JBセカチューアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 氷邑
芸能 2Lv以上
獣人 フリー
難度 やや易
報酬 2.2万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 07/10〜07/14

●本文

「プロデューサー、こんなのはどうでしょう?」
 お笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のAD、平井・平等がプロデューサーに企画を持ち出した。

 企画書の表紙には『世界地図の中央で新婚がイチャつく』と書かれていた。
「タイちゃん、この番組が放映されるのは7月に入るってのは承知での企画か?」
 プロデューサーがそう言うのも無理は無い。
 6月下旬に収録しても、実際に放映されるのは早くても7月初旬である。
「だから、タイトルに『JB』がついているんですよ。Jは『July』の略です」
「一ヶ月遅れの『ジューンブライド』‥なワケね」
「その分、出演者のノリでカバーしてもらおうかな〜? と‥‥」

 一月遅れのこの企画、果たして成功するのだろうか?
 タイトルだが、毎度のように『世界地図の中央で』がつくのはお約束なので突っ込まないで欲しい。

<JBセカチュー企画内容>
・出場者は新婚(同性問わず)という設定。二人一組で参加すること。
・新婚会話にお笑い要素(ボケ、ツッコミ等)を入れること。
・背景は今回も巨大な世界地図。
・テーマは『世界中に新婚のアツアツ振りを見せる』
・最もアツアツ度が高い新婚が優勝

 クリスマス、バレンタイン、ホワイトデー用番組同様、録画取りして、周囲の雰囲気が雰囲気はCG処理となる。
「で、今回の商品は何を考えているんだ?」
「ウェディングケーキ‥‥は大きすぎますから、銀座の一流ケーキ店の商品券一万円分と考えています」
 平井は、幼少時に『ウェディングケーキは全部本物ではなかった』ということを思い知らされていたので、本物を用意する気は全く無い。
「タイちゃん、毎度のお約束だけど、お相手がいなかった場合はキミがやってね」
「え‥‥?」
 僕が花嫁になるかもしれないかも‥‥と、一瞬目が点になった平井だった。

●今回の参加者

 fa0352 相麻 了(17歳・♂・猫)
 fa4046 楓・フォルネウス(35歳・♀・蝙蝠)
 fa4218 ゲオルグ・フォルネウス(37歳・♂・蝙蝠)
 fa4487 音楽家(13歳・♂・竜)
 fa5624 加恋(18歳・♀・兎)
 fa5881 岸本遥(18歳・♂・猫)
 fa5904 藍川志桜(16歳・♀・兎)
 fa5905 xylophone(16歳・♀・竜)

●リプレイ本文

●時期はずれの新婚さん!?
「いやーどうなることかと思ったけど、参加者がいたようなので何より!」
 お笑い番組『ガハッ! とチャンネル』のプロデューサーは大喜び。
「本当に‥‥。出場してくれた三組の方には感謝です」
 白のモーニング姿の平井・平等は、今回、司会として登場。
 以前、悪乗りして半獣化で出演したことがあったが、今回は人間形態である。
(「ガチの時は「勝手なことするな!」って大目玉くらっちゃったからなぁ‥‥」)

 どのような三組が出場するのだろうか?

●犬も食わない夫婦喧嘩?
『こんばんはー』
 新婚ほやほや、という設定の相麻 了(fa0352)と加恋(fa5624)が初々しく登場。
「新婚生活が円満になるためには、甘い台詞がかかせないよね」
「そうですね。新婚じゃなくても、ちょっとした甘い台詞は、女の子にはうれしいものです」
 加恋のその言葉に
「じゃあ、ボクは朝・昼・晩と挨拶がわりに言うと決めた」
「じゃぁ、朝ですよ。今日の朝食は、和食にしてみました。 一時間もかかっちゃいました。たくさん食べてくださいね」
 加恋が用意したのは、白いご飯、豆腐のお味噌汁、シャケ、卵焼きといった「和」の朝食だ。
「美味しいけね。でも、一番のご馳走は目の前に居る天使の笑顔さ」
「まぁ‥‥」
 顔を赤らめた加恋は
「お昼は、お互いお仕事ですから電話ですね。携帯の着信音は、了さんのだけ変えてあるんですよ」
 と、メロディを口ずさむ。
「あの時見たラブストーリー映画だね。その続編の主演は、キミとボクだよ」
 少し距離を置き、加恋は
「夜は‥‥『眠る時には君の顔が見れなくて寂しいよ。でも、夢の中に来てくれるよね?』って言うんでしょう?」
「へぇ、よく分かったね?」
 僕達はツーカーの仲なんだな、と思っていた相麻だが‥‥
「朝の台詞はA子さん、昼の台詞はB美さん、夜の台詞はC代さんが、了さんに言われたって言ってましたよ。‥‥笑って許せるのは、新婚の内だけですからねっ」
 意地悪な微笑みを浮かべながら、加恋は相麻の腕をつねる。
「ま、参りましたっ!」
 弁解もせず、その場で速攻で土下座する相麻だった。

