【GANG】レコーディングアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 葉月十一
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 5.5万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/15〜10/17

●本文

●debut maxi CD 『BLUE』
1.BLUE NOTE
2.You are all my life
 All Written & Composed & Arranged By Wataru Suzaki
3.タイトル未定

○BLUE NOTE

あの夏の空に 浮かぶ白い入道雲
突然の雨が 僕達を世界から切り離した
今まで 気付かなかった想い
時計の秒針は 戻せずに未来を刻む


あれから何度も喧嘩をしたね いつも
憎まれ口ばかり叩いて
けれども心は振り子のように ずっと
高鳴る鼓動を抑えるのに必死だった

赤い夕陽 影が伸びる
校庭の片隅でふざけ合う君の笑顔
胸を刺す 痛みのワケ
幼かった日々が終わりに来たことを僕は知る



あの時の空は今も覚えている
どこまでも澄みきっていて
走馬灯のように思い出すのは いつも
向日葵のような輝く笑顔

立ち止まって 振り返れば
風が君の髪をイタズラに掻き回していて
はしゃぐ声 何気ない表情が
溢れる気持ちを零した

青い空の下 追いかけた幻が
突然目の前に 現れて僕達を繋いでく
変わらぬ 想いを口に乗せて
静かに目を伏せ 二つの影が重なり合う

あの夏の空を 僕はまだ覚えてる
眩しげに目を細め 互いに見つめ合った記憶
今まで 忘れたことはないよ
予期せぬ衝動と 交わした約束の意味を


○You are all my life
すれ違う人ごみ ふと目に付く背中
どんなに気持ちを抑えても 視線はあなたを探してる
遠ざかる声さえ 記憶に蘇る
忘れたことすらない程に 心は今でも囚われて

ずっとそばにいられるんだと 理由(わけ)もなく信じていた

あなたがいなくなるなんて 信じられなかった
この胸に宿る想い今はまだ消えない

待ち続けた日々を ふと振り返ってみる
あなたの笑顔を見ることが 私にとっての幸せで
まわりの雑音も 何も聞こえなくて

一人考え続けた時間(とき) 静寂の夜が続く

涙はもう涸れ果てたけど それでも今でも
あなたを愛することに 躊躇いさえないの

あなたに逢えるなら 何もかも捨てていい
壊れた万華鏡 瞳に焼きつけて
笑われてもいい 怒られてもいい
歌いながら あなたの腕の中へ

あなたの隣にいたい それだけが願い
喜びも悲しみも 分かち合いたいから
見上げた夜空の星 繰り返す瞬き
何度生まれ変わっても あなたを愛します

Lalalalala‥‥ lalala‥‥
Lalalalala‥‥ You are all my life FOREVER


●レコーディング要綱
 各曲に関して、それぞれのパート、及びコーラス部分をグループで話し合って決めて下さい。
 曲調は一曲目は高音を聞かせたミディアムテンポ、二曲目は少し物悲しいバラード調ですが、アレンジに関しては自由にして構いません。
 なお、三曲目はグループで協力して一曲を作るようにして下さい。

●今回の参加者

 fa2122 月見里 神楽(12歳・♀・猫)
 fa2726 悠奈(18歳・♀・竜)
 fa3661 EUREKA(24歳・♀・小鳥)
 fa3728 セシル・ファーレ(15歳・♀・猫)
 fa4339 ジュディス・アドゥーベ(16歳・♀・牛)
 fa4823 榛原絢香(16歳・♀・猫)
 fa5302 七瀬紫音(22歳・♀・リス)
 fa5939 祥月 暁緒(19歳・♀・兎)

