ウリンジャン! 前編アジア・オセアニア

種類 シリーズ
担当 氷邑
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 3万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/13〜12/17

●本文

 冬! それは人が凍える季節!
 冬至! それは夜が一番長い日を示す冬の象徴!
 寒い冬でも楽しむ心!
 強い風にも耐え切る力!
 冬季限定今が旬! 冬至戦隊ウリンジャン!

 お笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のADが企画したヒーローショー風コメディ『冬至戦隊ウリンジャン!』の企画がまとまったので、後はキャスティングを決め、裏方を募集して撮影するのみになった。
「これで、後は録画し、VTRを調整するだけです」
「良くやった。すぐに役者を揃えろ!」
「はいっ!」

<『冬至戦隊ウリンジャン!』ストーリー>
 ご家庭ならカボチャ以外の料理を作ってるところに勝手口からゾロゾロと。
 ご近所なら南瓜や柚子を売っている八百屋を素通りした時点でワラワラと。
 冬至の風習についてお説教。それが彼ら、ウリンジャンの使命である!

 そんな彼らの前に日本の文化、特に冬至を廃れさせようとする悪の組織「ヤキニクーン」が乱入し、唐突に戦闘モードに。
 組織の幹部・カルビは、昔調理法を間違った不味いカボチャを食べて以来のカボチャ嫌いになった故、冬至を廃れさせようとするが‥部下達には「日本征服の第一歩」としか説明していない。
 ヤキニクーンは、カボチャを調理している家庭に乗り込み邪魔しようとするが、ウリンジャンに阻止される。カルビとその部下に、ウリンジャンお手製の他の瓜のホクホク煮を食べさせるウリンジャン達。瓜系野菜が大嫌いなヤキニクーン、大ピンチ!
「ニガウリまずい!」
「ヘチマはタワシだろ!」
 理不尽なツッコミをしながらも、強引に食べさせられるカルビと部下。
 この後の展開はいかに? 

<登場人物>
・カボチャンジャン(赤):ウリンジャンのリーダーですんぐりがっしり系
・スイカンジャン(黒):縦横共にでかい体型
・ヘチマンジャン(白):色白な人物(女性推奨)
・キュウリンジャン(緑):すらりとスマートで背が高い
・ニガウリンジャン(黄):トゲトゲしい性格
・6人目のウリンジャン:トウガンジャン(色未定):オチキャラ的存在
※カボチャンジャン、スイカンジャンの体型は特殊メイクで加工可能
※服装は、フェイス部分が開いている各瓜のマスク、全身タイツにマントにブーツ

・カルビ:悪の組織「ヤキニクーン」の幹部。威厳は有るが実はギャグタイプ
※部下は二名ほど。名前は焼肉店にある肉であれば何でも良し(カナ表記)

・ご家庭の主婦(主夫):カボチャを料理しようとするが、カルビ達に邪魔される

<ウリンジャン登場時のセリフ>
「瓜の印は正義の証し!」
「天に代わって食卓正す!」
「天知る!」
「地知る!」
「己知る!」
『お肌の味方ウリンジャン見参!』(全員)

<背景>
・どこかのご家庭(身近な家)

<ウリンジャンの技>
・うり坊ハリセンアタック:各色のハリセンをつけてうり坊(本物)を放つ技
 
 以上が、第一幕の詳細である。
 やる気あふれる皆様の参加をお待ちしております。

●今回の参加者

 fa1409 (18歳・♀・パンダ)
 fa3802 タブラ・ラサ(9歳・♂・狐)
 fa3957 マサイアス・アドゥーベ(48歳・♂・牛)
 fa4048 梓弓鶴(22歳・♀・犬)
 fa4668 回路(30歳・♂・狸)
 fa5236 志羽・鳴流(15歳・♂・猫)
 fa5237 迷路(19歳・♀・パンダ)
 fa5238 御崎・静(19歳・♀・兎)

●リプレイ本文

●キャスト
 カボチャンジャン:回路(fa4668)
 スイカンジャン:迷路(fa5237)
 ヘチマンジャン:梓弓鶴(fa4048)
 キュウリンジャン:柊(fa1409)
 ニガウリンジャン:タブラ・ラサ(fa3802)
 トウガンジャン:志羽・鳴流(fa5236)
 カルビ:マサイアス・アドゥーベ(fa3957)
 ご家庭の主婦:御崎・静(fa5238)
 ナレーション:志羽・鳴流

●第一幕開演
 幕が開くと同時に、ナレーションが聞こえる。
「ご家庭ならカボチャ以外の料理を作ってるところに勝手口からゾロゾロと。
 ご近所なら南瓜や柚子を売っている八百屋を素通りした時点でワラワラと。
 冬至の風習についてお説教。それが彼ら、ウリンジャンの使命である!」

