そして知力のある者だ。できれば女が良い。男だったらこの場で俺と勝負して勝った者だ。誰か居ないか?」
 肩帯からぶら下がる五丁の拳銃の一つを抜き酒樽の上に置かれたグラス目掛けて発射。見事にガラスを打ち抜く。辺りは一瞬静まりかえるも、すぐさま活気が戻り彼女に興味を持った輩が集まり出す。
「身体の方は丈夫だよな? そうでないと船乗りは勤まらない。その前に船長と勝負だな。まぁせいぜい頑張れよ」
 大きなテーブルを前に船員を希望し列を成す輩達を面接するマルコ・ロッソ(ブラウネ・スターン(fa4611))。第一段階の篩を任された彼女は並ぶ希望者達の身体や筋肉を目でチェックし、仕えなさそうな奴を弾いていく。そこを通過できた者はようやく船長と勝負。
 しかしそこいらの男ではてんでリコリスの相手にはならない。剣術でも射撃でもだ。なんせ型に囚われない我流の戦闘スタイルでは対処のし様が難しい。
「今回の希望者達はどうも弱くていけないね。そう思わない? 次は私の番だね」
「リコリスが強すぎなのかもしれませんよ。少しくらいは手加減が必要なのでは? つぎ賭けるモノは何にします? そうだ貴女のハートを、どうでしょう?」
「真面目に言っているの? まったく好きだなぁ‥‥っと。よし、$で600点‥‥」
 次々と伸されたり諦めていく希望者達を横目に、無類のギャンブル好きなサイリーン(豊浦 まつり(fa4123))は、目の前に座る男と得意のダイス中だ。そんな彼女はれっきとしたジョリールージュの帆手。必要な風や様々なものの『流れ』を読む事に長けた感の持ち主で、懐に忍ばしているサイコロも彼女曰く、流れを読むいい訓練だというが、明らかに趣味としか思えない。
 そんなサイリーンの相手をする男は甘く優しげな口調で彼女に話しかける。顔は見えないが優男に間違いなさそうだ。
「よぅ、ねーちゃん。プライベーティアに来れば逆ハーレムだぜ! どうだい、こっちに来ないか」
「私はジョリールージュで満足してるんだ。ヨソをあたってくれない」
「ガハハ、随分と強気な娘さんだ。あんたはハーレムを作るよか、サイコロで遊ぶ方が好きらしいな。それもいいだろう。俺はラム酒さえあれば良い。こいつァ俺の燃料、つまりは食事さ!」
 ラム酒の入ったビアグラスを手にジョーデル(リーベ・レンジ(fa2825))が現れ、サイリーンに声を掛けるもすげなくされた事に腹を立てるどころか、小柄な体格から想像もつかないほど豪快に笑い飛ばし、ぐっと酒を煽る。まるで水でもガブ飲みしているような勢いだ。だがそんなに飲む彼の酔った所など、誰一人見たことなど無い。
「私の勝ちだな! あんたはハートが寒くなり、私の懐が温かくなる。いい話だな」
「‥‥また負けてしまいましたね。ん〜、もう一勝負!」
「いくらやっても結果は同じだと思うがね」
 賭は見事サイリーンが勝った。彼女の嬉しげな声の後に困った声と金を机に投げる乾いた音が聞こえる。
 負け知らずのサイリーン。だがそれはちょっとした小細工でそうなっているのだ。しかも誰も見破ることはできない。
 男が彼女に再度勝負を挑んだところに、酒場に異様なざわめきが起こった。
「次! って、なんだ、お嬢ちゃん。船に乗るなら当然、自分の手を血で汚す覚悟は決めているだろうな? 血といっても自分のじゃなくて戦った相手のだけだぜ? 役立たずはジーザスの血に賭けて、そこの樽に顔を突っ込んで死んだ方が棺桶の手間が省けていいってもんだ」
 皮肉めいた笑いを浮かべながら悪態と信仰心が見え隠れする言葉を紡ぐマルコ。それもそのハズ、目の前には美しいドレスを纏った一人の女性が立っていたからだ。
 一見すれば淑やかなどこかの令嬢。だが輝く青い瞳は内に秘めた激しさをのぞかせる。
「あら、女は試験無しだなんて侮ってらっしゃるのはどなたかしら? わたしはメアリー・ショウ。あなたが従うに足る船長として相応しいか試して差し上げるわ!」
 凛とした声音で自ら名乗ったメアリー・ショウ(マーシャ・イェリーツァ(fa3325))は細腰に付けたベルトに差してあったレイピアを抜き取ると素速く構える。
 板に付いたその構えでリコリスも今まで戦って来た相手と違うことを感じ取った。
「女には無条件でと言うのは確かに良くなかったようだね。いいだろう、一勝負いこうか?」
 リコリスも腰に下げていたレイピアをメアリーに振り上げた。
 カキーン!!
