ぱじゃまDEおじゃまアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 姫野里美
芸能 フリー
獣人 フリー
難度 やや易
報酬 0.9万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 12/04〜12/08

●本文

 合宿や臨海学校で行われる夜のイベントと言えば、相場は決まってくる。
 今回新人達に割り振られたのは、そんな深夜の合宿イベントめいた仕事だった。
「トーク番組のメンバーが足りない〜?」
「はい。年の瀬で忙しいらしくて、有名どころが集まんないんですよ〜。女の子に、そんなに遅くまで仕事させるわけに行きませんしー」
 ディレクターにそう報告する製作スタッフ。すでに、今年の終了まで二ヶ月を切っている。特番やらなにやらで、ある程度実力のある芸能人達は、スケジュールが詰まっているらしく、それまで出演していた女性陣達の大半がお断りを入れてきてしまったのだ。
「昼間じゃダメなのか?」
「スタジオ、どこもいっぱいッスよ」
 おまけに、場所を押さえようとしても、いわゆる年末進行と言う奴で、中々適当な場所が押さえられないとの事。
「うーむ、仕方が無いなぁ。んじゃ、見かけが女の子な奴とか、夜遅くても良い女の子集めてくるか‥‥」
「そりゃあ構いませんけど、深夜のお色気どうするんです? いくら見かけが女の子でも、野郎の下着姿晒すわけに行きませんし」
 確かに芸能人達には、外見どうみても女性にしか見えない男性も多い。しかし、事は夜中のお色気番組。誤魔化しても誤魔化しきれない箇所はある。と、ディレクターは考え込んだ挙句、こう言い切った。
「その辺は特殊メイクでどうにかしろ。男でも女でも、局部をさらしたらNGになるんだから、多少過激でも、編集で上手く誤魔化せば、何とかなるだろう。それに、最近じゃ男同士でもOKだし」
「あんまり期待はしないでくださいよ〜」
 どうやら、『男の子でも良いから、パジャマエロトークしてくれるメンバーを募集』と言う結論に至ったらしい。

【ぱじゃまDEおじゃま☆ 新規メンバー募集のお知らせ】
 深夜番組で、トークを展開してくれる方を募集します。
 見た目が『女性』であれば、男女・職業等々は問いません。
 ただし、性別を偽る場合は『より女性らしく』振舞っていただく為、基本的に女装していただきます。一応、番組コンセプトが『女の子の部屋のパジャマトーク』なので、『女の子役』として出演すると言う事で、ご了承下さい。
 また、深夜帯の番組である為、かなりの確率で肌の露出等があります。なので、男女とも、対処の方は基本各自でお願いします。その代わり、パジャマは、柄や雰囲気等を伝えていただければ、こちらで御用意いたします。

 初回のテーマは『ストレスの発散方法について』です。
 視聴者を楽しませるような、面白くて大胆なトークを考えておいてください。

 と言うわけで、そんな募集が、各プロダクション経由で芸能人達に流されたのだった。

●今回の参加者

 fa0304 稲馬・千尋(22歳・♀・兎)
 fa0314 巽 弥生(18歳・♀・猫)
 fa0323 リーゼ・ヴォルケイトス(27歳・♀・鷹)
 fa0745 ミーア・ステンシル(18歳・♀・小鳥)
 fa0807 桜 美鈴(22歳・♀・一角獣)
 fa0913 宵谷 香澄(21歳・♀・狐)
 fa1420 神楽坂 紫翠(25歳・♂・鴉)
 fa1660 ヒカル・マーブル(20歳・♀・牛)
 fa2044 蘇芳蒼緋(23歳・♂・一角獣)
 fa2163 アルヴェレーゼ(22歳・♂・ハムスター)

