熱き限界ヨーロッパ
種類 |
ショート
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担当 |
風華弓弦
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芸能 |
5Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
普通
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報酬 |
20.5万円
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参加人数 |
10人
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サポート |
0人
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期間 |
07/28〜07/30
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●本文
●偉大なる草レースへ敬意を表し
F1のモナコGP、インディ500、そしてル・マン24時間耐久レースは、世界三大レースと呼ばれる。
1923年に開催されて以来、コースが大改修された1936年と第二次世界大戦中に中止されただけで、現在も続く「世界一偉大な草レース」だ。ル・マンでの総合優勝は、「他のモータースポーツの年間タイトルを獲得する事と、同じ価値がある」とまで言われる。
他のモータースポーツでタイトルを獲得したチームやドライバーが、必ずしもル・マンを制するとは限らない点でも、このレースの過酷さが知れるだろう。
レースはフランス中部にあるル・マン市。サルト・サーキットと呼ばれる、全長13kmを超える周回コースで行われる。コースの大半は一般道で、スタートおよびゴール地点とその周辺は、競技専用のブガッティ・サーキットの一部を使用する。
今年のル・マン24時間耐久レースは6月に終了したが、モータースポーツの振興を図る各自動車メーカーにより、レース用にチューニングされた一般車を使っての「芸能人版ル・マン耐久レース」を行う事が決まった。
制限時間は半分の12時間とするものの、コースの規模は同じ。12時間以内に、サーキットコースを何週できるかを競う。
暑さを避けるため、レースの開始は深夜0時、フィニッシュは正午となる。
●参加手順
1)二人で1つのチームを作る(年齢や性別の組み合わせは自由)。
2)使用する車を決め、チューニングポイントを耐久・加速・減速・旋回に割り振る。
例)車:ツープラ/耐久:46、加速能力:3、減速能力:2、旋回能力:3
3)コースでの攻めるポイント、交代タイミング、注意点など、ポイントをまとめる。
●参加について
ドライバーは、性別不問。実年齢21歳以上を推奨(外見年齢は問わない)。
二人で1チームとなり、レース中は任意で何度でも運転を自由に交代できる。
●車について
次の用意された車種より一台を選択し、チューニングを行う(CP=チューニングポイント)。車種の重複は可。
耐久力=車体の頑丈さ。
加速能力と減速能力=それぞれ加速や減速のしやすさ。
旋回能力=コーナリングでの安定度。
1)ツープラトンRZ(富田自動車)
時速:130km、耐久力:45、加速能力:3、減速能力:2、旋回能力:2、CP:2
2)RX−80S(竹田自動車)
時速:120km、耐久力:41、加速能力:1、減速能力:2、旋回能力:2、CP:5
3)ランプレッサWRX(谷村重工)
時速:125km、耐久力:43、加速能力:3、減速能力:2、旋回能力:1、CP:3
4)フェアレデZZ(極東産業)
時速:130km、耐久力:43、加速能力:2、減速能力:2、旋回能力:2、CP:3
5)A6 3.0クワトロ(アワディ)
