アフレコ・コメディアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 氷邑
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 5.6万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 04/04〜04/08

●本文

 何の企画も思いつかない平井・平良は、自室でボーっとしている。
 テレビ局でも、自宅でも仕事に情熱を注ぎ、ディレクターに「没っ!」と言われても挫けずに企画を出し続けた彼にしては珍しいことだ。
「あ〜僕も金魚になって悠々自適に泳ぎたいなぁ‥‥」
 黒の出目金「デメスケ」を見てこんなことを言う程、彼はやる気を無くしていた。
 そんな時、彼宛の宅配便が届いた。
 何だろう? と差出人を見ると、とある雑誌社だった。
「そういえば、駄目ものでハンディカメラの抽選にハガキだしたっけ‥‥」
 開封すると、中には最新型のハンディカメラが梱包されていた。使わないのは勿体無いと、平井は金魚鉢の中で泳いでいるデメスケを映した。
「良くみると‥‥パクパクしている口は、何かを言っているように見えるなぁ‥‥」
 ふとそう思った平井は、あることを思いついた。
「そうだ! これを今度のコメディに使おう!」
 やる気を取り戻した平井は、怒涛の勢いで企画書を書き上げた。

 翌日、プロデューサーに企画書とデメスケを撮影したビデオを見せた。
「金魚でコントねぇ‥‥。ま、ものは試しだ、やってみろ」
「は、はいっ!」
 あっさりOKが出たことに驚いた平井は、早速準備に取り掛かった。

<企画:黒出目金アフレコで笑いを取ろう!>
 今回は、出演者には金魚鉢で泳ぐ出目金になった気分で笑いを取ってもらう。
 アフレコ時間は3分。
 黒出目金の性別はオス、メスどちらの設定でも可。
 下ネタは放送時は音声処理しますが、スタジオでは丸聞こえなのでご注意を。
 番組内で直に行いますので、半獣化、完全獣化は固くお断りします。

 こんなものかな? と思った平井は、デメスケの画像を見ながらぽわわんとしていた。

●今回の参加者

 fa0048 上月 一夜 (23歳・♂・狼)
 fa0348 アレイ(19歳・♂・猫)
 fa0361 白鳥沢 優雅(18歳・♂・小鳥)
 fa2123 ブルース・ガロン(28歳・♂・蝙蝠)
 fa2132 あずさ&お兄さん(14歳・♂・ハムスター)
 fa3280 長澤 巳緒(18歳・♀・猫)
 fa4776 アルヴィン・ロクサーヌ(14歳・♂・パンダ)
 fa5488 大曽根千種(17歳・♀・一角獣)

●リプレイ本文

 今回は『ガハッ! とチャンネル』のAD、平井・平良が買っている黒の出目金「デメスケ」の画像を元に、何を思い、何を考え、何を喋っているかを出演者達に即興でコントをしてもらおうという企画である。

●一番:アルヴィン・ロクサーヌ(fa4776)
 アルヴィンは、デメスケの正面静止画像を元にアフレコ。
「あ〜あ‥‥シリコン入れ過ぎちゃったな‥‥」
 目玉にシリコンを入れた、という設定の一発芸だった。

●二番:白鳥沢 優雅(fa0361)
 次の画像は、正面向きのデメスケを元にアフレコする白鳥沢。
「こんにちは‥‥何時も皆の暮らしを見つめるデメスケです」
 声の調子を甘ったるい囁き調にし、自己紹介を始めた。ラジオ生番組のノリでコントを始めるようだ。
「それでは‥‥今日も視聴者から寄せられたお便りを読んでみたいと思います‥‥」
 何の脈絡も無く、お便りコーナーに突入。番組放映時には、画面下に『お便りとかツッコミどころ満載』とテロップが出る。デメスケに対してのツッコミだ。
 お便りは、平井によるなんちゃって悩み相談ネタだ。平井は、カットしてくださいと半べそかいてプロデューサーに頼むが、全部放映と却下された。
 制限時間が近づいてきたので、名残り惜しそうに
「次回も『デメスケでポン』‥‥お楽しみに‥‥。ゲストは‥‥デメスケでした‥‥」
 番組名はともかく、自分がゲストはいいのか?
 プロデューサー権限により、このアテレコは全採用することに。

