カルガモバスで行こう!アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
氷邑
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや易
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報酬 |
1.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
09/28〜09/30
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●本文
夕方に放映されている食べ歩き番組「カルガモバスで行こう!」は、参加したいという芸能人が殺到しているため、出演が超難しいと言われている。
内容は観光バス「カルガモバス」に乗り、都内の有名店を訪れ、食べ歩きをするというもの。
今回のロケ先は、老舗の高級寿司店『大鳳』。
ここの目玉は、何と言っても舌がとろけるほど美味いと評判の大トロだ。
芸能人達は、喉から手が出るほど食べたいだろう。
しかーし! 参加者全員が食べられるワケではない。
情け無用、問答無用の「カルガモゲーム」を行い、それに勝たなければいけない。
誰が何と言おうと、それが「カルガモバスで行こう!」の絶対的ルールなのだ!
<カルガモゲーム内容>
引いたくじに書かれた「寿司用語のネタ」を披露し、お客様が笑ったら勝利。
一回勝負で勝者は4名。くじは全8枚。寿司用語は以下の通り。
「ギョク(玉子焼き)」
「シャリ(ご飯)」
「ムラサキ(醤油)」
「ガリ(しょうが)」
「クサ(海苔)」
「カッパ(きゅうり)」
「ナミダ(わさび)」
「アガリ(お茶)」
どれを引いても良いように、一発ネタを考えること。
くじは番号形式(1〜8の中からひとつだけお選びください)
<「カルガモバスで行こう!」番組プロデューサーより一言>
参加者の皆へ。
『大鳳』の寿司を味わいたい? だったら、カルガモゲームに勝ってね。
勝ったら好きなネタ(寿司の材料)頼めるよ。もち、大トロも。
ここの寿司、天国に行っちゃいそうなくらいに美味しいよ〜♪
※成長傾向:発声、芝居、芸
●リプレイ本文
●出発進行!
トミテレビ前に、観光バス「カルガモバス」が停車してある。
意気揚々と乗り込んだ六人の芸能人は、老舗の高級寿司店『大鳳』の寿司を食べるぞー! と張り切っていた。
「あの〜参加者二名がまだ到着していないんですが‥‥」
番組スタッフが、プロデューサーに困った顔をしながら報告。
「当番組は遅刻厳禁! だってことを事前に報告しておいたのに‥‥。収録時間がもったいないから、その二人置いていこう」
時間厳守ということを、出演者に念を押してある。遅刻するものに参加資格はない! というのが、番組プロデューサーの信条であった。
カルガモバスは、『大鳳』を目指して出発し始めた。
余談。遅刻した二名は「まだかな〜?」と、何も知らずバスを待ち続けていた。
●『大鳳』到着
高級店ということもあり、客は重役社員やセレブな人々が多かった。
到着するなり、スタッフと司会進行役のバスガイドに扮した女子アナ、出演者達の打ち合わせが始まった。その間、プロデューサーは手土産持参で番組出演を引き受けてくれた職人気質の親方にヘコヘコ頭を下げながら挨拶をしていた。
「うちの店を宣伝するのは構わんが、品のない行為だけはやめてくれ」
「は、はい。それはもちろん!」
大丈夫かなぁ‥‥と不安になったプロデューサーは、胃が痛くなった。
「こんにちわー、バスガイドの福井さおりです。今回の『カルガモバスに行こう!』は、高級寿司店『大鳳』にお邪魔しています。参加者の皆さん、お寿司を堪能したいですかー?」
『おーっ!』
拳を掲げ、食べる気マンマンの参加者一同。
「皆さんには、大鳳さんの美味しいお寿司を堪能してもらいたいのですが‥‥『カルガモゲーム』に勝った方のみ、お寿司が食べられます♪ 今回のゲームは、寿司用語でお笑いネタを披露です!」
くじが入った箱を持ってきたスタッフが、テーブルに箱を置いた。
「さあ、皆さん引いてください。何が当たるかは運次第です!」
●一番手:MAKOTO(fa0295)
「月一程度で気軽に訪れて堪能する稼ぎは充分にあるんだけど、今回は奢りってことだから遠慮なく寿司が食えるー! 格別の味だろうから、適度に羽目を外させてもらうよ」
MAKOTOが引いたくじは7番。
「7番のネタは『ナミダ』です!」
福井にわさびを手渡されたMAKOTOは、早速ネタを披露。
元気で勝気な表情から、一変してウルウル瞳の少女の顔に。
「だってナミダが出ちゃう‥‥女の子だもん♪」
わさびをぎゅっと抱き締めると、本当に涙が流れた。
(「わさびが目に沁みるー!!」)
世界的格闘家の演技力、侮りがたし!