時速:120km、耐久力:50、加速能力:1、減速能力:1、旋回能力:2、CP:4
6)911C4(ポーシェ)
時速:140km、耐久力:40、加速能力:3、減速能力:2、旋回能力:2、CP:2
7)マラネーロ(フェラーラ)
時速:150km、耐久力:46、加速能力:4、減速能力:2、旋回能力:2、CP:2
●コース概要(判りやすいようA、B、Cと三つのセクションに分ける)
1)セクションA‥‥スタートラインからテリトルルージュまでの、短いセクション。
1−1)スタートライン
1周のローリングラップを終えると、耐久レースの火蓋が切って落とされる。
1−2)ストレート
両側にスタンドが広がる、約700mの直線。
1−3)第一コーナー
最初のコーナー。ここからタイヤブリッジまでのセクション(区画)は、上りになっている。
1−4)タイヤブリッジ
ル・マンの名物、タイヤを模したブリッジの下を通過するコーナー。セクションはここを頂点として、下りに入る。
2)セクションB‥‥テリトルルージュからミュルサンヌコーナーまでの、高速セクション。
2−1)テリトルルージュ
サーキットコースを離れ、右カーブを経て公道コースに入る。
2−2)第1シケイン
約4km地点に設置されている。ストレートから右に切り込んで、クリアーする。
2−3)第2シケイン
第1シケインとは逆方向、左に切り込んで進入して行く。
2−4)ユーノディエール
テルトルルージュからミュルサンヌコーナーまで、2つのシケインが設置されたものの最も高速のセクションである(ル・マン24時間レースでは、トップスピードが400km/hに及ぶ)。
2−5)ミュルサンヌコーナー
90度右に曲がるコーナー。アクセル全開の状態から、コーナーをクリアーするために一気に減速する(ル・マン24時間レースでは、一気に200km/hくらい減速する)。
3)セクションC‥‥ミュルサンヌコーナーから、フィニッシュラインまでのテクニカルなセクション。
3−1)インディアナポリス
コースの両脇に木立が迫る、テクニカル・セクション。
緩やかに右へ曲がり、そして最後に左へ抜ける。コーナーのイン側へ向っては、バンク(傾斜)がきつい。
3−2)アルナージュ
インディアナポリスの終わり、左へ90度抜けるカーブ。
3−3)ポーシェコーナー
再びサーキットコースへ戻る、高速の右コーナー。かつては、ポーシェのみが全開でコーナーを抜けた事から、名がついたという。
3−4)オフォードシケイン
ホームストレッチ直前、2つのシケインが連続しており、一気にスピードを減速する。
3−5)最終コーナー
最終コーナーの立ち上がりから一気に加速に入り、ホームストレッチへ進んで、フィニッシュラインを切る。
これで13.650kmの1ラップ(一周)が終わる。
●リプレイ本文
●サーキット入り
「凄い‥‥本物のサーキットですよ」
コースの上に立った葵・サンロード(fa3017)は、緑の目を細めてコースを眺めた。
スターティンググリッドを示す白いライン。
アスファルトのあちこちに色濃く刻まれた、タイヤの摩擦痕。
天気は晴天、気温は30度を切る程度のからりとした暑さ。
それでもアスファルトの上には、ゆらゆらと逃げ水が揺らめく。
「それにしても、照り返しがきついですね」
イルゼ・クヴァンツ(fa2910)が、雲ひとつない空を仰いだ。
「夜メインのレースで、よかった‥‥と言うべきかしら。視界が限られるから、安全運転第一だけど」
急激な日焼けを避けるべくエルヴィア(fa0095)は日傘を借り、焼けるようなアスファルトから、熱の溜まりにくい草地へと避難していた。
コースを渡る熱い風が、二人の女性の長い銀髪をさらりと撫でて、抜けていく。
フェンスを挟んでメインストレートと並行するピットには五台の車が並び、各ブースでは念入りに整備とチェックが行われていた。
選ばれた車はRX−80S、ランプレッサWRX、フェアレデZZ、そしてマラネーロが二台。
