邦人×佳人×月天アジア・オセアニア
| 種類 | ショート |
|---|---|
| 担当 | 氷邑 |
| 芸能 | 3Lv以上 |
| 獣人 | フリー |
| 難度 | やや易 |
| 報酬 | 6万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 04/29〜05/03 |
●本文
午前４時４４分４４秒、奈落佳人なる絶世の美女が現れ、恋の怨みを晴らしてくれるという都市伝説があるが、それとは別の都市伝説がある。その人物は、午前３時３３分３３秒にどこからともなく現れ、悩みを解決してくれるという。ある時は押入れから、またある時は窓をこじ開けて、またまたある時はクローゼットの中から。しかも、その日によって衣装が異なるとか。
その者の名は『気楽邦人』。
お気楽極楽、マイペースで絶好調！ がモットーらしい。
お笑い芸人よりテンションが高く、アナウンサーより早口言葉が得意とするとか。
気楽邦人は、召喚されるまでは『気楽邦人異界（気楽邦人達の控え室みたいな場所）』で呑気に待機している。
「麻雀ばっかも飽きたから、今日はポーカーにしようー！」
「麻雀のほうが良いっ！」
「ギャンブルなら、ルーレットに限るっ！」
気楽邦人達の頭には、ギャンブルで暇潰ししかないようで‥‥。
何にしようか話し合っている時、何者かが気楽邦人異界に乗り込んできた。
「あなた達のおかげで、私に依頼が来ないのですよ！ どうしてくれるのですか！」
来るなり怒鳴るのは、仙女風衣装に身に纏った美女、奈落佳人。憂いを帯びた美しさはどこへやら、眉間にシワを寄せて怒りＭＡＸモードのご様子。
「言いがかりはやめて欲しいな、奈落佳人。そこまで言うんだったらさ、勝負しない？
我々のうち、誰かひとりでも負けたら一切恋の相談を受けないってことで」
奈落佳人の怒りを静めるため、気楽邦人の一人がそう言い出した。
そんなこと勝手に決めるなー！！ と突っ込む他の邦人達。
「‥‥わかりました。その勝負、お受けましょう。何で勝負するのですか？」
ふっふっふ‥‥と不敵に笑い、勝負を申し込んだ気楽邦人は、奈落佳人に向かってあるものを投げた。素早くそれを右手で掴んだ奈落佳人が手にしたものは、サイコロだった。
「双六で勝負だっ！」
あの〜、それ、時期はずれではないですか！？ と突っ込みたいのだが、気楽邦人異界には四季が存在しないので全く関係ない。
「その勝負、お引き受けしましょう」
奈落佳人が話に乗ると同時に、またしても乱入者が。
「まてーい！ 佳人が挑むのであれば、わしも挑む！」
ちょっと待ったー！ のノリで登場したのは、奈落佳人のライバルの黒い仙人風衣装を着た男、月天夜話。
「月天、あなたまで‥‥」
挑戦者は多いほど面白いもんだよ。だから、あんたもＯＫ！ と気楽邦人達は月天夜話も参戦させることにした。
メンバーが揃ったところで、双六勝負開始！
＜登場人物＞
気楽邦人：午前３時３３分３３秒に出現し、悩みを解決してくれるという謎の人物。
登場場所、衣装、性別は出現日によって異なる。
名前は「○○邦人」で（区別をつけるため）
奈落佳人：午前４時４４分４４秒に出現し、恋の怨みを晴らすという謎の美女。
気楽邦人に関しては、自分の邪魔をする存在と認識。
月天夜話：奈落佳人のライバルという男、という以外は素性不明。
一人称「わし」、二人称呼び捨て（奈落佳人は「佳人」）
※奈落佳人、月天夜話は固定配役です。
※気楽邦人は男女、年齢、人数不問。名前、設定は各自で考えること。
※サイコロを振る回数は３回（うち一回は、順番決め用）
※マスは振り出し、ゴールを含めて全１３マス。
※マスによっては歌、踊り、一発芸等各イベントがあります。どれになるかは運次第。
※プレイングには、それらに関する行動、感想（やったぁ！等）を書いてください。
※当然ですが、○マス進む、○マス戻る、振り出しに戻るも用意してあります。
●リプレイ本文
●第４９８９回双六大会『ただいまより、第４９８９回双六大会を開催します』
アナウンス担当は、気楽邦人達の世話役的存在の執事邦人。
気楽邦人異界には、ドーム球場並みのビッグサイズの双六が用意されていた。どうやって用意したんだ！ という突っ込みは無しで。
「最初は俺か‥‥」
