授業参観コメディアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
氷邑
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
やや易
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報酬 |
1.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
10/06〜10/08
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●本文
お笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のディレクターが、珍しく有給を取った。
お笑い番組の鬼と称されるディレクターが休むとは‥‥一体、何が起きたのか?
翌日、ディレクターはどよ〜んとしたムードで出勤した。
「おはようございます。顔色が優れないようですが、具合でも悪いんですか?」
心配したAD、平井・平等が声をかけたが、無反応‥‥かと思いきや、何やらボソリと呟いた。
「授業参観なんて‥‥行くんじゃなかった‥‥」
ディレクイター有給の理由は、小学一年生の娘の授業参観に行くためであった。
妻に「たまには学校行事に出でよ!」とうるさく言われたので、渋々行ったのだ。
授業参観では、生徒達による作文が発表された。
テーマは「ぼく、わたしのおとうさん、おかあさん」だった。
ディレクターの娘が書いた作文の内容だが、最初は普通だったが、終盤にいたるにつれ
「おかあさんには、ものすごくあたまがあがりません」
‥‥等、超恥ずかしい事実のオンパレードを発表(というよりは暴露)。
当然のことながら、教室に父兄の笑い声が響き渡ったというのは言うまでもない。
そんなことがスタッフに知れたら、職場でも笑い者になってしまう。
仕事をしなければ家族を養っていけないという責任感が強い彼は、柳の下にいる幽霊のような暗〜い雰囲気を醸し出しながらも細々と企画書を書いた。
<企画内容>
・テーマ「授業参観での作文発表」
・作文の内容は「父親(母親)の実態」
(実態はあくまでもネタであること。芸能人の現実実態ネタは厳禁!!)
・ペアを組み、生徒役と父親(母親)、どちらを演じるか決めること。
・分校という設定なので、生徒役は小学1年生〜6年生を演じてもらう。
・大人であっても、小学生に扮すること。男女不問。
・父親(母親)役は、作文の途中で突っ込むことを許可する。
・人数が足りない場合は、AD平井・平等をはじめとする番組スタッフが出演。
・最もウケた作文を披露した出演者には金一封贈呈。
「笑い者にされた俺の苦しみ、芸能人達にも味わってもらうぞ‥‥」
ディレクターは、不気味な笑みを浮かべながら恨み言を呟いた。
※成長傾向:発声、芝居、演出
●リプレイ本文
●授業参観始まりー
「それでは『ガハッ! とチャンネル小学校○×分校』の授業参観を始めます。生徒のみんな、作文をちゃんと書いてきたかな?」
司会者兼教師役の平井・平等が聞くと、生徒役の芸能人達は「はーい!」と元気良く挙手。
作文のテーマは「僕、私のお父さん、お母さん」であるが、真の内容は「父親(母親)の実態」である。
子供の観察力、洞察力というものは侮ることができない。
今回のコメディでは、子供を持つ親達は、それを身をもって知ることになるだろう。
「皆がどんな作文を書いたのか、先生、とても楽しみにしています。最初は誰が読んでくれるのかな?」
「僕が読みます!」
トップバッターを名乗り出たのは、上半身セーラー、下半身ハーフパンツにハイソックス姿のリアルでも小学生の七瀬七海(fa3599)。
「で、では、七瀬くんに読んでもらいましょう」
●僕のお父さん 6年 七瀬七海
「僕のお父さんは自分の事を『ダディ』と呼べと‥‥」
ダディ、という言葉に即座に反応したスーツを着て、父親に扮したラマンドラ・アッシュ(fa4942)が、ダッシュで七瀬の席に向かい、しまいにはぎゅっと抱きしめた。
「い、痛いよお父さん‥‥」
お父さん、と言われたラマンドラは、しょげた顔で教室の後ろに戻った。
「常日頃から僕とお母さんにそう呼ばせたがりますが、恥ずかしいので僕もお母さんも『ダディ』と呼んだ事はありません」
再び、ダディに反応したラマンドラは、再度七瀬に抱きつこうとしたが今度は避けられた。
「お父さんと呼びかけると、うつむいて床に「の」の字を書き始めます」
またしても落ち込むかと思いきや
「七海! お父さんではなく、ダディだっ!!」
と、拳を握りしめ力説し始めた。「お父さん」と呼ばれるのが余程嫌なのだろうか?
