BANCHOU!!ヨーロッパ
種類 |
ショート
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担当 |
菊池五郎
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芸能 |
4Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
19.8万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
09/04〜09/08
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●本文
イギリスの首都ロンドンより南西に位置する港町ポーツマスの南に見える島、ワイト島。
この島に、MIFUNE‐Japanese High schoolがある。
イギリスにおける日本人学校であり、また、日本語を学びたい者達が集う日本語学校でもある。
しかし、それは表向きの顔だ。
放課後になると、体育館の裏や屋上に設置された給水タンクの陰、非常階段、そして鉄橋の架かる河川敷などで、BANCHOUと呼ばれる者達が、最強の称号であるMIFUNEを目指して、日々、拳で語り合う戦いに明け暮れていた。
MIFUNEの称号を手に入れるには、戦って戦って戦い抜き、このMIFUNE‐Japanese High schoolの頂点に君臨する現MIFUNEの称号を持つBANCHOUを倒すしかない。
そして、MIFUNEの称号を手に入れたBANCHOUは、MIFUNE‐Japanese High schoolの看板を背負って日本へ渡り、イギリスのBANCHOUこそ、最強のBANCHOUである証を立ててくるのだ。
沈み行く雄大な夕日を背に、鉄橋の上を列車が走り抜けて行く。
河川敷には2人の姿があった。
1人は男性で、身に付けた黒い学ランの前のボタンは全て外し、手に太鼓の枹(ばち)を持っている。一見、応援団員に見えなくもない。
彼と対峙するのは、何と少女だ。白い学ランを纏い、鍔の切れた帽子をツインテールに結った頭の上にちょこんと載せ、足には鉄下駄を履いている。
そう、彼女達もBANCHOUなのだ。
男性が枹を投げ付ける。今まで2本の枹で叩いて攻撃をしていたのだが、少女は思った以上に素速く、一向に攻撃が当たらなかった。
これには少女も意表を衝かれたが、次の瞬間、鉄下駄を手に構え枹を弾き返した。
「その技は、忍法KARATEのZITTEGAESHI!?」
驚く男性。しかし、少女はその間、距離を一気に詰め、男性を肉薄していた。
「バ、バカな! HATAMOTOの俺が、ROUNINに負けるなんて‥‥」
「私はただのROUNINじゃないわ」
「!? まさか、お前がTAISHOU‐MASTERの言っていたROUNINか‥‥」
BANCHOUは、その実力に応じてランク分けされている。BANCHOUになったばかりの時はKOSHOU(小姓)から始まり、ASHIGARU(足軽)、ROUNIN(浪人)、HATAMOTO(旗本)と上り詰め、HATAMOTO達を束ねるTAISHOU‐MASTER(大将)、そして、TAISHOU‐MASTERを率いるROAD‐DAIMYOU(大名)となっている。
だが希に、このランク分けから外れる者がいる。ランク的にはROUNINだが、“牢人”と呼ばれるBANCHOUだ。気骨ある者、節を屈しない者、という意味を持つ牢人は、時としてHATAMOTOすら越える実力を持つという。
この少女こそ、まさにその牢人なのだ。
「あなたに聞きたい事があるの。あの娘は、わたしの妹はどこ!」
「お前の妹‥‥ああ、あの女か。あの女は手土産にTAISHOU‐MASTERへ送ったよ」