●リプレイ本文

「このごろ‥‥寒くなってきたから‥‥ココアでも‥‥飲みながら‥‥お話しましょうね? お菓子もあるけど‥‥いかが?」
 にこやかな微笑みとゆー奴で、そう切り出す神楽坂 紫翠(fa1420)。ちなみに衣装は、茶色のオーソドックスなパジャマだ。喉仏や胸に関しては、蒼ともども、特殊メイクで誤魔化している。ただ、アルだけ自前の湯飲みにパンスト。
「お菓子を持ってきてくれるメイドさんは、アシスタントのヒカルちゃんって言うのよ‥‥」
「よろしくお願いします。お嬢様方☆」
 紫の紹介に、深々と頭を下げるメイドのヒカル・マーブル(fa1660)。
「私は、紫。ふふふ、性別? 秘密よ、秘密‥‥」
「まぁ、細かい事は抜きにして、明るく楽しく、女の子同士のお喋りをお楽しみくださいな」
 怪しい雰囲気を撒き散らす神楽こと紫に、ヒカルはのほほんとそう言った。そんな中、次々と紹介される、『パジャマ隊』の面々。
「これは私の趣味ではないぞ!? 断じて違うからなっ!」
 不機嫌な巽 弥生(fa0314)が着ているのは、スケスケでフリフリのいかにもな白いベビードール。それでも着ている辺りは、プロ根性だろう。それが終わると、紫が御題を読み上げた。
「ストレスがたまる事って言うと、やっぱりお仕事の事ですよねぇ。モデルのお仕事って、中々無いって、そう思いませんか!?」
 桜 美鈴(fa0807)が、そう言った。芝居の勉強をしているわけでもないので、ドラマの仕事も難しい‥‥と、彼女は語る。
「まだモデルさんなら、仕事あるほうだよー。ミーアなんか、声優のお仕事殆どこないから、ストレスって結構溜まってるんだよ?」
 ミーア・ステンシル(fa0745)に至っては、そもアニメや特撮の仕事が少ない為、かなりストレスがたまっているようだ。顔が、情けなく困った表情になっている。
「ストレス解消方って言われれば、私は食べる事ですねぇ」
 黒の長袖パジャマにハーモニカをネックレス代わりにした稲馬・千尋(fa0304)の主張に、うんうんと頷く美鈴。彼女はショートパンツタイプ。と、Yシャツに黒のスパッツをパジャマ代わりにした宵谷 香澄(fa0913)がこう言った。
「飲むのも含まれないか? 私も、無糖コーヒーで、がぶ飲みしたい時はやっている。無糖な理由は察しろ」
「えー。こんなに細いのにー」
 体型を気にしている彼女の発言に、遠慮なくぐぃんとYシャツをまくり、腰の辺りを露出させるミーア。
「こらこら。後でいくらでも触らせてやるから、まだ剥くな。進行が早すぎる」
 驚くかと思いきや、香澄ちゃんは平然とした表情でそう答えている。
「おかげで買い置きが山になってるな。まぁ。それでも無くなる時はなくなるんだが‥‥あれが、ストレス発散といわれればそうだ」
 ちなみに、彼女のストレス発散方法は、近くの量販店で大量購入してきた無糖コーヒーをがぶ飲みする事‥‥だそうだ。月に1万円前後突っ込んでいると、愛飲者の香澄は話す。
「む、そう言われればそうだな。でも、最近二の腕とか、お腹の筋肉が目立ってきていると思って‥‥。食べ物か運動量を変えた方がいいのだろうか‥‥」
「こんなにナイスバディで、太ってるとか言うなー」
 弥生の主張に、イタズラ娘と化したミーアが、腰をきゅっと掴んでみせる。不意打ち気味に触られて、慌てる彼女。
「だ、だれがそんな事言っている! あくまでも筋肉だ! 筋肉!」
「でも、確かに食べ過ぎると太っちゃいますからねぇ。美味しいものを厳選して食べるってカンジです。だから、グルメ雑誌とか、よく買ってるんですよー」
 で、そのミーアを他所に、美鈴ちゃん、知らぬ存ぜぬで、さっさとお菓子談義の花を咲かせている。それを聞いたミーアちゃんも、にぱっと笑ってこう主張する。
「食事はミーアもストレス解消法にしてるよ。給料入ったら、美味しいケーキ沢山買って幸せに☆ でも、太っちゃったら怖いから次の日にインドカレー食べに行って問題なし! でも、気が付いたらお金なくなってるんだけど」
「何でも食べすぎは良くありませんよ。あとは早寝早起きですね。美容にもいいですし。今夜みたいに夜更かしは久しぶりですよ」
 そんな彼女に、美鈴があくびを噛み殺しながら答えている。
「ぐう」
 んで、それを受けて早速千尋が、どこからか取り出した毛布を被ってお休み中。
「って、寝るなーーーー!」
「えー。この毛布、ふかふかであったかいよー。ぬくぬくだよー。それに大きいから、どうぞー」
 香澄が突っ込むものの、千尋は全く気にせず、彼女を毛布の中へひきずりこんでしまう。
「まだ早いッ! そういうのは、もうちょっと夜が更けてからゆっくりとだなー」
 単純に寝てしまうのは、良くあるパターンではある。ちなみに、香澄嬢の場合、別の意味を持っていたりするのだが、流石に序盤戦+カメラ回っている状態で、そう言う行為には及ばないようだ。
「待てそこ。問題発言をすりこむんじゃない」
 とは言え、誤解を招くセリフに、弥生がハリセンを叩きこんでいたり。
「えーん。とりあえずやっておかないといけないと思ったから、つい」
「別にこれくらいなら、ただのスキンシップだし‥‥」
 めそめそと涙をちょちょ切れさせる千尋を庇う香澄。
「ちなみに私のストレス解消方は音楽。音楽を聞く、歌う、弾く、作る、全部ひっくるめて」
 その千尋が主張するに、自分の世界に没頭するのは、良いストレス発散になるようだ。
「あ、でも作る方はストレスの元にもなるけどねー」
 イメージ通りの曲が仕上がらないと、逆に苛々してしまう。それは紫も経験があるらしく、司会席で頷いている。
「でも、聞くにも弾くにも、中々大きい音が出せないのが少し残念‥‥。大音量で聞けたり弾けたりしたら、もっとスッとするんでしょうけど」
「ふむ。そうね。私の場合‥‥も、カラオケかしら‥‥。たとえ音程が‥‥外れていたとしても‥‥大きな声を出すのは‥‥気持ち良いものよ‥‥」
 それまで殆どにこにことしながら、聞き役に回っていた彼、うんうんと同意する。
「カラオケは最近行ってないなぁ‥‥。歌うのは好きなんだけど、歌いすぎて喉痛めちゃったら大変だからね?」
 声優のミーア、それがストレス発散になるのはわかっているが、商売道具を傷つけたくないらしく、そう言っている。
「最近の歌は分からん‥‥。どれも同じように聞こえてしまう。流行りか何かは知らないが、もっと差を付けて欲しいモノだ。大体‥‥」
 弥生に至っては、歌自体が分からないと、ぶつぶつ言い始める。
「はいはーい。色気の欠片もない会話はそこまでっ。他にはなにかある?」
 千尋がそう言って、長くなりそうな説教を止め、喋っていない蘇芳蒼緋(fa2044)に話を振った。と、それまで特大ぬいぐるみを抱え、黒の長袖パジャマでだんまりを決め込んでいた彼、にこっと笑ってこう答える。
「ストレス解消法? 『運動して熟睡すること』かな。程よく運動して、程よく汗をかいて、そしてぐっすり眠る。単純だけど意外と効果があるのよ」
「確かに、体動かすと色々スッキリするし、一番手軽な手段だ。外でマラソンしたり、ゲーセンでダンスゲーしたり、キックマシーンしたりしている。後はスポーツセンターとかよく行くな。色々とあるからストレス解消にはもってこいだ」
 その意見に頷く香澄。
「例えば、だ。こーして、ムカつく奴の顔を思い浮かべて、サンドバックを思い切り蹴ると、ひじょーにスッキリする」
 その証明と言わんばかりにして、アルヴェレーゼ(fa2163)の首根っこを捕まえて、そう言う香澄さん。その彼女とは知り合いらしいリーゼ・ヴォルケイトス(fa0323)も、こう言った。
「んー、もともとそれほどストレスはたまらない人だけど‥‥。たまったら私も動くねー。もともと体型維持には気を使ってるから、ある程度運動してるけど。多少たまったら、相手を募って真剣勝負が一番かな? 嫌なことなんて小さいことに思えてくるし」
 ちなみに、彼女も白の長袖Yシャツ派である。なんでも、空手四段とか言うぶっそうな腕前だそーで。と、怯える他の面々に、弥生がこう言いきる。
「何が悪い。男どもを相手にヤリ合うのが、一番遠慮せずに済んで良いんだが」
「普通の女性は、空手道場なんか行かないって。もっとお手軽に、運動して歌ったり出来る方法があるんだよ」
 ミーアがもっともな事を言って、ある方向を指し示す。見れば、よくゲームセンターで見るダンスゲームの筐体が、セッティングされつつあった。
「あら? 面白そうですねえ☆」
「これで思いっきり踊って、音楽も運動も楽しめるんだよ? それじゃあ、レッツダンシング☆」
 ヒカルの言葉に頷くミーア。にっこり笑顔で、そう宣言するのだった。