サイコロを振るのは、一見クールだが、実はぼーっとしている、人の話を聞いているようで聞いていない、時々寝ていたりする黒い古代中国風着物を着た有閑邦人（鳥羽京一郎（fa0443））。出した目は４。
「次は私の番〜♪」
フリルのついたワンピースを着てストレートな笑顔を見せるのは、一秒だってじっとしていられない性格のお子様邦人（あずさ＆お兄さん（fa2132））。
勢い余って、サイコロは奈落佳人（メルクサラート（fa4941））の頭部に激突！ 小さいが、当たると痛い。ちなみに出目は１。
「‥‥」
「怖〜い！」
お子様佳人は有閑邦人の後ろに隠れた。
気楽邦人異界に乗り込んだ奈落佳人のスタイルは、大きいサイズのジャージ姿に瓶底眼鏡、三つ編みのツインテール。鏡を見て「似合っていない」と呟くが、着替えるでもなくサイコロを振る。そんな奈落佳人が出した目は２。
余裕ですわ、とプライドを崩さないよう努めている。
「次はわしだ。佳人にだけは負けぬ！」
サイコロを手にしブツブツと呪いの言葉を呟くのは、奈落佳人のライバル、月天夜話（笙（fa4559））。怪しさ満点な雰囲気を醸し出しながら振ると、４が出た。
「私の番ですか？」
そう言った天然邦人（各務聖（fa4614））が出した目は３。
「ふふ☆ ３ですの♪」
順番決めなのに、一喜一憂する天然邦人。
「次は私」
優雅にワルツのステップを踏み、青いモダンドレスを身に纏ったダンス邦人（椎名 硝子（fa4563））が出した目は２。
サイコロを素早く手にしたロッカー邦人（倉瀬 凛（fa5331））は、気合を入れて振って出した目は６。
「暇ですね、皆さん。まあ、たまには良いでしょう。双六大会は全員参加ですか‥‥」
着物の上に袴を穿いた姿の真面目邦人（榊 菫（fa5461））が出した目は５。
『順番ですが、サイコロの目が大きい人からスタートとなりますので、順番はロッカー邦人、真面目邦人、有閑邦人、月天夜話、天然邦人、奈落佳人、ダンス邦人、お子様邦人となります。同じ目を出した人は、五十字音順になっています』
●１順目
ロッカー邦人は、思いっきり特大サイコロを振った。出た目は４。面倒そうにのそっと起き上がり、だるそうに４マス目に移動。
『一回お・や・す・み♪』
アナウンスを担当したのはお色気邦人。それに対し「移動すんの怠い」と横になるロッカー邦人。
「熱くならなくても良いとは思うんですがね‥‥」
そう呟きながら特大サイコロを振った真面目邦人が出した目は１。１歩進むと
『富士樹海を背景にレッツ・ダ〜ンシ〜ング！』
アナウンス担当はラッパー邦人。
「踊りですか？ う〜ん‥‥踊れるのあまり無いですが。佐渡おけさじゃ駄目ですか？」
踊りなら何でもＯＫ！ とラッパー邦人のＯＫサインが出ると同時に、どこからともなく音楽が。それに合わせ、真面目邦人は佐渡おけさを見事なまでに踊っている。すっごい違和感があるが、それは突っ込まないで欲しい。
『有閑邦人さん、あなたの番ですよ』
執事邦人がそう言うまで、立ったまま寝ていた有閑邦人。
「次、俺‥‥？」
とボケたので、他の参加者達は「寝てんなよ！」と突っ込んだ。
だるそうにサイコロを振った有閑邦人が出した目は５。眠い目を擦って５マス目に進む有閑邦人。
『おめでとうー♪ サイコロ振って出た目の数だけ進めるよー♪』
アイドル邦人のアナウンスに「え‥‥？」とぽかんとした表情で言う有閑邦人。出た目は３。更に進むと
『ごめ〜ん、振り出しに戻ってぇ〜ん』
お色気邦人の非常なアナウンスが。
「振り出しに戻るということは‥‥待っている間、寝ていられる‥‥」
「次はわしだ！」
月天夜話は、念を込めながらサイコロを振った。出た目は２。
『ラッキー♪ ２マス進めるよー♪』
アイドル邦人のアナウンスに意気揚々と２マス進む月天夜話だったが
「い、一回休みだと！？」
ショックを受けた彼の横になっているロッカー邦人は「まー気楽にいこうや」と励ます。
天然邦人が出した目は６。
「６♪ 一杯進めますの♪」
ルンルン気分で６マス目に向かった天然邦人。
『極寒地獄を背景に、何か一発芸やってぇな』
漫才邦人のアナウンスに「？」状態の天然邦人。
『‥‥何もでけんのやったらええわ』
と呆れられた。ということで、６マス目で待機。
一番乗り目指し、気合を入れてサイコロを振った奈落佳人が出した目は４。言うまでも無く、一回休み。
月天夜話と仲良く、とはいかず。その間、４マス目には険悪なムードが漂った。
ダンス邦人がタンゴのステップを踏みながらサイコロを振って出した目は２。
