竜騎兵の鎧・初回特典アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
菊池五郎
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
難しい
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報酬 |
13.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
05/10〜05/16
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●本文
新作美少女RPG『竜騎兵の鎧』の初回特典として、世界観を分かりやすく説明する30分のオリジナルアニメによるプロモーションDVDを付ける事になりました。
つきましては、後述する『竜騎兵の鎧』のストーリー概要に基づいたキャラクターを演じて下さる声優を募集します。
尚、本ゲームは18歳以上を対象としていますので、募集する声優も18歳以上の方に限らせて戴きます。
●『竜騎兵の鎧』オープニング概要
主人公スサノオは、気ままな武者修行の旅を続ける流浪の剣士。その剣の腕前は“竜殺し(ドラゴンスレイヤー)”の称号を持つ程だ。
ある日、深い霧の中に迷い込んでしまった彼は、女性だけの国“スイートルージュ王国”へ辿り着いた。国自体が世界のルージュのシェアの80%を占めるブランドだが、その街中は閑散としていた。
不審に思い、街中を調べ歩くスサノオは司祭マーヤと出会う。マーヤは「あなたこそ、この国を救う救世主に違いない」とスサノオを城へと招いた。
戸惑いながらもマーヤに連れられて城へやってきたスサノオは、玉座の前でひっそりと佇む、祈りを捧げた姿の少女の石像と会う。
マーヤは、この石像こそこの国の女王アリサだと説明した。
スイートルージュには、かつてこの国に蔓延っていた魔物を封じた尖塔があった。
つい最近になって、サリアと名乗る闇の魔女がこの尖塔に現れ、魔物を解放して街を襲わせ始めた。
女王アリサは闇の魔女サリアを討伐する為にスイートルージュの女騎士や女戦士を招集し、自身もこの国に伝わる破魔の剣“竜騎兵の剣”を携えて、尖塔へ乗り込んでいった。
‥‥しかし、女王アリサ以下、誰1人戻ってくる者はいなかった。
それからしばらく経った後、闇の魔女サリア本人が石に変えた女王アリサを届けに城へ現れた。そして、「送り込まれた女騎士や女戦士は、尖塔に封印されている魔物達を解き放つ贄として丁重に持て成している」と告げて去っていった。
女王アリサを元に戻すには、魔法を掛けた闇の魔女サリアを倒すしかない。しかも、虜の女騎士や女戦士もどんな酷い仕打ちを受けているか分からない。
しかし、この国にはもはや街と民を守る最低限の兵しか残っておらず、また司祭を務めるマーヤの魔力といえども、闇の魔女サリアに勝てない事が先日の対峙で思い知らされていた。
そこへ現れたのが、“霧の結界”を越えてやってきたスサノオだった。
霧の結界は女性だけの国スイートルージュへ男性を入れない為のものだが、その結界を越えられたという事は、スサノオがこの国を救う救世主の証だという。
突然の申し入れだが、スサノオは二つ返事で受けた。
すけべでええかっこしぃの彼は、麗しい女騎士や女戦士が囚われていると聞き、俄然やる気になっていた。それに、女王アリサの深い哀しみに彩られたその石像を見て、元に戻してあげたいと正義感が黙っていなかった。
●『竜騎兵の鎧』オリジナルアニメストーリー概要
マーヤよりスイートルージュに伝わる破魔の鎧“竜騎兵の鎧”を託され、その身に纏ったスサノオは、愛剣を携えて尖塔を昇ってゆく。
竜殺しの称号を持つ彼の剣の前には、尖塔に巣くう魔物達も一溜まりもなく、スサノオは破竹の勢いで突き進んでゆく。
途中、尖塔に封印されている魔物達を解き放つ贄として囚われている女騎士や女戦士達を助け出した。
尖塔に封印されている魔物は、下はゴブリンやコボルト、オーガから、上は悪魔(デビル)までおり、特に悪魔は「人間の恐怖」を喰らい、解き放たれた。
