七夕ドラマSPアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 菊池五郎
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 07/08〜07/12

●本文

「ささの葉さ〜らさら〜♪ のきばにゆれる♪ お星さまき〜らきら♪ きんぎん砂子♪」
 ここは私立高天原高等学校。地元の人には願い事が良く叶うと評判の、お騒がせ女神弁財天――サラスヴァティ――を始めとする、七福神が祀られた神社と同じ町内にある私立高校だ。
 その二年生の教室の一室から、『たなばたさま』の歌が聞こえてくる。
「五しきのた〜んざく〜♪ わたしがかいた♪ お星さまき〜らきら♪ 空から見てる♪」
「いいんちょ、ご機嫌ね」
「あら、橘さん。うふふ、七夕って聞くと何か楽しいでしょう?」
 歌い終わるのを待って、声を掛ける橘・緒登(たちばな・おと)。“いいんちょ”の愛称で呼ばれる学級委員長は、教室の後ろに笹を立て掛け、小さな吹き流し付きのくす玉や、緑・紅・黄・白・黒の五色の短冊といった、七夕飾りを付けていた。
 緒登といいんちょは幼馴染みで、小中高とずっと同じクラスの間柄だ。緒登は高天原高校のアイドルであり、男女問わず、秘かに恋い焦がれている者も少なくなく、非公認ながらファンクラブまである。日々、勃発する緒登を巡る争奪戦に頭を悩ませつつ、如何に回避し、緒登に迷惑を掛けないようにするか、それがいいんちょの使命であり、彼女なりの緒登との友情の証だ。
 笹と七夕飾りは他のクラスでは見当たらない。今日、いいんちょが持ってきたのだ。
 高天原高校は進学校ながら、その校風は他の生徒の勉強の妨げにならない事を前提に自由で、生徒の自主性に任せている。例えば、学校指定の制服はあるが、着用は行事や修学旅行の時のみ義務づけており、後は自由だ。
 とはいえ、そこは似た者同士が集まる性か、いいんちょや緒登のクラスは全員が制服を着用している。
「へぇ、こっちは7月7日に七夕をするのか」
「あ、武君! そういえば、武君は日本各地の七夕を経験してるのよね?」
 いいんちょの歌声を聞き付けたのか、そこへ大和・武(だいわ・たける)もやってくる。
 武は今年の新学期に編入した転校生だ。当面はこの高天原高校に留まるようだが、幼い頃から両親の仕事の都合で、西へ東へ転校を繰り返していた。
「全国って訳じゃないけど、有名所の七夕祭りは大抵は見たかな? 日本で一番有名な七夕祭りは、東北四大祭の1つにもなっている仙台七夕まつりだろうな」
「毎年、テレビで放映されますね」
「私も観た事あるわ」
「他にも、湘南ひらつか七夕まつりを始めとする、関東三大七夕祭りもあるな。でも、関東とか東北は月遅れの8月7日に七夕のお祭りを開く場所が多いな」
 武が観てきた七夕祭りを指折り数えながら話す。テレビで放映しているものも少なくなく、いいんちょと緒登も観た事があり、頻りに頷く。
「有名な七夕祭りでは、壮大で優美な七夕飾りが目を引きますが、私は短冊は欠かせないと思っています」
「書いた願い事は見られたくないけど、叶って欲しいからつい本当の事を書いちゃうのよね」
 自いいんちょが分が付けた五色の短冊を玩ぶと、緒登がその1つを取った。緒登のような経験をした方も少なくないだろう。
「せっかくいいんちょが持ってきたんだ、見て楽しむだけじゃなく、クラスのみんなにも短冊に願い事を書いてもらうのはどうだ?」
「そうね、これ本物の笹だし、飾りも全て紙でしょ? 川に流しても安心だし、みんなで楽しまないとね! 短冊に願い事を書いてもらう時、みんなの七夕や願い事にまつわるエピソードを聞くのはどうかしら?」
「面白そうですね。根掘り葉掘り聞くのは拙いですが、1つや2つ、話せるエピソードはあるでしょう‥‥はい、皆さん、聞いて下さい」
 武の提案に緒登といいんちょが同意すると、早速いいんちょがクラスのみんなに呼び掛けたのだった。


