いろはに諺 はの巻アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 0.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 04/23〜04/27

●本文

 サブタイトル:実体験で諺(ことわざ)を学んじゃおう!
 タイトル通りの教育番組である。いや、そのはずだ。何と言おうと。

 プロデューサーの指示により、スタジオ内に置かれた小道具、衣装ケースを覗きこめば、大イベントのパーティーでもするのではないかと、思えるほどの面白グッズばかりが入っていった。
 それはこの番組が回を重ねられた事に喜んだプロデューサが、更に厳選した選りすぐりの変わった物を集めたり、スタッフに用意させたのだ。
 番組としてはそれでも問題がないのだ、趣旨さえハマっていれば。
 そう、この番組の意図は楽しみながら諺を学ぼうというもの。
 和風なセットなども用意され準備は万端。あとは出演者と司会のお姉さんを待つばかり‥‥


■出演者募集
 いろはに諺の出演者を募集します。
 楽しく頓知のきいた芸人さん出演者と番組進行係のお姉さんS’&司会者さん、演出を手伝ってくださるスタッフの方々の応募をお待ちしております。

■演出
 その1 番組開始! 皆さんで「は」の文字を使い、頓知のきいた面白発言&体を張って「は」の文字を作って頂きます。
 その2 各個人、または団体で諺に沿ったコントやドラマ仕立てミニコントなど、お願いします。
 ボケをかましお姉さんにツッコミを入れてもらうのも良いですし、創作ことわざ披露や、体を使いスタントでコントもオッケー。
 とにかく皆様でワイワイ楽しんで番組を作ってください。(これが大事)

 コントの大道具、衣装はスタッフが用意致します。 
 最後に諺の意味をちゃんと説明して終了予定? それは参加された皆様次第!
 用意された諺は、全て使わなくても大丈夫です。 

■お題
 は
「馬脚を現す」 
 意味:秘密にしていた事実が人に知られる事


「掃きだめに鶴」
 意味:みすぼらしい所にいきなり優れたものが現れるという事

「始めよければ終わりよし」
 意味:何事であっても、一番最初が大切という事

●今回の参加者

 fa0427 チェダー千田(37歳・♂・リス)
 fa1136 竜之介(26歳・♂・一角獣)
 fa1340 HIKAGE(18歳・♂・小鳥)
 fa2600 HAKASE(18歳・♂・一角獣)
 fa2721 風間雫(33歳・♀・兎)
 fa3294 (10歳・♀・ハムスター)
 fa3371 豊浦 あやね(15歳・♀・狸)
 fa3510 宝塚菊花(23歳・♀・一角獣)

●リプレイ本文


 クレヨンで彩りよく描かれるタイトルを子供達が元気な声で読み上げる。すぐに画面が切り替わり、和風の背景画と変わったセットが置かれるスタジオが映し出された。
「はぁい、よい子のみんなぁ元気ぃ? お蔵入りの危険をそこはかとなく感じさせながらも、いろはに諺が、はぁじぃまぁるよぉぉ! 」
 いつも通りカメラに向かって挨拶する司会進行役のお姉さん。だが、画面に映るその姿はどこか違和感を感じさせる。チャレンジャーなカメラマンが画面をぐっと寄せ、違和感に挑んだ。
 な、なんとお姉さんだと思われた人物はHIKAGE(fa1340)ではないか!
 普段、出演者として活躍する彼が、今回は髪の長いズラを被り、眼鏡を着用した女装姿で司会を勤めていた。やや離れて見ればイケて見えなくもない。カメラマンは確認するとそっと定位置に戻った。まるで触れてはいけないモノから逃れるように。
「さて今回のお題は、は。皆この番組であんじょ‥‥じゃなくて、しっかり諺を勉強して博覧強記になりましょう。ほな‥‥もとい、じゃあ今回も皆の白眉な答えを期待してまっ‥‥期待してるよ! 」
 もう一人の司会進行のれっきとしたお姉さん、豊浦 あやね(fa3371)も、今回なぜか標準語。その手に愛用のハリセンも握られていない。どうやらいつものツッコミお姉さんを封印して教育番組お姉さんに撤するようだ。
 なんだか早々に怪しさ満載の出だし。
 唯一変わらないのは、後ろに立つ出演者達だけ。いつもの通りにこやかに笑顔を振りまいていた。よく見れば引きつっていたかもしれないが。カメラは離れているのでその表情もあやふやだ。
 さあいろはに諺、はの巻が開始である。