「そうこなくっちゃ！」
タンゴを踊りながら２マス進んで、更に２マス。ということは‥‥
『一回お・や・す・み♪』
お色気邦人のアナウンスに「そんなっ！」と崩れ落ちるダンス邦人。
お子様邦人が出した目は３。
何かなぁ〜？ とワクワクするお子様邦人を待ち受けていたのは
『ロシアン饅頭、開始や。唐辛子入り食べたら一回休みな♪』
漫才邦人のアナウンスに、更にワクワクするお子様邦人。
どれにしようかな〜、と悩んで選んだのは、左端のピンク色の饅頭だった。
「いただきまーす♪」
パクリと一口食べると、口にあんこの甘みが広がる。
「美味しいっ♪」
と食べ続けるお子様邦人であった。
●２順目
ロッカー邦人が一回休みなので、真面目邦人が一番手となった。出した目は６。
６マス目は一発芸披露だ。
「芸と言えるかどうかはわかりませんが。お手玉の要領で色々な物を放り投げて受けます」
真面目邦人はそういうと、大小様々な道具を出現させ、器用にお手玉を始めた。見事な芸や！ と漫才邦人は褒めた。
振り出しに戻った有閑邦人が出した目は４。
「ゆっくりできるな‥‥」
４マス目に着くなり、有閑邦人は居眠り。
月天夜話が一回休みなので、天然邦人の番に。出た目は１。
『残念！ ３マス戻れー！』
実況邦人のアナウンスに、こういう時もありますのとへこみながら３マス戻った。そこは、険悪ムードが漂う一回休みのマスだった。
奈落佳人、ダンス邦人が一回休みなので、次はお子様邦人の番だ。出た目は６。
『へい、お待ち！ 出来立てホヤホヤの天津甘栗４４４グラム！ 完食せんと先には進めんぞ！』
寿司職人邦人のアナウンスに「えー！」と言うお子様邦人だったが、嫌々ながらも熱い天津甘栗を手にし、１個ずつ食べ始めた。皮が剥かれているのが不幸中の幸いだ。
●３順目
一回休みから解放されたロッカー邦人が出した目は５。辿り着く先は、お子様邦人のところだ。
「俺、猫舌なんだよな‥‥」
猫舌には、９マス目は相当応える。
真面目邦人が出した目は６。６マス進んだ先に待ち受けているのは‥‥
『コングラッチュレイショーン！ ＹＯＵが一番乗りネー』
エセ外人邦人のメッセージに「私が一番乗りですか‥‥」と呑気に言う真面目邦人だが、内心ではすごく喜んでいた。
まだまだ双六は続く。
有閑邦人が一回休みなので、月天夜話がサイコロを振る。出た目は６。
『髑髏でリフティング１０回！ できるまでやろう！』
実況邦人のアナウンスに「面倒臭い！」と愚痴りながらも、リフティングを始める月天夜話。意外なことに、器用にこなしたのですんなり終了した。
天然邦人が一回休みなので、奈落佳人がサイコロを振る。出た目は５。
「佳人さんも食べてね」
「あつつ‥‥」
お子様邦人と、ロッカー邦人がいる天津甘栗４４４グラム完食のマスに止まった。
ダンス邦人がサイコロを振り、出した目は４。ということは‥‥
『ごめ〜ん、振り出しに戻ってぇ〜ん』
お色気邦人のアナウンスは、ダンス邦人にとっては「ダンスを辞めろ」と言われたのと同様のショックだった。
「最終的に勝てれば良いのよ」
と言いながらも泣いているダンス邦人は、クイックステップを踊りながら振り出しに戻った。
お子様邦人がサイコロを振り、出した目は５。ゴール！ かと思いきや、辿り着いたのは１０マス目。
「お子様邦人、おまえもリフティングするのだ！」
「髑髏でそんなことすると、バチが当たるよ‥‥」
口ではそう言うが、仕方ないなぁとリフティングをするお子様邦人。かなり苦戦している模様。
●その後の結末
ロッカー邦人が出した目は６。９マス目に逆戻りし、また甘栗を食べる羽目に。
有閑邦人が出した目は５。９マス目の甘栗マスで、眠そうに甘栗を食べている。
月天夜話が出した目は２。
『灼熱地獄を背景に〜自慢の喉を披露してくださ〜い』
オペラ歌手邦人のアナウンスに怖気づくことなく、月天夜話は袖からマイクを取り出し、最新ヒット曲を振りつきで熱唱。
天然邦人が出した目は６。髑髏リフティングのマスに止まった。
「リフティングをするのですの‥‥」
渋々、リフティングを行う天然邦人。
ダンス邦人が出した目は３。ロシアン饅頭マスだ。
選んだ饅頭は、こしあん饅頭だった。
「何時、終わるんでしょうか‥‥？」
ゴールにいる真面目邦人が呟いた。
『時間無制限なので、このまま続けます‥‥』
執事邦人のアナウンスが、開場に虚しく響いた。