■登場人物紹介■
・大和武:外見17歳前後。高校生。両親の仕事の都合で転校を繰り返し、友達作りが下手な好青年。剣道の達人で前年度の高校生剣道全国大会個人戦優勝者。愛用の竹刀の名前は草薙。
・橘緒登:外見17歳前後。高校生。美少女で黄金律のスタイルを持つ高天原高校のアイドル。本人は気さくな性格で嫌味はない。
・いいんちょ:外見17歳前後。高校生。緒登の幼馴染みで、学級委員長を務めている。しっかり者で、日々勃発する緒登争奪戦について頭を悩ませつつ、このクラスを一生懸命まとめようと頑張っている。
※外見はあくまでイメージであり、配役はこれに沿う必要はありません。
※原則、獣化は出来ません。


■技術傾向■
 容姿・発声・美術・撮影・演出

●今回の参加者

 fa0313 ルリアス・レクシア(16歳・♂・狼)
 fa1357 結城 紗那(18歳・♀・兎)
 fa1526 フィアリス・クリスト(20歳・♀・狼)
 fa1680 碓宮椿(21歳・♀・猫)
 fa2640 角倉・雨神名(15歳・♀・一角獣)
 fa2997 咲夜(15歳・♀・竜)
 fa3393 堀川陽菜(16歳・♀・狐)
 fa3691 姫月乃・瑞羽(16歳・♀・リス)

●リプレイ本文


●みんな集まれ!
 “いいんちょ”の愛称で親しまれている学級委員長、山都美琴と、その親友にして高天原高校のアイドル、橘緒登が机を並べ、長テーブルを作っている。
「なになに、いいんちょ、また楽しい事始めるの?」
 いいんちょの呼び掛けに真っ先に応じたのは、先程からいいんちょと緒登が笹に七夕飾りを付けている様子を、リスのようにちらちらと忙しく窺っていた姫月乃・瑞羽だ。
 頭にちょこんと乗せたベレー帽と右側を結った緑色の大きなリボンがトレードマークの彼女は、とにかく元気! が取り柄の、このクラスのムードメーカー的存在だ。
「へぇ、七夕飾りだぁ。僕でよければ参加するよ。もちろん、手みやげ持参でね」
 次に七夕飾りに気が付いたのはルリアス・レクシアだ。この界隈では唯一の私立高校という事もあり、留学生を積極的に受け入れている。なので、銀色の髪を湛えた紅い双眸の彼も、特段珍しくはない。
 ルリアスはロッカーに常備してある好物の和菓子――今日のメニューはすあま――と、冷えた緑茶を持ってやってきた。おしゃべりに食べ物と飲み物は欠かせない。
「この笹、いいんちょさんが家から持ってきたの!? 持ってくるの大変だったんじゃないかな? ではではせっかくなので」
 瑞羽に声を掛けられて話を聞き、いいんちょの行動力に驚く角倉・雨神名。
 彼女も瑞羽と同じく髪の毛を片側で結っているが、雨神名は左側で青いリボンと、瑞羽とは反対だ。また、神秘的な雰囲気を纏っており、控えめな性格から、『雨神名と瑞羽は実は双子の姉妹で、雨神名が姉、瑞羽が妹』という設定が、このクラスでは勝手に出来上がっている。
「みんな、どんなエピソードがあるのか楽しみだね。武もいい提案だったね」
 光がいつの間にか席に着いていた。彼女はいつもこうだ。神出鬼没で気が付けばそこに居る事が多い。
 それもそのはず、光の正体は――今回は関係ないので割愛しておこう。
「あれ〜? 皆さん、これから何か始めるのですか〜?」
 そこへ職員室に学級日誌を置きに行っていた堀川陽菜が戻ってくる。
 彼女はちょっとずれて掛けている赤いフレームの眼鏡がトレードマークで、お淑やかな性格と相まってこのクラスの眼鏡っ娘の座No.1(ルリアス調べ)を欲しいままにしていた。
「んー、七夕のお話?」
「それもありますが、こういう事を高校生にもなってあまり言う事でもありませんが、碓宮さん、制服はもう少しきちんと着た方がいいですわ」
 放課後になっても、スピスピと気持ちよさそうに机に俯して寝ていた碓宮椿をいいんちょが起こすと、その出で立ちに思わず注意が飛ぶ。
「‥‥え‥‥? ‥‥どうして‥‥?」
「どうして‥‥って、眠そうにしていて無防備なその胸元は、モラルがピンチだからですわ」
「ぼ、僕は見てないよ!?」
 ブラウスの胸元のボタンを1つ外し、制服を着崩した椿は、くっきりと水蜜桃のような双房の谷間が見えており、しかも起きかけでぽけぽけしており、本人は気付いていないのだ。
 この場にいる唯一の男子生徒ルリアスは、慌てて否定した。