七瀬は無視し、作文を読み続ける。
「お母さんが箒で、寝室に掃き入れるまでノンストップです。はっきり言って『うざったい』の五文字に尽きます。そういう言葉は日本語として良くないのは判っていますが、僕のボキャブラリーでは他に適当な言葉を思いつきません」
お父さんには、もっと日本語を学んでもらいたいと考えています、と締め括り、七瀬の作文は終了。
「七瀬君のお父さんは、面白い方ですね。あの‥‥お父さん、いつまで息子さんの側に‥‥」
「し、失礼っ!」
平井先生の控えめな突っ込みに、慌てて父兄の元に戻るラマンドラ。
その頃、控え室では‥‥
「雅楽川さん、人数調整のためモヒカンさんと組んでいただけないでしょうか?」
出演者3名が急遽出演不可になってしまったので、組み合わせを変更せざる得ない状況に陥ってしまった。
雅楽川 陽向(fa4371)とモヒカン(fa2944)は、そういう事情なら仕方ないと了承した。
「続いては、雅楽川さんの作文です。どのような作文を発表してくれるのかな?」
●わたしのおとうさん 3年 雅楽川 陽向
「おとうさんは、おひげがとってもりっぱです。
りっぱなおひげを毎日、いっしょうけんめいピカピカにあらってから、おしごとに行っています。
「おひげはおとうさんのほこりだ!」
「おひげがあるから、おとうさんはえらいんだぞ」
と、毎日言っています。
おかあさんは「そうね」といつも背中をむけてへんじをしています」
雅楽川が順調に作文が発表している最中、突然大声で「ちが〜〜う!」と叫ぶモヒカン。服装は、授業参観であるにも関わらず奇抜な普段着である。
「あ、気にしないでください。うちのお父さん、急に叫ぶことがありますから」
「そ、そうなんだ‥‥」
苦労しているんだね‥‥と、平井先生は心の中でホロリと泣いた。
「そのあと、おかあさんはいつもわたしをだっこして「おとうさんみたいなおとなになったらだめよ」と、ためいきまじりでこっそりささやきます。
おかあさんはつかれているのかもしれません」
ここでも「ちが〜〜う!」と大声で叫ぶモヒカン。この事実を認めたくないのだろうか?
「おとうさんは、わたしをだっこすると、おひげをグリグリしてきます。
おとうさんのおひげはもふもふなので、いたくないです。
おかあさんはそれを見つけると
「おとうさん止めてください。あしたのおべんとうはありませんよ」
って、おとうさんをしかります。
おべんとうがほしいおとうさんはしょんぼりして、わたしをはなしてくれます。
おかあさんは「そんなことしてたら、またひげそうどうがおこるわよ」とおこります」
ひげ騒動とは、昔、雅楽川が海苔を鼻の下に張り、父の髭の真似事をした。
それを見た父は、海苔髭を褒めてくれたのだが、母に「食べ物を粗末にするようなことを教えないでください」と注意され、翌日は弁当無しということがあったのだ。
「おひげがりっぱだとくろうするみたいです。がんばってね、おとうさん」
叫びたいモヒカンだったが、最後の一言に感動したのかじ〜んとした表情になっている。ちなみに、叫びはネタである。
「楽しいお父さんとお母さんですね。では、最後は翡翠ちゃんに読んでもらいましょう」
控え室では、美森翡翠(fa1521)と番組スタッフが打ち合わせ中。
父親役の芸能人が出演できなくなったので、所帯持ちの男性スタッフが父親役に抜擢されたのである。
「宜しくお願いします」
「こ、こちらこそ宜しく‥‥」
自分の娘とさほど年齢が変わらない少女相手に、番組スタッフは緊張していた。
●わたしのおとうさん 1年 みもりひすい
