ゆらゆら☆みらーじゅアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
氷邑
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
07/22〜07/26
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●本文
数ヶ月前の話。新人アイドル、星河・ひかりのCDデビューが決定した。
デビュー曲だが、『ゆらゆら☆みらーじゅ』というタイトルしか決まっていない。
ひかり本人が張り切って作詞したのは良いのだが、使い物になる歌詞=タイトルだけなのだ。
プロの作詞家によるチェックあってのことなのだが‥‥。
「これですが、自分がタイトルとして選んだこの一部しか使えませんね‥‥」
元の歌詞が気になるところだが、それは聞かないで欲しい。
大いに悩んだひかりの所属事務所社長は、アーティスト達に歌詞と曲を作成するよう依頼した。
「頼む! ひかりのCDデビューには我が社の命運がかかっているんだ! ひかりが有名にならないと、弱小プロダクションのうちは芸能界で生き残れないんだ!!」
余談。他にも何名か所属タレントはいるのだが‥‥金の卵と成り得るのはひかりしかいないのである。
「お願いします!」
マネージャーも頭を下げ、アーティスト達に頼んだ。
プロダクション生き残りをかけたCDデビュー、成功なるか?
●リプレイ本文
●歌詞作成
「今回は残念な結果になってしまったようだけど、やる気があるのはいいことだと思うよ」
歌詞が総没をくらった星河ひかりフォローをするスモーキー巻(fa3211)。
「大丈夫です。気にしてませんから‥‥」
明るく振る舞っているが、ひかりは相当落ち込んでいる。
「社運かかってるって‥‥プレッシャーだろうな。音楽の文字通り、楽しんでいこう。『私は恋する乙女』と自己暗示かけて歌うのもいいぞ」
疲労回復にと菓子を差入れた仁和 環(fa0597)もひかりを励ます。
「あたしのような駆け出しのミュージシャンにはまたとない機会ですから、今日は楽しませて貰いますね。いつか私も‥‥誰かに曲をプレゼントできるようになれるよう頑張ります」
せっかくの機会なので、他の参加者とも交流を深めてミュージシャンとして吸収すべきものは吸収しようと張り切っている春野幸香(fa5483)。
「星河さんは歌の仕事初めてなんだよね。俺も新人に毛が生えた程度だから、アドバイスはできないけど‥‥。今回は自分で表現できなかったの残念だけど、この歌の事も好きになったら、ちゃんと星河さんのものになってくと思うんだ。全部揃って完成するものだから、自分のやりたい世界を作れるように頑張って」
目指す高みに対し、己の技量の及ばなさにイラつく事も情けなくなる事もあるが、それでも、一緒になった人から沢山学び、少しでもいいもの作れるようになりたいと望む諫早 清見(fa1478)。
(「元の歌詞がどんなだったかちょっと気になるトコでもあるがな。聞いちゃいけないみたいだから聞かないけど」)
ひかりの歌詞が気になるようだが、それはあえて聞かないことにした氷咲 華唯(fa0142)は、普段は一人で作詞から作曲までやるので、協力して作るのもいいかもと思った。
「みらーじゅって、蜃気楼でいいのかしら?」
エルティナ(fa0595)がタイトルを見て、首をかしげた。
「そう考えていいんじゃないかな」
「俺もスモーキーさんと同意見」
彼女とスモーキー、諫早は、蜃気楼をイメージした歌詞を考えた。仁和案の『私は恋する乙女』を盛り込んで。
以下のような歌詞が出来上がった。
●歌詞<【】コーラス>
会えない時間に焦れて 部屋を飛び出した
晴れ渡る真夏の空 水溜りに映る光る雲
蹴飛ばして 走り出す
【早く 早く 急がないと!】
頭の中 グルグル 繰り返す
【『スキ』or『キライ』】 今こそハッキリさせたいの
まるで蜃気楼ね 手を伸ばしてみても
パッと消えたり サッと逃げていったり
手の届かない所になんて行かないで
【熱く焼けた 私のハート感じてよ!