●それぞれの七夕
 言い出した1人、緒登から話し始める。
「私のお父さん、お芝居の関係の仕事しているから、あちこち出歩いていて、下手したら一月以上帰らない事があるんだよね。でもね、ある年、今年もきっと帰ってこないんだろうなー、と思っていたらね、夜遅くなって突然帰ってきたんだ。何か引きずってきていたと思ったら、なんと七夕の笹だったの! 何でも舞台で使ったのをそのままもらってきたんだって。どこか浮世離れしているところがあるとは分かっていたけど、まさか七夕だからといって、娘の為にそんなもの持ってくるなんて‥‥変人だよね?」
「緒登さんのお父様が変人でしたら、学校へ笹を持ってきたわたくしの立場はどうなりますの?」
「あはは、ミコちゃんと私のお父さん、同じか!」
 緒登の話を聞いたいいんちょが微苦笑する。彼女も今朝、学校へ笹を担いで持ってきたからだ。
「わたくしもそうですが、おそらく、緒登さんの喜ぶ姿が見たかっただけだと思いますわ」
「願い事? あ、うん、叶うよ、ボク、効果知ってるから」
 吹き出す緒登に、彼女の父親と自分の心情を重ね合わせるいいんちょ 。
 『喜ぶ姿』という言葉に、椿が反応した。
「中学の頃かな。お友達がね、想い人の事願ってて。えっと‥‥そのお友達、夏休み明けたら想ってた人と仲良く歩いてたから、効果はあるんだよ、絶対」
「そういうロマンチックな願い事なら叶って欲しいわね」
「そうだね、出会いがある分、別れもあし、出来れば別れたくない人達もいるしね」
 さらりと応える椿に、気になる人がいるのか緒登が頻りに頷く。ルリアスには思うところがあるようだ。
「‥‥本当はボクもその人の事願いたかったんだけど、ね」
 ルリアスへ話題が移ったとみた椿は、誰にも聞こえないような小さな声でぽつりと呟く。しかし、その声音に悲愴感は感じられない。『友達が幸せなら、自分は別にいい』と、負け惜しみではなく、心から友達を祝福していた。

「七夕で短冊を書いたりとか、初めて体験したのは4年前の夏だったなぁ」
 ルリアスは持参した和菓子を一口、それを冷たい緑茶で流し込み、話を続ける。
「数人の友達に誘われて‥‥あれは楽しかったなぁ。初めて体験したからかな? なんだか新鮮で‥‥日本のジメジメした暑さの夏の夜もとても綺麗だったよ」
 不意に顔に影を落とすルリアス。
「そのみんなとは‥‥その後離れ離れになって、それからずっと会ってないんだ。今は何をしているのかな‥‥」
「そのお友達も、ルリアス君と同じ事考えてるんじゃないかな?」
「離れ離れというのはいつの時代も寂しいものですし、今度、近状を綴ったお手紙を出してみるのは如何でしょう?」
 お涙頂戴状態の緒登に同意しつつ、そう提案するいいんちょ。
「お手紙かい?」
「メールや電話の方が早いですし、便利ですが、お手紙には『もらって嬉しい感』と封を開けるまでの『わくわく感』がありますもの」
「なるほど。僕は唄うのが好きだから、歌も一緒に送るのもいいかもね」
 いいんちょに微笑みながら頷くルリアス。

