世界祝祭奇祭探訪録 4ヨーロッパ
種類 |
ショート
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担当 |
風華弓弦
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
01/11〜01/14
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●本文
●ユリウス暦の大晦日(ジルベスター)
ユリウス暦とは、太陽暦の一つである。
ユリウス=カエサルがエジプト暦を改訂して制定したものだという。この暦は、1582年のグレゴリオ暦−−現行の太陽暦が制定されるまで、ヨーロッパで広く使われた。
このユリウス暦が、今もまだ息づく土地がある。
スイス連邦アッペンツェル州にある、ウルネッシュ村。この村ではグレゴリオ暦を採用して200年近く経っても、旧暦(ユリウス暦)の大晦日には伝統に則った「ジルベスタークロイゼ」が行われている。
クロイゼとは、サンタクロースと同じ聖ニクラウスの複数形だ。
しかしこの祭りでは「精巧に作られた被り物を頭に乗せて歩く、精霊のような偶像」の事を指す。クロイゼには三種類あり、彼らは独特の衣装と仮面を身に着ける。
「醜いクロイゼ」は、古くからのクロイゼの姿を伝えていると言われる。
全身をモミの小枝や枯れ葉や麦藁で覆い、動物の骸骨を使った仮面からは歯や角が飛び出し、今にも喰いつきそうな表情の恐ろしい形相だ。
「自然のクロイゼ」は身体中を木の葉や羊歯、苔などで覆い、松笠、木の実、蝸牛の殻などを貼り付けた仮面をつけている。
「美しいクロイゼ」には男女のクロイゼがおり、双方とも大きく色鮮やかな冠を被る。
冠には村の様子や農作業、機織り、チーズ作り、家畜の世話、教会での婚礼など、「理想郷の生活」が箱庭のように細工され、幸福な生活を願う気持ちが表現されている。
特に女性の仮面の口元には、咥える様に必ず一輪の花が描かれる。
クロイゼは六人一組となり、身体につけたカウベルや巨大な鈴の音を鳴り響かせて歩く。
彼らが家の戸口に立つと、人々が待ちかねたように出てくる。クロイゼは家族の為に、新年を迎える祝福の祈りをこめて、この地方独特の歌詞のないヨーデルを歌う。家族はクロイゼの訪問を喜び、温かいワインやジュースなどを振る舞う。
そうして年の変わり目に現われる悪霊を祓い、野や畑を歩き回る事によって、新しい年の豊饒を願うのだ。クロイゼは古い年の悪霊を追い払い、新しい年の繁栄を祈るために森や山から訪れる精霊だとも言われている−−。
●『ジルベスタークロイゼ』
毎度お馴染みのオーディション係のスタッフが、今日も平坦な口調で番組資料を配っていく。
『世界祝祭奇祭探訪録』は、「現地の家族との触れ合いを通じて、異国の風習を視聴者に紹介する」現地滞在型の旅行バラエティ。第一回はエディンバラでの「ハロウィーン」、第二回はウィーンの「アドベントの魔法」、第四回はムーラの「ルシア祭」を紹介した。
「今回の滞在先は、スイスのアッペンツェル州ウルネッシュ村です。滞在期間は11日から14日までの4日で、ジルベスタークロイゼ自体は13日。ユリウス暦の大晦日に行われます。
滞在先のケラー家は両親と23歳になる息子さんの3人家族。牧畜を行っている一家で、『普通の人間の家庭』です」
担当者は、いつもと変わらぬ口調で説明する。
「この「ジルベスタークロイゼ」とは、手っ取り早く言うと「なまはげ」みたいなものですね。参加できるのは男性のみ。ケラー氏と息子さんも、クロイゼとして参加するそうです。
男性の皆さんも、クロイゼに混ぜてもらう事は可能です。ただ、重い被り物とカウベルを背負い、各家庭でヨーデルを歌い、ワインを振舞われ、街を歩くという、結構ハードな役目です。覚悟はして下さい。
もちろん飲酒年齢に達していない方は、無理です」
担当者は手持ちの資料をトントンと机の上で揃えた。
「あと、お知らせですが‥‥今回よりナイトウォーカーの件については、考慮しなくても良い事になりました。どうぞ、心置きなく良い旅を」
●リプレイ本文
●雪と山の世界へ
スイスの北東部にある、アッペンツェル州ウルネッシュ村。
氷河も4000m級の高い山々もないアッペンツェルは、観光開発とは縁遠い昔ながらのスイスの風景が残ると言われる場所だ。
