いろはに諺 ろの巻アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 0.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 04/16〜04/20

●本文

 サブタイトル:実体験で諺(ことわざ)を学んじゃおう!
 タイトル通りの教育番組である。いや、そのはずだ。何と言おうと。
 しかしプロデューサーやスタッフが運び込むモノがなにやらおかしい。持ってくる小道具や衣装もパーティーグッズなどに使われる面白センスのモノがばっちり含まれている。
 そう、この番組の意図は楽しみながら諺を学ぼうというもの。
 和風なセットなども用意され準備は万端。あとは出演者と司会のお姉さんを待つばかり‥‥


■出演者募集
 いろはに諺の出演者を募集します。
 楽しく頓知のきいた芸人さん出演者と番組進行係のお姉さんS’&司会者さん、演出を手伝ってくださるスタッフの方々の応募をお待ちしております。

■演出
 始めに出演者達が全身タイツで身を包み、体を張って今回の頭文字「ろ」を作ってください。
 その文字を使い、様々な頓知のきいた面白い発言&演技をお願いします。
 次にお題諺の意味に沿って頓知の効いたボケをかましお姉さんにツッコミを入れてもらったり、再現コントや数人でのドラマ仕立コントっていうのもアリ。
 コントの大道具、衣装はスタッフが用意致します。 
 最後に諺の意味をちゃんと説明して終了予定? それは参加された皆様次第!
 用意された諺は、全て使わなくても大丈夫です。 

■お題
 ろ
「ローマは一日にして成らず」 
 意味:大きな事をする時、計画を立ててやらなければ成功しないという事。
 由来:栄えたローマは長い年月をかけ、素晴らしい国を作ったという事。

「論より証拠」 
 意味:物事を明らかにするためには、議論をするよりも証拠を見せたほうが明確である事。

「労多くして功少なし」
 意味:苦労したわりに大した成果が得られず、がっかりしてしまうこと。

●今回の参加者

 fa0858 シャミー(15歳・♀・猫)
 fa1340 HIKAGE(18歳・♂・小鳥)
 fa1465 椎葉・千万里(14歳・♀・リス)
 fa1986 真田・勇(20歳・♂・猫)
 fa2321 ブリッツ・アスカ(21歳・♀・虎)
 fa2996 ニモ・ニーノ(14歳・♀・ハムスター)
 fa3120 (14歳・♀・狼)
 fa3371 豊浦 あやね(15歳・♀・狸)

●リプレイ本文

●いろはに諺
 クレヨンで色取り取りに描かれたタイトルを子供達が元気な声で読み上げる。すぐさま画面が切り替わり、和風の背景画と変わったセットが置かれるスタジオが映し出された。
「は〜い、いろはに諺、第二回目の放送がやってきたのだ。司会進行はおいら苺と、あやねさんでお送りするのだっ」
「さーて大好評? の第二回は‥‥ろ! 六十の手習い、老少不定‥‥って、なんや、お年寄り絡みの言葉が、ぱっと浮かんでしもうたけど‥‥こんなん言葉もあるんやし老若男女を問わずに諺の勉強や! そんなわけではじまりはじまり! 皆さん、よろしゅう頼んます」
 カメラに向かって挨拶する司会進行役のお姉さん、苺(fa3120)と豊浦 あやね(fa3371)。
 愛用のマイクを手に苺の腕章は「しかいしんこ〜 突っ込み上等! 」と書かれたものに交換され、元気よく挨拶。二度目の司会を務める豊浦も愛情たっぷりなツッコミをするべくハリセンをスイング。後ろに立つ出演者達もにこやかに手を振っている。今回は女性が多く華やかだ。
「女性がイッパーイっす! もうメチャメチャほっとすぅ〜〜」
 すぱこぉぉん。
 始まった早々、真田・勇(fa1986)がカメラの前にズイズイと出て蒸気機関車を真似し、しゅぽーっとはしゃぎまくる。豊浦のハリセンがすぐさま一閃。後頭部にヒットし、真田はその場に突っ伏した。
「さぁ、みんな始まるよ! お題はろーなのだ! 」
 他の出演者が驚き止まる中、苺の見事なフォロ−というかスルーにより番組が開始された!