「でも出会いって、偶然ではなく必然だと思うのよ」
 そう切り出したのは光だ。
「子供の頃、とても仲が良く、よく一緒に遊んでいた男の子と女の子がいたの。けれど七夕の直前に2人ともが親の都合で急に引越しをし離れ離れになってしまう。女の子は毎年、七夕の日にその男の子に会えるよう願い事を書いていたわ。それから数年後、高校生になっても七夕に毎年と同じように願い事を吊るす少女。ふと見ると横で同じように短冊を吊るしていた少年の願いが見えてしまう。その願い事を見て驚く少女。その願いは内容がまったく自分と同じ‥‥いや、名前のところだけ自分の名前だったが‥‥」
 物語を語り弾くかのような流暢な話に、一同は思わず聞き入る。
「こうして数年ぶりに七夕の奇跡でまた再び会えた2人が、武と緒登だったのよ」
「それはないわ。私の知り合いで引っ越した男子いないし、武君とも初対面だもの」
「あぁ!? ちょっとした冗談なのに!? ちょっと真面目なのもなんだし落としてみようかな、とか思っただけ―――――」
「創作ではなく、体験談の方がいいのですけどね」
 話し終わったところで、緒登がツッコミを入れ、いいんちょは盛大な溜息を漏らした。

「そう言われると作り話っぽいんだけど、本当にあった話なんだよ」
 いいんちょを諭すように話し始める瑞羽。
 それは瑞羽が学校帰りに、1人で七夕祭りへ遊びに行った際、そこで出会った1人の女の子の話だった。
 その女の子は平安時代のお姫様のような単(ひとえ)を着て、髪はストレートに下ろし、菫姫と名乗った。
『少しこの珍妙な祭りを案内して欲しい』
 瑞羽はどこか浮世離れした神秘的な雰囲気を漂わせる彼女を案内して一緒に祭りを楽しんだが、祭りも終わりに近づいた頃。
『あれ? 菫!? どこに行ったの!?』
『‥‥七夕とやら、なかなかに楽しかったぞ。ありがとう‥‥』
 祭りの喧噪から離れて休んでいると、気が付くと隣にいたはずの菫姫がいなくなっていた。まるで菫姫など最初からどこにもいなかったかのように、そう耳元に聞こえた声だけ残して‥‥。
 その後、瑞羽は菫姫を探し回ったが、結局、見つからなかった。
「今でも夢だったのかもしれないって思っちゃうんだけどね。やっぱり信じてもらえないかな?」
 そんな、夢か幻を見ていたかのような祭りの出来事を、楽しそうに思い出しながら話す瑞羽。
「ううん、そんな事ない。光さんの話と違って、本当に神秘的だもの。菫姫はいると私も思うわ」
「なんか光ちゃん、誰にも信じてもらえなくてショボン」
「自業自得ですわね」
 微苦笑する瑞羽に、緒登は顔を横に振る。自分の時とは雲泥の真面目な対応に、涙がアメリカンクラッカーになる光だが、いいんちょも今回はフォロー無し! っていうか、追い打ち掛けてます。

「へぇ、雨神名さんの願い事って、『泣き虫が直りますように☆ミ』、なんだ?」
「み、見ないでよぉ」
「見られた後に隠しても仕方ないと思いますわ」
 先程から熱心に短冊へ願い事を書いていた雨神名を、横から覗き込む瑞羽。慌てて短冊を隠す雨神名だが、いいんちょの言う通りで、時既に遅し。彼女は諦めたように短冊に篭めた願い事について話し始めた。
「自分で言うのも変かもですけど、私はかなりの泣き虫なの。お化け屋敷とか、絶叫マシーンとか、転んで痛った時とか、感動するお話や悲しいお話を聞いた時とか‥‥挙げたらキリがないし、原因は違うけど、すぐ涙が出てきちゃうんだよ」
「あら? 泣き虫は決して悪い事ではありませんよ? わたくしもテレビドラマを見たり、小説を読んだり、ゲームをしていて、感動して泣く事は結構ありますもの」
「ミコちゃん、かなりのギャルゲーマニアなんだよね」
 自分の泣き虫の身の上を力説する雨神名。いいんちょも共感するものがあるようだが、彼女の趣味をばらしてしまう親友。
「いいんちょさんも泣き虫さんなんだ、よかった‥‥素敵な大人の女性って、泣き虫さんじゃないと思うんだよ。だからこんな自分がちょっと情けなくて。なんだか、自分がとても弱い人間な気がして‥‥こんなに泣き虫じゃ、よくないよね‥‥」
「ううん、感動しましたわ。わたくし、泣き虫でもいいと思うのです。自分の感情を表現してこそ素敵な大人の女性、でしょ?」
 思わず涙ぐみ、指で涙を拭う雨神名にいいんちょは首を横に振り、ハンカチを差し出した。