見渡せば、雪の積もったなだらかな丘陵には点々と家が立ち、その先に連なる山稜とこの地域ではひと際高いセンティス山を望む。
穏やかな空気と牧歌的な風景が、のどかな気分を誘っていた。
「銀世界も素敵だけど‥‥雪がなかったら、緑が綺麗でしょうね」
青い空へと両手を突き出して、羽曳野ハツ子(fa1032)は背を伸ばす。御堂 葵(fa2141)もまた、冷たいが清涼な空気を吸い込んだ。
「山の神気が漂うような空気で、心が洗われます」
「でも、この中を何時間も歩くのは大変だろうな」
今からクロイゼ役の苦労を考えつつ、妹の荷物を持った小塚透也(fa1797)が、残る男性陣二名を見やる。
「ホントに‥‥素のままで、頑張るのか?」
透也は語彙をぼかすが、半獣化しないのか−−と、暗に聞く。その質問に、深城 和哉(fa0800)は躊躇う事もなく是を返した。
「折角の祭りだし、正々堂々と楽しむよ。地元の人達にも失礼だしな」
「どんなアクシデントがあるかも、判りませんしね」
和哉と共にクロイゼ役に挑むロイス・アルセーヌ(fa0357)も、同様の覚悟らしい。
「二人とも、良い心掛けだ」
表情では窺えないが、彼らの答えに満足したのだろう。ニライ・カナイ(fa1565)が、重々しく頷く。
「応援しています。頑張って下さいね」
小塚さえ(fa1715)が二人に声をかけ、兄は残念そうだ。透也はスイスでの飲酒年齢に達していたが、やはり日本人としてのケジメもある。
「ところで、博物館ですが‥‥閉館中ですけど、どうしましょう」
リーベ(fa2554)の指摘に、ニライと葵は顔を見合わせ思案した。
この地方の生活様式や風習を展示するアッペンツェル習俗博物館は、冬季閉館となっている。
「一度、頼んでみましょうか」
「そうですね」
−−番組取材という事で特別に見せてもらえるかもしれない。
そんな期待を抱いてみるものの、訪れた博物館は誰もおらず、交渉の術もなかった。
「遠いところを、ようこそ。寒かったでしょう」
切り妻屋根の家では、明るい40代半ばの女性が両手を広げて八人を出迎える。
来訪者達を歓迎する夕食は、パンケーキのようなジャガイモ料理レシュティや、子牛肉のクリームソース煮ゲシュネッツェルテスなど、夫人が腕によりをかけて作ったスイス料理の数々だ。
勿論、スイスワインも赤と白が数本−−飲めない者には炭酸水が並び、地元で作られるチーズ「アッペンツェラー」のスライスが添えてある。
美味しい料理と飲み物は口も心も滑らかにして、賑やかな夜は更けていった。
●山の歌声
牧夫達の朝は早い。
夏は高地で放牧する牛も、雪深い冬は畜舎で飼育されている。
畜舎の掃除や寝藁の交換、朝の乳搾りが終わった頃、ようやく滞在者達が起きてきた。
「すいません! 手伝うつもりが‥‥」
慌てて頭を下げて餌やり手伝う透也に、小柄で気さくなケラー氏は「長旅で疲れたろうし、気にする事はない」と笑う。
「朝食を食べたらクロイゼの練習をすると、友達に伝えてくれるかね」
「判った」
ヨーデルとは、地声とファルセットを交錯させて歌う歌唱法である。
急速に声を切り替える歌もあるが、今回の祭はファルセットが中心でゆったりと唄う。
「ツォイエリ、でしたっけ?」
「よく知ってるな、お嬢さん」
聞いた話を思い出しつつのリーベに、ケラー氏は感心した様子を見せる。
歌詞のないヨーデルを、ナトゥア・ヨーデルという。
クロイゼ祭で歌われるのは、誰か一人が歌い出し、それに周りの者が適当に和音を合唱で加える−−それがツォイエリと呼ばれる、楽譜すらないナトゥア・ヨーデルである。
「本当に、一緒に練習してもいいのか」
念を押すニライは、妙にそわそわしている。
「友達と一緒なら、気楽に唄えるだろうしな」
練習は、まず声の通し方から。次にケラー氏の声に合わせて、それを同じ音程まで上げる。普段は出す機会のない音域なので、男二人には少し難しい。
声が出るようになると、今度は一般的な旋律。そして旋律が唄えたら、それに合わせて和音のパートを覚える。
見本を示す父と息子ヨルクは、息の合ったツォイエリを奏でた。
「1つの家で3曲唄う。2曲唄ってワインと御祝儀を頂いたら、お礼にもう1曲唄うのが、決まりだ」
和哉とロイスは勿論、歌が生業のさえとニライもまた、真剣に「講義」に臨む。
昼食の後は、祭の衣装を見せてもらう事となった。