「何ですって!」
「いくらROUNINといえども、TAISHOU‐MASTERには敵わないだろうさ」
「相手がTAISHOU‐MASTERだろうと、ROAD‐DAIMYOUだろうと、関係ないわ。私は妹を取り返すだけよ!」
BANCHOUとして戦う理由は人それぞれだ。単純に強くなりたい者もいれば、自分の実力を試したい者、権力が欲しい者もいるだろう。そして、この少女のように、攫われた妹を助ける為に拳を振るう者もいる。
妹を取り返す為の少女の戦いは、まだ始まったばかりだ。
『はーいOK! リュシアンさん、良い演技だったよ』
「お疲れさまでした、ありがとうございますわ」
監督のOKが出ると、撮影場所に張り詰めていた緊張の糸が一気に解れる。
リュシアン・リティウム(fz0025)は河川敷に横になっている男優に手を貸して立たせると、監督の言葉に笑顔で応える。
『BANCHOU!!』は日本で放送予定の、番長達の戦いと友情を描いたテレビドラマの外伝的、そしてプロローグ的な内容だ。
リュシアンが演じる女番長エミリーが攫われた妹を助ける為に、仲間と知り合い、立ち塞がる番長達を倒し、大名まで上り詰めてゆく。そして、“御舟”の称号を手に入れ、日本へと乗り込んでゆくストーリーだ。
今回はその為に、実際にイギリスのワイト島にてロケが行われていた。
☆★☆★☆成長傾向☆★☆★☆
体力・格闘・軽業・発声・芝居
●リプレイ本文
●MEIDOU〜仕組まれた戦い〜
「なーんか、面白い事ねーかなー」
少年番長ユースは、河原の土手に寝転がって夕焼け空を見ていた。
彼はBANCHOUになって日が浅く、ランクはKOSHOU(小姓)、更に年齢も身長も低く、他のBANCHOUから戦いを吹っ掛けられる事もなければ、自分から吹っ掛ける事もしなかった。どうせ吹っ掛けても笑われ、一蹴されて終わり。
だから河川敷の鉄橋の下で女性のBANCHOU――おそらくはROUNIN(浪人)ランク――がHATAMOTO(旗本)と互角以上の戦いを繰り広げ、勝利した場面を目撃すると、居ても立ってもいられなくなった。
「俺はユースだ! 強いのと闘うんだろ? 俺も混ぜてくれよ、仕事するぜ?」
「でも‥‥」
「お前‥‥今、絶対子供だと思っただろ!? チビだと思って馬鹿にするな、見てろよ!」
エミリーが言い淀むと、子供扱いされたのが癪に障ったのか、前転にバック転、側転と軽い身のこなしを披露し、続けて学ランの懐からYOYOを取り出すと、犬の散歩やエレベーターといった技を次々に繰り出す。
そのYOYO捌きにはエミリーも思わず拍手をしてしまう。
「連れてってくれるよな?」
「分かったわ。でも、命の保証は出来ないわよ?」
「そんなもん、BANCHOUになった時から分かってるよ!」
ユースとエミリーは笑い合いながら熱い握手を交わした。
「TAISHOU‐MASTER(大将)、あんたを狙ってる牢人って、めっちゃ可愛い女の子じゃないですか! TAISHOU‐MASTERも知ってるでしょ? 俺、可愛い女の子には弱くて‥‥」
エミリーとユースの姿を土手の上から見下ろしながら、電話を掛けているのは白スーツを着た優男風のBANCHOU。彼の名はカイン、“愛の番長”や“ハーレム番長”など、数多の異名を持つHATAMOTOだ。現にHATAMOTOになった目的も、ハーレムを所有したいだけであり、現在、念願叶ってハーレムを複数所有している。
「‥‥え? ‥‥やらなきゃハーレム没収? ‥‥そりゃないっしょ!? ねぇ、ちょっと!? ガッデム、切りやがった!」
番長っぽくない軽薄な雰囲気のフェミニストだが、外見とは裏腹にHATAMOTOでも有数の実力者であり、同じHATAMOTO達から、『TAISHOU‐MASTERに最も近いHATAMOTO』と呼ばれ、一目を置かれている。