 金属が擦れ合う音が響き、二本の剣は火花を散らす。始まった直後から息もつかせぬ激しい攻防が繰り広げられる。その戦いに騒がしかった水夫達は口を噤み、酒場は静かになった。無音に近いそこから聞こえてくるのは鋭い風を切る音とぶつかり合う金属音。そして彼女達の息づかい。
 誰もが固唾を呑んで見守る中、
「ねぇ、どっちが勝つか賭けない? 私は勿論、リコリスだな」
「うん? いいですよ。あの女性‥‥メアリーもなかなかいい身体と動きをしてますし、どちらが勝つか分かりませんよ。賭けるモノはさっきと同じサイリーン、貴女の心です」
「おい、ジル。やめときな! こいつぁ以外とホットなねーちゃんだ。火傷するぜ」
 サイリーンが男に勝負を持ち出す。彼もその賭けに二つ返事で乗った。しかも賭けるモノはまたも心。こればっかりで流石に一瞬、躊躇をみせたサイリーン。どこまで彼が本気なのか解らない上、サイコロと違い目が勝負ではなく彼女達の腕に掛けるのだからだ。そんな両者の顔をせわしく眺めたジョーデルは無謀な賭を止めに彼女の前に座る男、ジル(Even(fa3293))に忠告。しかし女性が絡めばジルは聞き入れるようなタイプではない。
 普段の掴み所のない笑顔を乗せる表情から一転、きまじめな顔で彼女を見る。それはこの酒場に似つかわしくないほど整った顔。女性好きする優しげな面立ちはやはりプライベーティアの副長という立場だけに貴族出身であるのが伺える。普段、名乗っている名も愛称のように短く、どうもきちんとした長い名前があるようだ。
「解った。良いよ」
 両手を上げ了解したサイリーンにジルは普段通りの笑みを乗せ二人の女性の戦いを見入った。
 そうとは知らず、リコリスとメアリーのレイピアでの戦いは続く。カウンターやテーブルの上と所構わず乗り、互いの剣をぶつけ合った。
 長いドレスを翻し、たっぷりとフリルの付いた袖のメアリーが不利そうに思えるもそうではない。機敏な動きでリコリスの剣を翻弄し果敢に攻める。
 銃を一切使わないのが心情というメアリーらしい、舞うようにレイピアを操る見事な名手振りだ。
「やりますね。あの娘さん‥‥」
 殆ど人の居ない二階席でポツリと呟くのはプライベーティアの船長、キャプテン・ホーキンス(AAA(fa1761))。優雅な仕草で手入れの行き届いた髭をひと撫で。彼が動くたびに仕立ての良い豪奢な衣装が柔らかな衣擦れの音を立てる。
 僅かに喉の渇きを覚えゆっくりと手を伸ばしラム酒の入ったグラスを手に取った。その指に填められた幾つかの金の指輪が輝く。しかし嫌味がなくむしろ彼の優美さに拍車を掛けている。
「そろそろ決着が付くようですね」
 交える剣が激しさを増す。しかしホーキンスが見切った通り、一瞬の隙をついてメアリーはリコリスは剣を弾いた。カツーンっと火花と共にリコリスのレイピアは宙に舞い、離れた床に鈍い音を立て突き刺さった。
 勝ちを確信したメアリーはリコリスの喉元に剣先を寸前で止める。しかしすぐに顔色が変わった。
 なぜならリコリスも素速く肩帯から拳銃を取りだし、メアリーに銃口を向けて狙いを定めていたからだ。
「っふ、あいにくと海賊の武器は剣ばかりではないのでね」
「そのようね。けれど貴女の剣の腕前、気に入ったわ。船長、わたくしの剣を貴女に預けましょう」
 スッと鞘に収めたメアリーは、にこりと上品な笑顔と会釈。リコリスも銃を収めると右手を差しだし固い握手を交わした。静まりかえった酒場が一気に歓声の渦になる。誰もが肩を叩き合い自分の事のように喜び酒を酌み交わしだした。この勝負が始まる前以上に賑やかさが増している。
「この勝負は引き分けだね。しかし仲間勧誘は成功したのだから船長の勝ちでしょ? ジル」
「それは違うような気がしますが‥‥どうでしょう? あ、リコリス。お疲れ様」
 リコリスが勝ったと主張するサイリーンにやや困惑気味のジル。しかし目のあったリコリスに笑顔で手を振り挨拶。イマイチ面白くないサイリーンは、どんっと派手な音を立て船長の下に歩み寄った。
「まぁまぁ、随分と賑やかな事をしていたのですね」