実は、博物館の展示物は主にクロイゼの装束であり、今も祭で使われるという。
子供クロイゼは親と協力して自分で衣装を作るが、ちゃんとした大人のクロイゼ装束は、専門の職人が1年をかけて作り上げ、修復しながら3年は使うという。
テーブルには、大人が両手で輪を作るのと同じくらいの円盤状の被り物が置かれていた。男役は横にした円盤で、女役は縦にした円盤。どちらも、ミニチュアの人や動物がくっついている。
「コレを被るのか」と、感心して細工を眺める透也。持ち上げると結構重く、10kgはあるだろう。
「そして、コレを着るのよ」
夫人が広げたのは、一見するとスイスの民族衣装。ただし『付属品』−−女物は、人の顔ほどもある鈴が付いたベルト。男物は、縦横それぞれ幅30cm程のカウベル2個が、もれなくついてくる。
花を咥えた女の仮面か髭面の男の仮面を付ければ、『美しいクロイゼ』となる。
「誰か、挑戦してみる?」
悪戯っぽい夫人の提案に、真っ先に挙手したのがハツ子。
「こんなに楽しそうなのに、女性が参加できないなんて、残念よね」
言いながら、装着した鈴のベルトだけでも相当な重量で、「大丈夫?」とリーベが心配そうに様子を見守る。
鈴の一つをコンコンと叩き、さえは首を傾げた。
「どうやって鳴らすんですか?」
「それはね。跳ぶのよ」
「え‥‥」
期待の眼差しに応えて、ハツ子が数回ジャンプしてみる。ガチャンガチャンと鈴が煩く鳴り、ふらつく彼女をヨルクが支えた。肩のベルトに左右4個の計8個と、腰のベルトに5個。13個の鈴だけで、10Kg以上あるのだ。
「か弱い私には、無理ね‥‥」
ふっと、ハツ子は遠くへ視線を投げる。ニライもカウベルを持つが、一つでも重い。
「やはり、男性限定なのは重さ故か」
「あと、雪の中を一日中歩くから‥‥10km近く」
ハツ子が鈴を外すのを手伝いながら、ヨルクが答えた。
「ヨルクさんも、子供の頃からクロイゼをやっていたんですか?」
興味深そうにさえが尋ねると、彼は「ああ」と素っ気なく答える。息子の尻を、母親がひっぱたいた。
「ごめんね。可愛いお嬢さん達の前だから、照れちゃって‥‥父親が子供にヨーデルを教えて、子供は自分達でクロイゼの真似をするのよ」
「小さい頃から、親しんでいるんですね‥‥」
生活の中に根付いて息づく伝統を思い、葵はそっと衣装を撫ぜた。
午後は、一緒にクロイゼ役をする「ご近所さん」を交えて、ヨーデルの練習を行い。夕方には乳搾りや畜舎の掃除、牛へのブラッシングと、牧夫の仕事をこなす。
「ニライ、歌を教えてくれないか」
夕食後。和哉は、ニライにヨーデルの練習を頼み込んだ。
作曲者であるロイスと違い、彼は歌に関しては素人レベル。祭に参加する以上、それで足を引っ張るわけにはいかないと、決意を固めていた。
「構わないが‥‥私のレッスンは厳しいぞ?」
受けて立つと言わんばかりに、猫の微笑みをみせるニライ。
その夜は、遅くまで歌声が響いていた−−。
●ジルベスター・クロイゼ
夜も明けないうちから一行は起こされ、畜舎の仕事を手伝った後に朝食を取る。
朝食が終わると、四人の男は女性達の手を借りながら、「美しいクロイゼ」の装束を身に着けた。
女性のクロイゼはケラー氏が着け、残る三人は男性のクロイゼである。
女性役は六人の列の先頭と最後を歩き、また注目されやすい為にヨーデルの上手い下手が厳しく見られるからだという。
外へ出れば、夜明け前の氷点下の空気が身体に突き刺さってくる。
その頃には、仲間のクロイゼが杖を手に雪の中をやってきて、朝の挨拶を告げた。
「では今年の一番手は、ケラーの家と異国からのお客さん達へ送るとしよう!」
もう一人の女性クロイゼ役が声を張り上げ、男性クロイゼが上半身を左右に振って、胸と背中に下げた大きなカウベルをゴロンガランと鳴らした。
「始めをロイス君、次をカズヤ君で頼むよ」
大役を任命されたロイスは、緊張した顔で白い息を吐きながら、第一声を響かせる。
いささか声量が足らないものの、始まりのヨーデルは朝の空気を震わせて、半円状に立つ残る五人が音を合わせて唄う。
ツォイエリを唄い終えると、女性クロイゼは跳ね回って鈴を鳴らし、男性クロイゼは身体を振ってカウベルを鳴らす。
次は、和哉の番だ。
音程に気をつけながら、注意深く音を紡ぐ。