「お笑い初挑戦やけど、頑張ります〜」
「ローマは一日にして成らずの、ろぉー」
 文字作りセットから下りてきたのは、女性用のスカート付き黒タイツを着用した椎葉・千万里(fa1465)とシャミー(fa0858)。シャミーの方はタイツの上にメイド服を着込む。もちろん、白いフリフリエプロンも忘れてない。二人揃ってカメラの前で可愛くガッツポーズ。
 その後、シャミーはキッチン、椎葉はその隣の小部屋の自分が持ち込んだ巨大積み木がある特別セットへ入った。
「シャミーちゃんとチマちゃんは、これよりお題に沿った何かにチャレンジなのだ。何かは出来てからのお楽しみなのだ。では次のVTRとコント行ってみよーなのだ! 」
 苺の進行により画面が切り替る。そこにはロケをするHIKAGE(fa1340)が映し出された。
「こんにちはー、HIKAGEお兄さんだよ。今日はね、食べてすぐ寝たら牛になるか? 論より証拠で検証しちゃおう! 」
 借りたハンドカメラを手に、賑わう街を黒タイツ姿で闊歩するHIKAGE。誤って職質されないようスタッフ一名が手配されていた。
 大盛りカレーを食べきったら無料の看板を見つけ、颯爽とチャレンジ開始! だがすぐに断念。自腹で四千円支払う羽目の映像に続いて、同行スタッフの車で牧場へ移動し、草の上にごろん。
 時間の関係上、台詞以外は早送りで送られていった。ぴるるる〜っと流され、ようやく通常スピードに戻り、
「牛になりたいって思って、わざとやっても牛になれないらしいよ! 論より証拠だね! 」
「あぁ、そうだろう。そんなことで牛になってちゃ、かなわねーよ」
 タイツの上に牛の着ぐるみを着込んだHIKAGEがVTRを締めくくった。
 すぐに画面はスタジオに戻り、部屋を模したセットで友達と電話中のブリッツ・アスカ(fa2321)へ繋がれる。電話向こうの友人役は豊浦である。
 楽しそうな会話の中、突然、豊浦の鋭い悲鳴が響き電話が切られた。何事かと驚くブリッツは、カメラマンを連れてドアセットから飛び出す。
「待ってろ、今行くぜ! 」
 階段を駆け下り地下のプールを目指す。そこに真田が待ちかまえていた。
「ロープなしバンジーのろーっす! 芸人にとって仕事は二種類。オイシイ仕事か、そうでないかっす。でも怪我をしたら放送されないので、瀬戸際ギリギリが肝心っす」
 高さ十八メートルの飛び込み台からメガホン片手に叫んでいる。彼の言う通り足を結ぶロープがない。命綱無しのバンジーは勇気がいる。真田は台の上でウロウロと同じ動作を繰り返し、溜め息をつく。
「早く飛び込めよ! 」
 焦れて、飛び込み台の階段を駆け上がったブリッツは、有無も言わさず真田を抱え上げるとプールに投げ落とした。悲鳴を上げる間もなく、真田は水面に叩きつけられ飛沫が上げる。見事な腹打ち飛び込みだ。痛いのか、なかなか上がってくる気配はない。その間にブリッツは、暫くお待ち下さいと書かれたプレートを手に階段を下り、カメラマンを従え地下プールを出てしまった後、ようやく真田がぷかぁっと水面に浮かんできた。
 友人宅に向かう設定のブリッツが廊下を走り抜け、エレベータで上がると、元のスタジオに戻る途中のフロアーをニモ・ニーノ(fa2996)と開発された自家発電の扇風機が占拠していた。のんきな口調で引き留め、
「夏は電力不足になるからね〜。でもこれがあれば完璧だよ〜。電気代も節約出来て〜地球にもやっさし〜。自転車を漕ぐと電気になって扇風機が動いちゃうよ〜。じてんしゃ、こぎこぎ‥‥」
「だー、そんなんじゃダメだ。こうするんだぜ」
 友人の緊急時に構っている暇はないが、のったり漕ぐニモに苛ついたのか、ブリッツは隣の環境第一扇風機自転車二号に乗り込むと、勢いよく漕ぐ。
 すぐさま羽根が、ぶぃーんっと音を立て回りだす。つられたニモも立ち漕ぎで頑張るがついてゆけずヘロヘロ。
「なんか凄い汗が出てクラクラしてきた〜。扇風機、動いたけど‥‥なんか涼しくないよ〜。だめだぁ運動したら余計身体が暑くなってきたよ」
 そりゃそうだ、後ろ向きに付けられた扇風機に当たる事はできない。そんなニモに呆れたブリッツは自転車を降り再び走り出した。残されたニモも降りると、冷蔵庫を開けっ放しでアイスを食べ始め、のほほんと涼む。地球に優しいはどこへやらであった。
 ようやくブリッツが元のスタジオに戻ってきた。疲れ切って友人宅に辿り着くものの、友人役の豊浦から思いがけない一撃。
「ごめーん、原因はゴキブリやったんや。受話器でつい叩いてしもうた」
「そんなことかよ」
「労多くして功少なしやね」
 がっくり肩を落とすブリッツの横で豊浦が締めくくった。
「いったんCMなのだ! 」