 そして。
「あの‥‥何故私までパジャマに‥‥。その‥‥胸元がきついのですが‥‥」
「いーのいーの。こう言うのは雰囲気が大事なんだし☆」
 何故かメイドのヒカルちゃんまで、パジャマに着替えさせられている。それを『気にしなーい』と言いながら、そう説得するミーアちゃん。ちなみに、ヒカルのパジャマは、オレンジ色の花柄。胸の分でお腹が見えてしまっている。で、そのミーアにそそのかされたヒカル、ダンスゲームにチャレンジする事に。
「ミーアの華麗なテクニックを見るですよ!」
 それを見計らい、ミーアがダンスゲームのランクを最高まで上げてしまった。おかげでヒカルちゃん、まったく足が動かない。
「えーん、助けて〜」
「きゃあん、私を巻き込まないで〜」
 パニくったヒカルちゃん、隣のミーアにすがりつく格好となった。おかげで、ただでさえ動き易い丈の短いパジャマが、転がるようにめくりあがる。
「いやん☆」
 そのまま転んでしまうヒカルとミーア。他の出演者が、顔を赤らめたり、喜んだりしている中、ついでと言わんばかりに、ネグリジェのボタンが弾けて、白のホルターネックのブラジャーと、同色の紐パンが大写しになる。
「はいはーい。そう言うわけで、汗をかいたので、お風呂に連行しますね〜」
 もはやダンスゲームと言うよりは、下着を見せる為の前振りにしかなっていない状況になり、リーゼはそう言って、2人をガラガラと別室へ連行するのだった。

