気楽邦人アジア・オセアニア
種類 |
ショート
|
担当 |
氷邑
|
芸能 |
3Lv以上
|
獣人 |
フリー
|
難度 |
やや易
|
報酬 |
7.5万円
|
参加人数 |
8人
|
サポート |
0人
|
期間 |
03/14〜03/18
|
●本文
午前4時44分44秒、奈落佳人なる絶世の美女が現れ、恋の怨みを晴らしてくれる。
中高生を中心とした若い世代の間で広まっている都市伝説であるが、それとは別の都市伝説がある。
その人物は、午前3時33分33秒にどこからともなく現れ、悩みを解決してくれるという。
ある時は押入れから、またある時は窓をこじ開けて、またまたある時はクローゼットの中から。
しかも、その日によって衣装が異なるとか‥‥。
その者の名は『気楽邦人』。
お気楽極楽、マイペースで絶好調! がモットーらしい。
お笑い芸人よりテンションが高く、アナウンサーより早口言葉が得意とか‥‥。
小規模な掲示板に、こういう書き込みがある。
『気楽邦人は、午前3時33分33秒に姿見の前で「お悩み聞いて、邦人様」と言いながら祈ると出てくる。
どこから来るかは一切不明。その日によって出現場所が異なるらしい。
出現場所だけではなく、衣装や性格、性別、年齢も異なるとか‥‥』
その噂を信じた悩みを持つあなたは、気楽邦人を召喚することに。
<その1>
来年受験を控えた学生は、どの高校を受けようか大いに悩んでいた。
親に相談しても、担任に相談しても「おまえはこの学校に行くべし」という回答しか返ってこない。
途方にくれた学生は、悩みを解決するという気楽邦人召喚を決意。
<その2>
人気アイドル『サタデーナイター。』のメンバー、タツキは脱退を考えていた。
このまま活動を続けていても、自分の人気は衰えないが、ソロデビューも悪くないとも考えている。
どちらにしようかな、状態なので、気楽邦人に決めてもらうことにした。
<その3>
姑にいびられ捲くりの嫁は、あまりの仕打ちに家を飛び出した。
なけなしの所持金と荷物を手に、ホテルに逃げ込んだ嫁は自殺しようと考えたが、自分を愛し、大切にしてくれる旦那のことを思うと死にきれない。
悩んだ末、気楽邦人に相談することに。
あなたのお悩みは解決できるかどうかは、気楽邦人のみが知る‥‥。
<登場人物>
気楽邦人:午前3時33分33秒に出現し、悩みを解決してくれるという謎の人物。
登場場所、衣装、性別は出現日によって異なる。
学生:相談者その1。進路について悩んでいる。
タツキ:相談者その2。脱退してソロ活動すべきか悩んでいる。
嫁:相談者その3。姑のいびりに耐え切れず家出。
※相談者は固定配役です。
※気楽邦人は男女、年齢不問。
※気楽邦人の出現場所は相談のうえお決めください。
●リプレイ本文
午前3時33分33秒にどこからともなく現れ、悩みを解決してくれるという謎の人物がいる。その者の名は『気楽邦人』。
お気楽極楽、マイペースで絶好調!