 CM明けに映し出されたのは、積み木を組んでいた椎葉の落胆した顔。
 せっかく彼女の肩の辺りまでの高さまで積まれた積み木は、新たに載せる際、手元を誤り崩してしまったのだ。労力多くしてなんとやら。落胆する椎葉に豊浦が励ます。
「なんや、壊れてしもうてん? しゃーないなぁ。も一度作りぃや。ローマは一日にしてならずやで」
「そうやねんな、ほな、一から行くか」
 テロップで諺の意味が流れ、頷く椎葉。今度は足場を用意して貰いゆっくりと積み上げていく。その隣のキッチンではシャミーの作るお菓子の甘い香が漂い始めていた。
「んー、もうちょっとお時間がかかるみたいなのだ。では次のコーナーいってみようなのだ! 」
 苺の言葉にパッと切り替わった画面。タイツでナイスバディを露わのブリッツとずぶ濡れで異様なほど静かな真田が映る。
「最近のシークレット食玩は買ってもキリがないっすよね。いっぱい買っても全然でなかったり‥‥ってか普通のアイテムでも出てこないものもあったりで本当に大変っす‥‥。まさに、労多くして功少なしの、ろっす」
 先ほどのぶっ飛び行動はどこへやら? 真田はぐっと画面に迫り、まともなお題の発言。スタッフ一同の感心の声が上がる。
 戻るとブリッツと二人、後ろの板のセットによじ登りだす。そこから文字が出来上がるまで前作と同じ早送り。二人が忙しく動き回わっり、文字が整いだすと通常の速さへ戻った。
 ブリッツが作る上部から真田が上手い具合につなぎ合わせ下部を作っている。丁度、真田の頬にブリッツのヒップが当たっていた。
「今の気分はどーなのだ? 潰されてる圧迫感? それとも支えてる達成感ー? 」
「いやぁー最高な気分っす。支えているお尻が、僕の頬を潰してぇ」
 苺からマイクを向けられた真田は、苦しそうでもあるが鼻の下が伸びきっている。すかさず上の段のブリッツに苺はマイクを向ける。
「真田君がこう言ってますがどうですか? つぶしてる優越感? とか、支えてもらってごめんなさいな卑下感ー? 」
 怒り心頭中のブリッツは黙止。仕方なく苺は他に振ろうと、
「ではー、中間の人に対して‥‥えーと‥‥ネタ切れなのだ」
「って、をい! 中間おらんやんけっ! 」
 あははとあっけらかんと笑う、苺にすぱこーんと豊浦のツッコミハリセンが直撃。
「ろ‥‥そういや、まだお題の発言していなかったぜ! 」
 今まで黙していたブリッツは言うが早いか、真田をセットからむしり取り、カメラの前で仁王立ちをする。さすがレスラーだ。どこから持ち出したのか、豊浦がゴングを響かせた。
「ろ、といえばやっぱりプロレスだな。まずは手始めにローキック、そこからロープに振ってローリングソバットぉ! 」
 用意された簡易マットの上で、ろが頭につく技を次々繰り出し、面白いほど真田に決まっていく。
「最後はローリングクレイドル! 」
「ごっふぅ」
「わーん、つー、す‥‥」
 素人相手に本気技はマズイ。そこは手加減しているが真田はもうフラフラだ。豊浦がカウントを取りだすが、真田が手を伸ばしロープを掴もうとする。ブリッツは技を外し、
「ん? ロープブレイクか? 」
 そうなのだ。ロープを掴めばまた技の応酬が待っている。聞かれた真田は手をマットに沈ませた。勝者のブリッツがポーズを取る中、スタッフに引きずられ真田は隅へ運ばれていった。
「さーどんどん行くのだー」
 画面にタイツ姿のニモと牛の着ぐるみのHIKAGEが登場。先発はニモ。
「ロールシャッハテストで〜ハナをかんだ後と言ったら怒られた! の、ろ〜! 」
 素直な感覚は大切だよね〜と、頷いている。不思議ちゃん空間炸裂だ。戻っていきHIKAGEと交代。
「論より証拠のお題を使って、パパやママからしちゃいけないって言われて事をしちゃったらどうなるか、おにいさんと試してみよう! 知らない人について行くは、無理だし‥‥。そうだ! パーティークラッカーを口の中に発射するとかって止められるよね! なら、これだ! さあ、お姉さんたち遠慮せずに! 」
「自分でやらんかいっ! 」
 VTRのネタをここでもやってのける。隠し持っていたクラッカーをずらりと取り出し、お姉さんと出番を待っていた女性陣に向け笑顔で脅迫。言うまでもなく豊浦のハリセンとブリッツのドロップキックの制裁を喰らった。
「キケンな背徳感の初体験感想は、どんななのだ? 」
「あ‥‥良い感じ? けどこ、これが論より証拠‥‥お姉さんを苛めると反撃をされるという事で‥‥」
 当初のネタとすり替わっている。再度、豊浦の鋭いツッコミを受け撃沈。
「あ! シャミーちゃんとチマちゃんの準備が整ったようなのだ! 行ってみよー! 」
 苺は床に突っ伏するHIKAGEを何事もなかったかのように跨ぎ、他の出演者を誘導した。