●リプレイ本文

●スタジオ入り
「おはようございま〜す」
 元気のいい声で挨拶をしてスタジオへと入ってくる少女達。その表情は一様に硬く、皆緊張している様子が窺えた。
 それも仕方がない。
 何しろ、これから自分達がアイドルグループ『GANG』としてデビューするためのレコーディングをするのだ。緊張するなという方が無理だろう。今までの経歴から場慣れしている者も、この時ばかりは逸る気持ちを抑えるのに精一杯だった。
「レコーディングが先に来るなんて思わなかったよ〜」
 へにゃり、と苦笑する月見里 神楽(fa2122)。
 渡された曲を練習するのに、声が楽器という事を改めて理解した彼女は、声を壊さないように練習するのが大変だったと語る。
 笑みを見せる彼女とは対照的に、いまだぼんやりした表情の祥月 暁緒(fa5939)。
「‥‥合格なんて、まだ夢のようです」
「何言ってるの、暁緒さん凄かったじゃない。私こそ足引っ張らないよう頑張らないと」
「そうですね。皆さん、頼もしい仲間達とともに、力を尽くしていきます」
 軽く肩を叩く神楽に、暁緒はキュッと引き締めた表情を向けた。
「本当に‥‥私も、多くの人に勇気を与えられるよう頑張ります!」
 なにしろこの年でアイドルデビュー出来たのですから。
 グッと拳を握るEUREKA(fa3661)――31歳、バツイチ――は、自分自身奮起するように声を出す。皆、周りを見渡せば自分より年下ばかりだが、ここで怖気づくわけにはいかないのだ。
 そこへまた一人、元気良く挨拶をした悠奈(fa2726)が入ってくる。
「おはようございます! 『GANG』としての初仕事、頑張るね!」
 スタッフに爽やかな笑顔を向けることを忘れない。なにしろ、今この時から自分のアイドル人生は始まっているのだから。
 すっきりした普段着で向けられた彼女の笑みに、何人かのスタッフの頬が赤く染まる。
「ふぅ‥‥オーディションの時とはまた違った緊張感がありますね〜」
 先にスタジオ入りしていたジュディス・アドゥーベ(fa4339)は、刻一刻と迫る本番の時間を前に、何度も歌詞を読み返していた。
 今回、メインを担当する曲があり、更にソロもあるので緊張はいっそう増す。そんな彼女の元へ同じ曲を担当する悠奈が近付いてきた。
「き、緊張するね〜」
「ええ、本当に。でも、これからですよね」
「うん。これが終わったら、本当にデビューするんだから」
 会話しつつ互いの緊張を解す二人。そこへ七瀬紫音(fa5302)も緊張を解そうと会話に入ってきた。
「あ、紫音さん」
「‥‥本当に私がメンバーで、いいのでしょうか‥‥?」
 オーディションが終わり、自分がメンバーに選ばれた時、彼女は喜びよりも戸惑いの方が強かった。まさか自分が、という思いが今もまだ胸の内にある。
「大丈夫ですよ」
「そうだよ、だって折角須崎さんが選んでくれたんだから」
 ジュディスと悠奈、二人の言葉に僅かに笑む紫音。
「ええ、それは勿論解ってます。それに皆さんと歌えるのは楽しいから‥‥そうだね、今はそれだけを考えます」
 その時、最後の二人がスタジオへ勢いよく入ってきた。
「はぁ〜間に合った〜」
「絢香さん、選ぶのに時間かかりすぎですよ」
「そんなこと言ってもどれも美味しそうだったんだもん」
 セシル・ファーレ(fa3728)の文句に、榛原絢香(fa4823)は軽く舌を出して謝罪する。彼女の手には、近所で評判のケーキ屋の箱が握られていた。
「えへへ、じゃーん。差し入れと思ってケーキ、買ってきたんだよ。全員分あるから、休憩とか合間にみんなで食べようね」
「わー気が利く〜」
 差し出された箱に神楽がはしゃぐ。
「お茶もお持ちしましたから、終わった後にでもお茶会しましょうか。メンバーの皆さんと結束を固めたいと思いましたから」
「美味しそうね。声を使うから、お茶も甘味もいいかもしれないわね」
 差し出された数種類のお茶っ葉を見て、EUREKAが嬉しそうに品定めをし始めた。どうやら彼女らの登場で、場の緊張感が一気に和んだようだ。
 そんな彼女らの様子を、プロデューサーである須崎渉(fz0034)はただ苦笑しながら眺めている。その視線に気付き、絢香はチラッと彼の方を見て尋ねる。
「あ、あの〜須崎さん、甘いもの食べれます?」
 なんとなく苦手そうなイメージを持っていた絢香だったが、そうでもない、と彼は答えた。
「好きと言うほど食べはしないが、嫌いではないな」
 思わずホッと安堵する彼女。
「さて、それじゃあ全員揃ったことだし、そろそろ始めるぞ。最初に一通り流した後、細かい部分をチェックしてから本番録りだ。気を抜くことなくしっかりやれよ!」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
 全員の返事が元気よく響いた。

