いろはに諺 にの巻アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
極楽寺遊丸
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
易しい
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報酬 |
0.7万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
04/30〜05/04
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●本文
サブタイトル:実体験で諺(ことわざ)を学んじゃおう!
タイトル通りの教育番組である。いや、そのはずだ。何と言おうと。
プロデューサーの指示で運び込まれる小道具、衣装は一大イベントパーティーでもするのではないかと間違えるほど、面白グッズばかりが集められスタジオに置かれていった。
そう、この番組の意図は楽しみながら諺を学ぼうというもの。
和風なセットなども用意され準備は万端。あとは出演者と司会のお姉さんを待つばかり‥‥
■出演者募集
いろはに諺の出演者を募集します。
楽しく頓知のきいた芸人さん出演者と番組進行係のお姉さんS’&司会者さん、演出を手伝ってくださるスタッフの方々の応募をお待ちしております。
■演出
その1 番組開始! 皆さんで「に」の文字を使い頓知のきいた面白発言&演技(体を張って『に』の文字を作る)
その2 各個人、または団体で諺に沿ったコントやドラマ仕立てミニコントなど、お願いします。ボケをかましお姉さん&司会者さんにツッコミを入れてもらうのも良いですし、創作ことわざ披露や、体を使いスタントでコントもオッケー。
とにかく皆様でワイワイ楽しんで番組を作ってください。(これが大事)
コントの大道具、衣装はスタッフが用意致します。
最後に諺の意味をちゃんと説明して終了予定? それは参加された皆様次第!
用意された諺は、全て使わなくても大丈夫です。
■お題
に
「匂い松茸、味しめじ」
意味:匂いなら松茸が一番だが、味ならしめじが一番だという事。
「二度あることは三度ある」
意味:同じ過ち、失敗を繰り返さないよう、注意したほうが良いという事。
「鶏は裸足」
意味:言わなくても分かり切っている事
●リプレイ本文
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クレヨンで彩りよく描かれるタイトルを子供達が元気な声で読み上げる。すぐに画面が切り替わり、和風の背景画と変わったセットが置かれるスタジオが映し出された。
「みんなぁ、日日是好日で元気にしてますやろかー? すっかりお馴染みいろはに諺の司会、あやねお姉さ‥‥こほんっユラお姉さんやで! いざという時語彙が見つからんよーなって二進も三進もいかん、な〜んて事にならへんようお勉強や! では行きましょかぁ?」
元気いっぱいで挨拶するあやねお姉さん‥‥もといユラお姉さんこと、豊浦 あやね(fa3371)が今回も司会進行を勤める。
その隣で、なぜか挙動不審に辺りを見回している苺(fa3120)。
「おいら、ホントに司会なのだ? ‥‥まいっかー。今回もおねーさんの予定? 苺なのだ。よろしくなのだ!」
「ナニ、一人で困って、尚かつ納得しとるんや! その手にある腕章にマイクは誰が見てもめっちゃやる気満々なんを感じるで!」
今回、どうも今一つ納得していないらしい苺。だが豊浦のツッコミ通り、その腕には『しかいしんこ〜! ハリセン歓迎!』と、書かれた腕章と愛用のマイクが握られ、一目瞭然。誰が見ても気合いを伺える。
よく掴み辛いボケにもかかわらず豊浦の見事なツッコミ。前回と変わってはなっからぶっ飛ばしな豊浦である。
「さて、今回のお題は『に』や。なんや今回のお題は、ツッコミどころ満載やけど今は黙っとくわ。では文字ぃ君達、よろしゅうに!」