「私はアップルパイを作ったの。美味しいから食べてみて」
「シャミーちゃんおつかれさん。ほな、いただきまーす」
 メイド姿のシャミーは、かなり苦労して作ったアップルパイを司会と出演者に出した。皆、お腹が空いているのか群がり手に取ると、豊浦の掛け声でかぶりつく。が、表情が一瞬にして固くなった。
「んー、普通なのだ」
「そやね、普通? かな」
「前回のハバネロシューよりは美味しいよ」
「うん、きっとそれより甘いと思う〜」
「え〜、そんなはず無いよ〜」
「なら、食べてみるのだ」
 苺と豊浦は口々に感想を述べる。HIKAGEはフォローのためか前回、食したハバネロシューを引き合いに出すがニモの天然に台無し。納得が出来ないシャミーは反論する。しかも比べられるなんて! 差し出されたパイを一口囓り、納得した。
「う‥‥お姉さん達の言うとおりだわ。反論できないような証拠を突きつけられるのを論より証拠と言うのよね。ちゃんとレピシを見て作るべきね。‥‥頑張ったのにね。これはローマは一日にして成らず? ちゃんと計画を立ててやらないとだよね」
 ぽつりと漏らした。
「ねえねえ、こっちも出来とるで。見に来たってえなぁ」
 先ほどの失敗から足場を使うなど計画的に積み上げていった椎葉。彼女の身長を超える高さに積まれた積み木の上には達磨がひとつ乗かっていた。いや、達磨ではない。隅にいたハズの真田が達磨の着ぐるみ姿でいた。先ほどのセクハラチックな行為に女性の敵! と椎葉に判断され、真田に最期の制裁が下ろうとしている。
「ほな、達磨落とししよかー」
「結局、すぐ壊すんかいな! 」
 椎葉は嬉しげにでかハンマーを持ち出すと、豊浦がツッコむ。が、豊浦もそう言いながらもハリセンからハンマーに持ち替えスイングしている。もちろんブリッツも参戦だ。
「うちから始めるで、お次は豊浦さんな」
「がっしゃんっと崩した人が負けやな」 
「おう! わかったぜ」
 狼狽える真田を余所に一人ずつハンマーで積み木を弾く。
「面白いのだーって、がぅ!? 」
 すぐ横で見ていた苺に、はじき出された積み木が襲いかかり、オーバーな動きで倒れる。軽快な音と共に積み木が下がっていき、最期に達磨姿の真田も弾かれて、皆さん集まった所で、
「まったねー」
 と、出演者全員でカメラに向かって手を振った。