ひかりを変身!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 氷邑
芸能 3Lv以上
獣人 フリー
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 7人
サポート 0人
期間 09/20〜09/24

●本文

 アイドル、星河ひかりのセカンドシングルが10月公開の映画『バトルガール・ミヅハ』の主題歌として採用されることが決定した。
 レコーディングを終え、後はPVを作成するのみとなった。

 しかし、問題がひとつだけあった。

 身長158センチ、幼児体型に近いひかりを「いかに大人っぽく見せるか」である。
 メイクである程度大人びて見せることは可能だが、衣装が問題である。
「困りましたね‥‥。主演の松永彩里ならどうにかなるのですが、星河ひかりじゃ‥‥」
「そう言われてもなぁ。先輩である彩里ちゃんの推薦だっていうし‥‥」
「ひかり所属のプロダクション社長の熱心な売り込みもありますしね‥‥」
 メイク、スタイリスト達は困っていた。
「協力者を募りましょうか? 我々だけでは、決めかねますし」
「そうしようか」
 スタッフ達は、ひかりを大人っぽくみせる協力者達を要請した。

 スタッフ、至急求む!
 アイドル・星河ひかりを孤高、クールが似合う女性に変身させましょう。

 協力者は、何人来るだろうか?

●今回の参加者

 fa1660 ヒカル・マーブル(20歳・♀・牛)
 fa3797 四條 キリエ(26歳・♀・アライグマ)
 fa4264 月白・蒼葵(13歳・♀・猫)
 fa4265 月白・緋桜(13歳・♂・猫)
 fa4764 日向みちる(26歳・♀・豹)
 fa5625 雫紅石(21歳・♂・ハムスター)
 fa5669 藤緒(39歳・♀・狼)

●リプレイ本文

●コーディネイト・メイク班
 星河ひかりをクールな女性に変身させるため参戦したのは、7名の女性芸能人とスタッフとモデル。
「普段と違った自分になるのって面白いよね♪ そういう気楽な気持ちで、カッコ良く行ってみようか!」
 人一倍張り切っている四條 キリエ(fa3797)は、 PV内容が不明確だったということもあり2つの衣装案を持参。
「すみません、四條さん。手間をかけさせてしまいまして‥‥」
 依頼人のひとりであるスタイリストが、彼女の案を見ながら謝罪した。
「いいって。考えるの、結構楽しかったし」
 美術スタッフの四條は、どのようにひかりを変身させようかワクワクしているように見える。
「ひかりちゃんの事前の外見情報が少ないわね‥‥。私はばっちりと大人っぽい印象が出るようなメイクと、ヘアメイクを担当させてもらうわ。クールビューティーには出来ないかもしれないけど、『色っぽくカッコイイ』路線を目指していくわよ♪」
 モデルではあるが、唯一の男性スタッフの雫紅石(fa5625)の方針。
「衣装は、こんなのを考えてみたよ」
 
●四條の衣装案
 ひとつは、ネイビーにシルバーピンストライプのラップカシュクールワンピース。
 裾は膝丈、袖は七分丈。
 ハイウエストに見えるよう、胸元とウエストにメリハリの出る胸下ギャザー寄せの切替縫製し、胸・背部のみ無地でも他が細く見えるようにデザイン。
 合わせ部分はバックル止めで硬質な印象を与え、スカート裾は広がり過ぎないよう、
シャリ感のある素材に。
 上部にポイントを置く為に、インに薄ブルーグレーのVネックフリルブラウスでボリュームを出すのを忘れていない。
 ボトムは脚長・脚細効果のある黒のブーツカットに、黒のヒールと合わせる。