だが、女性相手だと本気が出ないので、女性BANCHOUには滅法弱く、それが彼がTAISHOU‐MASTERへ昇進できない原因だった。
エミリーの姿を見付けたものの、女性と知りすぐTAISHOU‐MASTERへ電話を掛 けたのだが、結局電話は切られ、エミリーと対峙するしか道はなかった。
鹿威しの音が鳴り響く、純和風の部屋。
豪快に胡坐をかくのはROAD‐DAIMYOU(大名)の1人、独眼竜だ。
MIFUNE‐Japanese High schoolに4人しかいないROAD‐DAIMYOUの1人で、TAMONTEN(多聞天)とも呼ばれている。
ちなみに他のROAD‐DAIMYOUは、それぞれZIGOKUTEN(持国天)、ZOUTYOUTEN(増長天)、KOUMOKUTEN(広目天)と呼ばれ、SHITENNOU(四天王)として、BANCHOU達から恐れられている。
独眼流は、右目に黒のアイパッチをつけた隻眼で、背中に昇り竜の刺繍が施された白の長ランを身につけている事からそう呼ばれている。
彼の目の前には、居心地悪そうに畳みに座る大将番長ゴールドが、傍らには大人しく項垂れ、囚われているセシリーの姿があった。
ゴールドは3つ首龍が描かれた黄金の長ランを着て裾の破れたズボンを履き、唾の割れた学帽を被っている。和風の部屋の入口には薄汚れた黒靴が、手元には黄金の金属バットが置かれている。
エミリーの噂は彼の耳にも入っていた。彼女の探している妹セシリーの事も。興味を覚え、セシリーを捕まえようとしたところ、自分が仕えるROAD‐DAIMYOUに呼ばれて来てみれば、既にセシリーを捕らえているではないか。
「うちのHATAMOTOが、例の牢人と接触したようです」
「しかし、相手は既にHATAMOTOを1人敗っている牢人じゃぞ?」
「俺も出ますので、この娘を連れて行きますよ」
カインとの通話を一方的に切った携帯電話をしまいながら立ち上がると、ゴールドはセシリーの手を掴む。
(「独眼流は好きにしていいって言ったしな。適乳で美乳の姉に、スレンダーの妹‥‥姉妹丼もいいな」)
「エミリー姉さんは‥‥必ず助けに来てくれると、信じています」
ゴールドのエロス溢れる野望など露知らず、気丈に姉を信じ、彼を睨め付けるセシリー。
だが、ゴールドは気付いていなかった。セシリーと独眼流が交わした、傍目から見れば「抗議」に映る、けれど意味深な視線を‥‥。
「どうだいお嬢さん? 降参する気は‥‥」
「あなたがセシリーを攫ったTAISHOU‐MASTERの舎弟のHATAMOTOね!」
「無いよなぁ‥‥」
カインはエミリー達の前に現れると、降伏を勧告する。だが、返ってきた答えは問答無用の正拳突き。それを屈んでいともたやすく回避。
カインは溜息を付きながらエミリーとの戦闘に臨んだ。
最初はカインが押すが、次第に攻撃は見切られ、徐々に追い詰められてゆく。
「攫われた妹はどうでもいいのか?」
「!? セシリーをどうする気!?」
「俺が知ったこっちゃないけどね!!」
「きゃふ!!」
至近距離になった時、カインの一言で隙が出来ると、エミリーの腹に必殺のYAKUZAKICK(ヤクザキック)を繰り出す。エミリーの身体がくの字に折れる。それでもカインを見据え、片膝すら地べたに付けない。
「いいね、その気骨。俺が勝った暁には、お嬢さんはハーレムに入れるとしよう」
「人質を取るばかりか、不意を衝くとは言語道断‥‥BANCHOUの風上にも置けぬ者よ、恥を知れ」
カインが止めを刺そうとしたその時、頭上から轟雷の如き怒声が響く。
見上げると鉄橋の主塔の上に、1人の男性が学ランをたなびかせ、腕を組んで立っていた。
すると、男性は怒号と共に2人の間に割って入るように飛び降り、地面に拳打を叩き込みクレーターを作る。