今回のレースがエキシビション的なものだからか、本戦最多勝のポーシェと今年も優勝を果たしたアワディが抜けるという、面白い結果となった。
「わーい、憧れのフェレーラよっ。マラネーロ、お持ち帰りできないかしらー!」
高級スポーツカーを前にした角倉・雪恋(fa5003)が、子供の様にはしゃいでいた。
「ぶつけて壊したら、やっぱり弁償なのかな」
やはりマラネーロを選択した若宮久屋(fa2599)が冗談めかすと、そんな雪恋の表情は見る間に曇る。
「ぶつけない様に走ればいいこった」
三日程前に現地入りしてコンディションを整えていたという鶸・檜皮(fa2614)が、『相棒』をフォローした。
「ところで、ドライバーを交代するタイミングだが‥‥」
檜皮が作戦の『再考』を、雪恋へ切り出す。
セクション単位で運転を交代する方針だった二人だが、高速サーキットのコース上での降車は危険極まりない。その為、ピットでドライバーを交代するのが常なのだ。
その点では、イルゼとエルヴィアもまた運転プランを見直さなければならなかった。
●フリー走行、そしてポジション抽選
各車のチェックが終わると、車の動きを確かめながらコースに慣れる為に、一組づつ実際のコースをテスト走行する。
軽く流してピットへ戻ってきたRX−80Sへ、ライダースーツに身を包んだ長瀬 匠(fa5416)が近付いた。
「どうですか、調子は」
車から降り、ヘルメットを外したランディ・ランドルフ(fa4558)は、頭を振って黒髪を散らす。
「ああ、いい感じに調整してくれている」
平均的なバランスのチューニングを行う一方で、二人はコーナリングでの安定感に重点を置いた調整を依頼していた。
「じゃあ、交代だな」
「本番前から当てないよう、頑張ってきますよ」
ヘルメットを被った匠は、入れ替わりで運転席へと乗り込む。
ピットを出て行くRX−80Sの向こうで、他の車も入念にフリー走行を行っていた。
ポジションはラップタイムではなく、くじ引きで決定する。
その結果、以下のスタート順となった。
1番グリッド)マラネーロ……サンロード&若宮組
2番グリッド)マラネーロ……鶸&角倉組
3番グリッド)フェアレデZZ……鳥羽&篠田組
4番グリッド)ランプレッサWRX……クヴァンツ&エルヴィア組
5番グリッド)RX−80S……ランドルフ&長瀬組
奇しくも、マラネーロがポールポジションとフロントローに陣取った形だ。
「マラネーロ二台が先行、か」
くじの結果に苦笑する篠田裕貴(fa0441)の肩へ、鳥羽京一郎(fa0443)がぽんと手を置く。
「瞬発力があるから、ロングストレートでは引き離されるだろうな。だが、後半はタクティカルなラインも多い。フェアレデは裕貴も乗り慣れた車だから、落ち着いて運転すればいい」
「今さら京一郎に言われなくても、判ってるよ」
口を尖らせた裕貴は、肩に乗せられた手を叩いて払う。そんな彼の仕草でさえ、京一郎は面白そうにくつくつと笑った。
●00:00〜04:00
昔のスタート形式ではコース脇にドライバーが待機し、一斉にグリッドに並んだ車まで走って乗り込んだという。
だがこのル・マン式スタートでは、シートベルトを締め忘れるといった安全面の問題もあり、現在はローリングスタートを採用している。
夜の闇の中、ペースカーに先導された五台の車は、ローリングラップを開始した。
約13.7kmのコースを、連なって一周してタイヤとエンジンを温め。
先頭を走るペースカーがピットに退けば、グリーンフラッグが振られる。
スタートラインを越えた車から、アクセルを踏んで加速し。
そして、12時間のノンストップ耐久レースが幕を開けた。
先行する葵のマラネーロを雪恋のマラネーロが追い、その後に京一郎のフェアレデ、イルゼのランプレッサ、ランディのRX−80Sが続く。
レース序盤、それに加えて夜というコンディションもあって、各車は自分のペースを重視していた。
その模様を、ピットに残った5人は無線で各パートナーと連絡を取りながら、ピット・スタッフと共にモニタリングする。