後ろに立つ今回の文字ぃ君としての出演者達に、気合いを一発。さぁ開始である。
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「に‥‥日本の諺教育番組ですか? 懐かしいですね。小学校の頃のこういった遊び心のある番組をよく見てました。本職は違いますが、子供の頃を思い出しながら、皆さんが楽しめる番組にしたいと思います」
「似合いますか? うふふっ。えっとぉ、今回も頑張りますぅ。きゃ! 恥ずかしい」
ピンクのタイツを着用する横田新子(fa0402)は、ディレクターも喜ぶ模範解答で、カメラに向かってポーズを取る。
続くHIKAGE(fa1340)は前回の女装で味を占めたのか、更にバージョンアップな女装姿で登場。化粧も仕草も前回と比べものにならないほど丁寧なうえ、着用しているピンクのタイツには胸パットを仕込む念の入れようだ。
二人は文字作りセットによじ登ると、カタカナでニを表し、すぐにお題に入る。
「では、お題をひとつをやります。苺さんお願いします」
「はいーなのだ、横田さん。実際に二階から目薬を点せるか実験なのだ。因みにここの高さは2m22cmあるのだ」
用意された二階建てのセットに上がる苺。その隣になぜかHIKAGEの姿もある。二人仲良くカメラに向かって手を振ると、下にいる横田に向かって目薬を落とした。が、失敗。距離があるので目薬が入る率はゼロに近い。こんな面倒な事をすることもないのだが、これがこの諺の意味。二回目も落すがこれも失敗。時間の都合上、横田は手に隠し持っていた目薬を自分で点し、
「入りました。ですがやはり遠いと苛々するモノですね。どう頑張っても二階から目薬を差すのは無理です!」
サラリと否定する横田に、当たり前やんかっと豊浦のツッコミ。だが諦めていないHIKAGEは、はしゃぎながらバケツいっぱいの水を窓辺から彼女達に向けてひっくりかえそうとした。
「んもう、あれじゃぁじれったいよね。これくらい多ければ入るよ。きゃ♪」
「するやったらHIKAGEさん、いつものように自分でいってみよー」
豊浦が猛ダッシュで階段を駆け上がり、HIKAGEに一撃。怯んだ隙にバケツを取り上げ、苺に渡すと彼を下まで連れて行く。
所定の位置にHIKAGEを立たせ苺に合図。
ざっぱーんっ
「うおっ!? 冷たーーっ」
大量の水が降り注ぎ、女装していた事も忘れ地の男声で叫ぶHIKAGE。だがすぐに我に返るが、化粧もズラも水浸しでグチャグチャのメチャメチャだ。それでも可愛く上目遣いでカメラ視線で一言。
「いやーん。こんなに大量に水を落としても、目には入らなかったわ♪」
よい子のみんなは真似しないでねっと、テロップが流れる中、HIKAGEはめげずに化粧を直しだす。豊浦は苦虫百匹を噛み潰した顔で、一言ぽつり。
「つ、次いってみようや」
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「に、任務‥‥こんな任務なんて嫌ですよ。本音を言えば、こういう仕事はあまり好きではないです」
始まりからテンションが下がりっぱなしのハディアック・ノウル(fa0491)がぽつりと呟く。そんなウジウジしたノウルにTyrantess(fa3596)が手に持つムチで床を打ち据え凄む。
「睨みつけるの『に』だ。マフィアのクセにグダグダ言うんじゃねぇ」
「違います〜マフィアではありません」
「にやりと笑いにじり寄り、逃げ道を塞ぐぜ」
薄手のタイツが張り付く艶めかしい姿とは裏腹にキツめ口調のロリ声が微妙なTyrantess。悪乗りをしだし、じりじりとノウルに詰め寄る。彼も迫られれば、満更ではないが脅しをかけられているので及び腰で隅へ逃げていく。
「二度とこの俺にそんな態度が、とれないようn‥‥」
「こらぁ、脅しは駄目なのだ。警告!」
見かねた苺がぴぃーっと笛を鳴らし、Tyrantessに赤いカードを見せる。だが、なんかおかしい。
「それは退場カードやんか! 警告は黄色やで!」
「間違えたのだー」
