白セカチューカップルアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
氷邑
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
易しい
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報酬 |
7.1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
03/14〜03/18
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●本文
「ホワイトデーーの企画だが、これでどうだ?」
お笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のプロデューサーがADの平井・平良に企画書を手渡し、意見を求めている。
「拝見させて貰います」
企画書の表紙には『世界地図の中央でカップルがイチャつく・ホワイトデーバージョン』と書かれている。今回は、ホワイトデー用のコントらしい。
「タイトルは略すんですよね?」
今回も『世界地図の中央で』がついているんだ‥‥ということは、心の中でボソッと呟く平井。
「当然だ。そのままだとやたら長いからな。サスペンスの新聞見出しと一緒にするな。今回は『白セカチューカップル』な」
ホワイトデー=白い日、と直訳して考えたのだろうか。
「それなら大丈夫でしょう」
<白セカチューカップル企画内容>
・出場者は恋人同士(同性問わず)という設定。二人一組で参加すること。
・バレンタインデーのお返しを手渡す時の会話にお笑い要素(ボケ、ツッコミ等)を入れること。
・背景は今回も巨大な世界地図。テーマは『世界中に自分達のホワイトデーの様子を見せる』
・最も熱愛度が高い恋人が優勝
前回のバレンタイン用番組同様、録画取りして、周囲の雰囲気が雰囲気はCG処理、ということで決定だが、あくまでもメインは出場カップルのアツアツ振りを視聴者に見せることだ。
「で、今回の商品は?」
「ホワイトデーのお返しはいろいろだからなぁ‥‥。北海道旅行と考えている」
「北海道土産から考えたでしょう」
ギクッ! となるプロデューサー。図星らしい。
今回は手抜きかも‥‥と平井は思ったが「素晴らしいです、さすがプロデューサー!」と褒めまくる。
「タイちゃん、お相手がいなかった場合、今回もキミがやってね」
「えー!?」
「文句言うな!」
今回もプロデューサーの気迫に負け、渋々了承する平井であった。
●リプレイ本文
●振り回される恋愛
上月 一夜(fa0048)は、紗草みりん(fa2632)と組んで登場。
テーマは『ツンデレ女性とそれに振り回される男性』。
バレンタインの日、チョコを渡してくれた紗草に、上月は紗草にホワイトデーにお返しをすることに。苦かったとはいえ、チョコを貰ったことに変わりは無い。
場所は、海の見える公園。
「ねぇ、いきなり呼び出して何か用?」
実際解ってはいるのだが、一応聞く紗草。案の定、ホワイトデーに関しての事だった。
「んーとな。まぁ、今日はホワイトデーだろ?」
「そ、そう言えばそうだね‥‥」
軽く相槌を打つ紗草に、上月はお返しの品をくれた。
「はい、プレゼントのチビチョコ」
チビチョコー(どこぞのロボ風口調突っ込み)
「うっはぁー! このチョコの価値を考えれば、10円は大変リーズナブルよねっ‥‥って、お返しは気持ちだって言っても、これは流石に限度があるわよ!」
紗草が怒るのは無理もない。
「落ち着けーまずはその拳を納めろー! ジョーク、ジョーク!」
紗草は、場合が場合なら、上月の脳天に真空跳び膝蹴りし、エアロバッキバキにするつもりで溜めに入ろうとした所、冗談だとわかった。
