ギャグかまし討論アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
氷邑
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
7人
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サポート |
0人
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期間 |
02/14〜02/18
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●本文
コンビニで買い物を済ませたお笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のプロデューサーは、ご機嫌斜めで編集部に帰ってきた。
「プロデューサー、どうかしたんですか?」
ADの平井・平良は、周囲の「やめとけ」という声を無視し、プロデューサーになり声をかけた。
「平井、おまえ‥‥ポイントカードって持ってるか?」
「ポイントカードって、買い物をするとポイントが溜まるアレですか?」
「それ以外の何があるってんだ」
むすっとした顔で言うプロデューサー。
「最近、どのコンビニに言っても、店員に『お客様、ポイントカードはお持ちですか?』って聞かれるんだよ。んなもん無くても買い物はできるっつーんだ!」
これが機嫌の悪い原因のようで。
「こないだやった討論番組だが、第二弾製作するぞ! 今回のテーマは『ポイントカード』だ!」
「‥‥またギャグ討論ですか」
はぁ‥‥と深い溜息を吐く平井。
「今回は、反論する際にハリセンで突っ込ませる! パイ投げ、金タライもありだ!」
「や、やりすぎでは‥‥?」
これくらい過激でないと視聴率は取れん! の一点張り主張のプロデューサー。
こうして、プロデューサーの八つ当たりによる企画で、以下のような番組を作ることとなった。
<企画「ボケツッコミ討論」>
討論のお題は、コンビニ、デパート等の『ポイントカード』
これは必要か不要か?
肯定意見、否定意見をギャグをかましながら話し合いましょう。
反撃する際に使用するものはハリセン、クリームパイ、金タライの三種類。
ボケ・ツッコミ、お笑いなら問答無用の討論会です。
少し過激化している企画が通るのだろうか‥‥?
●リプレイ本文
●必要派の意見
肯定派として最初に発言したのは、エセセレブで、無駄に煌びやかな衣装の小野田有馬(fa1242) 。
「私、お金には一切不自由していないけど、得をするチャンスを逃すのはイヤなの」
貧乏性やんけ! という否定派の意見を、小野田は金タライを盾にしてガード。いつクリームパイを投げられたり、ハリセンでどつかれても良いようにと用意周到。用心深いオカマである。
「私の財布には、もう100万円分くらいのポイントカードがあるのよ!」
「すっごーい! あたしもポイントカード持ってるけど、そんなに貯まってないなぁ」
感心するのは、小野田同様、必要派の迷路(fa5237)。
「ポイントカードは必要か不要か、って言われたら、あたしは「必要」って答えるかな。ポイント貯めるの大好きだし。手続き面倒だけど、後はポイントを貯めるだけだもん。それに、ある程度ポイントが貯まったら、少しでも安く買い物できるしね」
それだけではなく、会員特典もいいと主張する迷路。買い物好きな彼女にとっては、重宝するアイテムである。
「基本的には、ポイントカードに対して否定的な人ってあんまり居ないと思うのよね〜。客の得になるからね。んー、けど、まあ、あたしも全面肯定って訳じゃないのよね〜」
どっちやねん! と否定派が突っ込むが、これまた金タライでガード。
「ほら、お財布がパンパンになるじゃない? 使わないカードとかあるのよね〜、10年ほど」
10年待たずに捨てろよ! という突っ込みも金タライでガード。
「そんなに使わないと思うけど‥‥」
否定派に続き、迷路まで突っ込む。
「私の場合は、ポイントカードよりスタンプカードのほうが好きね。貯めるのが好きっていうのは同じだけど。魅力は「貯まると特典つき」ね。商品がもらえたり、割引されたりと」
肯定なのか、否定なのかわからない意見を述べる御崎・静(fa5238)。
「でも、酷いところもあるわよ。お買い上げ1万円ごとに1ポイント発行、100ポイントで10円のお買い物券とか」
「それ、ひどーい!」
ねえよそんなの! とまたまた否定派に突っ込まれるが、小野田と迷路は金タライでガードして無視。そのまま会話を続けている。
「私は、普段からスーパーは良く利用するのでポイントカードは身近ですね」
と意見を述べる八嶋かりん(fa4978)。
「実際、使わなくてもポイントカードの点数が増えていくのは嬉しいですよ。まぁ、ポイント貯め続けたものの、先日、その店廃業しましたが‥‥」
それは残念だったわね‥‥と同情する小野田、迷路、御崎。
「ポイント性を導入しなくても、その分を最初から安く出来れば良いんですけど。多数の店舗でそれを実施した場合、ひたすらな安売りの競争になってしまいます。つまり、ポイントカードは、店舗同士での妥協みたいな物なんですかね?」
八嶋の意見に、御崎が更に付け加える。
「でも、持ってないのに「お持ちですか?」って聞かれても困るわ。カード類は持っていてもレンタルカードだけだし。クレジット式のポイントカードもあるけど、これじゃ、クレジットカードと変わらないじゃない。今のお店は、ポイントカード作らせて顧客を増やそうというのが狙いかも。どこのお店でも必死で会員募集しているもの」
