ご当地★HERO福島編アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 極楽寺遊丸
芸能 3Lv以上
獣人 フリー
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 04/10〜04/12

●本文

 今週もやってきました、毎度お馴染みご当地HERO。七回目は東北地方最後、福島県。
 やはり寒さはまだまだ続く東北。それでもゆったりと春の足音が 山の向こうから聞こえだしていた。
 番組制作に携わる若手ディレクターとその一行は福島県の観光名所、凛と聳える真っ白な美しい城、会津若松城の一画に設けられた茶屋で、歴史に思いを巡らしながら、抹茶椀を手にほぅっと深く息を付く。
 彼らは仕事という名目で会津観光をしていたようだ。
「御薬園に飯盛山、新撰組総長のお墓参りにお寺巡り‥‥満足して頂けましたか? ディレクター」
「もちろん、次は町中にある旅籠跡に‥‥」
「「「えぇ〜〜?!」」」
 どうやらディレクターに付き合わされさんざん歩かせられたスタッフ達は不平の一言。
 それでもまだまだ足りないらしいディレクターは、観光マップを手に次の場所へと移動しようとする。が、いい加減、中堅スタッフから注意が入った。
「そんなに観光をしたいのでしたら、福島HEROと一緒にしましょうよ。そろそろ募集して撮影に入らないと不味いです」
「ん〜〜、それもそうだね。解ったよ。ではお仕事開始ぃ。えいえいおー」
 腕を高々と振るい上げ、ひとまず地域情報誌を手にご当地HEROの募集とロケへ向かった。


■出演者を募集いたします。
 若手ディレクター企画『ご当地HERO★福島編』に出演して下さる方を募集致します。
 この番組は『地域密着エンター風旅番組』で、挙げられた土地に因んだヒーローや悪役を募集しております。
 面白そう、この土地は任せろ! っと思った方、またディレクターのクルーとして参加して下さるカメラマンや裏方さんも同時に募集しております。
 皆様の手で楽しく地域を紹介し、視聴者してくれる方が行きたくなるような旅番組に仕上げて下さい。
 では若手ディレクターと共にご参加をお待ち申し上げます。

■注意点と決めて頂きたいこと
・『ご当地HERO』とは地域密着型英雄で、主な仕事は地域の観光地アピールや特産物の紹介など、そしてたまに悪者を戦う事と、様々な仕事を請け負っています。
 彼らの名前や容姿、着ているもの、その他に方言や設定、人数など細かな点を皆様でお考えください。
 また同じように悪役もご一緒に宜しくお願いします。
 その場合は、必ずその地方の特産物や地域名をもじったものでお願いします。【例:埼玉HERO★ カスカビーレッド、イワッキグリーン。悪役 ソウカ堅ヤッキー等】
 なお、皆様の考えられた面白キャラクターを生かしたいとので、実在するものの使用は禁止いたします。
・この番組は特撮ではなく、彼らが戦うばかりを要求していません。仲良く名産品や名所を案内して頂いてもけっこうです。
 その場合、近場でしたら行けますが、遠距離はVTR編集となります。
・できれば最初は『道の駅』からの登場。ここは電車の止まる駅ではありません。
 そこから担当する地域をご紹介ください。また必ず指定した県のアピールをお願いします。他県を紹介されても反映することが出来ません。ご了承ください。
・喧嘩の無いよう楽しんでお決めください。(これが一番大事)

■ディレクターが調べた簡易な 情報
・鶴ヶ城 美しい城と城跡。城内は歴史博物館となっている。
・飯盛山 戊申戦争時、若い命を散らした白虎隊の隊士達が眠る山。
・野口英世氏 福島を代表する著名人。
・こづゆ 百年以上も続く伝統食。
・喜多方ラーメン 

 ディレクターが独自に調べたモノです。内容をもっと深く掘り下げて使うもおっけー、また使わず新たな名物HEROになって下さってもおっけー。
 皆様のお好きなHEROになってくださいね。