女騎士や女戦士達は、恐怖を生み出す為の仕打ちを受けていたり、中には既に恐怖を喰われ、魔物に変えられてしまった女性もいた。
スサノオは彼女達を助け、時には尖塔の入口まで送った。スイートルージュでは女騎士や女戦士は世襲制で、適正に関わらず、騎士の家に生まれた者は騎士に、戦士の家に生まれた者は戦士に就かなければならない。なので、中には泣き虫な女騎士や気弱な女戦士もいたからだ。
そして遂に最上階へ辿り着き、闇の魔女サリアと相対したスサノオは衝撃の事実を知る事になる。
‥‥闇の魔女サリアは、女王アリサの双子の妹だった。
サリアは生まれて間もなく、将来、王位継承争いの火種にならないよう秘密裏に処分されたが、死ぬ前に尖塔に巣くう悪魔がその身体を奪い、育てていた。そして闇の魔女としての力を付けた彼女は、自分を捨てたスイートルージュを滅ぼそうとしているのだ。
もちろん、この事は秘密裏に処理されたので、女王アリサ以下、司祭マーヤですら知らない事だった。
「罪のない赤子だった自分を捨てたスイートルージュに正義はない」と、姉より奪った竜騎兵の剣と攻撃魔法で攻め立ててくる闇の魔女サリア。
「あんたの受けた仕打ちは、確かに許される事じゃない‥‥しかし、人間は過ちを正す事が出来るし、彼女――女王アリサ――があんたと同じ仕打ちを受けるのは間違っているはずだ」と、スサノオは自分の正義を信じて愛剣で斬り結ぶ。
死闘の末、スサノオは闇の魔女サリアに憑依していた悪魔を倒し、彼女を救い出す。
そして、闇の魔女サリアと共に城へ凱旋したスサノオは、女王アリサを元に戻して真実を話し、姉妹は17年ぶりに邂逅したのだった。
スイートルージュに平和を取り戻し、名実共に救世主となったスサノオだが、一所で落ち着く性格ではないし、武者修行の旅も終わった訳ではない。
マーヤや女王アリサ、そして光の魔女となったサリア、尖塔で助けた女騎士や女戦士達に引き留められるものの、彼はまた宛てのない流浪の旅へ発つのだった。
●『竜騎兵の鎧』オリジナルアニメ主要登場人物
・スサノオ:24歳前後。二枚目半の流浪の剣士。竜殺しの称号を持つが、剣の腕前を磨く事には貪欲で武者修行の旅を続けている。すけべでええかっこしぃだが、正義感もあり、決める時は決めるタイプ。
・マーヤ:16歳。スイートルージュ王家に仕える若き司祭。母親の後を継いだばかりで、司祭としての役目は不慣れだが、その能力は高く、スサノオを救世主として見出した。
・闇の魔女サリア:17歳。女王アリサの双子の妹。王位継承の争いの火種にならないよう、生まれて間もなく処分されてしまうが、悪魔によって一命を取り留め、闇の魔女として、そして悪魔の依代として育てられる。悪魔に育てられた所為か、双子の姉より外見は大人びている。
・女王アリサ:17歳。女性だけの国スイートルージュ王国の女王。即位してまだ1年という事もあり、女王のしての責務に慣れようと、自分から動いて解決する行動力はある。
●技術傾向
発声・芝居・演出
●リプレイ本文
※Cautions!※
本プロモーションDVDは『竜騎兵の鎧』の世界観を元にしたオリジナルアニメーションです。
登場人物やストーリーは『竜騎兵の鎧』本編と異なりますので、安心してご鑑賞下さい。
●女性だけの国スイートルージュ
濃霧の中を既に数時間、心許ないたいまつの灯りで進む男性。すると灯りを認め、その方へ駆けてゆくと急に濃霧が晴れ、石造りの綺麗な街並みが広がった。奥には小さいながら白磁の城も見える。
だが、昼日中だというのに人っ子1人いなかった。
「この、世を捨てた女性の集まる国“スイートルージュ王国”は今、滅亡の危機に瀕しています。男性が越えられない“霧の結界”を越えたあなたは、この国を救う救世主に間違いありません」
気配を感じ、腰に帯びたバスタードソードの柄に手を掛けると、古典的で重厚な法衣に身を包んだ美少女の姿があった。蜂蜜色の髪をポニーテールに結い、翠玉の如き瞳が男性を見据えている。
美少女はこの国の司祭でマーヤと名乗ると、男性に会わせたい人がいると告げた。