「す、凄ぇ!」
「年代物の学ラン、背中の武の文字‥‥な、何で生きた伝説がこんな所に!?」
「我が名はディンゴ‥‥武の道を究めんとする者也。義によって、BANCHOUエミリーに助太刀致す」
瞳をきらきらと輝かせるユースと、その出で立ちにおののくカイン。
ディンゴは、BANCHOUの間では生きた伝説とまでいわれる牢人BANCHOUだ。武の道を究める為に留年を繰り返し、BANCHOUで在り続けて早40年。義を重んじ、不義を憎む性格の武人である。
勝てないと悟ったカインは、保身の為にあっさりと降参する。
「女の子に嘘は言わん‥‥それが俺のポリシーさ」
●KAISOU〜引き裂かれた姉妹〜
エミリーとセシリーは二卵性の双子だ。家はイギリス貴族の末裔で、2人ともお嬢様だが、エミリーは活発で朗らか、セシリーはお淑やかで物静か、と性格は両極端。しかし、何故か趣味や好きな物は同じというところが双子だ。
エミリーはセシリーを護る為にBANCHOUの道へ進んだはずだった。
だが、悲劇は突然起こる。エミリーがROUNINになって間もなく、セシリーは何者かによって攫われてしまったのだ。
その時、セシリーを取り囲み、エミリーの行く手を塞いだのは何本もの鉄パイプだった。それがどこからともなくが飛んできて、妹を守る壁のように、そして閉じ込める檻のように、セシリーを囲い込んだのだ。
「く!? 私の力ではあなたをここから出してあげる事が‥‥」
「エミリー姉さん、後ろ!!」
「え!? あぐ!!」
鉄パイプを力任せに引き抜こうとするエミリーの背中に影が落ちる。セシリーがその事を伝えた次の瞬間、エミリーの頭部に強い衝撃が走り、彼女の視界は暗転した。
最後に聞いたのはセシリーの悲痛な叫びだった。
エミリーが気が付くと、鉄パイプの檻の中はもぬけの殻。セシリーは何者かによって連れ去られてしまった。
唯一の手掛かりは自分の頭を殴打したと思われる、相手の残していった鉄パイプだった。
「成る程、人質を取るTAISHOU‐MASTERに義は無い。乗りかかった船、最後まで同行しよう」
エミリーの身の上を聞いたディンゴもまた、彼女と熱く力強い握手を交わした。
●TAIDOU〜避けられない戦い〜
カインの案内で、彼の仕えるTAISHOU‐MASTERの居場所へ向かう。
TAISHOU‐MASTERは野望の聖域を、支配下に置くMIFUNE‐Japanese High schoolの校舎の1つの屋上に建設させていた。
「野望の聖域とは愚かな也‥‥エミリー殿の妹御、返して貰いに参上した!」
ディンゴが玄関を拳で粉砕する。
「ここまで来るとは、なかなか骨のある奴らじゃないか‥‥1人、裏切り者がいるみたいだけどね」
そこへ立ち塞がるのは、禁煙パイポを口にくわえ、リボンスカーフは結ばず垂らしたセーラー服にロングスカートの、女性BANCHOUだった。HATAMOTOの彼女は“鉄板番長のレイ”という通り名を持っている。
「こっちにはこっちの事情ってもんがあるんだよ、真田麗子」
「そ、その名前で呼ぶなぁ!」
似合わない名前が嫌いなのか、本名で呼ばれると怒る。
「エミリーはどこ!?」
「‥‥知るかよ。あいつにはあいつなりにきっと理由があんだろうよ。アタイはただ‥‥あいつの元へ行く輩をブチのめすだけさ」
「ここは俺に任せてもらうぜ」
エミリーの前にユースが出る。先程の戦いを見ていて、戦いたくてうずうずしているのだ。
「む!?」
「‥‥賽の目がたまたまこっちに味方する方に出ちゃったからね」
エミリーとディンゴが先へ進もうとすると、彼の足下に何処からともなくサイコロが飛んできて突き刺さる。
「ほぉ、お前が噂に聞くHATAMOTOのサイか」
「伝説の牢人に名前を知られているとは、私も満更捨てたもんじゃないね」