●今回の参加者

 fa0075 アヤカ(17歳・♀・猫)
 fa0179 ケイ・蛇原(56歳・♂・蛇)
 fa0361 白鳥沢 優雅(18歳・♂・小鳥)
 fa0750 鬼王丸・征國(34歳・♂・亀)
 fa0791 美角やよい(20歳・♀・牛)
 fa3251 ティタネス(20歳・♀・熊)
 fa5082 鷹飼・源八朗(19歳・♂・鷹)
 fa5113 豊田せりか(16歳・♀・犬)

●リプレイ本文

●悲しい現実から始まるご当地HERO
 日本全国津々浦々、その土地に住むHEROが紹介するエンターな旅番組『ご当地☆HERO』のタイトル画面が現れ、今日紹介する福島県の上空が映し出された。
 まずは県の南に位置する塙町にある道の駅『はなわ』から。
 ここは利用する人に潤いと安らぎを与える事をモットーに河川を利用した自然が溢れた休憩サービス施設。建物の前にあるベンチに座る農夫姿をした初老HERO。
 会津木綿の着物を尻っぱしょりした彼は、手拭いをほっかむりした頭を抱えている。
「‥‥どうも他県のHERO達から聞けば、あちらこちらで過疎化が進んでるらしい。ここ福島も切迫しているようだ。‥‥食い止められないものか」
 役に填るよう口調を変え、呟くケイ・蛇原(fa0179)こと、はなわの竜タゴンサーク。どうやら年々増加する郷土離れを真摯に受け止め悩んでいた。
 そこにつけ込む悪HERO登場。
 マントを翻しモノクルを付けた、お馴染み悪役HEROを演じる鬼王丸・征國(fa0750)が蛇原の前に現れた。
「ぬあははは! わしの名はこづゆ味将軍じゃ。それが現実というものお主一人で悩んでいても何になる? どうじゃ、わしにそのこんにゃくを馳走してくれれば、力を貸すぞ」
「解った。この塙町特産である刺身こんにゃくを進呈しよう」
 ご当地が盛り上がる為ならばアッサリ承諾し横に置かれた皿を差しだす蛇原。鬼王丸は、皿に盛られた刺身こんにゃくを柚子味噌に浸しツルッと口に入れる。とたんに態とらしい程の大絶叫。
「う、美味ぁぁい! これは美味いぞぉぉっ」
「そうでしょう、これはワシが丹誠込めて作ったこんにゃく芋から、特に上質なものだけを選りすぐり固める為に必要なカルシウム以外は添加せず仕上げたものですから。今は食物繊維を豊富に含む低カロリーアルカリ食品として見直され、食べやすく仕上げてあります」
 鬼王丸の反応に曲がった腰をムギっと上げ、笑顔で頷く蛇原。瞬く間に平らげ満足顔の鬼王丸がにやりとすると、
「では願いを叶えてやろう。ちちんぷぷい〜あっち向いてホイ」
 みょうちくりんな呪文を唱えた。スタッフは笑いを堪えながら効果音を流す。次の瞬間、人の良さ気なHEROが竜の着ぐるみを被り鍬を振り回す、おっかない悪HEROへと変身してしまった。
「ぬぉぉぉ〜〜嫁に来い、婿も来いぃぃ! ライフサイクル! チ、サン、チ、掌!」
 雄叫びを発し、もの凄い勢いで北へと走っていく。
「こ、こりゃ! わしも行くぞぉ」
 置いて行かれた鬼王丸はイソイソと後を追っていった。
 今回はいつものドタバタな趣旨と些か異なり、深刻な社会背景のよう。さてどうなる、HERO達よ?!