 もうひとつは、膨張色の白シャーリングベアトップをインで、胸元にボリュームを。
 黒→濃紺へのグラデーション薔薇柄総レース地の前開きドレスコートに。
 黒サテンの光沢ある縁取りで、Xラインを袖にも演出。
 ブレスレット有りなら七分袖、無しは長袖。
 ヘソ上部分で1箇所止めのアクセを使用し、ウエストポイントを上に。
 裾は前より後ろの方が長くなるのでカッティング。長すぎて重くならないように。
 腰後中央に3列ピンタック+金釦でアクセントし、太めのベルトでウエストマーク。
 膝上丈の台形黒レザースカート、黒ウェッジソールブーツで脚長効果。
「インはタイト、アウターは軽い素材で存在感、アクセで黒に対しポイントを出してみた。後はひかりの体に合わせて詰め、肩位置や袖丈、裾丈は特に注意しないと」

●アクセサリ
「服に関してですが、あたしはメイド服関係のことしか分からないですので四條さんはじめとする専門家の皆様にお任せします」
 メイドアイドルのヒカル・マーブル(fa1660)は、大人っぽい小物は派手な物ではなく、個人を引き立たせる物というのが良いと提案。
「そうなると‥‥シルバーの物とかがよろしいでしょうか?」
「ネックレスやブレスレット‥‥指輪にピアス。数多くの物を用意してみました。衣装デザインなどによる変化で、いろいろと組み合わせてみることにしましょう」
 月白・蒼葵(fa4264)、 月白・緋桜(fa4265)の双子姉弟も様々なアクセサリを用意してきたので、様々な組み合わせが出来るだろう。

●立ち振る舞い
 担当者は、ひかりと交流がある少女歌劇団男役の日向みちる(fa4764)と藤緒(fa5669)の二名。
「クールな大人の見本参上‥‥冗談だ」
 聞き流してほしい、と藤緒。
「こんにちは、ひかりさん。今回は、立ち振る舞いの指導と演技指導を藤緒さんと協力してさせていただきます」
 ひかりとの付き合いが多い日向は、メンタルな部分を気遣い、落ち着いて演技できるようにフォローしようと思っている。
「では、大人の女性になりきるイメージトレーニングをしてみましょうか」
 いきなりそう言われても‥‥と戸惑うひかりに
「孤高でクールに大人っぽく。私は半ば役者に足を突っ込んでいるジャンルでもある所為か、役作りで少女から老婆まで演じている。外側の変化のみならず、本人の雰囲気作りやなりきりも大切だと思うのだが」
「せわしない動きやオーバーリアクションは、かえって子供っぽい印象を与えますので、落ち着いた感じにするようしてみましょう。まず、背筋を伸ばしゆっくりと歩幅をとってまっすぐに歩く練習から始めましょう」
 これは、バレエレッスンの要領だ。
 歌劇団の付属学校の受験勉強でバレエを習っていた経験者の日向の指導のもと、ひかりはレッスンに励む。
「慌てないで、ゆっくり正確に動くように。そう、その調子ですよ」
 時間はかかったが、ひかりは綺麗な歩行が可能となった。
 自信は大人らしさやクールさにつながる、という日向の思惑は成功した。
「身体の動きに関しては、まず重心を臍の下3cmに意識して、間接を重心に近いほうから連動させるように動いて。最初は大降りで動き、何回か繰り返しながら次第に動きを小振りにまとめてみましょう」
 レッスンをしながらの会話は、段々と自分と台頭になるように話していき、日向とと対等の大人になるイメージを与えた。
 日向のレッスンはこれで終了。