ボサボサ気味の髪に、優男風の顔の男性はスサノオと名乗り、気ままな武者修行の旅を続ける流浪の剣士と自己紹介した。
スサノオが通されたのは城の謁見の間だった。
玉座に前には、可愛らしい眉を八の字に歪め、悲愴めいた表情で祈りを捧げる美少女の石像がひっそりと佇んでいた。花飾りをあしらったベールと一体のティアラが、高貴な姫君である事を物語っていた。
「この国を治める若き女王アリサ様です‥‥お労しや‥‥」
『お願いです、救世主様‥‥どうか、この国を助けて下さい』
哀しみに身体を振るわせるマーヤが降臨の魔法を唱えると、女王アリサの石像から彼女の精神体が現れた。
女王アリサは、闇の魔女サリアがこの国に引き起こした災いをスサノオに語り、破魔の剣“竜騎兵の剣”と共にこの国に伝わる“竜騎兵の鎧”をスサノオに託すようマーヤに告げた。
『‥‥わたくしの心も、間もなく石となってしまうでしょう‥‥救世主スサノオ‥‥どうか‥‥この国を‥‥すくっ‥‥て‥‥』
女王アリサの精神体が消えると、彼女の石像の頬に先程まで無かった涙の跡が浮かんだ。
「女は護り、口説くもの。1から10まで力尽くな奴は最悪だぜ」
「スイートルージュの最後の希望を、尖塔のモンスター達からあなたを護る破魔の鎧“竜騎兵の鎧”をスサノオ様に託します‥‥女王を、アリサ様を、囚われた娘達を‥‥そしてスイートルージュをお救い下さい!」
「任せときな! という訳で、勝利の女神の祝福を前借りでもらうぜ?」
竜騎兵の鎧へ着替えたスサノオ。精悍とはいえないが、よく見れば無駄のない引き締まった筋肉をしていた。
彼はウインクを1つ、マーヤの唇に自らのそれを重ね合わせ、謁見の間を後にした。
●尖塔3階
暗雲が立ちこめる尖塔の中は、贄にされた女騎士や女戦士達によって解放されたモンスター達が蔓延っていた。しかし、スサノオの敵ではなく、容赦なくずんばらりと屍の山を築き、虜の女騎士や女戦士達を助けていた。
『くぅっ、ユーリィ様ぁ‥‥あっ!? 止めて下さい! 止めて、こんな事っ、くぅっ!』
『ん‥‥素敵よ、もっと感じて‥‥もっと声を聞かせてぇ!』
『あぁっ、止めっ‥‥私はそんな趣味はっ‥‥ひぃっ‥‥!?』
3階へ上がってしばらく進むと、女性の悲鳴が聞こえたが、仕打ちをしているもの女性のようだ。
半裸に近いビキニアーマーを纏い、羽根と尾、捻れた角を生やした女性型モンスター、ユーリィが、栗色の髪に羽根飾りの付いた額冠を着けた女騎士フィアの頬を妖艶な笑みを浮かべながら愛撫し、キスの雨を降らせ、耳を甘噛みした。
引き千切られた鎧の下から覗くフィアの肢体はユーリィの伸縮自在の尾に蹂躙され、粘液にまみれていた。
「こんなに甘い香りを放ちながら、まだ我慢するの? それもいいわね、もっと感じてぇ‥‥あなたも私と一緒に堕ちましょう‥‥ん‥‥ぁぁっ‥‥」
「あああっ‥‥私も‥‥堕ちますぅ‥‥セフィア、ごめ‥‥はぁぁん!」
「ユーリィ様! フィア!」
「さぁ、あなたも快楽に溺れなさい。我が同士と成り果てるがいいわ。あなたなら大歓迎よ」
ユーリィとフィアの隣には、金髪のストレートロングの女戦士セフィアがサッキュバスに囚われていた。弓戦士だろう、傍らには愛用のロングボゥが打ち捨てられていた。
サッキュバスは味見するかのように、セフィアの喉を軽く撫で、首元にキスを落とした。
「‥‥ぁ、ぁん!」
「あら、初めてだったかしら? でも良いのよ。これから気持ちよくなっていくのですから」
セフィアの悩みの種である華奢な身体付きながら発育が良すぎる胸が、サッキュバスによっていとも簡単に胸当てという枷を剥ぎ取られると、プリンのように軽やかに揺れた。
「い、嫌です‥‥止めて下さい‥‥」
「あの子がどうなっても良いのですか? 怖がらないで。優しくしてあげますから‥‥」
「もう、もう許して下さい‥‥」
「ふふ、許すも何も、こんなに溢れて‥‥可愛らしいですね。もっと欲しいんでしょう、私を‥‥?」
セフィアは『あの子』と言われた途端、言われるままされるがままになってしまう。サッキュバスは彼女の喉元から腹まで人差し指をなぞるように這わせると、お互いの胸が潰れるくらい身体を重ね合わせて抱き締め、永く深いキスをセフィアへ贈ろうとした。
