ウリンジャン! 企画編アジア・オセアニア
種類 |
ショート
|
担当 |
氷邑
|
芸能 |
2Lv以上
|
獣人 |
フリー
|
難度 |
普通
|
報酬 |
3万円
|
参加人数 |
8人
|
サポート |
0人
|
期間 |
11/25〜11/29
|
●本文
お笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のディレクターは、番組好評によりプロデュサーに昇進したが‥‥ADはADのままだった。
「プロデューサー、こういうものを企画してみたんですけど‥‥」
「どれ」
プロデューサーは、ADが書き上げた企画に目を通した。
<企画:ヒーローショー風コメディ>
・冬至企画として考えたもの
タイトルは『冬至戦隊ウリンジャン!』
メンバーはカボチャンジャン(赤)、スイカンジャン(黒)、ヘチマンジャン(白)、キュウリンジャイ(緑)、ニガウリンジャン(黄)の五人。
南瓜を食べない家庭をツッコミ、柚子湯に入らない風呂嫌いをハリセンで成敗。
彼らは冬至を全国に広めようと活動する即席ヒーローだ!
「何だ、このふざけたヒーローは…。カボチャはともかく、スイカ、ヘチマ、キュウリ、ニガウリはどういうことだ?」
「カボチャは「南瓜」と書きますよね。スイカは「西瓜」、ヘチマは「糸瓜」、キュウリは「胡瓜」、ニガウリは「苦瓜」です。皆、名前に「瓜」が入っているじゃないですか」
「それで『ウリンジャン』というワケか。で、何でこの企画を思いついたんだ」
ハロウィンを題材としたコントで、正義の味方と敵カボチャのコメディがたいへん好評だったので、それに影響を受け、ヒーローショー風コメディをやってみたい、というのがADの意見だった。
「よし、やるからには徹底的にやるぞ! まずは企画会議だ。面白いネタを出せそうな芸人を呼んで来い!」
「はいっ!」
『冬至戦隊ウリンジャン』企画参加者募集中。
舞台背景をどうするか、どのようなストーリー展開にするか、敵をどうするかスタッフと共に考えてくださる方をお待ちしております。
具体的には「吉本新喜劇」調のコントです。
●リプレイ本文
●企画会議
「皆さん、お集まりいただき、ありがとうございます」
お笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のADが、企画会議に集まった皆に礼を言う。
「お手元の資料は、当番組で放映するヒーローショー風コント『冬至戦隊ウリンジャン!』の設定です。これに関するご意見がありましたらどうぞ」
挙手し、早速意見を述べたのは石榴(fa0481)。
「キュウリだけ『キュウリンジャイ』ってなってるってことは、女性隊員なんだねっ? 緑色が女性ってのは斬新だなぁ」
グリモア(fa4713)も同様の質問をしたかったようだが、 突っ込むべきと思ったがあえてスルーした。
「その件ですが‥キュウリンジャ『イ』は誤植で、正しくはキュウリンジャ『ン』です。資料作成後、誤字に気付いたんです‥。舞台の脚本では訂正しますのでご了承ください」
石榴の質問に苦笑しながら訂正解答するAD。もっとも突っ込まれたくない痛い点だったのでかなり焦った。
「それでは、まずはウリンジャンについて話し合いましょうか」
●衣装案
「私、こういうのを思いついたんですけど」
マッチョなオカマ人形「お兄さん」と一緒に考えたという案を、あずさ&お兄さん(fa2132)が意見を述べる。
「配役ですけど、それぞれの野菜に似たスタイルの人に役を優先的に振ってはどうでしょう?」
具体的にはこんな感じだ。
・カボチャンジャン:ずんぐりがっしり
・スイカンジャン:縦横ともにでかい人
・ヘチマンジャン:スタイル抜群の女性
・キュウリンジャン:すらりとスマートで背が高い
・ニガウリンジャン:トゲトゲした人
「6人目のヒーローとして、トウガン(冬瓜)ジャンというのを考えました。かっこよく出てきて名乗りを上げるんですが、必ず「豆板醤」と間違われるので、泣きながら帰るんです」
トウガンジャンは、ストーリーに全然絡まない完全な出オチキャラのようだ。
「ニガウリジャンの好物は苦瓜カレー希望だな」
戦隊物の黄色の好物はカレー、というお約束から思いついたと思われるグリモアの意見。
「俺は、衣装はそれぞれの野菜の『モロ』というか『リアル』な着ぐるみでいいと思うな」
ウィン・フレシェット(fa2029)の意見は賛否両論だった。
「では、こうしましょうか。ウリンジャンの衣装は、それぞれの野菜を模した仮面で素顔を隠し、それぞれの色を象徴した全身タイツとマント、ということで」
ADのその意見に対して「それでいいや」と言う企画参加者の一言で、衣装は決まった。
●攻撃案&台詞案
「こういうのを思いついた」
ウィンの案はこうだ。
・必殺技:ウリンジャンシード!