 ご婦人優先が基本。ということで女性用のスカート付き桃色タイツを着用した宝塚菊花(fa3510)、風間雫(fa2721)と葵(fa3294)が、現れた。ぱっと画面が華やぐ。
「あたいは今回初めてのお仕事やから頑張るわ〜。ん〜‥‥お題は馬脚を現す? なんやあたいの事みたいな意味なんやろか? 外と中がよぅ違うて言われとるしな〜」
 コテコテの関西弁丸出しで笑っている宝塚。黙せば知的美人の印象を与えるのだが、喋り出すと総崩れだ。
「こういうバラエティ系の依頼に参加するのは初めてですので‥‥不慣れですが、よろしくお願いします。諺ですと腹を立てる、腹を据える、腹の虫が収まらないに腹八分目に医者いらず? ‥‥なんだか腹系が沢山ありますね」
 こちらは正真正銘の和風美人の風間。やんわりした口調で腹に関する諺を並べていく。どうして腹モノばかりなのかはイマイチ良く解らないが。
「ねー、お姉さん、このタイトルおかしいよー? うまあしをあらわすだから、うじゃないの? 」
「ちゃいまんがなー葵ちゃん。ばきゃくって読むんやで。んもぅお茶目さんまんがな! 」
 そんな 美人二人の間から出てきたのは、可愛らしいという言葉が似合う葵。
 葵の天然をHIKAGEが、胡散臭い関西弁オネエ言葉と緩いハリセンでツッコむ。その視線はこれみよがしに豊浦に送られていたが、豊浦はぐっと堪える。そんな事とはつゆ知らず、葵は進めていく。
「え? ばきゃくって読むんだー? ‥‥こほん、では改めてー皆に楽しく諺を教えるよー。見てねー」
 右手を翻すと空間からシルクハットを取り出した。お得意の手品だ。
「ある日、ボクがお家に帰るとテーブルの上に馬の形をしたクッキーが一杯あったんだー。それをこっそりお部屋に持っていって食べちゃったのー。それでねー余ったクッキーはお母さんにばれないように、ここに入れて隠しておいたんだー」
 空いていた左手を器用に動かし空間から数枚のクッキーを出す。それを右手に持ったシルクハットの中に入れ、
「お母さんが、クッキー知らない? って聞くから、ボク咄嗟に知らないって言っちゃったんだけど、お部屋に戻ってびっくり! だってこんな風にお馬の足が生えてきちゃって‥‥」
 帽子の縁を軽く叩く。とたんに作り物の馬の足がにょっきりと出てきた。
「ボクはびっくりしてお母さんシルクハットを渡したの。そしたらお母さんはおまじないを唱えて、あっという間に出ていた脚がクッキーになっちゃって、結局食べたのがバレちゃったんだー。こんな風に嘘や秘密がバレちゃう事を馬脚を現すって言うんだよー」
 もう一度、叩くと足は引っ込みクッキーが現れた。
 スタッフや出演者達は見事な手品に拍手。葵は嬉しそうにぺこりと頭を下げると、文字作りを開始で早送り。
 縦の十字を宝塚が担当し、その下にある丸を葵が身体を小さくし表す。ここで通常の早さになった。
「はー? 」
 よく見れば横の棒がない。、
「すんまへー、ちごうた。すみませんが風間さん、横ちょの棒をお願いできまへ‥‥出来ないですかー?」 
「え? 私がですかぁ? 」
 慌てて豊浦が若い人にお任せすると言って横で見ていた風間に声を掛けた。突然の依頼にびっくりの様子だがニッコリ微笑み鉄棒によじ登り、三人、声を合わせ、
「はー」
 出来上がりである。