『ありがとうございましたー』
 息の合ったお辞儀をした後、二人は仲良く退場した。

●新婚話を語りましょう?
「面白そうだから参加しましょう」
 と、欧州から夫のゲオルグ・フォルネウス(fa4218)を呼び寄せて出場した楓・フォルネウス(fa4046)。
「ゲオ様、折角ですし、新婚気分に戻ったつもりで楽しみましょう?」
「今更我らが新婚語るのもどうかと思うんだが‥‥」
 ブツブツ言うも、最愛の妻の頼みを無碍に出来ない夫の性、というものである。
「‥‥まぁ、やるからには最善を尽くすが」
 ニコニコ顔の楓は
「らぶらぶをあぴーるすればよろしいのですよね? じゃあ、あの話にしましょうか」
 と結婚前の話を。
「ま、待て楓! その話は無しだ! 別の話を…」
 驚愕のゲオルグの制止の聞かず、楓は話し始めた。
「結婚しようと言い出したのはゲオ様の方でして、『お前を一生愛してやる』とか『お前が愛しい』とか、それはもう色々熱烈に‥‥」
 頬に手を当て、顔を赤らめて恥らいつつ話す、その後もなお話し続けた。
暴露されてまった昔話に精神ダメージを受けたゲオルグは
「ぐはっ‥‥!」
 思わず身悶えた。
「新婚話がここまでクリティカルに入るとは‥‥! 想定の範囲外だ。というか、楓、人の話を‥‥」
ブツブツ言ってるうちに話進み結婚後の話まで。
「がは…」
耳を押さえあさっての方向を向いて身悶え。
「結婚してからも、熱烈さは微塵も変わりなく、とてもらぶらぶでした」
 傍らでゲオルグが耳押さえて悶えていてもニコニコしている。
「‥‥」
 最早グゥの音も出ないくらい、ゲオルグは精神ダメージを受けていた。

 若気の至り、ということでしょうか?

●ふたりの初仕事?
 岸本遥(fa5881)と藍川志桜(fa5904)は、お互いにこれが初仕事だ。
 新婚という設定だが、間柄は悪友なので乗り切れていない岸本は、物凄く素っ気無い態度だ。逆に藍川は、ノリノリでベタベタイチャついている。
「あんまベタベタすんなよ」
「やーん! 遥ちゃんそれって、あんまりくっつかれると夜まで我慢出来ないぜ、子猫ちゃん☆ って事!? イヤンエッチ! スケベ! でもそんな所がス・キ☆」
 かなりのノリでベタついている藍川。
「思ってねぇえええ! 勝手な妄想で暴走すんじゃねえ!」
「激しい叱咤で言葉攻め? そんなドSな遥ちゃんが、ドMなシオは大好きです☆」
「言葉攻めっていうか、ただの文句だろ今の! これでS扱いされんなら、世の中Sさんだらけだぞ!?」
 確かにそうではあるが‥‥
「え!? じゃあ、遥ちゃんはM? じゃあシオ、頑張ってSになります! がんがん攻めちゃうぞ☆」
「違ぇえええ! SでもMでもねぇっつの! てか、SMから離れろよ! キモイぞお前!」
「もう、遥ちゃん!シオ達新婚さんなんだよ? あんまり素っ気無くしちゃダメだぞ!」
 機嫌が良かった藍川も、この言葉にはちょっと怒ったようだ。
「あ、ああ‥‥わ、悪い‥‥。ま、まあ、そんなお前が何だかんだ言って大好きだ‥‥ぜ‥‥」
 岸本にしては一世一代の告白だったのだが‥‥
「あははは、遥ちゃんキモイ〜」
 残念ながら、藍川には通じていなかったようで。
「お前俺にケンカ売ってんのかぁあああ!」

 軽いノリで、二人の初仕事は終わった。
 若い世代の観客には、かなり受けていたようだ。

●JBセカチューはどの新婚?
「このお二人、初々しくてよかったじゃないですか?」
「ん〜‥‥自分は、新婚という設定だけど、アツアツのこの二人を推すなぁ‥‥」
「俺は、ノリの軽いこの二人をプッシュだ!」
 番組スタッフは、どの新婚を最優秀にするか、かなり悩んでいる様子だ。

 一時間後、悩みに悩んだ末、結果発表が行われた。
 舞台は何故か、結構披露宴会場。このほうが雰囲気出るだろ? というプロデューサーの意見からである。
「発表します。『世界中にアツアツ振りを見せた新婚さん』は‥‥」
 三組共、発表が行われるまでドキドキしている様子を見せている。

「楓・フォルネウス、 ゲオルグ・フォルネウスご夫妻に決定しました!」

 平井の審査発表の後、スタッフ一同がクラッカーを鳴らして盛大に祝う。
「おめでとー!」
「これからもお幸せにー♪」
 既婚者な二人だが、公平な判断で選ばれたのである。
「お二人には、銀座の一流ケーキ店の商品券一万円分を進呈致します」
 楓とゲオルグ、2人合わせて一万円分である。
「あなた、これで美味しいケーキを買って帰りましょう。私が食べさせてあげます」
「そ‥‥それは遠慮しておこう‥‥」
 妻の行為を、顔全体を真っ赤にしながら否定するウブな夫であった。

 これからご結婚される皆様にも、幸あらんことを‥‥(『ガハッ! とチャンネル』スタッフ一同)