●1.BLUE NOTE
 メインボーカルを担当する事となったセシル、絢香、紫音、神楽がそれぞれのマイクの前に立つ。他の四人はコーラスのため、一つのマイクの前だ。
 ヘッドフォンから流れてきたウィンドチャイム。
 リズムを刻む中に聞こえる抑えめの伴奏に合わせる形で、まずセシルのハイトーンボイスのソロから始まった。空に伸び上がるように響かせる彼女の歌声に合わせて曲が流れ、ソロが終わる瞬間から、一気にミディアムテンポの曲調へと変化していく。
 明るい伴奏の中、続く絢香の弾むような歌声。アコギの声を引き立たせ、どこか可愛らしいメロディラインを思わせる。
 そのままセシルが加わり、二人のユニゾンを綺麗に響かせていた。
 そして繰り返すサビに入り、四人全員の和音を重ねていく――被るコーラスとともに。
 続くソロは紫音の番になり、一番とは一転してしっとりした歌声だ。安定感のある声色に合わせて曲もまた続く。神楽のパートになり、幼い声がどこかノスタルジックさを思わせた。
 そのまま、二人もユニゾンへと突入する。綺麗に響かせ、なるべく調和を大切に歌う事を心がけて。
 そして、最後のユニゾンへと突入する前の間奏。
 ピアノの音が鳴り響く中、四人は互いに顔を見合わせた。視線だけでそれぞれの思いを確認する。
 そのままタイミングを合わせて最後のハモリを。
「あの夏の空を〜♪」
 希望に満ちた明るい声を重ね、彼女達は満足げに最後の音を紡いだ。

●2.You are all my life
 続いて、二曲目のレコーディングの時は、マイクの位置を入れ替わった。EUREKA、ジュディス、暁緒、悠奈がそれぞれに立ち、他がコーラス用のマイクの前に立つ。
 流れてきたのは、透明感のあるバイオリンの重奏とピアノの音。どこかエキゾチックなメロディラインのバラードだ。
 哀愁を帯びた曲の最初に声を乗せたのは、EUREKAと暁緒のユニゾン。切ないながらも愛しい気持ちを込めて二人は歌う。
 次パートではジュディスと悠奈に代わり、少し盛り上げる形で歌を綴った。
 そして最初のソロであるEUREKAの番になると、メロディも弦楽器のみとなり歌声を引き立たせる構成へと変化した。伸びやかに響く歌声に合わせ、弦の音が透明感を伝える。
 そのまま、四人でのユニゾンを経てハモリへと変わり、最後は八人全員でのコーラスとなった。
 僅かな間奏の後、ジュディスのソロが始まる。元々ガーナ出身の彼女にとって、この曲調はひどく馴染み易いものがある気がした。
 そして、悠奈とのユニゾンで響かせるハーモニーが続く。
 やがてゆっくりと、だが徐々に切なげに盛り上げるメロディを受けて、四人のユニゾン、ハモリが続く。早くなるテンポの中、悲しみの中にも希望を見出せるように暁緒がソロを高らかに歌い上げる。
 続くハーモニーの後、悠奈のソロになると一旦テンポもスローダウンしてから、八人のハモリへと続いた。そのまま、バイオリンの音とともにメインの四人がユニゾン気味に揃え、残りの四人のコーラスを乗せていった。
 そして。
「You are all my life FOREVER♪」
 ゆっくりとテンポを落とし、余韻を残しつつ彼女らの歌声は静かに消えた。