「はーーはっはっ! 僕は竜之介。全身黒タイツ姿でさえも人々を魅了する罪な男さ! タイツを着てはいるが裸一貫の気持ちで頑張るからさ、よろしく頼むよ」
 男性軍、出足早々に竜之介(fa1136)の無意味な笑いが響き渡る。彼らしいナルシスト発言で、お題のはの文字を抑えていく。
「え? お題の、は? はーーはっはっは! 」
「ええ加減にせい!! しばいたろかっ」
 いや、お題発言はこっちだったらしい。反則気味な発言にHIKAGEが態とらしい甘いツッコミ。
「っふ、HIKAGEさん、顔でなければツッコミはおっけーだよ。僕も人形も顔が命だからね。そうそう、お題に沿った小話をひとつ、レディー達にしてあげよう」
 ツッコミどころ満載にも拘わらず、しないHIKAGEに豊浦は苛立ちを覚えるが、ここもぐっと我慢。
 竜之介は前髪をふわさっと掻き上げ、カメラ目線で話し出す。
「早起きは三文の得と言うけれど、僕は毎朝一番のウォーキングは欠かさないんだよね。でも八方美人‥‥どこを見ても完璧な美形芸能人で通る僕だから、朝から声を掛けくるファンが多くって‥‥それが蜂の巣をつついたような騒ぎになってしまい人が集まりだしたんだよね」
 やるせなさげな笑顔で話す竜之介。
 そんな彼の朝一ウォーキングを隠し撮った映像が右端に流れだした。事実はあまりの朝早いため、彼をよく知らないお爺ちゃんお婆ちゃんが、若い男の早朝散歩を珍しがり次々と寄ってくるだけの画。
 端にそんなものがあるとは知らない竜之介は気怠そうな仕草。それも堂に入ったモノだ。
「もう、モテモテで八方塞がりだったよ。嗚呼、美しいって罪‥‥」
 一人悦に入る竜之介にHIKAGEが隠し撮り映像を差し示す。一瞬顔が引きつるが、たちまち復活。
「まさしく馬脚を現すと大変ってことだね。はーーはっは! 」
 腰に手を当て大笑いの竜之介にチャチャをいれたい豊浦。それ以外の出演者達は彼のナルシストっぷりに当てられ言葉も出ない。
「は、HAKASEだよー。みんなぁこんにちはー。お題は、は。春という事でお姉さんに花をプレゼントしよう」
 当てられた毒気からようやく我に帰ったHAKASE(fa2600)が画面に手を振りご挨拶。持っていた桜の花をHIKAGEに差し出しつつ、ハンカチを掛けおまじない。するとあら、不思議。三色団子が現れた。
「いやぁ、やっぱり花より団子かな? 花はあるしね! それは君、お姉さん達だよ」
 ウインクぱちん。
「うわぁ、ちょー甘ーっ! 名古屋名物の抹茶小倉スパのように甘ーいっ」
 どこかで聞いた事のあるツッコミでHIKAGEは捲し立てて身悶え。ツッコミを我慢し続けこめかみピキピキで耐える豊浦をこれ見よがしで煽っている。
「こほん、では気分が良いので先にショートコント。ツルッとマメバトっと」
 その後、HAKASEは両手につけた人形、ゴミバケツの中に立つマナヅルさんと、豆鉄砲をつけられ目を丸くするマメバト君を使いコントを披露。
「やー、昨日の遠足は晴天に恵まれて楽しかったよねー、マメバト君。途中、君が鉄砲で撃たれそうになったけど。これが本当の始めよければ終わりよしだよね」
「あ! 上手い事を言うねー。そうだねマナヅルさん」
「けど、聞いてよマメバト君。あまりに楽しかったから僕は翌日の宿題を忘れちゃってさー、早起きして学校で宿題をしたんだ。なんとか三問までは解いたよ。これが早起きは三問の得だね」
「え? それって意味が違うよ。三問は問題じゃなくて、お金の額の三文なんだよ、マナヅルさん」
「そ、そうなの? けどそんな金額じゃ、ニンジンは買えないな」
「え? ニンジン? もしかして君は! 」
 マメバト君がマナヅルさんを引っ張り人形をチェンジする。ウマ君が登場。
「馬脚を現したのは、マナヅルさんじゃなくてウマ君だったんだね?! 」
 馬の人形は大きく口を開け驚いた表情になる。
「マメバトっとウマっと」
 二つの人形を合わせ決めポーズ。HAKASEがありがとうございましたーと頭を下げ、よく喋りよく動くピン芸人チェダー千田(fa0427)とタッチ。
「はい! トリになりました俺、モザイクと仲良しチェダー千田です。う〜ん狙ってない(ハズ)なんだけどなぁ。今回は教育番組とうことでモザイクはノーでいかなくちゃだなッ。不可抗力以外は! お題は‥‥」
 六角形太フレームの不細工眼鏡で人懐っこい顔を隠し、アヤシイ発言を繰り返すチェダーは傍にいた宝塚を連行し二人カメラ前に並ぶとその耳元に囁きかける。
「‥‥は‥‥入ってイイ? 」
「い‥‥? いやや! 何言うんや! さいてー」
「信じられなーい」
 千田のイヤラシさ全開顔でセクハラ暴言にHIKAGEがモザイクボードでその顔を覆う。猛烈パッシングに前に出てくる女性陣。戸惑うチェダーに逃げ場はない。カメラマンが指で落としてしまえと合図を送った。
「‥‥うわぁ、これぞ八方塞りッ?! 」
 ぴんぽんぱーぽーんっと軽快な音と共にこちらで目の保養をして下さい。と、竜之介が画面いっぱいに花を背負い微笑み立っている。
「はい、ちゃんとやります。コントいきましょ、コント! 掃きだめに鶴! 」
 ようやく顔からモザイクがとれたチェダーだが、その顔はひっかき傷でモザイク気味になっていた。
 タイツの上からアキバ系の服装を着込み、やや前屈み気味に、
「働いたら負けかなと思う」
 一部で有名な名言を再現し、働かざるもの食うべからずの格言に従いぱたりと空腹で倒れた。そこへ白い着物を纏った鶴役の風間と、アキバ系の女神様、メイド衣装の宝塚が光臨。
「いえ、ちゃんと働くべきです。こんな掃き溜めにいてはいけません」
「‥‥正直、あそこの雰囲気にあたいは馴染めんわ〜」
 エコーの掛かった風間の声とメイド姿の宝塚。チェダーの目が輝き、ばりりっとワンタッチアキバ系衣装を脱ぎ捨てると、
「花も恥らう、乙女の貴女達、是非僕とダンスをご一緒に如何? 」
 きらりと歯が輝くサワヤカ系に変身。
「何でダンスやねん! 早うー、人柱‥‥ちごうた、人文字つくるんまんがな」
 豊浦を意識して、間違いだらけの関西弁を炸裂させるHIKAGE。そろそろ限界が近いのか? 豊浦の手が禁断症状を起し始めている。


