New Unit−Recording!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 風華弓弦
芸能 3Lv以上
獣人 2Lv以上
難度 普通
報酬 8万円
参加人数 8人
サポート 1人
期間 08/16〜08/19

●本文

●デビューに向けての一歩
「ひとまずデビュー曲が決まったから、レコーディングをしなきゃならないんだよね」
 高原 瞬の言葉に、アイベックスの担当者が大きく頷く。
「ご存知かもしれませんが、アイベックス主催の大型ライブが近々開かれるんですよ。その会場でシークレット・ゲストとして、新ユニットを大々的に発表する予定なんです」
「〜〜っ! げほっ、って、げほっげほんっ、ちょ‥‥っ」
 ストロー付の容器でスポーツドリンクを啜っていた瞬が、むせた。慌ててマネージャーが飛んできて、背中をさすったりと彼を気遣う。
 様子が落ち着いてから、担当者は漸く再び口を開いた。
「‥‥大丈夫ですか?」
「‥‥うん。チョット、驚いた」
 まだ咳払いを繰り返しながら、瞬がふーっと深く息を吐く。
「で、そのライブでデビューな訳?」
「そうなりますね。なので、レコーディングの間に出来るだけちゃんと、『呼吸』を合わせられるようにならないと」
「それでライブの日って、いつ?」
「21日になります。特設の野外ステージを使って、大々的に行われますよ」
「レコーディング明けて、すぐかぁ‥‥」
 う〜んと考え込む瞬に、担当者が僅かに眉根を寄せた。
「スケジュール、空いてませんでしたっけ?」
「空いてるから、入ってるんだよね。この予定」
 担当者に言い、確認するようにマネージャーを見やれば、女性マネージャーはこくりと首を縦に振って返事をする。
「それで、レコーディングの四日間でライブできるくらいに仕上げとけ‥‥ってのが、今回のもう一つの目的ってトコ?」
「そうなります。ユニット・メンバーにも連絡を手配していますし、他にもスタッフの募集をかけていますので。レコーディングやライブの空気にも、高原さんならすぐに慣れますよ」
 若干不安げな表情の瞬へ、淡々と担当者は答えた。

●デビュー・シングルの収録曲
 現在、デビューCDに収録予定の曲は、『星数のスタート』『夢をつないで』『GOING MY ROAD』の三曲。
 ユニット名は、現在『colorFull(カラフル)』と『Progress(プログレス)』の二つが、候補に挙がっている。

1)『星数のスタート』
 ミドルテンポの優しいメロディ。要アレンジ。

「 いくつもの出逢いと別れをくり返し
  すれ違う哀しさにも慣れたフリをして
  失ってはじめて気付くと言うけれど
  なくさぬように しがみつくので精一杯

  今も臆病な痛みがどこかに隠れている
  シリアスになりきれず じゃれあっていた幼さは
  強さを偽る誰の中にもあるのでしょう

  笑うのも涙するのも ただ一生懸命に
  願うのも託していくのも 愛すればこそ 」

2)『夢をつないで』
 全体を通して明るいイメージで、スローテンポから徐々にテンポアップし、メリハリを持たせている。

「 ゆっくり時々は急ぎ足で歩く
  坂上れば見下ろす景色は小さくなっていく

  風も迷うビルの狭間
  見上げれば せまい空
  高い影から飛び出す羽はないけれど
  雨の日には傘をさして歩こう
  晴れたら水たまりが太陽を映して眩しいだろう

  目隠しの毎日 幸せを丁寧に手探りして
  小さな光が一瞬一瞬
  色とりどりに繋がっていく

  この世界に生きる 貴方 貴方
  転んだりつまづいたりしながら
  誰の後ろにも夢の足跡 」

3)『GOING MY ROAD』
 リズミカルで、明るくポップな曲。

「 Door For World Is Opened

  ちょっとお遊び All night
  広い世界を watching
  ちょっと息抜き All right
  全ての時間をenjoy!!
  さぁ、一緒に飛び出せ 必要なのは
  羽ばたくチカラ 夢見るキモチ