 次は、藤緒により表情や視線、姿勢、仕草を指導。
「表情や視線、姿勢、仕草、目線の置き方だけでも随分と印象は変わるものだ」
 孤高でクール。 
 オペラでいう「トゥーランドット姫」辺りがイメージだろうか。トゥーランドット姫は、誰にも心を許さぬ誇り高い姫だ。
「トゥーランドット姫のような誇り高さなら、映画の主人公も身近な手本と言えるだろう。歌う際は『私は孤高のバトルガール』と自己暗示し、詩に心情を込めると良いだろう」
 自信なさげなひかりだったが「やってみます!」と、更に師事を仰ぐことに。
「まずは視線だ。例え相手の方が高かろうが、上目遣いは厳禁。見下ろすくらいの真っ直ぐな視線で、斜に構えた視線も効果的だ。キョロキョロ落ち着き無いのは駄目だ。表情は、手っ取り早いのは無表情だが、不敵な表情を意識するように。我に敵なしという笑みだ。その際、大口開けるなよ?」
 続いては姿勢指導。
「猫背厳禁! 背筋はシャンと伸ばす! 顎は多少ツンと上向きで!」
「は、はいぃ!!」
 藤緒講師の厳しいレッスンはまだまだ続く。
「最後は仕草だ。普段は一拍溜め後にアクションを起こすと「余裕ある大人」という印象が作れる。「心で1数えて行動」だ。スピードが要求される場合は、静と動の区切りを確り、どんなに動きの後も『静』でクールダウンだ。わかったか?」
「は、はいっ!!」
 以上の事を、日向と協力しながら指導した。

●メイクで変身
「さあ、ここからは私の腕の見せどころね!」
 唯一の男性、雫紅石が女性以上に張り切る。
「髪型は、ショートの場合はエクステンションかウィッグ使用が良いわね。サイドはシャギーを入れて顔のラインを細く見えるように工夫して、肩より下の髪部分は肩と背中に自然に流してみましょう」
 ひかりの髪はセミロングなので、エクステンションをつけることに。これにより、若干、大人びたヘアスタイルに。
「メイクは、下地にはグリーン系、ファンデーションは赤味を抑えるオークルのリキッドファンデーションが良いわね。塗った後は、パウダーファンデーションを額や顎のラインに軽く当て、眉はブラウン系の物を使用。アイメイクは窪み部分には薄いパールの入った薄紫、瞼には紫のアイシャドウ、アイラインには黒のアイペンシルでアイホールの目上は目頭から目尻までを引いていくのがベストかしら?」
 目下には薄緑のアイシャドウ、目尻から三分の一に黒いアイペンシルを引き、睫毛は付け睫つけてカールした後、ブラウンのマスカラを塗り、チークはローズピンクのものを頬高の部分から内から外にブラシで付けた。
 リップはワインレッドの口紅を塗り、ラメの入ったグロスを塗った。
「口を閉じた状態で笑ってみてね♪」
 ひかりに雑談をしながら話し掛け、リラックスさせながら起用にメイクを施す雫紅石だった。

●変身完了
 衣装は四條案のネイビーにシルバーピンストライプのラップカシュクールワンピース、裾は膝丈、袖は七分丈のものに。ウエストが細く見え、胸元とウエストにメリハリの出る胸下ギャザーがより大人さを醸し出している。
 小物はヒカル、月白姉弟によるコーディネイト。派手すぎず、地味すぎずのアクセントが良いチョイスとなっている。
 動き、仕草は日向、藤緒の懸命な指導で大人っぽさを表現することが出来た。

●PV撮影開始
「ひかりちゃん、随分大人っぽくなったね。それじゃ、PV撮り始めます」
 スタンバイを終えたひかりは、PV撮影に臨んだ。

 ロック調の主題歌『孤高のバトルガール』のイントロが流れると、明るいひかりの表情が一変し、クールで大人びたものになった。
 立ち振る舞いは、日向の指導の甲斐あり、優雅さの中に激しい動きが。
 仕草は、藤緒指導の賜物だろう。
 色とりどりの照明で、四條コーディネイトの衣装、アクセサリが映える。

 見事な変身振りに、協力者達はやった甲斐があったと喜んだ。

 撮影は、NGを出すことなく無事終了した。
「ひかりちゃん、お疲れ様。短期間で良く変身できたね」
 スタッフの言葉に
「皆さんのおかげです♪」
 と、元の明るい笑顔で協力者にお礼を言うひかり。

 こうして、撮影は無事終了した。