貴方への思いで 胸がいっぱい】
【ゆらゆら☆みらーじゅ】 恋が見せるマボロシ
【ゆらゆら☆みらーじゅ】 答えを求めて迷ってる
夢見るだけじゃ ツマラナイ
妥協なんて したくない
【貴方の笑顔は ホンモノがいいの】
●曲作成
歌詞が仕上がったので、次は曲作りだ。
作詞、作曲は基本的に両方に関与しているスモーキーを中心に行っている。
スタジオには音を出せる環境があるので、手持ちのギターやコンピュータ等で思いついた音を実際に出している。
「‥‥ごめん、間違った」
意識はあくまで演奏ではなく作詞、作曲に向いたままなので、ギターの場合、自分の意図したのと違った音を出してしまって自分で驚いたりすることも。
諫早も、仮の音を作成中で、完成までの作業を手伝っている。
「何もできないままじゃ仕事はないんだから、たとえ邪魔になるから見てるだけ、にしても、吸収しなきゃ」
仕事の熱意は、彼は誰にも負けてはいない。
「楽器構成はキーボード、ドラム、エレキギター、バスはいいんじゃないか。基本は歌唱部分はシンプルに、その分フレーズ間や前奏、間奏、後奏に華やいで、聴かせ所があり、リズム刻みや軽いアクセントに留め、重みを出さない方向になると思うから。テンポは100前後のミドルテンポの明るく軽快なポップスは?」
「それはいいね」
仁和の案に賛同するスモーキーと諫早。
●レコーディング
歌詞、曲共に完成した翌日、早速レコーディングが行われた。
「星河さん、はじめまして。コーラスを担当させていただきます日向みちるです。宜しくお願いします」
コーラスの仕事は歌劇団でも経験が有るので、多少の慣れがある日向みちる(fa4764)が礼儀正しく挨拶する。
新人の頃を思い出し、初心に帰った気持ちで気を引き締めたいと思っている。
収録に関しては不慣れだが、幸いにも歌劇団のレコーディングルームをもとに設計されているので戸惑うことはないだろう。
「俺はジェンド(fa0971)だ。 良い歌が歌えるといいな。辛い時こそ、笑顔を忘れるなよ!」
盛り上げ役を買って出たジェンドは、曲取りは真剣に、楽しくが心情のようだ。
「まあ、レコーディングは一発勝負のライブとは違うからね。むしろ一発OKの方が珍しいくらいだから、ミスを恐れず行こう」
「多少失敗しても歌い直しできるから、気にせずやろうな」
「はい」
スモーキーと氷咲の励ましに、精一杯の笑顔で応えるひかり。
「皆さん、スタンバイお願いします」
スタッフの合図と同時に、演奏者、ひかりはスタンバッた。
前奏は和音カウントから、軽やかに加わるドラム、エレキギター、ベース。
サビメロはリズミカルなメロディーをキーボードとエレキギターが奏で、ベースの低音を重視。
「会えない時間に焦れて 部屋を飛び出した」
Aメロでは時折シンバルを交えながら、ドラムが軽くリズムを刻み続ける。
エレキギターはリフを刻み、主メロはキーボードがシンプルで爽やかさを感じさせる旋律を奏でる。
「まるで蜃気楼ね 手を伸ばしてみても」
Bメロの伴奏は、ややテンポダウンで、柔らかめの軽やかなメロディー。
後半は徐々に音を盛り上げ、明るく伸ばし元気良さもプラスされている。
【早く 早く 急がないと!】
日向のコーラスに合わせ、諫早、ジェンド、春野がスタッカート気味に歯切れ良いメロディーを奏でる。
「【ゆらゆら☆みらーじゅ】 恋が見せるマボロシ」
サビは、ドラムショットで元気よくリズミカルに突入し、繰り返しの部分は、楽器もハモルように演奏。
後半は想いを告げるヴォーカルを引立たせるよう、弱音の伴奏から徐々にクレッシェンド。
「【貴方の笑顔は ホンモノがいいの】」
春野が奏でるキーボードの音色が、可愛く明るく全体を引っ張り、日向の「ラララ‥‥」のコーラスが見事にミックスされている。
●終了
「はい、オッケーです」
レコーディングだが、演奏、ひかりの歌共に一発OKだった。
「皆、お疲れ様」
レコーディングスタッフと編集作業をしていたスモーキーが労いの言葉をかけた。
「お疲れ様でした。皆さん、本当にありがとうございました」
協力者一同に、ひかりは深々と頭を下げた後、明るい笑顔を見せた。
その笑顔を見た協力者達も、釣られて笑顔になった。
さて、ひかりのデビュー曲となった『ゆらゆら☆みらーじゅ』だが、まだプロモーションビデオの作成が残っている。
これには日向みちるが関わることになるのだが‥‥それは、まだ先の話である。