●3.I’ll be there for smile Written & Composed & Arranged By GANG
『泣いてるの?』 君に戸惑いを隠せない
まるで世界の終わりだね そんな顔をしてる

迷い込んだラビリンス 時は待ってはくれないの
扉開けば笑顔の君が そこにいるから迷わない

永遠に終わらない物語
たどり着けない 場所なんてきっと無いから
熱い心を道標(しるべ)に変えて 君に届けと叫んでる

I’ll be there for you 難しい言葉はいらない
素直な私 それが大事
気取らなくていい
君が笑ってくれれば All happy

ありがとうの代わりにと とびきりの笑顔あげる
柔らかく優しい気持ち 譲れない誓い
いつも忘れずいられるように


晴れた空 浮かぶ雲 そんな日ばかりじゃないけれど
たまに降る雨も 虹を呼ぶ魔法 そう思えれば素敵だね

オレンジの太陽に急かされて
息を弾ませ いつもの坂道を駆け上がる
丘から見下ろす町はちっぽけ
悩み事なんて吹き飛ばせ

I’ll be there for you 面倒な態度はいらない
素直な心 それが大事
飾らなくていい
君が笑ってくれれば All happy

風はいつもさりげなく 季節を越えていくよ
言葉にならない言葉 伝えたい想い
そっと誰かへ運びながら


I’ll be there for everyone 難しい言葉はいらない
皆が笑ってくれれば Very Happy!

 ――全員で仕上げた曲がヘッドフォンから流れてくる。
 軽やかなキーボードから始まったメロディは、リズムを刻むベースとドラムによってアップテンポのポップスに仕上がっていた。
 最初はセシルが優しく歌い、次に神楽が爽やかに囁く。
 次は同じメロディを呑気っぽくEUREKAが歌い上げ、暁緒の高音が華やかに次の音へと繋げると、やや転調した曲に八人全員の歌声が乗った。ハモリ部分で少しトーンダウンした後、徐々に盛り上げていってそのままサビへ。

「I’ll be there for you 難しい言葉はいらない〜♪」

 歌い上げた後、ソロを歌った四人のユニゾンが高らかに重なった。
 そのまま短い間奏があり、続く二番はまず悠奈のソロから始まった。明るく元気な声の後は八人のハモリ、そのまま転調して1番よりもっと華やかなアレンジを紫音、ジュディス、絢香のソロが続いた。
 皆、自分のパートを一生懸命声を伸ばして生き生きと歌い上げている。

「I’ll be there for you 難しい言葉はいらない〜♪」

 そのままサビへと入って全員のハモリ。そして後半四人のユニゾンで重なり合う声が共鳴し合うのを、歌う彼女達自身も感じていた。
 呼びかけるように。
 元気よく。
 聞く人全てを励ますように、といった気持ちで八人は精一杯歌う。
 そして――最後のパート。

「I’ll be there for everyone 難しい言葉はいらない」
 明るく、皆で声を揃え。
「皆が笑ってくれれば Very Happy!」
 上がりきったテンションのまま、伴奏とともに音が一気に止んだ。


 ――全員が互いに顔を見合わせる。
 そして、プロデューサーである渉の方へ視線を向けると、彼は満足そうな笑みを浮かべると。
「よし、オッケーだ! 皆、お疲れ様」
「「「「「「「「やったー!」」」」」」」」
 彼の言葉に、八人は終わった開放感から誰もが歓喜の声を上げた。