●猛ダッシュ!? HERO対戦だ☆
 悪HEROが向かったのは元気と憩いがモットーの道の駅『ならは』だ。
「うぉぉ〜、ここにもいっぱい観光客がいる。そこのお嬢さん、嫁に‥‥旦那がいるなら一緒に住んでみませんか?」
「なんじゃぁこのソフトクリームはぁ?! 甘さの中に仄かに鮭の風味が舌をサッパリとさせる。う、美味ぁい」
 竜の着ぐるみからヌッと顔を付きだし、そこ行く観光客を勧誘しまくる蛇原。その間、鬼王丸は名物のウィンディランドソフトクリーム(鮭味/冬限定版)を一口食べると、大絶叫。
「ようこそならはへ! と言いたいけど、強引な勧誘や突然大声を出すのは迷惑だから止めよう。そぉれ!」
 しゅるる〜〜どぐ。
 掛け声と共に打ち込まれたスパイク。危ういところでかわす鬼王丸が、前を見ればスポーティーなHERO、スポルティーバJに扮するティタネス(fa3251)が仁王立ちしていた。
「ここサッカー日本代表も活用しているナショナル・トレーニングセンター『Jヴィレッジ』のある所。一通りのスポーツが出来るよう完備され、勿論、合宿施設もある。ホント、スポーツ好きには堪らない所だよ。けどそればかりじゃなくキャンプやサイクリング等、アウトドアも出来る『天神岬スポーツ公園』があり、夏は海水浴リゾートも楽しめるんだ。一通り遊んだら施設温泉で汗を流しリラックスするのいいよね。‥‥そぉれ、もう一丁!」
 ぶばしぃん!
 横ちょに立つ金糸の髪を黒子頭巾で隠した青年が再度、ティタネスにトスを上げる。彼女は水色のサッカーユニフォームを翻し、ラグビーのショルダーやバスケ用の膝当て、そしてサイクリングに使う長いヘルメット&ゴーグルなど沢山のスポーツ要素を含ませた衣装の重みをモノともせず高々と飛び、力強いスパイクを悪HEROの脇スレスレにキメた。
 二度もされて黙ってはいる悪HEROではない。
「こりゃぁ、ソフトクリームが落ちてしまうではないかっ! 食い物の恨みの恐ろしさをとくと見せてやる。むぁてぇー」
 鬼王丸がもの凄い形相で突進した。流石のティタネスもたじろぎ逃げ出だし道の駅を後にした。
「‥‥人が勧誘している間にどこへ行くんですか? 待ってください」
 置いて行かれた事に気付いた蛇原は手にしたラバー製の鍬を振り回し後を追う。そこで一旦映像が切れ、次の道の駅・盆地を一望できる峠にある『つちゆ』の道の駅へ到着したシーンから始まった。
 息を切らせ長く走ってきた風を装う(本当は途中からロケバスに乗った)ティタネスと追ってきた鬼王丸、そして蛇原。そんな彼らの横にもう一人、風を切って走る影がある。
 車? いや馬。‥‥なわけない。ふくしまホースクィーンに扮したアヤカ(fa0075)だ。
 彼女は馬の頭部の着ぐるみを被り、フリルがたっぷりと付いた桃色のミニスカワンピから高々と足を上げ走っている。幾重にも重ねられたペチコートが邪魔をし、残念かなサービスショットはない。
「ニャは☆ じゃなくて‥‥こほんっ! 待っていたよー、ようこそつちゆへ☆ 何人たりともあたいの前は走らせませんわよ!」
 どごーんっ!
 蛇原と鬼王丸の間に体をねじ込み体当たり。これは斜行判定どころではない。が、まぁ競馬ではないので大丈夫だろう。
 吹っ飛ばされた二人は芝生の上にぶっ倒されると、前を走っていたティタネスは殺気を感じ足を止めた。そこでアヤカも足を止め語り出す。
「みんな止まったところで、競馬と福島競馬場のお話をしよう。福島市にある競馬場で開設は1918年に建てられ、初開催は同年6月。その後、97年にリニューアルし個性豊かなレースが行われるようになったんだよ。なかでも3ヶ月間、24日間に渡って開催されるドイツのバーデンバーデン競馬場と提携した交換競走が迫力があって素敵だよ。05年4月9日の第9競走では公営競技史上初めて巨額の配当が発生んだって。すごいよねー。一攫千金も狙えるんだねー。あ、それでね‥‥」
「ぜーはーぜーはー‥‥疲れている耳元に一気に捲し立てられると、しんどさを倍増させられのぅ。ちぃっと黙ってくれんか。さもなくば馬肉にして食べてしまうぞ‥‥。あぁ美味そうじゃな。走って小腹も空いちょるし‥‥」
 アヤカにとっては血の気が引く程恐ろしい言葉をあっさりと吐く鬼王丸に賛同し頷く蛇原。
「馬刺で町興しをすれば人が増えるかも知れない‥‥」
「きゃー、悪HEROが恐い事を言いだしたー」
 危険を感知したアヤカは、追い馬から逃げ馬に変じて逃げ出す。
「待ってホースクィーン。陸上競技ならあたしも負けないよ!」
 そんな中、勝負を挑むティタネス。なんだか収拾が難しくなりだした所でCMへ移った。