●三番:ブルース・ガロン(fa2123)
『ふわははははは! 我こそは、知る人ぞ知るおいしいとこだけ持ってき隊、サブ副長助勤代理補佐見習い助役!』
 正面向きの画像でアフレコに臨むブルース。

『一つ、死して屍拾う物好き。二つ、不埒な水槽三昧。三つ、耳にもハゲがある! 第15回だけプロレスごっこ王、ブルース・ザ・水槽王ガロン参上!』
 おいしいとこ取り出演者達が後に控えているいるため、大惨事は免れないと思いハイテンションである。この台詞は画面向かって左斜め向きの画像だ。
 第15回プロレスごっご王、というのは(ブルースにとっては)事実である。

 お次は、画面向かって右斜め横向きの画像。
『我は水槽を統べる水槽王の中の水槽王、ザ・キング・オブ・ブラックデメキン・デメスケその人であるぞヨ。皆の者、心して平伏すがよいぞヨ。長いのでデメスケで良いぞヨ」
 今度は出目金王のようで。
『タイちゃん? ああ、あれこそ我が第一の下僕であるぞヨ。皆、平伏したか? あれなるお兄さんをいじるが良いぞヨ』
 黒子スタッフに羽交い絞めにされ、出演させられた平井。
「何でー!」
『抵抗するでないぞヨ、タイちゃん』
 平井は諦めて、大人しく観客達にいじられる羽目に。
 それに満足した王様は
『娘達たちよ、夜伽を‥‥』
 と言いかけた途端、女性観客のブーイングの嵐が。

●四番:あずさ&お兄さん(fa2132)
 あずさは、デメスケビデオデビューという想定でアフレコを行った。
 まずは、デメスケが横を向いて泳いでいる映像。
『いよいよボクの雄姿が全国に‥‥緊張するなあ‥‥』
 くるりとターンすると、デメスケは逆向きに泳ぎ始めた。
『これでウケたら、継続出演の話とか来て、やがてはカリスマ出目金に!』
 金魚鉢の中をグルグル泳ぎ回っているデメスケは、あれこれ想像しているように見える。
『そうなったらどうしよう! 街を歩いてるだけでみんなに騒がれたりとか!?』
 突然止まり
『‥‥ボク、出目金だから街には出られない‥‥』
 下向きに泳いでいる画像は、がっかりしているように見える。
 立ち直って再び泳ぎ始めたが
『ああ、でも楽しみだなあ‥‥撮影いつからだろ?』
 唐突にカメラを向けられたことに気付いたのか、驚いた様子。
『え? もう回ってるの!? 何で予告なく始めちゃうのさ! 最初は必ずこのアングルから撮ってって言ったじゃない! 右斜め30度からがボクのベストアングルなんだから! ああ、どうしよう、まだ何言うか決めてないのに!』
 止まってカメラ目線の画像には
『えーと、黒出目金のデメスケです。今日はこうしてデビューすることができて、実にめでたい? あ、目はもう出てるか、出目金‥‥なんてね』
 少しの間の後、三度グルグル泳ぎ
『やっぱり今の無し! カット! もう尺がない!? そんな〜! やり直しを要求する〜っ!』
 画面はそこでフェードアウト。

●五番:上月 一夜 (fa0048)
 上月のネタは「金魚は見た! 部屋にやって来た彼女にバレた浮気!」だ。

 ふわふわ泳いでいるデメスケの動画に合わせ
『我が飼い主、また今日も女性を連れてきましたよ。今はショートヘアのかわいらしい娘が、飼い主の本命のようです』
 飼い主がお茶を出しに部屋を出ていく場面を想定し
『飼い主がコーヒーを淹れにいった間に、彼女が長い髪の毛に気がついたようです。しかし、彼女はショートヘアー。これは‥‥飼い主の浮気がバレた!?』
 飼い主は、コーヒーカップが載ったトレイを持ち、部屋に戻ってきたが、唐突に彼女が髪の毛を見せて詰め寄った。
『彼女が飼い主に詰め寄ってきた。バ、バレたかー!?』
 慌しく泳いでいるデメスケの画像に切り替わると、実況を始めた。
『彼女が問い詰め、うろたえてる飼い主! 答えに詰まった飼い主、母親のだとごまかしています! 有りがちな反応を示しますが、彼女に既に見破られてます!』
 更に問い詰める彼女は、有無言わさぬ迫力を放っている。
『飼い主、手に持った珈琲でごまかそうとします! 変化球か!? しかし彼女、釣られない! 更に詰め寄る! 詰め寄る!』
 結末。
『飼い主、遂に負けたー! 浮気を認めたー! ひたすら謝ってます!」
 2秒程の沈黙。
『何とか納まった模様ですが、彼女に誠意が通じたのでしょうか? 因みに、そんな飼い主は実は三又掛けています』
 ぶっちゃけ白状するデメスケであった。