「おっとそこまでだぜ!」
スサノオが踏み込むと、サッキュバスを一刀両断してしまう。
「男!? 男に興味は無いのよ! 八つ裂きにしてゴブリン共の餌にしてあげるわ!」
ユーリィが槍のような尾を振り翳してくる。それを竜騎兵の盾で受け流しきったスサノオは尾を叩き斬った。
すると、絶叫を上げて彼女の身体が人間の姿へと戻っていった。モンスター化が始まっていたフィアも本来の姿を取り戻した。
「あ、なたは‥‥? 救世主様‥‥? よかった、これで女王様は救われるんですねっ!? よか‥‥たっ‥‥」
「フィア! ごめんね‥‥ごめんね‥‥私が夢魔に堕とされたばかりに」
スサノオの姿を認めると、安心して気を失ってしまうフィア。ユーリィが泣きじゃくりながら彼女の身体を抱き留めた。
ユーリィはスイートルージュの女騎士の中でも槍を使わせたら右に出る者はしない実力者だった。しかし、本人は少し百合気味で、そこをサッキュバスに責められモンスター化していたのだ。
セフィアも戒めを解かれると、そのままスサノオに抱き――つくかと思いきや、彼の横をすり抜けて、部屋の奥に囚われていた相棒のボーダーコリーの首元に抱きついて無事を喜び合い、じゃれ合った。
「あ‥‥その竜騎兵の鎧は‥‥あなたが救世主ですね、助けて下さりありがとうございます」
しばらくしてからスサノオの存在に気付き、真っ赤になりながらも頭を下げた。
忘れ去られていたスサノオの瞳には、アメリカンクラッカー状の涙がこぼれていたという。
●闇の魔女サリア
「‥‥少しはわたくしを楽しませて戴けそうね。さぁ、こちらに早くおいでなさいな。わたくしが直々に殺して差し上げますから」
手にした水晶玉には、スサノオとモンスター達の戦いが映っていた。それを見る彼女の無表情な顔に愉悦の色が浮かんだ。
最上階にあつらえた玉座に腰掛ける彼女は、闇の魔女サリア。肉感的なボディラインを露わにした赤黒いブラとパンツに、黒いハイニーソックスとスリーブ、マントを着けただけの挑発的な服装に、悪魔の翼を象った杖を携えている。
その傍らには、女王アリサが彼女を倒す為に使った、刀身の中心に蒼いラインの入った白磁の剣――竜騎兵の剣――が突き刺さっていた。
●尖塔5階
スサノオの勢いは止まらない。4階、5階ともなると上級モンスターも姿を現すが、それでも彼はさほど苦戦せず遂に6階への階段の前へ辿り着いた。
「‥‥見ないで‥‥」
「そう拒むな‥‥身体と同じように素直になれ」
階段の途中には広い踊り場があり、女騎士コーカサス・プリエスタが、魔界の貴公子ギルの作り出した氷の触手によって、自らがデザインした流線型のショルダーアーマーやブーツ、手甲を破壊され、元々露出の高いビキニアーマーだけに、胸や下腹部を辛うじて覆う布切れに近い姿を晒していた。
「さぁ、快楽に酔うがいい」
「いやぁ‥‥もう、やめて‥‥ぇ‥‥」
氷の触手は水のそれへ変わり、頬を染めるコーカサスの全身をまさぐる。
「あ! ‥‥ん‥‥ぅぅ!」
「さぁ‥‥私のキスで美しい姿のまま眠るがいい」
顔を激しく左右に振って新雪を思わせる髪を振り乱し、ギルに身体を弄られ、その仕打ちによってもたらされる未知の甘く切ない感覚への恐怖に打ち震えていたその声も、いつしか熱を帯びた吐息へと変わっていた。
コーカサスは顎をそり上げ、胸を突きだした官能的な姿のまま氷の棺の中へ封じられ、時を止められた。
『誰か‥‥助けて‥‥もう‥‥! あぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
「この脳に直接響く魔笛で悪夢を見せる‥‥恐怖に喰われるのが先か、精神が崩壊するのが先か‥‥どちらにしろ楽しみだ」
コーカサスの身体は氷漬けになっても、心はギルの愛用の魔笛によって悪夢を見せられ続けていた。終わらない仕打ちに、先に堕ちたユーリィ達の姿に諦めの念を抱きつつも、皮肉にも堕ちる恐怖が理性を取り留めていた。
「笛遊びで意識の無い女の子に悪戯ねえ‥‥あんまり感心できねぇな」