最速のレーシングマシンなら一周4分(平均時速220km/h)を切って走るコースを、一般車をベースにした車は約2〜3倍近い時間をかけて周回する。
最初にピットインしたのは、先頭を走る葵のマラネーロだった。
体力の温存を考えてか、早めに交代した葵は、何故か尻を押さえながら車を降りてくる。
その彼に、ヘルメットを被った久屋が駆け寄った。
「大丈夫?」
「ええ。ただ半獣化すると、尻尾のやり場がなくて‥‥痛いです‥‥」
「あ〜‥‥確かにね。シートは、普通に人間向け仕様だし」
四点式のシートベルトで座席と身体がしっかりと固定されるため、尻回りのスペースは窮屈なのだ。
「30分、ゆっくり休んでいてよ」
苦笑しながら、久屋は車に乗り込んだ。
次に、最後尾を走るランディのRX−80Sが、3ラップ目でピットへ滑り込む。
走行時間で言えば、先のマラネーロより少し遅れた形となった。
「すまない、順位が上がらなくて」
「大丈夫ですよ。始まったばかりですし、のんびり行きましょう」
交代した匠は、クルーのサインを見てアクセルを踏む。
しばらくの間が開いて、戻ってきたのはイルゼのランプレッサ。
交代してシートに身を沈めたエルヴィアは、ヘルメットから流れる長い髪に一度指を通してから、シートベルトを締めた。
アイドリングしたままの車に、一つ深呼吸してからハンドルを握る。
「コース後半は押さえ気味になっちゃうけど、いいかしら」
『大丈夫です。落ち着いて、完走目標でいきましょう』
ヘルメットに内蔵されたインカムから聞こえるイルゼの声に、見えないながらも頷いて。
サイドミラーで後続車がないことを確認したエルヴィアは、コースへと進み出た。
レース開始から、最初の1時間が経とうかという頃。
京一郎の運転するフェアレデが、4番手としてピットに入ってきた。
「やはり、マラネーロは早いな。乗れなかったのが残念だ」
マラネーロの真後ろについて走っていた京一郎は、開口一番しみじみと呟く。
交代する裕貴がヘルメットの下で、やや不満そうな表情を浮かべ。
そんな気配を感じ取ったのか、京一郎は相棒のヘルメットを軽くコツンと叩いた。
「早く乗れ」
「そんなにマラネーロがよけりゃ、マラネーロに乗ればいいのに」
つぃと明後日の方向に言葉を投げ、裕貴がシートに腰を下ろす。
『お前と乗るから、フェアレデを選んだんだろうが』
無線越しの言葉に、彼は一瞬声の主の方を振り返りかけるが、思い止まった。
「お前だって、マラネーロに負けない走りができるもんな」
ぽんぽんと叩いてからハンドルをしっかりと握り、流線型のフォルムを持つ車は流れるように本線へと戻る。
最後にドライバーを交代したのは、雪恋のマラネーロだった。
「軽食と、アイスコーヒーを用意してある。ゆっくり休んでくれ」
「鶸さんっ」
言葉をかけながら運転席へ入れ替わった檜皮へ、雪恋は思わず声をかけ。
「さすが、参謀長様。きっと、いいお嫁さんになれるわ!」
「嫁‥‥」
いささか絶句気味の檜皮に、笑顔で雪恋が手を振った。
「頑張ってねー! チーム「ホークパンサー」、はっしーん!」
ピットを出て行くマラネーロの後姿に、拳を挙げて声援を送り。
「長時間、長距離運転をすると痩せるっていうけど、ホントかしら?」
そんな言葉を一人口にしながら、彼女は休憩を取るためにピットの奥へと向かった。
競技時間1/3である4時間を終えたところで、順位は雪恋&檜皮組、京一郎&裕貴組、ランディ&匠組、葵&久屋組、イルゼ&エルヴィア組となっていた。
こまめに交代する葵と久屋はジワジワと順位を落とし、イルゼとエルヴィアは慎重にラップを重ねていく。
ランディと匠のRX−80Sは、コーナーの安定感にモノを言わせて着実に順位を上げ。
雪恋と檜皮のマラネーロを、京一郎と裕貴のフェアレデが引き続き追いかけた。
●04:00〜08:00
やがて夜明けが近づき、空に色が戻り始める。
そして、朝日が昇り始めると日差しを嫌ってか、ペースは全体的に若干ダウンした。
第1コーナーから、テリトルルージュにかけては東に進むルートの為、否が応でも光が目に飛び込んでくるのだ。