  Let’s go!My way.
  ノリで乗り切るdance party
  俺がいるとこ全てが舞台
  Let’s go!My rule.
  誰も知らない Seacret Place
  そう、いつでもどこでも俺が主役!
  変わる必要なんてない そのまま進めばOK
  さぁ、想いを越えて Let’s go! 」

●今回の参加者

 fa0213 一角 砂凪(17歳・♀・一角獣)
 fa0634 姫乃 舞(15歳・♀・小鳥)
 fa2778 豊城 胡都(18歳・♂・蝙蝠)
 fa2837 明石 丹(26歳・♂・狼)
 fa2847 柊ラキア(25歳・♂・鴉)
 fa2899 文月 舵(26歳・♀・狸)
 fa3608 黒羽 上総(23歳・♂・蝙蝠)
 fa3887 千音鈴(22歳・♀・犬)

●リプレイ本文

●そして、集う者達
 夏の日差しでじりじりと焦がされつつ扉をくぐれば、冷たく心地よい空気に包み込まれた。
「おはようございまーすっ!」
「おはようございます〜」
 レコーディング・スタジオに、次々と明るい挨拶が飛び交う。
「いよいよ、今日からレコーディングだね‥‥メンバーのオーディションから一ヶ月足らずなんて、凄いなぁ。さすが、アイベックスさんだよね」
 どこか感慨深げな一角 砂凪(fa0213)に、こくこくと姫乃 舞(fa0634)も頷いた。
「デビュー曲の選考会にスケジュールが合わなかったのは残念でしたけど、どれも素敵な曲で‥‥大切に、精一杯唄わないといけませんね」
「そないに言うてもらえると、なんや照れるわ‥‥ね、胡都さん、上総さん」
 前回の選考会で、自分の曲がレコーディングされる曲に選ばれた文月 舵(fa2899)が、同じく三曲のうちの一曲を作った豊城 胡都(fa2778)と黒羽 上総(fa3608)へと笑いかける。
「ええ。でも、全員揃ってレコーディングに臨めるのは、嬉しいですね」
「そうだな‥‥こうして『ユニット』として演奏する事になればアレンジも変わる。どれが誰の曲ではなく、『ユニット』の曲となればいいな」
「上総さん‥‥」
 改めて胡都からしげしげと名を呼ばれ、上総は「ん?」と首を傾げた。
「あなたが、あの兄に感化されていらっしゃらないので、安心しました」
 にっこりと笑う胡都の言葉に、なんだか休憩室の隅っこで約一名が泣いている気がするが気のせいではない気もする。
「まぁ‥‥そう悪いヤツでもないぞ、嶺雅。面白いだけで」
 上総もまた、フォローになっているのかなっていないのか謎な返答をした。
「喧嘩するほど仲がいいって言うけど、どうなのかしらね。胡都とお兄さんの場合」
 耳打ちする千音鈴(fa3887)に、「どうですやろ」とやんわり返す舵。砂凪と舞はまだこの辺の状況がよく判らず、とりあえず話の流れを見物している。
 と、そこへ。
「レコーディング〜っ。マコ兄も一緒の、初レコーディング〜〜っ!」
 微妙に音の外れた歌を口ずさみながら、陽気に柊ラキア(fa2847)が現れる。彼の後から、紙袋を提げた明石 丹(fa2837)が姿を見せた。
「差し入れでパンケーキを持ってきましたので、良かったらどうぞ。腹が減っては、レコーディングも出来ぬのですよ」
「ありがとうございます。丹さん」
 真っ先に礼を言って、何故か胡都が紙袋を受け取る。一方、ウキウキ(死語)とやってきたラキアは、メンバーの顔ぶれにハテと首を捻った。
「あれ、瞬は?」
「まだ来てないよ。撮影、押してるのかな?」
 砂凪が時計を見る。予定の集合時刻にはもう少し時間あるが、そろそろ着いてもいい頃だ。
「おはよーございまーっす! 遅くなりましたーっ!」
 結局、時間ギリギリで高原 瞬はスタジオへと駆け込んできた。