●ご家庭
「フンフン〜♪」
 鼻歌を歌いながら、ご主人の好物であるパンプキンシチューを作っている静。クリーミィなカボチャの香りが、台所に漂う。味見をしてみると、今まで作ってきた中で良い味だったので静は嬉しかった。
 ピンポーン♪
 その時、チャイムが鳴ったので玄関に向かう。ドアを開けるのは、半分緑、半分白の全身タイツを着て、トウガン(作り物)の被り物をしているトウガンジャンの役目だ。
 玄関先には、悪の組織「ヤキニクーン」の幹部、カルビが立っていた。乗り込むのにチャイムを鳴らして登場とは、随分礼儀正しい悪である。
「いやいや奥さん、いや、お嬢さん! この寒い中カボチャなんか食べちゃダメである! こういう時はまずはスタミナ! スタミナと言えば焼肉である!」
 カルビが熱心に「焼肉を食べるである!」と勧めているところに、何者かが台所の勝手口からゾロゾロと乱入してきた。
「な、何ですかあなた達は! 勝手口から入って来ないでください!」
 と叱る静をよそに、舞台は暗転。

「瓜の印は正義の証し!」
 スポットライトが、赤い全身タイツにカボチャを被った人物を照らし出す。
「天に代わって食卓正す!」
 次に照らし出されたのは、黒い全身タイツにスイカを被った女性。女性が黒とは、戦隊モノには無い‥‥はず。
「天知る!」
 次は、男役を意識したポーズをとった白い全身タイツにヘチマを被った色白女性。
「地知る!」
 次は、スラリと背が高い緑の全身タイツにキュウリを被った女性。
「己知る!」
 最後に登場したのは、黄色い全身タイツにニガウリを被った少年。
『お肌の味方ウリンジャン見参!』
 舞台裏から「ちゅどーん!」という効果音がすると同時に、ビシっとキメポーズをとりながら全員で言う。
「現れたなウリンジャン! ええい、者共やってしまえい!」
 カルビの号令と同時に雑魚登場か、と思われたが、カルビは再びチャイムを鳴らす。ウリンジャンとは対照的に、悪の組織は雑魚に至るまで礼儀正しい。先程から玄関にいたトウガンジャンが玄関のドアを開けると、雑魚達が次々に入ってきたのだが‥‥彼らはそれを無視し、何やら話し込んでいる。

「冬至と言えばスイカ! だからリーダーはスイカンジャンよ!」
 スイカンジャンがそう宣言すると
「あたしがリーダーよ!」
 とヘチマンジャンが負けずに主張。それが元で、カボチャンジャン、キュウリンジャンも自分がリーダーだと言い張り、大揉めになってしまった。
 残りのウリンジャンが言い争いを始めた横を通り抜けて、ニガウリンジャンが先頭に立ち
「後ろでなんか言ってる人がいるけど、僕がリーダーだから。冬至にはゴーヤーカレー。冬至でなくてもゴーヤーカレー。これだね」
 勝手に話をまとめようとするが、当然のごとくリーダー争いに巻き込まてしまった。

「冬至と言えばカボチャだろ!」
 
 背後から突っ込むトウガンジャンに対し、「その通り!」と言うウリンジャン。見事なまでに息が合っていたので、音声は綺麗にハモった。

●瓜料理を食べさせよう
「強引に焼肉を押し付けるような奴には、瓜料理を食べてもろて、その素晴らしさを詩ってもらわなあかんな。スイカンジャン、例のものはできとるか?」
「いつでも準備オッケーよ♪ 今持ってくるね」
「あたしも手伝うわ」
 スイカンジャンとヘチマンジャンは、準備のため下手へ。

 暫くして二人がワゴン車に乗せて持ってきたのは、「きゅうりあんかけ」「はちみつきゅうり」「ゴーヤーカレー」の三品。
 カルビが最初に試食したのは「ゴーヤーカレー」だった。
「見た目は普通のカレーであるな。どれ‥‥」
 カルビは最後まで平らげたが、その後、露骨に苦そうな表情になった。料理自体は特に不味くしていないが、苦みはしっかり残っている。
「苦いからニガウリなんだよ。大人のくせに、この味がわかんないのかな」
 ゴーヤーカレーが好物のニガウリンジャンは、敵はもちろん、味方に対しても一切容赦ない性格である。
「その通りだよね〜」
 ニガウリンジャンを「緑のとげとげ仲間」として親近感を持ち、弟みたいに可愛がっているキュウリンジャンは、ニガウリンジャンの頭(というより被り物)を撫でた。
「お次はこれね」
 ヘチマンジャンが差し出したのは「きゅうりあんかけ」。茹でたキュウリに、そぼろあんかけをかけた料理だ。
「‥‥‥」
 警戒心を露わにし、恐る恐る食べるカルビ。
「これはなかなか美味いであるが‥‥キュウリは普通、生で食すものであろう」
 仰る通りだが、それは勘弁してもらいたい。
「生で食べるだけがキュウリじゃない。調理法を選べば、暖かいキュウリも美味しく食える〜。他の瓜もキュウリに同じだ。今度教えてやるから試してみろ〜?」
 そう言ってキュウリンジャンがカルビに食べさせようとしたものは「はちみつきゅうり」であった。キュウリの皮を剥き、それにはちみつをかけただけ、というシンプルな料理だ。
「これは明らかに調理法が間違ってるだろうが!」
 その突っ込みを無視し、強引に「はちみつきゅうり」をカルビに食べさせるキュウリンジャン。
「‥‥!!」
 驚いてしまうほど、表現できない味らしい。