わざとなのか素なのか、またしても分かりずらい苺のボケに豊浦のハリセンが飛ぶ。
「しっかし、マフィアが脅されるっていう画もなんやろうねぇ」
「違いますよ〜、マフィアではありませんってば〜」
追い打ちをかける豊浦の言葉に否定するノウル。恐ろしげなヤンキーかマフィアを地でいく風貌にも関わらずオイオイと突っ伏して泣く姿が滑稽だ。
「同じ間違いが二度あることは三度目もあるかもねぇ? 私も女の子に間違われることも二度、三度? きゃっ♪」
「わーい、マフィンがあるのか! じゅるっ」
「苺さん、涎が‥‥。ええ、マフィアではなく、マフィンならありますよ〜。美味しかったらお店を紹介いたしますよ」
HIKAGEがボケながらも確信的な諺をひとつ。だが苺の聞き間違いに反応したノウルは泣くのを止め、素速く立ち直るとスタッフに預けておいたチョコマフィンの入った袋を苺や豊浦を含む女性陣に差し出しナンパを始める。その隣に何気なく立つHIKAGEは、自分も女の子に見えてナンパされるのではないかとドキドキしながらマフィンを手に取り、ナンパ待ちをした。
「おいしー、けど二兎追うものは一兎をも得ずって諺があるのだ。的はひとつに絞る方が成功するのだ!」
「そんな〜。ナンパ失敗‥‥逃がした魚は大きいって事でしょうか? あぁもぅ嫌です! そもそも私がここにいるのは間違いなんです! 似合わぬ僧の腕立てって、くらい似合わないのですよ〜」
「え? ナンパなマフィアちゃうんか? てっきり鶏は裸足ってな諺通り、まんまや思うたわ」
「でしたら、きっと鶏に靴下を穿かせれば変わるかもしれませんよ。さ! ご一緒に穿かせてみましょう」
横田は先ほどの目薬の実践に続き、鶏と靴下を抱えイソイソと靴下を穿かせようと試みる。いうまでもなく大暴れする鶏。
ノウルとHIKAGEも手を貸し押さえつける。が、コケーっと応戦する鶏の逆襲にあい、蹴りの乱打を喰らった。怯んだ三人の手を逃れスタジオから逃げ出す鶏の後ろにはV字の足形を無数、顔に付けた横田達が呆然と立っている。
「鶏は裸足だけに、分かりきった余計な事はしてはいけない、ということでしょうか‥‥」
「そういうことでしょうねぇ。もしかしたら、私が男性なのは最初から分かり切っているという事かしら?」
「やっぱり私がマフィアということを肯定する意味なのですね‥‥」
「あー、もー暗いっ暗いわ! しっかりしいや! 次のお題よろしくっ」
横田は半泣きダッシュで画面外へ飛びだし、どんよりを背負い壁にのの字を書き殴るノウルとHIKAGE。豊浦は一掃するようにハリセンを振り回し、画面方向を変える指示を出す。
「次のお題を担当するのは、おっきなお友達大歓迎! タイちゃんことTyrantessさんなのだ♪」
「お、おう! じゃ実践お題第三弾だな。諺の匂い松茸、味しめじ。この諺は、匂いは、松茸だが味はしめじが一番という喩えだが、そんなモノは比べなきゃ解らねぇ。実験するから松茸ご飯とシメジご飯を持ってこい!」
「それはタイムリーなのだ。甘いモノの後に辛いモノ。ご飯の食べ比べ対決なのだー。料理は得意のおいらともう一人、ん〜」
Tyrantessが、暴君キャラよろしく次のお題に促す。苺のコメントを聞いた横田が、顔についた足跡を洗い、次のお題へ気持ちも新たにエプロン姿で登場。
「お料理は得意です。作ります」
「では、出来るまでのあいだ、東海ドロップスのお題コントいってみようかー、トリをよろしゅう。お二人さん!」
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「どーも! トリを勤めるのです!」
「東海ドロップスでーーぁぁ」
霧隠・孤影(fa1010)と 雲隠・壱鴎(fa0316)の東海ドロップス。この番組二度目の登場だ。
壱鴎は自己紹介の途中、孤影のニーアタックを食らい画面外へ弾き飛ばされる。悲鳴を上げながらカメラの前を転がっていく、壱鴎を孤影はさっくりスルーし、カメラにぐっとアップで一言。
「忍者のにー!」
「‥‥2カメさんには何とか入ったの、にー!」