●待望のユニット名は
 何故か、テーブルの上には洋菓子と和菓子が並んでいた。
 片方は、丹の差し入れのパンケーキ。もう一方は、瞬が京都で朝一に買ってきたという『豆もち』である。
「ちょうど、お茶の時間にいいわね。あ、皆は座ってて」
「そうだね。僕も手伝うよ」
 取り合わせた菓子に、千音鈴が茶を淹れる為に席を立ち、丹も彼女に続いた。
「ありがとう、ごめんね。それで、ユニットの名前なんだけど‥‥」
 彼女を視線で見送った瞬が、まず一番肝心な話を切り出す。
 この段階で、ユニット名は舵が提案する『colorFull』と、ラキアが提案する『Progress』とに絞られていた。
「私からは、新しいユニット名の候補はないです」
 その場にいなかった舞が、まず遠慮がちに口を開く。
「それで、舵さんとラキアさんの案ですけど‥‥どちらも素敵なので凄く悩みましたが、個性を大切にすると言うユニットの方向性に合いそうな事と、語感が好きですので、『colorFull』を希望します。
 私も皆様と同じで、明るく楽しく、色々なジャンルに挑戦して行きたいですし」
 続いて、提案者のラキアが「はいはい!」と手を挙げた。
「いちおー言いだしっぺだし、ユニット名は『Progress』希望だけど! でも『colorFull』も響き綺麗で好き。皆で話した結果なら、どっちでも好きになれるし満足だからね!」
「うちも、提案さしてもろた『colorFull』を一応推しておきますね」
 舵もラキアを見、メンバー全員を見回してから、改めて案を述べる。
「前回の方向性と今日の舞さんの意見で、個性やカラーを大切にするいう点は殆ど皆共通するようですし。それぞれのカラーがあって、皆の気持ちがつまったユニットという意味で。
 せやけど『Progress』も、「一緒に進んでいく」いう気持ちがこもってて好きですから、皆の意見が出た上で決まるのであれば、どちらになっても異存ありません」
 欠席者と提案者の三人の意見が出たところで、注目は残る三人へ集まる。
「僕は、『colorFull』に賛成ですね‥‥」
 考え込むような胡都の言葉に、上総も同意する。
「どちらも捨て難いんだが、名前の由来というか意味合いがいいなと思う。『カラフル』と『フル』を掛け合わせているっていう遊び心が面白くて、個人的に好きなんでな」
「さなぎも、『colorFull』に一票だよ。『Progress』もとっても素敵だけど、前の相談の時に個性を出すって言う意見が出てたので、特色っていう意味なら『colorFull』の方かなって」
 そして、砂凪は最後に残った一人に尋ねる。
「瞬さんの意見は?」
「僕は‥‥『Progress』もカッコいいし、『colorFull』も楽しそうかなーって。新幹線でずーっと悩んでたけど、悩み過ぎて寝ちゃった」
 てへりと笑う瞬だが、すぐに畏まって咳払いを一つ。
「じゃあ‥‥ユニットの名前は『colorFull』で決定だね。改めて、皆よろしく。それから、丹さんと千音鈴さんもよろしくです」
「じゃあ、乾杯しよーよ、乾杯!」
「お茶で、ですか?」
 はしゃぐラキアに、舞がテーブルの紙コップへ目を向け。
 正式名の決定を祝って、十人は賑やかにお茶で乾杯をした。