御崎は、ポイントカードは必要派だが、それよりもスタンプカードのほうが重要なのである。彼女自身、パン屋、美容院、化粧品店等色々持っている。スタンプ満タンになるのが好きなようで。
●否定派の意見
否定派発言一番乗りは、マサイアス・アドゥーベ(fa3957)。
「ふむ、今回はポイントカードであるか。わしは否定派である!」
デン! と構えるポーズは更に否定を主張している。
「わしの主張は、一言で言えば、「ポイント還元するくらいならそのまま値引きしろ」となる。例えば、税込105円、つまり税抜き100円のものを買うと1ポイント貯まる店があるとする。これを税抜き100円を1円値引きして税抜き99円にすると、消費税の端数は切り捨てられるので、税込104円ではなく税込103円になる。この方が客としてもお得ではないか!」
評論家の意見らしく尤もな部分もあるが、本人曰く、これはれっきとしたボケだとか。
「本来、ポイントカードはリピーター獲得の手段であるから、還元額が一緒なら値引きしろは少なくとも店の側からすれば成り立たん! 更に言うが、カードが1枚2枚ならともかく、店ごとにあると邪魔なことこの上ない!」
そう言われると、使う時にどれがどれだったかわからなくなるし、増えすぎると財布に入りきらない。
「どうしてもポイントカードを使いたければ、各店でバラバラに出さずに統一すればよかろう!」
そんなムチャな! と肯定派がクリームパイを投げて突っ込むが、マサイアスには平然と仁王立ちしている。
「ポイントカードは「自分の店に」帰ってきてくれる客を囲い込む手段であるからな。異業種ならともかく、同業種で提携してもさほどの意味はない」
一呼吸置き、最後に一言。
「プロデューサー氏も言うように、いちいち確認されるのが鬱陶しい。使うなら最初から出している、出してない時に聞くな。店側はカードのない客にカードを作らせたいのであるからな」
これはボケなのだろうか、本心なのだろうか?
「さすがは評論家だね、お見事」
パチパチと拍手をし、マサイアスを褒める志羽・鳴流(fa5236)。
「大人はクレジットカード持ち歩きが好きみたいだけど、ポイントカードを持ち歩いている女の人もそういう気分なのかな? 僕は嫌だね。カードって持ち歩くの不便なんだよ。カードは、キャッシュカードだけで十分」
10代の志羽から見ると、大人=お金持ちのイメージが強いようで。
「コンビニのカードなんて、客集めのための口実じゃん。それも嫌なんだよ。カードは落すと、探すの厄介だよ?」
志羽自身の体験談によると、キャッシュカード落として大変な目に遭ったそうで。すぐ見つかったのが不幸中の幸いだったとか。
「カードは、キャッシュカードとトレーディングカードで十分だよ」
トレーディングカードは今回の討論と関係無いわよ! とまたしても肯定派がクリームパイで突っ込むが、年齢の割りに冷めた物の考え方の志羽は、素早く金タライでガードしたが、クリームが飛び散り、彼の衣装についてしまった。
「お、おろしたての衣装が‥‥!」
本日着たばかりの衣装を汚されたことが引き金となり、志羽はキレてしまった。
●闘論開始?
「僕はカードを持った大人は大っ嫌いだ!」
志羽はクリームパイを手にすると小野田の顔面めがけて投げつけたが、外れてしまった。
「あなた達の意見は、私達ポイントカード肯定派を侮辱しているも同然よっ!」
金タライを盾にしながら、小野田がクリームパイをマサイアスと志羽に投げつける。それは見事にマサイアスの顔面にヒット!
「わしも怒ったである! ポイントカードなど愚の骨頂! そんなもの無くても生きていけるである!」
先程までの平然さはどこへやら、マサイマスはハリセンを持って小野田めがけて突進してきた。
「小野田さん、危ないっ!」
迷路が、金タライでマサイアスのハリセンを塞いだ。
「ありがとう、迷路ちゃん」
「同志は見捨てられないわ。あなた達も手伝ってちょうだい!」
八嶋と御崎に協力を要請する迷路だったが、二人は
『衣装が汚れちゃうから嫌』
と音声多重の如く断った。
「ポイントカードなんて、無くなっちゃえばいいんだっ! 未成年にまで勧誘するなんて最低だねっ!」
未成年の主張を含んだ志羽の意見に「年齢なんて関係無いわよ!」と突っ込む小野田。
「ポイントカードは買い物好き必須のアイテムなのよっ! 無くてはならないものなのよっ!」
「そんなものは不要である!!」
迷路、マサイマスの発言も過激化しはじめている。
「プロデューサー、このままではスタジオが滅茶苦茶になってしまいます!」
「止めないとヤバイっすよ!」
止めようとする番組スタッフ一同だったが
「合戦ものみたいで面白いから、このまま続ける。参加者諸君、おおいに主張してくれたまえ!」
プロデューサーのその一言は、ボケツッコミバトルを繰り広げている参加者の闘争心を更に煽った。
収録が終わったのは、当初の終了時間より二時間遅れだった。
●番組編集
「これ‥‥どこをカットすればいいんでしょうか‥‥」
編集担当者は困っていた。
「面白いから、ノーカットでいこう」
「こ、これをですか!?」
プロデューサーに同行していたADの平井・平良はそれはマズイですよと言ったが、無視された。
結局、どうなったかというと‥‥番組はノーカットで放映された。
内容がアレなので、視聴者の誰もが「討論番組」ではなく「お笑い合戦」と思っているだろう。
次があるのかどうかは、プロデューサーの機嫌次第である。