「‥‥お前が救世主とやらか。サリアとの契約もある‥‥貴様にはここで死んでもらう」
スサノオが斬り掛かるよりも早く、ギルの氷の散弾が迸る。しかし、スサノオに当たる寸前に蒸散してしまう。
「ほぅ‥‥人間にもなかなかの猛者がいるようだな、楽しませてくれる!」
「お前の魔法は効かないようだぜ?」
水の鞭が唸り、触手で捕縛しようとするが、悉く蒸散してしまう。スサノオの怒りに竜騎兵の鎧が秘められた力を発動させたのだ。
竜殺しの剣と魔笛が斬り結び、スサノオの剣から衝撃波が走る。お互い、互角の勝負を展開し、無傷という訳にはいかなかった。
「‥‥最低野郎にゃきついお仕置きが必要だよな?」
「‥‥やれやれ私とした事が熱くなりすぎたか。サリアよ、私は帰らせてもらうよ。ここで果てるなど面白くないのでね」
魔笛に亀裂が入ったのを見るとギルは負けを認め、コーカサスの永遠の眠りを解き、身体を液状化して消えていった。
氷漬けから解放されたコーカサスからポーションをもらい、全快とはいかないまでも傷を癒し、スサノオは最上階へ足を踏み入れたのだった。
●真の敵グレーターデーモン
『‥‥あなたを認めようとしないかの者がまた送り込んできたみたい。こちらの憎悪を駆り立てるだけなのに、相変わらず懲りない事ね‥‥あら、今度のはちょっといい男ね。少しは楽しめそうかしら、サリア?』
「‥‥ええ、そうですわね。ようやく、わたくしの許まで辿り着いたのですね、スサノオ。待っていましたわよ。まるで恋する乙女のように心を躍らせて‥‥だから、わたくしを楽しませなさい!」
玉座にもたれ掛かるようにしてサリアの耳に毒を吹き込む、サリアと姿形は瓜二つの、黒い霧のようなモノ。
やってきたスサノオに対して、血のように紅いルージュに彩られた唇を一舐めすると、彼の周りに牽制の為の小さな火の玉を降らせ、その後闇の禍々しい玉を放つサリア。
「お前がサリアを操っているのか!?」
かわしながら玉座を睨むスサノオ。しかし、竜の返り血を浴びて真紅に染まり、竜の鱗を斬り裂く魔力を帯びたバスタードソードといえど、霧状のモンスターを倒す事はできない。
一か八か闇の禍々しい玉へ突っ込み、サリアを肉薄するスサノオ。
「『誰からも愛された事が無い』というなら、俺がお前を愛した最初の男になってやる!」
竜騎兵の剣がスサノオの右胸を貫く! 鮮血を吐き出しながらも彼はサリアの手から竜騎兵の剣を奪い取った。
「うぉぉぉぉ! グレーターデーモンよ! サリアの身体から出ていけ!!」
スサノオが吼えると竜騎兵の剣の刀身が砕け、光の刀身が現れた。それはサリアの身体を傷つける事なく、依代としていたグレーターデーモンを浄化したのだった。
●新たな旅立ち
重傷を負ったスサノオは、闇の魔女から解放されたサリアに肩を借り、スイートルージュへ凱旋した。
光の魔女となったサリアは女王アリサの石化を解き、彼女とスサノオの口から真実が話され、姉妹は17年ぶりに邂逅したのだった。
「どうしても旅立たれてしまうのですか‥‥」
「全員相手してたら身体が保たねぇからな」
数日後、マーヤの癒しの魔法によって全快したスサノオは、スイートルージュの街の入口にいた。
寺院で療養するのはいいが、ユーリィやフィアを始め、セフィアやコーカサス達助けた女騎士や女戦士がひっきりなしに訪れ、それどころではなかったのだ。
「そうですか‥‥それならこの指輪をお持ち下さい。きっと旅の役に立ちますから‥‥お気をつけて、救世主様‥‥いえ、スサノオ」
「ああ、またいつか!」
女王アリサと光の魔法使いサリア、マーヤに見送られ、スサノオは再び宛てのない武者修行の旅に出たのだった。
●CAST
スサノオ:妃蕗 轟(fa3159)
マーヤ/ユーリィ:長澤 巳緒(fa3280)
アリサ/フィア:フィアリス・クリスト(fa1526)
サリア/グレーターデーモン:楊・玲花(fa0642)
セフィア:ミーア・ステンシル(fa0745)
コーカサス・プリエスタ:森守可憐(fa0565)
サッキュバス:鈴生 六連(fa0194)
魔界の貴公子ギル:七式 クロノ(fa1590)