ウリンジャン! 後編アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
氷邑
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芸能 |
フリー
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獣人 |
フリー
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難度 |
易しい
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報酬 |
0.9万円
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参加人数 |
6人
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サポート |
0人
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期間 |
01/02〜01/06
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●本文
冬! それは人が凍える季節!
冬至! それは夜が一番長い日を示す冬の象徴!
寒い冬でも楽しむ心!
強い風にも耐え切る力!
冬季限定今が旬! 冬至戦隊ウリンジャン!
お笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のADが企画したヒーローショー風コメディ『冬至戦隊ウリンジャン!』の第一幕が無事終了し、残る第二幕を上演のみとなった。
「第二幕も、一幕の調子で頼むぞ」
プロデューサーの一声に、出演者達は「はい!」と返事をした
<『冬至戦隊ウリンジャン!』ストーリー>
ご家庭ならカボチャ以外の料理を作ってるところに勝手口からゾロゾロと。
ご近所なら南瓜や柚子を売っている八百屋を素通りした時点でワラワラと。
冬至の風習についてお説教。それが彼ら、ウリンジャンの使命である!
<シーン1>
今回の舞台は商店街の八百屋前。
ウリンジャンのターゲットとなるのは、八百屋を素通りした買い物途中の主婦。
何故、彼女が狙われるのか? それは‥‥八百屋で柚子を買わなかったからである。
そこへウリンジャンが登場。
・決め台詞
「瓜の印は正義の証し!」(カボチャンジャン)
「天に代わって風呂正す!」(スイカンジャン)
「天知る!」(ヘチマンジャン)
「地知る!」(キュウリンジャン)
「己知る!」(ニガウリンジャン)
『お肌の味方ウリンジャン見参!』(全員)
<シーン2>
柚子を買わない主婦を説教しようとするが、そこに悪の組織「ヤキニクーン」の幹部・カルビが部下を引き連れて登場。
カルビは、子供の頃無理矢理熱闘風呂に入れられたという理由で風呂嫌いになってしまった。
風呂に柚子不要、風呂自体も不要、と強調するカルビ。
主婦はその場をコソコソ去ろうとするが、ウリンジャンは説教が終わってないと逃がさない。
<シーン3>
カルビとその部下を成敗するため、ウリンジャンは秘密兵器である「柚子ヨーヨー」を使い、熱闘風呂に放り込もうとするが‥‥仲間も放り出してしまう。
あまりの熱さにのたうつ熱闘風呂犠牲者。
<シーン4>
戦闘後、主婦に説教ならび、柚子湯の由来、重要さを話すウリンジャン達。
以上が、第二幕のあらすじである。
<登場人物>
・カボチャンジャン(赤):ウリンジャンのリーダー
・スイカンジャン(黒):縦横共にでかい体型(男女問わず)
・ヘチマンジャン(白):色白な人物(女性推奨)
・キュウリンジャン(緑):すらりとスマートで背が高い (男女問わず)
・ニガウリンジャン(黄):トゲトゲしい性格(子供推奨)
※スイカンジャンの体型は特殊メイクで加工可能
※服装は、フェイス部分が開いている各瓜のマスク、全身タイツにマントにブーツ
・カルビ:悪の組織「ヤキニクーン」の幹部。威厳は有るが実はギャグタイプ。
・主婦(あるいは主夫):八百屋の前を素通りしたため、ウリンジャンの標的に。
<ウリンジャンの技>
・柚子ヨーヨー:柚子の形をした水風船。中身は氷水。当たるとすごく冷たい。