「なんだか重いお話になっちゃったね」
「では、私は家族のお話でもしましょうか」
 「えへ」と可愛く照れ隠し笑いを浮かべる雨神名に代わり、陽菜が話し始める。
「実は、私は7人兄妹なんですよ。で、その7人兄妹の一番上という事もあって、昔からいろんな面倒を見せられたんですよね。まぁ、それは一番上に生まれた宿命という事で‥‥その所為か、周りに方の面倒を見てしまう性分になっちゃって‥‥困ったものです」
 苦笑する陽菜に、気苦労の多いいいんちょは頷く。
「まぁ、それはいいとして‥‥これは去年‥‥一昨年だったでしょうか? 私には双子の妹‥‥がいるんです。その娘達が小学校に入ったばかりの頃でしょうかねぇ? その娘達が言うんですよ‥‥『何でこんな雨の多い時に織姫さんと彦星さんは会う約束をしているの?』‥‥って。もちろん、彼女達は七夕のお話も知っています。それ故の他愛のない質問だったのでしょう」
「子供の質問に悪意はないから、余計困るよね」
 椿の言葉に、陽菜は困ったように微笑んだ。
「はい、私も困りましたね〜。本当は旧暦のお祝いですから、『その頃はちゃんと晴れの日が多いのよ』と言うのもできるでしょうが、理解できないでしょうし‥‥ですから、伝説の通りこう言いました。『大丈夫よ‥‥そう言う時は天の神さまはちゃ〜んと見ててね、どこからともなくカササギという鳥の群が飛んできて、天の川で翼と翼を広げて橋となり、織姫さまと彦星さまを会わせてあげるのよ』って‥‥丁度、その前日に七夕伝説の事を聞いてたから良かったわ〜、って感じですね。問題は、そのカササギってどんな鳥なのって聞かれた時でしょうか?」
「直前に聞いたり見たりした事が、役立つ時って良くあるのよね」
「カササギはメジャーな鳥ではありませんから、聞かれるのも無理はありませんわ」
「その時は素直に分からないって謝って、後日、カササギについて調べて話しましたけどね」
 そういう経験があるのか、納得する緒登といいんちょに、陽菜はそう締め括った。


●短冊に願いを
『私にも良い彼氏が出来ますように』
『これまでもこれからも出会った人達皆がが幸せになれます様に』
『いつまでも僕は僕らしくいられますように』
『卒業しても皆が仲良くやれますように』
『泣き虫が直りますように☆ミ』
『ずっと笑顔で暮らせますように』

 それぞれの願い事を書いた短冊を吊した笹が、学校の前の川を下ってゆく。
 その笹はいつか大海へ出て天の川へと届き、願い事が現実のものとなるのを楽しみに待つ一同だった。

♪〜
 皆の願い 流れていく
 川の先に

 皆の想い きっと届くよ
 叶うと想う 強い気持ちがあれば
〜♪


●出演
 姫月乃・瑞羽(fa3691)
 ルリアス・レクシア(fa0313)
 角倉・雨神名(fa2640)
 堀川陽菜(fa3393)
 碓宮椿(fa1680)

 橘緒登:咲夜(fa2997)
 “いいんちょ”山都美琴:結城 紗那(fa1357)

 光/エンディングテーマ:フィアリス・クリスト(fa1526)