笑いは苦笑程度だったが、重役クラスのおっさんの萌え票が予想以上に追加された。
●二番手:Tyrantess(fa3596)
「寿司だけど、自腹で食おうとなかなか思わねーんだよな。「とびきり美味い寿司」っつーのを食ったことねー。そんなわけで、今回はよろしく頼むぜ!」
アコギ持参のTyrantessが引いたくじは6番。
「ネタは『カッパ』です。キュウリを持っての演奏は‥‥無理ですね」
キュウリを持ち、苦笑する福井。
そんな彼女のネタ披露は、弾き語りで短いコミックソングであった。
「カッパは胡瓜のこと〜
きつねが油揚げなように〜
だけどカッパの好物なんて〜誰が調べてきたんだろうな〜?」
‥‥誰が調べたんでしょうね? と客の一人が突っ込んだのでネタはややウケ。
●三番手:姫川ミュウ(fa5412)
お色気ボーイッシュタレント、姫川が引いたくじは8番。
「8番は『アガリ』です」
アツアツのお茶が入っている湯のみを姫川に手渡す福井。
「姫川ミュウ、一発ネタいきます!」
彼女がとった行動は‥‥男性スタッフにお茶を口移しに飲ませたことだった!
おおーっ!! とざわめく店内。
老舗店で、このような行為は良いのか!? とクレームが来そうだが、男性客はウケたが、お堅い性格の店員数名が赤面し、仕事に手がつかない状態になったので失格に。
「えー! そんなのないよー!」
がっかりする姫川。
その後、彼女はスタッフにある相談を持ちかけた。その内容は後ほど‥‥。
●四番手:白海龍(fa4120)
「オスシーッ!」
興奮している白海曰く、メリーゴーラウンドスシ(回転寿司)しか食べたことがない。
カウンターで初めてお寿司を堪能したい、と誰よりも思っているだろう。
引いたくじは2番。ネタは『シャリ』。
「福井サン、お茶碗に盛ったご飯を用意してクダサイ」
白海の注文通り、大盛ご飯の茶碗を用意したスタッフは、彼に手渡した。
「では、行きマス!」
何をするかと思いきや‥‥いきなりご飯を食べだしたかと思うと、こめかみに手を当てた。
「うぅ〜ん! シャリシャリしたご飯は残暑の厳しい季節にぴったりデ〜ス!」
身悶えたところを見ると‥‥シャリ=かき氷というネタなのだろう。
このネタは、予想以上に客にウケた。
●五番手:雨宮慶(fa3658)
クリエイターの雨宮は、自作の寿司ネタフィギュアを持参して参戦。
引いたくじは4番。ネタは『ガリ』だ。
「ヘイ! ガリ一丁お待ち!!」
ドン! とテーブルに置いたのは、ムンクの「叫び」に描かれている人物のフィギュアだった。
「アノ絵の人はガリガリですから、このネタには持ってこいです♪ 見事な出来でしょう?」
まさにガリ、な人間フィギュアを譲ってくれ! という客がいたので、雨宮は番組終了後、その客と交渉をした。
笑いのほうはというと‥‥残念ながら、あまりウケなかった。残念!