※第一幕(前編)に登場していたトウガンジャンは、ウリンジャンを企画したADの平井・平良が担当します。
やる気あふれる皆様の参加をお待ちしております。
●リプレイ本文
●キャスト
カボチャンジャン:回路(fa4668)
スイカンジャン:迷路(fa5237)
ヘチマンジャン:御崎・静(fa5238)
キュウリンジャン:柊(fa1409)
ニガウリンジャン:タブラ・ラサ(fa3802)
トウガンジャン:平井・平良
カルビ:マサイアス・アドゥーベ(fa3957)
エキストラ:『ガハッ! とチャンネル』スタッフ
●八百屋前
「へいらっしゃい! 今日は冬至だ、柚子がお買い得だよ!」
買い物中の主婦は、威勢の良い親父を無視して、八百屋の前を素通りした瞬間
「まてーい!」
とどこからか声がした。
「そこの君〜冬至に欠かせない柚子を袖に振るなんて、俺らをウリンジャンと知っての悪戯〜?」
ワンテンポ遅い女性の声が、後に続いて聞こえる。
「今出てきたんだから関係ないだろ!」
と上手寄りに半分緑、半分白の全身タイツにトウガンの被り物姿のトウガンジャンが突っ込むと同時に、舞台は暗転。
一列に並びワラワラと登場したのは‥‥。
「瓜の印は正義の証し!」
スポットライトが、ウリンジャンのリーダー、カボチャンジャンを照らし出す。
「天に代わって食卓正す!」
次に照らし出されたのは、スイカンジャン。
「スイカンジャン、台詞違うよ」
スイカンジャンに耳打ちするトウガンジャンだったが、内容は筒抜け。突っ込まれ、間違いに気付いたスイカンジャンは
「もとい、天に代わって風呂正す!」
と訂正。
「天知る!」
次に登場したのはヘチマンジャン。
「地知る!」
スラリと背が高いキュウリンジャン。
「己知る!」
最後に登場したのは、トゲトゲしい性格のニガウリンジャン。
『お肌の味方ウリンジャン見参!』
舞台裏から「ちゅどーん!」という効果音がすると同時に、ビシっとキメポーズをとりながら全員で言う。
「な、何よ! 私が何をしたっていうの!」
逃げようとする主婦に「‥‥見たよ?」と、ニガウリンジャンはボソリと呟きにやりと笑う。さりげない動作の中にも、性格の悪さが出ているのがこの子らしい。
「逃げようたってそうはいかないよ?」
「あなたへのお説教、まだ終わっていないわ」
スイカンジャンとヘチマンジャンが主婦の腕をがしっと掴んで説教しようとしたその時!
●風呂不要!
「待てーいっ! そうはさせんぞウリンジャンめ!」
下手から悪の組織「ヤキニクーン」幹部、カルビが部下を引き連れて登場。
「この者達に騙されてはいかん! 風呂に柚子を入れることに、柚子の値段分の価値はあるか! 否である!」
実際、ある程度の薬効は証明されているので無駄とは言いきれないのが苦しいが、カルビは、そこから風呂自体を無駄扱いする方向に持っていく。
「そもそもこの水の冷たい時期に、わざわざ風呂桶一杯のお湯を沸かすなどまさに無駄!」
「あんた、風呂入ってねぇの〜?」
キュウリンジャンの突っ込みに、黙って最後まで聞け! と返すカルビ。
「身体を洗うだけならシャワーを使えば十分事足りる、その後温まりたいなら素早く寒い風呂場を出てコタツにでも潜り込めばいいのである!」
「それ、すっごく無駄なことだと思う」
ニガウリンジャンのトゲトゲしい意見を無視し風呂無用! 唱え続けるカルビ。その理由は、熱湯風呂に無理矢理入れられたというトラウマがあるからだ。恐るべし、恐怖の記憶。
「風呂嫌いはこれで攻撃や。柚子ヨーヨー発射!」
カボチャンジャンの号令で、一斉に柚子ヨーヨーをカルビ達に投げつけるウリンジャン達。部下はそそくさと退散するが、カルビは笑い飛ばしている。
「冷たいっ! こんなの、持てないわよ!」
と愚痴りながらも投げつけているヘチマンジャン。
●熱闘! 熱湯?
その間、キュウリンジャンとトウガンジャンは協力して熱湯が入った風呂をセッティングする。風呂にはマジックで『熱闘風呂』と書かれていた。
「これ、熱湯の間違いだよ!」
トウガンジャンが突っ込む。
ニガウリンジャンは、身体が小さいのを利用して仲間が戦っている間にカルビの後ろに回り込み、八百屋前においてあるみかん箱を足場にし、少し高いところで柚子ヨーヨーを一瞬の隙をついてカルビの背中に放り込む。
「タチの悪い子供のイタズラだから、怒らないでね」
大人相手でもトゲトゲしいニガウリンジャン。それに続き、他のウリンジャンがお構いなしに柚子ヨーヨーで一斉攻撃!