昨夜の特訓の成果もあってか、和音のヨーデルに支えられつつも和哉は何とか唄いきった。四人の牧夫は喜ぶようにガラゴロガシャンとベルを鳴らし、見守る仲間達も笑顔で拍手をした。
二人はケラー夫人の差し出すストローからワインを飲んで喉を労わり、最後にケラー氏が歌声を響かせる。
長年の経験で培われた朗々としたヨーデルが、染みるように雪原へ渡っていく。
歌が消えて三度目の鈴が鳴らされると、牧夫達は次々と新入り二人の肩を叩いて「上出来だ」と成果を褒め、今日一日を励ました。
最後に六人のクロイゼ達は、それぞれの仮面をつける。静かではあるが、いよいよ祭が始まるのだ。
「気をつけて下さいっ」
「皆、頑張ってね!」
「後で応援に行くからなーっ!」
口々に応援する仲間へ手を振り、和哉とロイスは杖をつきながら、牧夫と共に雪原を歩き始めた。
彼らを見送った後、残った者達は部屋で寛いでいた。カメラはクロイゼに付いて行ったので、静かなものだ。
「クロイゼは、朝から出かけるものだったんですね」
夜に行うものだと考えていた葵は、少し意外そうだ。
「そうね。山間に点在する家を訪ねて、合間に休憩を取りながら、村の中心に降りていくのよ。夕方にはレストランを訪ねて、ツォイエリを唄うの」
「あの、重いものを着て歩き回るのに、ワインだと酔っ払いませんか?」
さえの素朴な疑問に、「酔っ払うわね」と夫人は笑う。
「それでも、ジュースよりワインの方がいいのよ。皆」
「スイスは、ワインの消費量が国内の生産量を越えているからな。国外では、スイスワインは希少品だ」
年間消費量は、日本人が酒類全体で一人平均約9リットル。対するスイスは、ワインだけで一人平均40リットルを越える。
その時、ジャランガランと鈴の音が響き、夫人は急いで外へ出る。
窓から見れば、雪の中を歩く茶色い集団−−醜いクロイゼ達だ。
一行も夫人に倣って表に出て、恐ろしげな形相の一団を迎えた。
杖を頼りに、ひたすら雪の中を歩く。
重い被り物に頭が振られ、カウベルのベルトが肩に食い込む。
慣れない二人に歩調を合わせ、休憩を取っても、牧夫達は手を貸さない。
−−彼らはまるで、ワインを燃料に動く何かの機関のようだ。
そんな事を考えつつ、前方を歩く男達を見る。
六人が近づくと、家からは人々が喜んで出てきて、寒い中でもヨーデルを聞く。
目を閉じて聞く夫人。涙を流す老人。後を追いかけてくる若者。写真を撮る観光客。
誰もが皆、クロイゼ達を待っている。
「Machen Sie Ihr bestes!」
途中で出会った子供クロイゼ達は、ケラー氏に話を聞いたらしく、鈴を鳴らして彼らを励ました。
「Danke.Sie zu」
仮面の下からロイスがくぐもった声で返事をすると、無邪気に笑みを返す。
「子供達は、何て言ったんだ?」
鈴の音に負けないように和哉が声を上げると、振り返らずに−−彼も余裕がないのだろう−−ロイスが答えた。
「頑張って、と」
「そうか‥‥それにしても、こんなに重いものを着たのは、人生で初めてだ」
「ですね」
仮面の下で互いに苦笑しながら、二人はまた一歩、足を踏み出した。
日が傾く頃には仲間達も村の中心部へ出てきて、二人を応援した。
博物館前の広場には焼きソーセージや焼き栗、グリューヴァインの屋台が並び、クリスマス市さながらの様相を呈している。
そうして古い暦の大晦日は、ゆっくりと去っていく−−。
●静かな朝
ワインと疲労で足取りも怪しく帰宅したロイスと和哉は、翌日の昼近くまでのびていた。
起きれば筋肉痛に加えて、喉はヨーデルとアルコールで声枯れ状態だ。
ケラー氏とヨルクは、いつも通り牛の世話をしている。さすが地元の人間といったところか。
「さて、今日のお昼はチーズ・フォン・デュよ。サエとアオイは、野菜を切ってね。ハツコとリーベはお肉を宜しく。ニライは火加減をお願い。そこで見ているトーヤは、赤ワインを5本程取ってきて頂戴」
明るくてきぱきと、夫人が指示を飛ばしている。
チーズ・フォン・デュは、一つのチーズ鍋を囲む鍋料理だ。家庭でのそれは、「家族である事」も意味する。
食事の準備の間に、夫人は和哉の手に小さな人形を押し込んだ。ロイスにも同様に、人形を握らせる。それは昨日、彼らの頭の上に乗っかっていた物の一部だ。
「これは‥‥」
「雪の中を、沢山歩くんですもの。人形が消える事もあるわよ」
彼女は内緒だという風に人差し指を唇に押し当てて、ウィンクをした。