「実はさ‥‥レコーディングとかライブとか、人前で唄うの、初めてなんだよね」
 名前が決まって打ち解けた空気の中、瞬がふと心境を洩らす。
 パンケーキを頬張っていた嶺雅が、それを飲み込んでから瞬を見やった。
「高原クンは、音楽関係は初めてなんだヨネ? 不安あるだろうケド‥‥まずは自分が楽しんでネ? そうしないと聞く側も「あれー?」って感じちゃうし!」
「‥‥珍しく、真っ当なアドバイスですね」
 紙コップを傾ける弟の一言に、兄はがっくりと頭を垂れ。
「胡都ー!! おにーちゃんはいつもマジメだよっ。胡都の事、応援してるから頑張ってネ!」
「応援しなくていいです」
「えーっ!」
 胡都と嶺雅のやり取りを楽しげに聞きながら、丹は柔和な笑顔で瞬へ話を戻す。
「嶺雅の歌は凄く勉強になるから、いろいろ聞いてみてもいいかもしれないね」
「うん。足引っ張らないように、頑張るよ」

 かくして、初日はバンドメンバーが音合わせを兼ねた簡単なリハーサルを重ね。
 唄う者達は、発声や歌のパート練習に終始する。
 練習風景や収録の様子に、カメラマンがシャッターを切っていた。

●『夢を繋いで』
 スピーカーから、メリハリのきいたノリのいいメロディが聞こえてくる。
 ガラス越しに見えるメンバー達は、打ち解けた様子を見せながらも真剣な表情で一つ一つの音を作り出していた。
 胡都のドラムでしっかりとリズムを導き、上総がエレキギターを、千音鈴はベースで曲の後半の盛り上げに一役買う。そして全編を通して、舵のキーボードが語りかける様に響く。
 一方、ガラスのこちら側−−コントロール室では、ボーカルやコーラス担当の五人が、音に耳を傾けながら歌詞を辿っていた。
「演奏の収録が終わったら、一人一人唄うんだよね」
 声を落として尋ねるラキアに、音楽プロデューサーが頷く。
「ユニット人数が多いし、場合によっては誰かが欠ける場合もある。そうなると、『三人ともある程度唄える』方が一番応用が利くだろう」
 ラキアと舞と瞬が個別にフルコーラスを唄い、いいところを継ぎ合わせて編集する。その手法は、ライブ活動がメインだったラキアにとって奇妙に思えた。
「撮影と同じ感じだね。舞台で通してやる演劇がライブなら、ドラマや映画みたいにシーンをバラバラに撮って、後で一本に纏め上げるのがレコーディング、かな」
「そうなんだ‥‥」
 瞬の説明に答えながらも、彼はまだ納得いかない表情で。
 いつも首から提げている黒いゴーグルをいじるラキアの頭を、元気付けるように丹がくしゃりと撫でた。
「勝手は違うけど、聞いてくれる人の為に唄うのは、ライブもレコーディングも同じだからね。いつものラキアの調子で、唄えばいいから」
「うん‥‥判った。納得できるまで、心込めて、きっちり唄う! ‥‥音、外すかもしれないけど‥‥っ!」
「あ、外す勢いでいいかもね。ホラ、僕だって上手くないし〜」
 明るく振舞う瞬だったが、逆に砂凪の不安を煽ったらしい。珍しく心配げに、丹や瞬を上目遣いで見上げる。
「さなぎも、コーラス間違えるかも‥‥」
「練習、あるのみですよ」
 年下の舞が砂凪を励ました。「それに」と、丹も言葉を付け加える。
「嶺雅も言ってただろ。『自分も楽しく』ってね。心配はあるかもしれないけど、みんなで楽しく唄おうよ」
「それじゃさ、皆でスタジオ入って、唄おうよ! 練習でもいいから!」
 ぴょんぴょんと跳ねて、ラキアが主張して。
「‥‥何、暴れてるんだ」
 一通り演奏を録り終えて出てきた上総が、呆れたように呟いた。