黒い種(ラグビーボール)を「ニガ!」「キュウ!」「ヘチマ!」「スイカ!」「カボ!」のかけ声と共にパスしていき、最終的にカボで相手に渡す必殺の爆弾『ウリンジャンシード』となる。
・決め台詞
「瓜の印は正義の証し、天に代わって食卓正す! 天知る地知る己知る! お肌の味方ウリンジャン見参!」
必殺技は舞台上での演出に無理がある、ということで却下された。
次に意見を述べたのはグリモア。
「攻撃技に「うり坊ハリセンアタック」っていうのはどうだ? ハリセンつけたうり坊版猪突猛進の攻撃だな。曲がれないのですぐ避けられるのが弱点。逆にハリセン攻撃食らったり、壁や物にぶつかって自爆したりするギャグに使えないかな」
私も思いつきました、と言い、あずさも意見を述べる。
「柚子湯も冬至の一部なので、柚子を武器に使うことを提案。水ヨーヨーならぬ「柚子ヨーヨー」なんてのはどうでしょう?」
柚子の模様の水ヨーヨーを武器に、というのは良いかも。
「僕も提案!」
石榴の案は、登場シーン決め台詞。
「冬! それは人が凍える季節!
冬至! それは夜が一番長い日を示し、何より冬の象徴!
今年も、我らが待ち望んだ冬が、訪れようとしている!
寒い冬でも楽しむ心!
強い風にも耐え切る力!
冬季限定今が旬! 冬至戦隊ウリンジャン!」
話し合いの結果、石榴の決め台詞は舞台開始時のナレーション、ウィンの決め台詞を全員集合時に使用することに決まった。攻撃技がグリモアとあずさの案が採用された。
●ストーリー&ギャグ案
「次は、ストーリー展開について話し合いましょう」
元気良く挙手した後、サトル・エンフィールド(fa2824)が意見を述べる。
「199×年、地球は核の炎に包まれたが、野菜は滅びていなかった。野菜が守ろうとする、失われた食文化を守ろうとするウリンジャン対果物軍団。ビニールハウスを死守するウリンジャンと、果物軍団フルーティアのボケ、ツッコミ溢れる戦いが始まる、というものです」
アイデアとしては悪くはないが、テーマである「冬至」が盛り込まれていないのが残念だ。
「新喜劇調ということであれば、ストーリーもさることながら、むしろどれだけギャグを畳みかけられるか、の方が重要になりそうであるな」
マサイアス・アドゥーベ(fa3957)の意見はこうだ。
「登場時になぜか全員がリーダーを主張し「冬至にはスイカだ!」「いやニガウリだ!」「ヘチマだよ!」「キュウリだって!」と一悶着。見かねた相手に「カボチャだろ」とツッコませ、全員で『その通り!』と答えるのである」
武器はハリセン。ハリセンを振りかぶった拍子に後ろの味方を叩いたり、クロスボンバー風にツッコミというどつき漫才要素も盛り込まれている。
「ストーリーだが、最初はどこかのご家庭かご近所から始まるのである。目的自体がアレなので、舞台設定も身近というかスケールを小さくが良い。ご家庭ならカボチャ以外の料理を作ってるところに勝手口からゾロゾロとか。ご近所なら南瓜や柚子を売っている八百屋を素通りした時点で周囲からワラワラ登場」
冬至の風習について説教してるところに悪役乱入、なぜか唐突に戦闘になり、敵のボスは昔調理法を間違った不味いカボチャを食べて以来カボチャ嫌い。冬至の風習を廃れさせようとするのが理由だが、部下には話せず、もっと深遠な目標があるように思わせている、という詳細まで考えているのは見事だ。