「はい、お返し」
上月は、本当のお返しクッキーを紗草に手渡した。
「別に、嬉しくなんかーないんだからねっ」
そんな紗草の言葉に、肩を竦めて苦笑する上月。
「テンション上がって来たからと歌を歌う芸人並にどーでも良いんだからね? 解ってる? 理解してる?」
●恋の想定練習
DarkUnicorn(fa3622)は、彼氏役のパートナーがいない故、本当にチョコを貰うことになった時のことを想定して、人形相手にホワイトデーの予行練習をすることに。
「一人予行練習でもやってみるかの‥‥」
人形を手にし、一人二役で練習するDarkUnicorn。
「チョコだけなのかの‥‥」
声色を変え、人形が話す。
『いや、チョコを貰えたのは素直に嬉しいのじゃ‥‥。嬉しいのじゃが‥‥ホワイトデーは3倍返しと言うであろう。大好き‥‥愛してる‥‥。口では、なんとでもいくらでも言えるのじゃ。わしは、そんなありきたりな言葉だけでは満足できないのじゃ。ちゃんと‥‥その‥‥こ、行動で示して欲しいのじゃ』
「何をどうとは、そのっ、わ、わしの口からは言うのは‥‥」
自演とは言え、この台詞は恥ずかしいと汗だくのDarkUnicorn。
『お、お主なら‥‥そ、それくらい察しがついて居るじゃろうに‥‥。わしの口から言わせようとは意地の悪い奴なのじゃな‥‥』
しまいには、赤面して今にも倒れそうになっている。
「わ、わしは人形相手に何を言って居るのじゃ!? やはりこういう事はネタにすべきことでは無いの‥‥。こんなところで寄り道せず、家に帰ってあやつのことを待ってみるとするかの‥‥ウムッ、そうじゃな♪ それが良いのじゃ」
コントが終わると、DarkUnicornは逃げるように退場した。
●ズレた恋愛
マリアーノ・ファリアス(fa2539)と恥ずかしがっている桃木舞子(fa5279)は可愛らしいカップルに見えるが、桃木は女装した男の子だ。
二人の間にドアをセットし、部屋の中で携帯で誰かと話しているマリアーノの会話を、桃木が廊下で盗み聞きという設定のコントだ。
ルンルン気分で部屋の前に来て、マリアーノの声が聞こえると聞き耳を立てて、会話を聞く桃木。
「キミだけだよ。ホントだって」
(「なんですって!?」)
電話の向こうから女の声がするので、浮気相手と電話をしているんじゃと誤解し、後の会話はもう恋人同士の会話としか思えない桃木は、ハンカチを咥えて引っ張ったり、地団太を踏みまくりと怒りを露わに。
「うん、好きダヨ? じゃ、楽しみにしてるネ」
バン! と桃木がドアを開け詰め寄ってきたのに気付いたマリアーノは、慌てるというよりワケがわからない様子だった。
「誰と話してたの?」
「お姉ちゃんダヨ。クレームブリュレ作っているお姉ちゃんが「卵って全部入れるんだっけ?」って聞くカラ「黄身だけ」と答えたんダヨ。それと「抹茶味はどうしよ? 確か好きだったよね?」と聞かれたカラ「好き」で「楽しみ」なのは抹茶味のお菓子って言ったんダヨ」
という説明で一段落。
「べ、別にやきもちじゃないんだからねっ」
とツンデレ風にもじもじする桃木は、話題を切り替えた。
「今日は何の日だかわかる?」
「アレだヨネ」と、マリアーノは具体的なことを言わずに舞台袖に行った。
プレゼントをくれるのかしら? ともじもじしていると、マリアーノは何故か刀(おもちゃ)を持ってきて、明後日の方向に斬りかかった。
「吉良上野介、覚悟っ!」
「浅野殿、殿中でござる! って違う!」
桃木はノリツッコミで止めらると、マリアーノは違うノ? ときょとんとしている。
違うようなので、今度は太陽の塔のミニチュアを持ってきた。
「これだヨネ。大阪万博開幕の日」
「そうそう、太陽の塔が‥‥って、あんたいくつ!?」
二人が生まれる以前の出来事なのだが、何故知っている?