『 晴れたら水たまりが太陽を映して眩しいだろう 』

 歌が流れるヘッドホンに、軽く手を当てて。
 それぞれのマイクの前に立つ五人が、息を揃える。

「 目隠しの毎日 幸せを丁寧に手探りして
  小さな光が一瞬一瞬 」
『 色とりどりに繋がっていく 』

 まずは有りの侭に唄って、技巧はそれから考えよう−−と。
 結論付けた四人は、丹と千音鈴のバックアップを受けて、声を広げた。

『 この世界に生きる 貴方 貴方
  転んだりつまづいたりしながら
  誰の後ろにも夢の足跡 』

●『GOING MY ROAD』
 リムを叩いて、最初の拍を刻み。
 キーボードの跳ねる様な音と、二種のギターが後を追う。
 それがフッと息を潜めたところで、

「 Door For World Is Opened 」

 囁く様なボーカルが入って、音が弾けた。
 明るくリズミカルな曲にテンポを計りつつ、身体で砂凪は拍子を取る。
「ダンスは砂凪ちゃんが一人でやるから、大変ね」
 彼女の仕草を見ていた千音鈴が、声をかけた。
「大変っていっても、歌ほど大変じゃないよ。音に合わせて、身体が動くから‥‥こんな感じで」
 無邪気な笑みで砂凪は手を打ち、軽くステップを刻んでみせる。

『 さぁ、一緒に飛び出せ 必要なのは
  羽ばたくチカラ 夢見るキモチ 』

 拳を突き上げ、足を蹴り上げ。
 楽しげに身体で曲を表現する少女を、楽しげに千音鈴は眺める。

『 Let’s go!My way.
  ノリで乗り切るdance party 』
「 俺がいるとこ全てが舞台 」
『 Let’s go!My rule.
  誰も知らない Seacret Place 』
「 そう、いつでもどこでも俺が主役! 」

 コーラスとソロの掛け合いを抜けて。

『 変わる必要なんてない そのまま進めばOK
  さぁ、想いを越えて Let’s go! 』

 音は余韻を残さずに、スッパリと切れて。
 最後はそれらしく、ポーズを作る。
 曲が切れたところで、千音鈴が拍手をした。
「ねぇ。私に、ダンスを教えてくれない?」
「え‥‥あ、じゃあさなぎに発声のコツなんかを教えて貰えますか?」
「勿論」
『利害』が一致した二人は、にっこりと笑みを交し合い。
 練習の合間には、それぞれの『レッスン』に励んだ。

●『星数のスタート』
「実は、早い歌よりもゆったりした歌の方が誤魔化しにくくて、難しいんだって」
 音楽プロデューサーから聞いたそんな話を、瞬が切り出した。
「だから、この曲が一番最後の収録になったんやね」
 呟く舵は、スコアをそっと撫でた。
 選考会にて、ミドルテンポとアップテンポの二バージョンが披露された『星数のスタート』だが、メンバーは「ミドルテンポのバージョンで優しい雰囲気を重視」する事に決めたのだった。
「この曲のコーラスパートだが。一節ごとにソロがあって、それを受けるコーラスがあってっていうパターンは、既に先の二曲でやってる。だから‥‥」
 編曲案を出す音楽プロデューサーの言葉を、全員が真摯な眼差しで聞いていた。

 ハシらないように抑えたリズムに、それぞれの楽器のメロディが入る。
 空気を乱さないよう、そっとソロパートが始まる。

「 いくつもの出逢いと別れをくり返し
  すれ違う哀しさにも慣れたフリをして
  失ってはじめて気付くと言うけれど
  なくさぬように しがみつくので精一杯 」

 そこから、緩やかに声が加わった。
 細かな振り分けや唄い分けに拘らず。
 シンプルな形で、出来る限りの歌と演奏を披露すべく。

『 今も臆病な痛みがどこかに隠れている
  シリアスになりきれず じゃれあっていた幼さは
  強さを偽る誰の中にもあるのでしょう

  笑うのも涙するのも ただ一生懸命に
  願うのも託していくのも 愛すればこそ 』

 語りかけるような歌は、ゆったりと広がって大気に溶けるように消えうせて。

 全てのレコーディングは、四日間で何とか無事に終了した。
 次なるユニットの活動は、アイベックスが主催する野外での大型イベント『ミュージック・フェスタ』。
 そしてこれが、『colorFull』のデビューとなる−−。