現れた女性はHATAMOTO番長サイ、賽の目で陣営に着く自由人で、何処か掴み所の無い、飄々とした粋で刹那的な女性だ。
「その娘程面白い存在はないし、この一件‥‥なかなかの茶番だしね。エミリー対TAISHOU‐MASTERのお膳立てを整える為‥‥」
ここでレイ対ユース、ディンゴ対サイの組み合わせが出来、エミリーは単身先へ進む事となった。
レイの得意技は、素早い身のこなしから繰り出される、鉄板仕込みの皮鞄での打撃攻撃だ。特に角が痛い。そして必殺技は、相手の技を鉄板裁きで弾き返して当てるTATAMIGAESHIだが‥‥。
「くっ‥‥ちまいのがこんなとこ来てんじゃないよっ!」
「だーから、ガキ扱いすんなって‥‥言ってんだろーが!」
レイには可愛いもの好きという弱点があり、ユースがまさにそれだった。レイが躊躇して隙が生まれたところへ、ユースが必殺のKENKAKICKを繰り出し、敗れてしまう。
一方、ディンゴとサイは、クリーンヒットが一発も出ない持久戦を繰り広げていた。
元々サイの実力は、運と賭博で培った勝負度胸だけだが、その運と度胸が尋常ではなく、相手の攻撃に敢えて踏み込み運良く回避しまくるのだ。
これには伝説の牢人も当てる事が出来ず、手をこまねくばかり。
「足止めが狙いか?」
「言っただろう? 伝説と呼ばれた男が介入するのは、オッズ的に面白くないんだよ」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべるサイだった。
「妹を返して欲しければ、俺とタイマンで勝つ事だな。俺が勝ったら姉妹丼を汁だくでもらう!」
「し、姉妹丼‥‥? 何、訳の分からない事を言ってるのよ!」
「姉妹丼は漢の浪漫なんだぞ!」
その頃、エミリーはゴールドに苦戦を強いられていた。流石はタイマン主義者で、黄金の金属バット1本でMIFUNE‐Japanese High schoolのみならず、近隣の施設をも手に入れたTAISHOU‐MASTERだけの事はある。
だが、防戦一方になっていたエミリーも、徐々に黄金の金属バットのスイングスピードと間合いに慣れ、懐まで飛び込めるようになった。
懐に飛び込むのを狙い澄ましたかのように、忍法KADOHの奥義SUIKAWARIがエミリーに炸裂するが、彼女は胸先三寸のところでかわす。すると、SUIKAWARIの必殺の一撃の衝撃で学ランのボタンが全て弾け飛び、さらしを巻いただけの胸が露わになる。
思わず白く瑞々しい半胸に釘付けになるゴールド。エミリーは機転を利かせて学ランを脱ぎ捨て、さらし姿で戦う事で彼の戦意を削ぎ、辛うじて逆転したのだった。
「姉さん、助けて!」
「セシリー!」
「妹はまた戴いてゆくのじゃ!」
ゴールドの野望の聖域の中にセシリーはいた。駆け寄るエミリーを後目に、悠々と登場した独眼流が指を1つ鳴らすと、ヘリが降下してくる。
ヘリのホバリングによって発生した突風でエミリーが近づけない隙に、独眼流はセシリーを担ぎ、ヘリが降ろしてきた縄はしごに掴まって、そのまま夕焼け空の中へと消えていった。
「‥‥今はまだ戻れない‥‥だからここまで来て」
「セシリー! どうして!!」
床を叩き付け、拳から血を滲ませるエミリー。そんな姉の姿を一瞬、冷ややかな視線で見ながら、セシリーは尚も助けを求めるのだった。
●CAST
小姓番長ユース:月岡優斗(fa0984)
牢人番長ディンゴ:ディンゴ・ドラッヘン(fa1886)
旗本番長カイン:カイン・フォルネウス(fa2446)
旗本番長レイ:森宮 恭香(fa0485)
旗本番長サイ:豊浦 まつり(fa4123)
大将番長ゴールド:九条・運(fa0378)
大名番長独眼竜:天音(fa0204)
セシリー:冬織(fa2993)
エミリー:リュシアン・リティウム(fz0025)