止められたマリアーノは、何かを思いついたように花束を持ってきた。
「今日は国際結婚の日。というわけで、ボクと結婚してくだサイ♪」
照れ隠しの保留を文字通りに受け取った桃木は彼のプロポーズを受け、満面の笑みで受け取るも、照れ隠しに
「か、考えておいてあげるわっ。ホワイトデーの事だったんだけどね」
とそっぽを向きながら笑顔。
「じゃ、いつでも返事待ってるカラね」と笑うマリアーノ。
結局、彼は最後までホワイトデーだと気づかなかった。
●人間言語女性の恋
ボケ倒しでいくと決めた高白百合(fa2431)だったが、相方がいないのでADの平井・平良がお相手することに。
高白が演じるのは、感情表現が肉体言語になっている女性。
「すきすきだいすきー」
という内容を言いつつ、何故か無意識に格闘技を相手に格闘技をかけようとするタイプだ。格闘技は絶対に成功させず、絶対に相手に被害を及ぼさない形で自爆するという方向性を厳守するところが重要。
純情可憐な態度と、無駄に鋭い動きで笑いをとれればいいな、と思う高白だった。
平井からホワイトデーのプレゼントを貰った高白は
「あ、ありがとうございます。私‥‥」
純情、清楚っぽく振る舞い、流れる涙をハンカチで拭い、その後、感極まって
「平井さーんっ!」
と、猛禽類が獲物を狙うが如くの鋭い動で抱きつこうとしたが、平井は上手く避けた。
「平井さん、酷い‥‥」
高白は、また抱きつこうとしたが防御されて、捨てられた子犬のような目で平井を見上げる。
「私のこと嫌い‥‥?」
「だ、大好きだよ」
「嬉しい!」
嬉しさのあまり平井に抱きつく高白だったが、力が入りすぎたのか、平井は気絶してしまった。
●恋人同士?
最後に登場したのは、常盤 躑躅(fa2529)と鶸・檜皮(fa2614)。
常盤躑躅子、それが鶸の彼女の名である。
彼女は見た目こそ筋骨隆々2メートル近いが、ああ見えてシャイである。そのあまり、いつもパンダ覆面を被っている。寝る時も風呂に入る時も決して脱がない。
謎多き女なのだ。いや、女かどうかも怪しい気がしてきた。
怪しい、と評価された常盤躑躅子は、自称「白馬に乗った王子様をゲットしたパンダ覆面の似合うカワイイ女の子」だ。サービスのつもりなのか、何故か白いスク水を着ている。
今日は彼といつものベンチで待ち合わせ。躑躅子に渡したい物があるらしい。
「やっぱりこの日に渡したいものって言ったらアレしかないよねぇ〜。うふふ、楽しみ。檜皮ったら、さっきから俯いてブツブツ独り言なんか言っちゃって。恥ずかしがりやさんなんだから。なかなかチョコを渡せないのねそんなウブなところがまたかわいいんだけどね」
ぶちゅ〜う、と躑躅子は鶸に濃厚キスを迫るが
「俺は無理に自分を偽っている。そもそも人選に無理がありすぎた‥‥」
と、器用に避けて後悔する鶸。
(「奴のネタ合わせの時の芝居が容姿に反し、上手すぎるのも余計にむかつく。奴が本番で渡せと準備してきたこの気合の入った手作りのパンダチョコは何だ‥‥。ノリノリじゃないか‥‥」)
「すまんが、今回の仕事は無かったことに。これ以上おまえの気持ち悪い女装姿は見るに耐えられん」
鶸は精神も身体も限界だったが、チラリと常盤の顔を見た瞬間、キレた。
「テメーは俺を怒らせた! キスならこのパンダチョコとでもしていろ! 正拳! 裏拳! 肘撃ち! 膝蹴り!オラオラオラー!」
鶸は、容赦無く常盤を打ちのめした。
「危うく性質の悪いホワイトデー偽装彼女業者に騙されるところだった。いくら俺が独り身だからといって、安易にパンダで手をうつわけがない。さて、変態は片付けたし帰るとするか」
ボコにされた常盤を無視し、鶸は退場した。
●結果発表
「こ、今回の優勝カップルは‥‥常盤 躑躅、鶸・檜皮のお二人です」
引きつった笑顔で、平井は審査発表を行った。その理由は、常盤がまだあの格好だからだ。
「お二人には、北海道旅行を満喫していただきます」
旅行券が入った白い封筒を、鶸に手渡す平井。
「ちょっと待て。まだクソ寒い北海道に行けというのか?」
常盤が凄みを効かせて平井に聞く。
『北海道は夏に行くのがベストなんだよ!』
この時ばかりは、常盤、鶸の息はベストカップル以上だった。
めでたし、めでたし?