お笑い芸人よりテンションが高く、アナウンサーより早口言葉が得意。
今日も誰かの悩みを解決すべく、彼(彼女)等は奮闘している、かと思いきや‥‥。
●第一の相談者
気楽邦人達だが、炬燵で寝てる者もいれば、麻雀打ってる者もいるし、夜食のカレー作りに凝っている者もいる。この邦人は相談者の所へ出向く度に、カレーをお土産に持たせているのが、日によって煮込み度が違うのが欠点である。
気楽邦人異界(気楽邦人達の控え室みたいな場所)で待機中の邦人達は、いざとなると雀卓に座り、麻雀打ちに熱中で相談に行く気ゼロ。
炬燵で寝てるおまえが行って来いよ、と炬燵で寝ている気楽邦人に行かせた。指名された気楽邦人は、デモンズスーツに赤の蝶ネクタイ、サングラスと背中にエレキギターと言う格好で相談者の元へ。
「ゆかも行く〜」
相談者にカレー渡すついでと共に行ったのは、無責任応援邦人(武越ゆか(fa3306))。
学生(姫川ミュウ(fa5412))は、周囲の意見に悩んでいた。
そんな時、悩みを解決してくれるという気楽邦人を召喚した後、強風を伴った豪雨が降り注ぎ、窓を揺れ、雷が落ち部屋の電気は消え静寂が訪れたかと思えば、ベートーベンの第九をBGMに背中にエレキギターを背負い、エアギターで扉から律儀にノックをして登場のエアギター邦人(虎真(fa0862))が現れた。
「何事にも始めが肝心なんだ、始めが。一番手だしな。気にするな、こちらの事情だ」
「は、はぁ‥‥。早速だけど、相談」
不安になりながらも、学生は相談することに、
「進学で悩んでいるんだ。来年の進路はバリバリ進学校の私立か、自由な校風の公立か選べないんだ。周囲は「私立を推すが自分は公立が良い」って言うから、周囲の声に反対出来ない」
真面目な内容に、ノリと熱血を重視し、無駄に説得するエアギター邦人。
「自分は公立へ行きたいが、周りは私立へ行けと? それ位自分で決めろぉ!!」
エレキギターを弾きながら絶叫。
「人生の選択肢を他人任せにしたなら、おまえのの人生は一生他人任せだ! それが嫌なら自分で決めるしかないっ! どっちを選んでもも人に決められたんなら後悔するだけだ! 後悔しなくなければ自ら選べっ!!」
真に悩みを解決できるのは自分だけ! と早口で一気に捲くし立てた。これが悩み相談の回答といえるのかどうか‥‥。
「困った事が有ったら何時でも呼ぶと良い。力になろう。だが! 答えは自分でしか出せんのだ、忘れるな!」
ビシッと宣言した後、学生の机の引き出しを開け、どこぞのロボットの如く引き出しから帰っていった。
「無責任応援邦人のカレー食べて、元気出して」
落ち込んでいる学生に、お手製のカレーを差し出す無責任応援邦人。学生は、一口食べた後、顔が真っ赤になった。
「失敗作だったか〜」
学生が食べたカレーは辛いだけではなく、生煮え状態だった。
反省しながら、エアギター邦人同様、机の引き出しから帰る無責任応援邦人。
●第二の相談者
本日も気楽邦人異界では、雀卓に座りながら延々と麻雀を打ち続けている邦人達がいる。
「手持ちは中々厳しい状況‥‥しかし、これを上がれば逆転だ!」
無駄に熱くなった状態の麻雀邦人(長瀬 匠(fa5416))の気を散らすかのように、相談が舞い込んできた。
「本日の相談者は、グループで活動続行するか、ソロデビューするかで悩んでいるアイドルです」
気楽邦人の報告を聞くなり
「私には向かない悩みだ」
と麻雀邦人はきっぱり即決し、他の邦人に仕事を回し麻雀を打ち続ける。
「何故だ!? 何故この3メンチャンで上がれない!? こうなればツモるのみ!」
自分の番になったので「ツモれ!」と祈って牌を取ったが、残念ながら目当てのものではなかったので捨てた。
「ロン!」
満面の笑みを浮かべ、ギャンブラー邦人(豊浦 まつり(fa4123))はおのれの牌を倒す。
「ぐ、四暗刻単騎‥‥」
「残念だったねぇ」
私が行くよと立ったギャンブラー佳人は、仕方ないと言いながらも相談者の元に向かった。この日も、カレーを持った無責任応援邦人が後についてきた。
本日の相談者は、人気アイドル『サタデーナイター。』のメンバー、タツキ(白鳥沢 優雅(fa0361))。無意味に独特的なキラキラなのが特徴である。
出てくる場所が分からない、気が付いたら「いた」状態のディーラー姿のギャンブラー邦人は
「ふっふっふ‥‥気楽邦人参上、なんてね」
とサイコロを指に挟んで格好良く登場。かと思いきや、もう一人いるが黙っている。