「わたしのおとうさんは、おふねのうんてんしゅです。12ヶ月のうち9ヶ月はおふねにのって3ヵ月がおやすみです。『ひすいが小さいとき、おとうさんをみて「しらない人」っておかあさんににしがみついていたからおちこんでいたよ』とおにいちゃんがいっていました」
その部分で、うんうんと頷く父親。
「でも、わたしにわすれられているより、お母さんにくっつけないことにお父さんのダメージは大きかったとおもいます」
そ、そんなことは無い! 誤解だ! と思わず口にしてしまった父親。
「なぜなら、でんわをまいにちかけてくるのですが、わたしとさきにはなすより、おかあさんのあとではなすときのほうが、こえがはずんでいるからです」
そんな事は無い、皆、同じ位愛してるよ〜、と微妙に目を逸らしながら、父親は心の中で叫んでいた。
「おかあさんは、びじんでゆうのうなキャリアウーマンですが、お父さんは『わがままなおれの女王さま』といいます」
今日も素敵なクールビューティーで、俺を情容赦無く攻め立ててくれたっけ‥‥。もう、照れ屋さんなんだから♪ と惚れる父親であった。
「おかあさんには『子どものまえで、なにをいってるの!』とおこられるのによくいいます。なぐられてもびくともしなくて、からだはじょうぶなのですが、がくしゅうのうりょくがひくいです」
違う! 誤解だ! アレは楽しんでやってるだけで‥‥と、父は焦った。
「おとうさんににているといわれるわたしは、じぶんのしょうらいがしんぱいです」
大丈夫だ! 何も心配することは無い! と焦りながら叫ぶ父。
「おかあさんが女王さまなら、おとうさんはそのげぼくです」
その通り〜。父さんは母さんの愛の奴隷なんだよ〜。ベットの中では逆転だけど♪
「おかあさんのいうことは、さいしょごねてもさいごにはきょかしてなんでもやってます。『いつもいっしょにいれないから、大すきな人のえがおをしっかりおぼえてしごとをのりきるんだよ』というのですが」
お母さんだって、お父さんの言う事に最初はごねても最後には許可してくれるんだ、と心の中で訴え、家族の笑顔が一番の元気の源だからね、と微笑ましく締めようとする父だったが‥‥。
「さいきんのわたしのしんぱいごとは、いつかおとうさんがおかあさんにあえないせいで、しごとでミスをしないかということです」
だ‥‥だだだ‥‥大丈夫だよ!
氷塊見落としたり、やけ酒飲んで二日酔いのまま仕事したり、仕事中に禁断症状が出てお母さんの写真を眺めたり、頬擦りしたり、キスしたりしてないから!
だから心配するな!
この発言が、父親にとって一番焦ったようで‥‥。
「翡翠ちゃんのお父さんとお母さんは、とても仲が良いんだね。お父さん、これからも仲良くしてくださいね」
おまえにそう言われたくない、と心の中で愚痴る父親役スタッフであった。
●授業参観終了ー
「みんなの作文、とても良く書けていたね。この中から、特に良かった作文をコンクールに出品しようと思います」
平井先生の一言に、動揺を隠せない父親役2名+スタッフ。
「コンクールに出品するのは、美森翡翠ちゃんの作文です。みんな、拍手ー!」
盛大な拍手が鳴り響く中、父親役スタッフはとても複雑な心境だった。
(「今後、俺はあんな父親だと思われるんだろうなぁ‥‥。女房と娘に、どう言い訳すりゃあいいんだ‥‥」)
金一封を手にし、満面の笑みを浮かべている美森を見た父親役スタッフは「ま、いいか‥‥」と思った。
子役の美森が、今回のコメディに大きく貢献した、というのは言うまでも無い。
彼女のおかげで、番組視聴率は過去最高であった。