●六番手:ティタネス(fa3251)
最後の挑戦者は、大食い記録所持者であるティタネス。
「お寿司は日本食だから、それに合わせるならネタも和風でいくよ。というわけで、今回はお題の言葉を使ってのなぞかけをやるよ」
引いたくじは1番の『ギョク』。4番でなくて良かった‥‥と、内心ホッとしたのは内緒。
「ギョクとかけまして、最後にちょっとだけ顔見せととく」
そのこころは? と福井が問うと
「『トリから出てきた』。お粗末さまでした」
ペコリと頭を下げ、観客に「ありがとうございました」とティタネスは挨拶を忘れない。
座布団で話題のお笑い番組が好きな世代には、彼女のネタはウケた。
その中でも、親方は大喜びだった。
●姫川の密かな計画?
「ちょ、ちょっと! それはマズイですよ! ここは老舗の寿司屋なんですよ? それに、ここの親方は厳しい寿司職人なんですから、そんなこと無理です‥‥」
「そ、そう‥‥。残念‥‥」
姫川がやろうとしていたもうひとつのネタは‥‥。
な、何と! 自らの身体にネタを盛り付けるという、俗に言う『女体盛り』だった。
ゴールデン番組ではないが、それはヤバいと思ったスタッフは「惜しい!」と残念がりながらも、姫川を納得させた。
深夜番組であれば、この企画は一発OKが出ただろうに‥‥。
●寿司堪能タイム
「それでは、お寿司を食べられる方を発表します」
福井の言葉に、参加者一同は固唾を飲んで結果発表を待った。
「一人目は、ナミダネタのMAKOTOさんです!」
よっしゃ! とガッツポーズをとり、大喜びのMAKOTO。
「二人目は、キュウリネタのTyrantessさん!」
寿司だ寿司ー! と興奮気味の様子。
「三人目は、シャリネタの白海龍さん!」
ワーイ♪ メリーゴーラウンドスシ以外のお寿司が食べられマース♪ と大はしゃぎの白海。
「最後のお一人は、謎解き風のギョクネタのティタネスさん!」
(「やったー! お寿司が食べられるー!」)
心の中で叫ぶティタネス。
「姫川さんと雨宮さんは残念でしたね‥‥。では、勝者の皆さん、大鳳のお寿司をご堪能ください!」
福井の号令で、カウンターに腰掛けた勝者達は、各々食べたい寿司を注文し始めた。
「僕が食べたいネタは全部! 遠慮なくいただきまーす!」
徹底的に頂く、というのが世界的格闘家のMAKOTOらしい食し方だ。
「ここ名物の大トロは外せねぇな。あと、アナゴ! それから‥‥」
何にしようか迷っているTyrantess。
「わーい、さすが僕デス! 皆、アリガトネー! いっただっきマース!」
大トロを頬張り、ご満悦の表情を見せる白海。たとえるならば、恋する乙女の顔だ。
「大トロはもちろん外せないし、他もすっごく美味しそう♪ いくつ頼んでいいの?」
「はい」
スタッフのOKサインに、ティタネスは大トロをはじめとする全ネタを注文した。
大量の寿司が、彼女に胃袋に入るのにそう時間はかからなかった。
「僕、ボタンエビが食べたい!」
「俺は鉄火巻き!」
「僕はおいなりさんが食べたいデース!」
「あたしはイクラ!」
勝者達は、番組終了間際まで寿司を食べまくっていた。
「勝者の皆さんが、まだお寿司を堪能している途中ではありますが『カルガモバスで行こう!』おしまいの時間となりました。次回は料亭『水仙花』の懐石料理堪能です。お楽しみにー!」
福井と姫川、雨宮がカメラに向かって笑顔で手を振る。
●後日談
「‥‥すげぇ金額!」
大鳳の請求書を見た番組プロデューサーは、目が飛び出るほど驚いた。
それだけ、勝者の食欲が旺盛だった証拠だ。
雨宮のムンクフィギュアだが、思ったより高値で売れた。
「このお金で、大鳳のお寿司を食べるのです♪」
翌日、雨宮は軽い足取りで大鳳に向かった。
「すいません、ウニお願いします〜♪」