転がりながらも2カメさんが、自分を撮っていた事を確認していた壱鴎。さすがの芸人根性だ。
すぐさま文字作りセットによじ登り、文字を作成。早送りにされた画面は、文字が整うと普通の速度に戻される。が、どうも様子がおかしい。横棒の一画が足りない。
「孤影ちゃん、こういうときこそ分身の術だよ!」
「よし、とぉうーです!」
「うわー凄い。孤影ちゃん、どっからどう見ても痙攣した変な子だ‥‥グボッ!?」
壱鴎の孤影に小声で耳打ちすると、懸命に分身を開始。しかし端から見れば、モゾモゾ動く変わった子だ。見かねた壱鴎のツッコミ。
すると孤影の目に殺気が帯び、無言で壱鴎をセットから下ろすと膝蹴りの一撃。そのまま服を剥き、一画に付け足した。
「忍法のにー!」
「‥‥ニードロップが入ったのにー‥‥」
文字が完成。二人はすぐに降り、孤影は床に置かれた忍者服を羽織った。
「孤影ちゃん、そう言えば忍者なんだよね」
「そうです、忍者なのです」
「じゃあ何かさ、術を見せてよ」
「火遁の術です!」
壱鴎の言葉に嬉しそうに胸の前で指で印を結ぶ孤影。おもむろにバーナーを取り出し点火。ぶおーっと、もの凄い音を立てて火を噴く。
「うわっ危ない!? て、言うかそれどう見ても業務用ガスバーナだよ!」
「次は〜」
「できればもっと危くない奴にして!?」
必死に避ける壱鴎を余所に、孤影は可愛く微笑みながらバーナを振り回した後、小さくカイカン‥‥vなどと呟き、次のネタに移る。
「じゃあ、分身の術ー!!です」
「いや、それはもういいや‥‥。うん、だから孤影ちゃん、どう見ても痙攣した変わった子にし‥‥グバッ!?」
壱鴎のあまりの言い種に、孤影は三度目の膝蹴りを見舞う。
「二度ある事は三度あるの、に〜」
「‥‥人間万事塞翁が馬。─―劉安‥‥にー」
なにやら難しいたわ言を呟く壱鴎をスルーし、孤影はお辞儀をすると相方を引きずり退場した。
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「孤影さん、壱鴎さんおおきにー。東海ドロップスでした。お? ご飯が炊けたやろうか?」
画面は切り替わり映し出される豊浦。スタジオ内は、とても良い香りが漂っている。
「私はしめじご飯を作りました。どうぞ皆さんご試食ください」
皆ワイワイと横田の調理したしめじご飯を食べ出す。誰もが美味しいーと褒める中、苺もようやく炊きあがったごはんを持ってきた。
「できたのだー、横田さんのシメジご飯に対抗して舞茸ご飯なのだ! こっちもどうぞなのだ」
「なんで舞茸なん? さっきもマフィンと聞き間違えてたし、二度あることは三度ある。こっちでも実践かいな!」
「んー? 三度目‥‥? 三度目の正直者はなんとやらなのだ! 」
「はぁー? それを言うなら正直者は馬鹿を見るやー! しかも上の二度あるとも、三度目の正直とも繋がらんやろー」
豊浦のハリセンが苺のボケ倒しに炸裂。
だが、このボケ倒しにもう一つツッコミを入れるTyrantess。
「おい、なんで舞茸ご飯なんだよ。松茸だろっ! 諺は匂い松茸なんだぜ!」
「まー折角作ったのだから、食べてみるのだ」
ややキレ気味のTyrantess。だが一口、食べた途端表情が一転した。
「う、美味いじゃねーか。シメジも美味いが舞茸もいけるなぁ。今度から匂い松茸、味舞茸しめじだな」
「そりゃあかんやろっ」
勝手に諺を変えようとするTyrantessに豊浦の一言、さらに、
「なんでそもそも、お題が匂い松茸、味しめじやねんっ! 憎まれっ子世に憚るやら、肉を切らせて骨を絶つに日進月歩‥‥ネタになる諺がぎょーさんあるのに、これ自体、ディレクターがウチに振ったボケなんかと勘ぐりたくなる程や!」
ディレクターに当たることが出来ずにいる豊浦は、苛立ち紛れにハリセンを振り回すと、横で跳ねていた孤影を掠める。咄嗟に避けた彼女のニーキックが壱鴎とHIKAGEに盛大にヒット。悲鳴を上げる間もなく突っ伏する二人。
「ま、またねー」
他の出演者達は、そんな二人をあららという顔で眺めるが、豊浦と苺の最期の締めの言葉に笑顔でカメラに向かって手を振った。