●敵案
「戦隊ものなら敵も必要だよな? 野菜類の敵といえば肉か? 焼き肉屋で消し炭になったカボチャが片付けられてくのが哀愁あるよな。名前に「カルビ」とか「ロース」とか「シオタン」とか「ハラミ」とかってのは面白いかと。風呂といえば熱湯ギャグだろ。煮立った柚子湯にウリンジャンが相手を無理やり入れようとするってのはどうだろ。敵を放り込んでもいいし、逆に自分が放り込まれて熱さでのたうつのも面白いんじゃないかな」
敵の名前、柚子湯案は即決。舞台で裸になるのはさすがにまずい、というのもあるが。
「南瓜を食べない家庭には。夕食の準備中の家庭にウリンジャンが勝手に侵入。作りかけの料理に南瓜とか胡瓜とか糸瓜とか西瓜とか苦瓜とか入れちゃって、訳の解らない料理にしてしまうとか」
スイカだと、すごいコトになりそうな気がするんですが‥。
「僕は外国人ナノデあまり冬至には詳しくナイんですが、「冬至と言えばホクホクのカボチャ煮じゃーい!」と日本の友人が言ってマシタ。それならバ、同じ調理法でスイカ以下全てのウリをホクホクにして振舞うというのもステキじゃないでしょーカ?」
白海龍(fa4120)も同じことを考えていたようだ。
「他の野菜も甘いショーユで煮るのデス。食べた事はナイですが、まあ、どうにかなると思いマス。ヒーローのほうで試食を済ませて、美味しいノハ一般の人々に食べて貰って喜んで貰い、マズーイのは敵に食べさせて、なんじゃこりゃぁー!的な文句ツッコミを言わせマス。普通に作ったら全部オイシイかもしれないので、やっぱりヘチマは繊維が出てきてタワシになっちゃってるのを料理して食べさせるトカが確実かなと思いマス」
「僕は、敵の下っ端達の敵対理由はね、冬至に限らず冬全般、もしくはウリンジャンの担当する野菜を嫌う理由があるからでね、「寒いのが嫌い」「ニガウリまずい」「ヘチマはタワシだろ!」「スイカは種が多すぎ」みたいに、理不尽&ツッコミ入れやすい理由だと、コントにつながりやすくなると思うんだ?」
揉めに揉めた話し合いの結果、こういう結論となった。
・敵の行動理由は様々(野菜嫌いとか)
・南瓜を食べない家庭に乱入し、勝手に調理して訳のわからないものにする。
・まずく出来上がったものを敵に食べさせる。
●まとめ
「皆様、ご協力ありがとうございました。では、これまでのおさらいをしてみましょう」
ホワイトボードに書かれた決定案を皆に見せ、ADがまとめる。
<登場人物>
・ウリンジャン
カボチャンジャン(赤)、スイカンジャン(黒)ヘチマンジャン(白)
キュウリンジャン(緑)、ニガウリンジャン(黄)
6人目:トウガンジャン(色未定)
・衣装:それぞれの野菜を模した仮面、それぞれの色の全身タイツとマント
・敵:焼肉(カルビ・ロース・シオタン)
・ウリンジャンの技
うり坊ハリセンアタック:うり坊にハリセンをつけて放つ技
柚子ヨーヨー:柚子模様の水ヨーヨーを投げつける技
・舞台
どこかのご家庭、ご近所
「以上で『冬至戦隊ウリンジャン!』の企画会議を終了します。皆様、ご協力ありがとうございました」
ADが礼儀正しくお辞儀をし、終了を告げる。
どのような舞台になるのかは‥舞台でのお楽しみ、である。