●六番:長澤 巳緒(fa3280)
 長澤の出番のみ、スクリーンは2つに分けられた。
 観客から見て左側にはデメスケ、右側は長澤自身の後姿が映っている。
 ネタは「ギリ結婚適齢期のOLと、関西弁で喋る甲高い声のワルガキ風出目金」。

「デメスケー、ただいまー」
 長澤の声に気付いたかのように、デメスケが振り向いた画像に。
『おー、おかえりー。今日も何時もの時間やな。ホント、男っ気ゼロやなー、自分』
「悪かったわね! って言うか、出目金に言われたくないっ」
 正面を向きながら、口をパクパクさせるデメスケが
『カリカリすなや。それやから職場で「お局様」言われるんやでー。それよりも、飯くれ、飯。腹ペコやー』
「何かさらりと酷い事言わなかった? ま、いいわ、今日は新しいの買って来たわよ」
 デメスケの画像には、餌をあがている長澤の手が映った。
『飯やー! おい、シェフ呼べ! こないなモン、このデメ原遊山を納得させられると思っとんのかー!』
「待てー!  っかグルメ? 食通? 出目金の癖に!」
 デメスケは、不機嫌そうに泳いでいる。
『当然や! 俺は出目金の中の出目金、いわばデメキングや!』
「そう‥‥じゃ、金輪際餌無しよ?」
 長澤の脅しに、デメスケはバツが悪そうに後ろを向いた。
『あー‥‥スンマセン、ホンマ。スンマセン。調子乗りすぎましたわ。俺、ごっつ寂しかってん‥‥昼間、何時も一人やん‥‥。かまってほしかったんや‥‥』
 デメスケの本心を知った長澤は
「デメスケ‥‥。ごめんね。さ、たんとお食べ」
 と餌付け。
『わーい、飯やー。って、単純やな自分。そないなこったから男に逃げられるんや』
「デーメースーケー!!」
 デメスケの一言に、カチンときた長澤であった。

●七番:大曽根千種(fa5488)
 ラストは、本職声優の大曽根。
 アフレコはいつもやっているので大丈夫なのですが、笑いを取るとなると難しい。
 大曽根は、デメスケを目の前にして、じ〜っとデメスケの気持ちを考えることに。
 
 金魚鉢の中をふよふよと動いている映像が出たので、表の世界をしっかりと見ていると思った大曽根は、飼い主も同じ気分だろうと思い、その辺りを上手くコミカルタッチでやってみようと決めた。声質は、仕事でやっている子供っぽい会話口調でいくことに。
『ボクは、出目金の金ちゃん。出目金だから「金ちゃん」ってのは、安易なネーミングだよ、御主人様‥‥。ボクは、毎日この透明な金魚鉢の中から表の世界を見てるんだけどぉ‥‥何か歪んで見えるから、ちょっと気持ち悪くなる時があるんだよねぇ〜』
 その後、デメスケが金魚鉢にぶつかった画面に切り替わった。
『御主人様、派手な格好でボクの前にいきなり現れないでよぉ〜。ビックリしちゃったじゃないかぁ』
 そんなデメスケだが、内緒だが、実は未来の世界からやって来た高性能有機ロボットなのだ!
 えっへん、と胸を張って泳いでいるデメスケの画像になると
『何でこんな所にいるかって? メモリが飛んで覚えてないんだよ〜。何か重要な使命があったと思うんだけどぉ〜。あ! また蠅が飛んでる! ご主人様の部屋、汚いからなあ‥‥』
 上を向いた画像になると
『行くぞぉ、出目金ビームっ!』
 と技名を叫ぶが、当然出ない。
『あ、あれ? 出ない‥‥壊れたのかな? もう一回。えーいっ!』
 何度も試すが、出るワケがない。
 大曽根のネタは、観客に大ウケだった。

 審査の結果。優勝、大曽根千種に決定。