「はっはっは! そんなもので何ができ‥‥って、冷たいではないか! おのれ、姑息な真似を!」
ヘチマンジャンとトウガンジャンは、他のウリンジャン達が柚子ヨーヨーを投げている間に熱湯風呂を押し、カルビの側に持ってきた。
「こっちだ〜」
キュウリンジャンは皆を誘導しようとするが、自分も放り出され‥‥かけ寸前のところ回避。カルビを無理矢理熱闘風呂に入れようとしたカボチャンジャンが犠牲者となった。
「熱いやないか、ボケ! あちちちち!!」
即上がり、舞台でのたうちまくるカボチャンジャン。
「‥‥いくら風呂好きでもこれは熱いだろうな〜」
オロオロするキュウリンジャンであった。
「カボチャンジャン! 大丈‥‥」
そう言いかけスイカンジャンは、水で濡れた舞台で滑り、そのまま熱闘風呂に直行。
「あちちちちっ!」
カボチャンジャン同様、のたうちまくるスイカンジャン。
「次はあんたの番だよ、おじさん」
「風呂嫌いを克服しないとね〜?」
キュウリンジャンとニガウリンジャンの2人は、カルビを抱えるといっせーのーせ! の合図と共に熱闘風呂に放り込んだ。
「ぬ‥‥あっつーい!!」
カボチャンジャン、スイカンジャン同様、すぐに上がるとのたうちまくった。その隙に、ヘチマンジャン、キュウリンジャン、ニガウリンジャンはカルビに柚子ヨーヨーを投げつける。
「つ、冷たいではないか!」
「冷たかったら、もう一度熱闘風呂に入ればいいじゃん」
「そ〜そ〜」
気が合うキュウリンジャンとニガウリンジャンの言葉に、カルビの血の気は一気に引いた。
「お、おのれ! 今回はこれで退散するが、次は負けないである!!」
カルビは悔し涙を流しながら去っていった。彼のトラウマは深まる一方だった。
「おじさん、柚子ちょうだい〜」
キュウリンジャンは、八百屋で柚子を買い、丁度良い湯加減になった熱闘風呂に柚子を入れ柚子風呂にした。
「あ、やっと普通の温度に〜‥‥いや、いい湯加減だ〜」
キュウリンジャンのまま入浴し、柚子湯を堪能している。なんておいしい役どころなんだ‥‥。
●柚子湯豆知識
第二幕終了か? と思いきや、ヘチマンジャンが柚子湯について話し始めた。
「柚子湯とは、柑橘類の果実である柚子を浮かべたお湯で、日本古来から冬至に柚子の湯に入浴する事が伝統的な習わしとされています。血行促進効果があり、冷え性や神経痛、腰痛などを和らげ、血行促進効果が高いです。
ある検査では、普通のお湯と、柚子湯に入浴後のノルアドレナリンを比べると、4倍の差が出ています。ノルアドレナリンは、血管を収縮させる効果のある成分のことなので、 それだけ血管が拡張していたことが分かります。
果皮に含まれるクエン酸やビタミンCにより、美肌効果もあります」
カボチャンジャンは「柚子は正しく使えばお肌にとってもいいのよ」と主婦に説教。
「正しい柚子湯の作り方としては、柚子の果実を5〜6個輪切りにして、湯に浮かべることです。皮膚が弱い方は、輪切りにした柚子の果実を熱湯で、20〜30分蒸らし、 その後、布袋に入れて湯に浮かべると良いでしょう」
「そろそろお肌の曲がり角でしょ? その辺あんまり気にしてないよね。見ればわかるけど」
等、主婦にとってグサリとくる一言をニガウリンジャンが言う。
「正しい柚子湯の入り方覚えた?」
とヘチマンジャンが聞くと「は、はい!」と主婦は答えた。
「これでわいらの使命は終わった‥‥わけやない。まだまだ、冬至について説教せなあかん!」
カボチャンジャンのその言葉に、力強く頷くウリンジャン達。
『皆、ウリンジャンを応援してくれてありがとう! 来年、また会おうね!』
最後の決め台詞を言うと、全員でビシっとキメポーズ。
『冬! それは人が凍える季節! 冬至! それは夜が一番長い日を示す冬の象徴!
寒い冬でも楽しむ心! 強い風にも耐え切る力!
冬季限定今が旬! 冬至戦隊ウリンジャン! 今後の活躍、乞うご期待!』
平井のナレーションで幕が閉じ、ウリンジャンの舞台は終了した。
●打ち上げ
舞台終了後の打ち上げで、迷路は柚子まんじゅうを出演者、スタッフ達に差し入れた。
「みんなーお疲れ様ー。これ食べてね♪」
配られた柚子饅頭は、回路の手作りだ。
「いただきまーす!」
皆は一口食べると「酸っぱいけど美味しいよ」と褒める一同。
(「作った甲斐があったわ。よかった、皆に喜んでもらえて」)
「おもろかったな。またやりたいわ。平井はん、また企画宜しゅう」
「え‥‥?」
回路の言葉に、ウリンジャン達は「またやりたい」と続けて言った。
「出演者の意見は聞いておけよ、平井」
番組プロデューサーが、平井の肩にポンと手を置いて忠告した。
次の企画はどうなるのかは‥‥平井の気力次第である。
次の冬至まで、ウリンジャンの活動はしばしお休み。この続きは‥‥お楽しみ?