「おまたせ〜」
 スイカンジャンが、お椀をトレイに載せて持ってきた。
「出来たか、アレが」
 カボチャンジャンの「アレ」と聞いた途端、カルビは嫌な予感がした。見た目は普通の味噌汁だが、黒い粒が浮いている。
「怪しい料理であるな‥‥」
 渋々、味噌汁に口をつけるカルビだったが‥‥突然、顔が青褪めた。
「スイカなんか料理するな! そもそもこの時期にどこから仕入れてきた!?」
 それは「スイカ味噌汁」だった。
「ウリンジャンに仕入れない瓜はあらへん。さあ、もっと喰いなはれ」
 カボチャンジャンが「皆、アレでとどめや!」と号令。
 ウリンジャンの技「うり坊ハリセンアタック」発動‥‥というが、本物のうり坊にハリセンをつけただけ、のものだった。
「お、お前ら! ご家庭の中でうり坊って‥‥それでも正義の味方か!?」
「だから?」
 ニヤリと邪悪な笑みを浮かべながら、ニガウリンジャンはさらっと受け流す。
「ええい、なりふり構わぬやつらめ! 覚えておれ!」
 カルビと雑魚達は、一旦退却することにした。
 
「ちょっと、この子達を捕まえるの手伝ってよ〜」
「一匹ずつ捕まえて舞台袖にひっこめないと‥‥」
 スイカンジャンとヘチマンジャンが必死でうり坊達を捕まえている。
「しかたないね〜」
「ほっといてもいいけど、舞台に残すのまずいしね」
 キュウリンジャンとニガウリンジャンは渋々手伝う。トウガンジャン、スタッフの協力もあり、うり坊捕獲はさほど時間がかからなかった。
「正義の瓜は勝つ!」
 うり坊捕獲後、全員そろって決めポーズを取った。

『冬! それは人が凍える季節! 冬至! それは夜が一番長い日を示す冬の象徴!
 寒い冬でも楽しむ心! 強い風にも耐え切る力!
 冬季限定今が旬! 冬至戦隊ウリンジャン! 第二幕、乞うご期待!』

 トウガンジャンのナレーションと同時に、幕が閉じた。

●豆知識
 幕が閉じた後、静が登場し、豆知識を語り始めた。
「カボチャは、中央アメリカから南アメリカ北部を原産地とするウリ科の植物です。
 日本かぼちゃは、16世紀中頃ポルトガル船によってカンボジアからもたらされ、名はこの時の伝来先に由来となります。江戸時代中期から風邪や中風の予防にカボチャを冬至に食べる風習が根付いたといわれています。
 緑黄食野菜の中でもカロチンの含有量は群を抜いてて多く、ビタミンEも野菜の中でトップクラス。血行促進・老化予防効果・ビタミンAにかわって肌や粘膜を丈夫にし、感染症などに対する抵抗力をつけてくれるんですよ。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」「脳卒中にならない」 という言い伝えがあるのはこのためです」
 豆知識が終わると同時に、ヘチマンジャンがハリセンを持ち登場した。
 スパーン!
 静の頭をハリセンで叩くと
「それだけ冬至のことを知っているのに、何でパンプキンシチューを作ろうとしたのよ!」
「主人の好物なんですもの‥‥」
 照れながらそう言う静に、更にハリセンアタック。
「日本人なら、冬至に食べるものはカボチャの煮物と決まっているのよ! あたしのお肌もカボチャで美しさを保っているんだから、あなたもそうしなさい。美しくなるわよ〜♪ あ、ヘチマ化粧水にヘチマタワシはいかが? これでより美しさ倍増よ〜♪」
 ヘチマなだけあって、美容を強調しているヘチマンジャン。
 
 20分後に行われる第二幕、乞うご期待!