 勝負が付いた歓声の中、人混みを避けながらにこやかに歩いてくる長い髪を高い位置で結い上げ、地味な服を纏った大柄な女性。ジョリールージュの料理長のアルシェ・アミリ(リネット・ハウンド(fa1385))だ。新しく入ったメアリーと握手を交わしだす。
「あなたも海賊ですの? 見えませんわね」
「えぇ、私はあまり戦闘とかはしないのですよ。もっぱら料理を作っています」
 驚くメアリーに再度やんわりした笑みで答えるアルシェ。その通り、力はあるが戦いを好まず穏やかな性格の持ち主。船長であるリコリスとは旧い仲らしく、彼女が言う言葉に黙って従う。従順さと純朴な娘である。
「まぁ、ジョリールージュの仲間となったんなら、これから宜しく頼むな。じつはあまり日が経っていない新参な方なんだがな」
 愛用の拳銃をクルクルっと弄びながら挨拶をするマルコ。さっきの事もあるがあまり拘る性格ではないメアリーは丁寧に彼女に会釈をする。
「そういえば貴方達が探している宝って、国王様も探してらっしゃる『紺碧の心臓』のこと? そういえば以前、別の島で在り処を知ってるって酔っ払いに会ったのだけれど。眉唾じゃなくって?」
「えぇ、眉唾ではありませんよ。お嬢さん。大変面白いモノを見せて頂き有難うございました」
 ジョリールージュの今回の目的である宝の話を思い出したメアリーは皆に向き直り話し出す。リコリスの返事の前に、背後から低くしかし丁寧な口調が聞こえてきた。
 二階から降りてきたホーキンス。常に穏やかな笑みを顔に乗せているものの周りにいる海賊達を見る目は冷ややか。
「それを貴女達もお探しのですか? 奇遇ですねリコリスさん。いくら旧知の仲といって紺碧の心臓を狙うのであれば話は別。容赦は致しませんので覚悟してくださいね」
「キャプテン・ホーキンス。紺碧の心臓は渡さないがその容赦しないをそっくり返させて頂くぜ、せいぜいその綺麗なクラヴァットで首でも拭いておくんだな」
 温厚な笑みの浮かぶ口元とは違い人を射殺せる冷徹な視線を送りながら忠告をする。そんなことで怯むリコリスではない。しっかり応酬すると、ホーキンスはフッと口元を弛め髭をひと撫ですると踵を返した。
 無言で彼の後を追うジルとジョーデル。ホーキンスが信頼を置くだけあって言葉が無くとも解るようだ。
「よし、これで決まったな。今度、海で出会ったら、あんたらは立派な敵だ。あとで名前くらい聞かせといてくれよ、墓碑銘に海賊とだけ書かれるのは切ないものだぜ」
「いつか、イカサマなしで貴女のハートを賭けて貰いたいですね〜。あぁ、ジョーデル同様に海であった時は手加減はしませんよ。素敵な女性ばかりの船に傷を付けるなんて心苦しいですがね」
 二人はジョリールージュの面々に言い残し去っていった。


 翌朝、出港準備を整えるジョリールージュ号。
 船に戻った途端、真っ先に厨房に入り込み買いこんできた食材を片付け終えたアルシェは、
「今日は新しいお仲間も増えたことですし」
 楽しげに甲板から聞こえる声に耳を傾け夕飯の下準備に取り掛かる。彼女の聞いている声はサイリーンとメアリーのもの。
「ん、宜しく相棒♪」
「あ、相棒ですの?」
 サイリーンはメアリーの肩をポンっと軽く叩く。彼女の言葉を怪訝そうに問い返すメアリー。
「私は操帆手、あんたは操舵手どっちも操船には欠かせない足だからね。だから相棒。あぁ〜それにしてもいい風だね。まるで私達の新たな船出を祝福してるような最っ高の風だよ。さぁ風を読んで行こうか」
 とウインクすると大きく伸びをし、帆を上げていく。
「そ、そうね。よろしく、頼りにしてるわサイリーン。さぁ船長、出航の合図をお願い」
 リコリスとマルコは銃の手入れに余念がないがメアリーの問いかけに、すくっと立ち上がり、
「お宝目指して、いくよ!」
 愛用のレイピアで遠くの海原を差した。


 場面は変わり、プライベーティアの船長室。豪華な美術品や調度品が置かれた部屋。美しいモノに囲まれ居心地の良いソファーでくつろぐキャプテン・ホーキンスがいた。彼はワインを手に一人ごちる。
「くっくっく。いつまでも貴方方の言うことを聞くと思わないで欲しいですね‥‥」
 口元にいつも浮かぶ穏やかなものと変わって、それは背筋も凍るような笑みであった。