だがそれも、一周か二周の間。
太陽が地平線から離れて視界から外れると、時間と共にコースに慣れてきた事と、周囲が明るくなってきたのもあって、仕掛ける余力のある者が隙を見て勝負をかけ始める。
「頑張れ‥‥っ」
ピットクルーが眺めるモニターへ、久屋が小さく声援を送る。
RX−80Sとマラネーロが、競っているのだ。
「応援で一生懸命になってると、休憩にならないわよ」
イルゼと共にマイペースにレースを進めるエルヴィアが彼のピットへ顔を出すと、くすりと笑って声をかけた。
「あ、そうだね。つい」
苦笑しながら、久屋はエルヴィアへ軽く頭を下げる。レースから意識を離して気が緩むと、すかさず欠伸が飛び出した。
「ごめん。さすがに0時開始で6時間以上になると、眠くなるね」
「半分は越えているわ。お互い、頑張りましょう」
笑顔で励ますエルヴィアに、久屋はひらりと手を振った。
中盤の時間帯が過ぎる頃、レースは雪恋&檜皮組、京一郎&裕貴組、葵&久屋組、ランディ&匠組、イルゼ&エルヴィア組の順となっていた。
●08:00〜11:00
ピットからコースへ戻ると、すぐに遠くのタイヤブリッジが見える。
軽く流れに沿って左へ振り、再びその方向へと戻った時には、ブリッジはすぐそこに迫っていた。
ブリッジが落とす影を、次の瞬間にはくぐり抜け。
もう一度、緩やかな道なりに左から右へハンドルを切った。
短い直線の後、ブレークを踏み込んでハンドルを回し、『Le Mans 2km』の標識が立ったテリトルルージュのほぼ90度のカーブを曲がる。
先を走る車のテールが、左右に揺られ。
2kmの長い直線に入ると、開けたサーキットから風景が変わった。
左手の並木が、次々に後方へと飛び去り。
2kmの高速コースに、スピードを競う。
やがて、第1シケインが迫ってきた。
第1シケインをクリアして更に2km程走れば、第2シケインを抜け。
ユーノディエールの終点、ミュルサンヌまでアクセルを踏んで飛ばす。
直線の終わりが見えてくると、ギアをシフトダウンして一気に減速し。
鋭角のコーナーへと切り込んだ。
タイヤが軋み、膨らむ車をハンドリングで押し留め。
前を走るテールが左へぶれるのに合わせ、インを突く。
コーナーでかわした後は、直線での加速を抑える為に前へ出た。
追われるままにインディアナポリスから、アルナージュへ。
直線をしのいでポーシェコーナー、オフォードシケインで確実に頭を抑えきり。
ピットサインが出ていない事を確認すると、短いストレートを駆け抜ける。
レース開始から9時間を過ぎても、不測の不調やクラッシュなどによる脱落者もなく。
5台のマシンは競いながら、あるいは自分のペースでレースを続けていた。
休憩を取りながらといっても、長時間のレースは体力と集中力に影響が出てくる。
競い合っていたマシンも、次々とペースダウンをし、追い込みと完走を目指して力を温存し始めた。
●フィニッシュ
太陽は、南の空高く。
レース開始からの時間を示すデジタル時計は、12:00を示そうとしている。
最後の力を振り絞るように、エンジンが唸りをあげ。
12時を迎えた。
何とか完走したマシンがフィニッシュラインを越えるたび、チェッカーフラッグが大きく振られる。
そして、最終リザルトが発表された。
1位)マラネーロ‥‥鶸&角倉組
2位)フェアレデZZ‥‥鳥羽&篠田組
3位)RX−80S‥‥ランドルフ&長瀬組
4位)ランプレッサWRX‥‥クヴァンツ&エルヴィア組
5位)マラネーロ‥‥サンロード&若宮組
「よかった‥‥何とか、走りきれましたね」
ほっと、イルゼが胸を撫で下ろす。
下位のマシンはこまめにピットに入っていた為、結果としては遅くなったが、順位より完走を目標としてきただけに、達成感はひとしおだ。
「みんなも、お疲れ様」
葵が声をかければ、「お疲れー!」とピットスタッフの間から返事が飛んできた。
なおコメントを求められたトップの二人の返事は、揃って「部屋でゆっくり眠りたい」の一言だったという。