●正しくご当地HERO
 温かな陽光と新芽をみせる木々。ようやく春の兆しが見えるここは観光名所、会津若松の鶴ヶ城だ。
 男性用スーツの上にコートのような長い白衣を纏った美角やよい(fa0791)が、観光客に混じり城内を散策していた。
 見上げた視界に陽光が入り、メタリックな造りをした左手で光を斜すと、カメラ向かって語り出す。
「こんにちはみなさん、私の名はプロフェッサー・英世と申します。早速ですが私の故郷の猪苗代湖と、福島が誇る偉人の縁ある場所を紹介しましょう」
 堂々とした面持ちで話す美角。彼女の言葉に合わせVTRが流れ出した。
 映し出されたのは、美しい澄み切った水を湛える湖面。
「この猪苗代湖は県のほぼ中央に位置し、面積103km2を有する日本第4位、酸性湖としては第1位の大きな湖です。数十分程行くと、私の体に組み込まれた遺伝子‥‥偉大な医者である野口英世氏の実家を当時のまま保存し展示した、野口英世記念館があります。昭和14年5月に開館し、昭和29年に福島県第1号の登録博物館となりました」
 近代的な博物館の下にひっそりとある茅葺き屋根の農家。他にも様々な展示品があり、彼の研究と生涯が細かく解説されている。
 一通り映すと画面はまた替わり、次は町中にのびる『野口英世青春通り』へ移動した。
 カメラはゆっくりと通りを進み、初恋の相手の実家や木造の教会など縁のある建物を映す。最後に橙色の瓦が目を引く『会陽医院跡』で止まった。
「ここは野口英世が医学者として出発した会陽医院。彼は左手の不自由を作文で訴え人々の好意を受け、若松会陽医院で渡部鼎医師の手術を受けました。それは明治25年、15歳の時です。英世は医師に感銘を受け夢を心に誓いました。どうでした? 彼の偉業についてもっとお知りになりたい方、どうぞ足を運んでください。私、プロフェッサー・英世が責任を持ってご案内致しましょう」
 優美な笑みを浮かべ、左手を振る美角。画面は穏やかな雰囲気に包まれている所に元気一杯な声が響いた。
「おぉぉ、ここにも観光客がいるな。嫁に来ぉい、婿でも構わん!」
「ここの美味いモノはなんじゃー!」
 真顔で走ってくる女性HERO達と、なぜかその後を追う悪HERO。しかも人目を憚らず大きな声で互いのキメ台詞を撒きながらだ。驚き、後退る観光客達。
「福島の平和を乱す者は私が許さない。とぅ!」
 すちゃちゃ。
 そこに飯盛山からの使者、詰め襟に袴、頭に付けた白い鉢巻きが眩しい会津ホワイトタイガーこと、鷹飼・源八朗(fa5082)が特別許可を貰った石垣の上から飛び降り、見事な着地を決めた。
 見ていた観光客とふくしまホースクィーンにスポルティーバJ、そしてプロフェッサー・英世は拍手喝采を送る。
 鷹飼は恥ずかしそうに沈めると、
「私は最後の武士と謳われる会津魂から生まれたHERO! 幼き頃より伝わり習う決め事、それは『ならぬ事は、ならぬもの』! 人に無理強いは良くない」
 鷹飼は小走りで蛇原に詰め寄ると背負ったラバー製刀を抜き、上段から打ち込んだ。