「さあ! この僕の真剣な悩みを‥‥どうかエレガントに、気楽に答えてくれたまえ!」
「よし、分かった」
とあっけらかんと言ったギャンブラー邦人に突っ込むタツキ。
「僕は真剣なんだ! そんな気軽に決めないでくれ!」
「さっきと言ってること違うじゃないか」
今度は、ギャンブラー邦人に突っ込まれた。
どんなアドバイスが? と期待するタツキの前におもむろに差し出したのは、指に挟んだサイコロ。
「んーと、偶数なら脱退、奇数なら残留って事でいいよね?」
そんないいかげんな、と突っ込むタツキは無視で、けろりとした顔で言うギャンブラー邦人。
「どっちもリスクも有りでしょ? どっちがいいかなんて、それこそ運命の女神様次第だ。あれこれ悩んで動けないのが、一番最悪だからね。尤もらしい事を言っても、結局私はあなたじゃない。私に出来るのはきっかけを作る一押しをする事。違う?」
と微妙に筋の通った返答で一蹴し、賽は投げられた。運命の一投の結果は‥‥奇数だった。
「HAHAHAHAHAHA〜! 難しく考えるから悩むんだZE〜! フンワカ行こうZE〜!」
と気楽にアメリカンスマイルと笑い声を響かせて唐突に消え去ったのはJ・M邦人(ジョニー・マッスルマン(fa3014))。ギャンブラー邦人は、いつの間にか去っていた。
「美形アイドルに博打で決めるのは無責任よ! でも、グループだったらメンバー同士カップリングで腐女子に大人気☆ どちらも素敵だし、博打に負けてもドンマイドンマイ!」
と、無責任応援邦人はタツキにカレーを差し出した。
その日のカレーは上出来だったので、タツキは嬉しそうな顔で完食した。
●第三の相談者
J・M邦人は、器用にも筋トレしながら麻雀卓を囲んでいた。
「HAHAHAHAHA〜オープンリーチ〜。国士の13面待ちをツモるのはあと何巡かNA〜?」
国士無双を狙っていたJ・M邦人の思考を遮るかのように、相談話が舞い込んだ。
「Hey! 仕事の時間だZE! 今日はミーが行くNE!」
大丈夫かよ‥‥と思う気楽邦人達だった。
気が弱く、場の雰囲気にいつも流される性格の新妻、春子(春雨サラダ(fa3516))は、執拗な姑のいびりに耐え切れなくなり、安めのホテルのシングルにある姿見で、気楽邦人を呼び出した。気が弱いため、高めのホテルに泊まれなかったのだ。
その後、スマイル&ポージングと共にJ・M邦人登場。
「涙は明日へのCourageに変えるものだぜ、レディー?」
しくしく泣きながら、春子は真剣な表情で「姑にいびられ続けられる日々は嫌です‥‥」とJ・M邦人に訴えた。どこからかタオルを取り出し、事情を聞くJ・M邦人。
「HAHAHAHAHAHA〜〜〜〜〜〜〜EASYな事! LOVEの生か死のFREEDOMか好きな方を選ぶんDAaaaaaaaa!」
愛を信じて生きるか、自分一人が自由になる為に死ぬか、自分の好きなほうで良いと気楽に答えるJ・M邦人。
「HusbandとのLOVEは全てを解決するしDeadのFREEDOMは全てから開放されるZE! LOVEは世界を救うZE? レディー?」
と気楽にアメリカンスマイルと笑い声を響かせ、J・M邦人は唐突に消え去った。
そんなJ・M邦人の気楽な感じに流され、全然問題が解決しないにも関わらず
「まぁいいですかね〜」
と、春子は気楽な雰囲気に流されて頷いてしまう。
●今日も今日とて
相談が舞い込んでくるまで、気楽邦人達はダラダラと過ごしていた。
「やった! ついに大三元!」
念願の役満に大喜びの麻雀邦人。
「今日はついてるねぇ。これで役満三連チャンじゃないか」
負けたよ、と呟くギャンブラー邦人。
エアギター邦人は炬燵に潜り込んで眠り、J・M邦人は筋肉トレーニングに勤しんでいる。
相談者が呼び出すまで、気楽邦人達はこんなカンジで過ごしているのは秘密。
●驚愕の新事実発覚!
無責任応援邦人は、いきなり告白を始めた。
「実は、ゆか、気楽邦人と召還者をネタに遊ぶ‥‥じゃなくて、応援するためにやって来た『娯楽同人』だったの! 午前2時22分22秒に気楽邦人異界から出現しまーす☆ あ、別に同人って言っても腐女子だけじゃなくってよ?」
オホホと高笑いしながら、同人誌(ボーイズラブ本)を大事そうに抱えて忽然と消えた。
お気楽、極楽、絶好調。マイペース、やりたい放題の気楽邦人。
今日もどこかで悩み多き人物の相談を、彼(彼女)らなりの強引な手段で解決しているだろう。