「はー」
 男性陣の三人が目まぐるしい早送りから普通の速さへと戻り、セットに文字を作り出していた。
 チェダーは、はの十字部分を担当。両手を耳の脇に揃え伸ばしながら不安定な鉄棒の上に寝そべり、頭を上の突起に見立て伸ばした右足に反して左足を下げ、十字を表していた。その下の丸の部分を靴を二足置き補助。
 HAKASEは今回人文字に参加せず、横に立ちニコニコ微笑んでいる。
「おーい、棒線があらへんがなー、どこいったん? 」
「ここ、ここ。やっぱり、痛いイタターーっ」
「え? 僕はここじゃないの? 」
 なんと、縦棒担当の竜之介は十字の縦棒と勘違いというか強引にチェダーの足に捕まっていたのだ。重みで股割け状態となっても芸人魂で耐えていたチェダー。カメラを寄せればなかなかアヤシイ映像となっていた。
「こらー、教育番組にモザイク映像ばかり垂れ流したらあかんがな! 」
 とうとう堪忍袋‥‥もとい本性発揮の豊浦がHIKAGEからハリセンを取り上げ、チェダーの頭に一撃! ついで竜之介に行こうとしたが、
「顔はヤメテ! 人形と僕は顔が命なんだから! 」
「きゅーげつでんねん! 」
「それを言うならヨシトクや! HIKAGEさん。そのにわか関西弁も、どついて直したるわ! 」
 言うが早いかハリセンが空を裂く。
 すぱこぉぉん!
「ぐっはっ鼻〜、鼻曲がってない? 」
 力溜をしていた豊浦は止まらない。HIKAGEの顔にズラも吹っ飛ぶ鋭い一撃! いつものツッコミお姉さん光臨だ。
 これは堪らないと慌てて鉄棒を伝いながら持ち場に着く竜之介。無難にも頭が上であるが、ずっとカメラ目線でスマイルを繰り返し不気味この上ない。
「はー」
 三人、声を揃え文字の完成。
「よっしゃ、すっきりしたところで、さて今回のお題は、は。馬脚を現すやね。それは今のうちの事。秘密にしていた事実が人に知られるという事やね」
 鬱憤を晴らし爽快な笑顔で豊浦が諺の説明。その足下に鼻を押さえのたうち回るHIKAGE。誰もが視界に入れないようにカメラに向かって手を振った。
「まったねー」