 蛇原も咄嗟に鍬で応戦。勿論前もって殺陣の打合せをし、その通りに上下、左右っと合わせて動いていく。
「‥‥私の力の源、白虎隊とは方角の守護神とされる空想上の動物、玄武、青龍、朱雀、白虎隊からその名が付き、国を二分する程の戦、戊辰戦争へ行った。そんな彼らの強く熱い藩を思う気持ちを借り、悪を倒ぉす! タイガー突きぃ!!」
 ブバシィン!
 しっかりと殺陣をしながらも鷹飼は長台詞をこなすしていく。最後は打合せ通り彼が剣を振り上げ、蛇原と鬼王丸に向かって必殺技を放った。
 合わせて効果音が聞こえ悪HERO達は大袈裟に倒れこむ。
「‥‥くっ、ここで諦めてしまうと福島のか、過疎が‥‥」
「絶望のどん底にいると想像し、泣き言を言って絶望しているのは自分の成功を妨げ、その上、心の平安を乱すばかり。‥‥野口英世もこう言っている。そして努力だ、勉強だそれが天才だ。人の倍も勉強する者‥‥それが天才だとも。ここはご当地HERO達が努力し盛り立てて行かなくちゃ」
「そうだよ、もっとスポーツも盛んにすれば、若い人も集まってくるはずさ!」
 傷つき転がる演技の蛇原に優しく手を差し伸べ、起こす美角。ティタネスも鬼王丸に手を貸しマントの汚れを払う。
「さぁ、みんなで仲良く町興しをしよう! お腹が空いていたら出来るモノも難しくなっちゃうよ。僕の作ったラーメンを食べて頑張ろうよ」
 コックスーツに身を包み湯切り笊を手にしたHERO、喜多方ラーウーメンこと豊田せりか(fa5113)が、特設屋台を黒子HEROと共に率いてやってきた。
「ら、ラーメンって‥‥あちこちでご当地名物として扱われているけど‥‥」
「そうだけど、喜多方ラーメンは日本一! 文句はうちのラーメンを食べてから言ってくんなぁ」
 丼に熱々のラーメンをよそい、割り箸と一緒に馬の着ぐるみを被るアヤカに渡す。
 勿論出来る端から敵味方関係なく配る予定で、じゃんじゃか麺を茹で、スープを作る屋台の中の専門家。
「‥‥スープは豚骨と煮干しのベースを別々に作り、それを微妙な匙加減でブレンドしたモノを使う。淡泊だが強い醤油味が特徴だ。麺はスープに良く合い加水率が高くコシが強い太めの平打ち縮れ麺を使用する。そしてもう一つの特徴は大衆食堂のように家庭的な店構え。誰でも気易く味を楽しむ事が出来る! 福島に来たら食べにおいでー」
「おぉぉ! 縮れ麺に濃厚なスープが良く絡み相性抜群! う、美味ぁい! わしもしっかりと福島を紹介していくのじゃー」
 またも大絶叫する鬼王丸。隣では竜タゴンサークこと蛇原も改心したように着ぐるみを脱ぎ、元の人の良い初老HEROとなり、ティタネスと共に郷土料理マミーすいとんと手作りこんにゃくを観光客に渡していった。
 勿論、会津ホワイトタイガーもしっかりとお手伝い。
「自然を大切にするだけでなく住み良く、程よく手を加える。それが本当の共生の形。実現させるのがある意味、理想郷ですが、福島は目指して進んでいくのです」
 蛇原の理想に強く頷く美角であった。