 そんなわけで、何故か全員で風呂に入る事になった。
「やはりお風呂はいい。人類の生み出した最高の文化だね」
 ふんぞり返ってそう言うリーゼ。なんでも、所要時間は3時間だそうである。長時間入っていても大丈夫なように、彼女は住居選びにもまず水周りをチェックするそうだ。
「いーなー。この辺とか、この辺に肉ついて無くてー」
 一方では、千尋が美鈴の二の腕を突付いていた。触られた彼女、苦笑しながらこう話す。
「ええ、そんなに太る方じゃないんですけどね、もっと痩せれたらな、なんて。モデルって、体が太いのはもちろんダメですけど、その‥‥胸が大きすぎてもダメなんですよ。リーゼさんくらいの背丈とか、胸の大きさとか‥‥香澄さんくらい控えめな感じでも、いいのに」
 ちらりと胸に視線を注がれた香澄、そろそろ頃合だろうと、「どれどれ」なんぞと言いながら、彼女の胸を触る。知り合いのリーゼが冷たい目をしているが、視聴率の為だと割り切り、その視線は無視する事にする。
「わー。ヒカルちゃんの胸大きい〜。サイズいくつ?」
「えぇと、103です〜」
 中でも興味をそそられたのは、ヒカルの爆乳。Mサイズのパジャマのボタンを弾き飛ばした豪快な胸は、タオルでも隠しようがなかった。
「なぁ、あれ‥‥ほっといて良いのか?」
 さすがに恥ずかしそうに風呂の隅へ避難していた蒼が、控えめながらそう言い出した。と、それに反応したのは、やっぱり隅っこに避難していたアルである。
「そうだなぁ。ほっといちゃダメだよなぁ」
 ぎく、と顔を引きつらせる蒼。
「このまま、女性陣にだけ、カメラを奪われても良いのか!? いいや、答えは否!」
 歩幅をいつもより狭くしたり、口元をぬいぐるみで隠しながら笑ったりと、仕草がそれらしく見えるよう、女性っぽい演技を心がけてはいたものの、やはりそれだけではアピールが少なかったらしく、カメラがこっちを向いていない。
「って、ちょっと待って‥‥何を‥‥」
 かと言って、アルに迫られる程、画面映りに飢えちゃいねぇ。そう言いかけた蒼は、アルがタオルを引っぺがすと言う行為によって塞がれてしまう。
「うふふふ。何の為に、姉貴にボコられるのを覚悟で、女装したと思ってるのよ。ほーら、映りたかったら協力をおし☆」
 直後、盛大に上がる水飛沫。カメラが何をやってるんだと言わんばかりに、2人のほうを向いた刹那、アルがここぞとばかりに、裏声を響かせた。
「あなたたちを幸せに何か、させないんだからぁっ♪」
「ま、待て! 確かに肩だの鎖骨だのまでは許すが、そこまでは‥‥」
 ひよぇぇぇっと顔を引きつらせる蒼。
「ふははは。目的の為ならば、野郎の唇なんぞ、3割引で大安売りだっ。MはSを兼ねるのよっ」
 しかしアルは、問答無用で唇を突き出す。TVに映ると言う目的の為なら、この際手段なんぞ選んではいられない。
「うぎゃぁぁぁ!!」
 悲鳴を上げる蒼。この後、弥生によってハリセンツッコミが叩きこまれ、2人は仲良く熊のぬいぐるみに取って代わられてしまったらしい。
 ちなみに、青い方の上に折り重なるように、赤い方が置いてあったそーだ。