Christmas Eveアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 菊池五郎
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 難しい
報酬 なし
参加人数 8人
サポート 0人
期間 12/24〜12/28

●本文

 『Succubus(サッキュバス)』というロックグループがいる。
 ボーカル兼ベースのシュタリア。
 ドラム(場合によってはシンセサイザー)のスティア。
 ギターのティリーナという、女性3人の構成だ。

 彼女達は月と片思いや悲恋といった恋愛を題材にする歌が多く、一部に熱狂的なファン(特に女性)がいるものの、メディアに露出していない事もあり知名度は高くない。
 メディアに露出していない理由の1つが、グループ名『Succubus』――文字通り『夢魔』の如く、彼女達がライブを行う時間帯の大半は夜だ。しかも好んで路上でのゲリラライブを行っているようで、ライブの直前になってファンサイトの掲示板へ書き込むくらいしか告知していない。そうやってファン達がやきもきする姿を見る事でテンションを高める小悪魔的な性格も、やはりSuccubusなのかもしれない。
 そしてもう1つの理由が、ライブ中にも関わらず、人目をはばかる事なくメンバー同士で抱擁し合ったり、接吻を交わす、まさにSuccubusの意味するパフォーマンスだ。
 シュタリアが長女、スティアが次女、ティリーナが三女という姉妹としての位置付けが彼女達やファンの間ではあるが、血は繋がっていない。
 彼女達は姉妹であり、恋人であった。

 ――ここはSuccubusの集う、秘密の花園‥‥。
「3ヶ月ぶりの我が家は懐かしい感じがしますわ‥‥ふふふ、ティリーナとスティアの匂いがしますわね」
 スーツケースを置くと、シュタリアは大きく伸びをする。
 そこはSuccubusの3人が学校へ行っている時間を除いて、1日の残りの大半を一緒に過ごす、3人がゆうに一緒に寝られるベッドが中央に置かれた部屋だ。
 彼女は鼻をひくひくさせて、自分以外の、妹達の匂いを感じ取る。旅行から帰ってきて家に入った瞬間、感じないだろうか。自分が抜けた家の匂いを。
「それはそうよ。お姉様、3ヶ月もイギリスに滞在なさっていたのですから」
「3ヶ月間、私が毎日、シュタリアお姉様のお部屋の掃除をしておきました」
「ありがとう、ティリーナ」
 シュタリアの後に続いて、スティアとティリーナも部屋へ入る。
 Succubusの3人は血は繋がっていないが、姉妹同然にここで一緒に暮らしており、プライベートな時間は欲しいもの。1人1人の部屋があった。
 ティリーナがシュタリアのコートを脱がしながら言うと、シュタリアは彼女の頭を撫でる。それだけでお嬢様然とした、でも気の強そうな顔立ちに蕩けるような恍惚とした笑みを浮かべるティリーナ。
 末っ子のティリーナは“超”が付く程のシスコン――しかも、次女のスティアより、長女のシュタリアにベッタリ――で、Succubusの中で唯一、他の女性アーティストに興味を示さないし靡かない。
 毎日のようにシュタリアの部屋を掃除していたのも、長女がいない間、寂しさを紛らわせる為に、シュタリアの匂いの残る部屋で、彼女の存在を感じたかったのかもしれない。
「イギリスから帰ってきて早々で申し訳ありませんが、スティア、次のゲリラライブの告知をして下さいな」
「次はクリスマスでしたっけ?」
 ティリーナに部屋着――蒼いシースルーのロングキャミソール――を着せてもらいながら、シュタリアがそう告げると、スティアはノートパソコンを起動させる。
 Succubusの活動はゲリラライブのみに限定している。CD等は一切出さないが、デジカメで撮ったゲリラライブの様子をネット発信している。そのSuccubusのサイトを管理しているのが彼女だ。
「クリスマスはライブやミサが多いでしょうから、イヴにしますわ。場所は‥‥都内のクリスマス・イルミネーションが綺麗な場所がいいですわね」
「都内でイルミネーションが綺麗な場所というと‥‥『お台場』か六本木の『けやき坂通り』、『新宿駅南口』辺りかしら」
「その中から、誘うアーティスト達に決めて戴くのもいいでしょう」
 スティアが検索した内容を、シュタリアは横から覗き込みながら応えた。
「シュタリアお姉様ぁ‥‥ヴァニシングプロに所属するのは本当ですか? しかも私が窓口だなんて」
 Succubusは日本国内最大手のロック系音楽プロダクション『ヴァニシングプロ』から勧誘を受けており、シュタリアはそれを承諾していた。
「わたくしはメディア映えしませんし、スティアはサイトの管理で忙しいですもの。カメラ映えする可愛いあなたしか適任はおりませんわ、ティリーナ」

 その後、ファンサイトに、今度のSuccubusのゲリラライブは、クリスマス・イヴに都内のイルミネーションが綺麗な場所で行うという書き込みがなされた。久し振りの日本での、しかも都内でのゲリラライブに、ファンのテンションも一気に高まった。
 いつものように彼女達だけではなく、他のアーティストやロックバンドを誘う。呼び掛け=有志なので金銭的な報酬はないが、交通費や飲食費を始めとする必要経費はSuccubus持ちだし、発声や音楽センス、楽器演奏はもちろんの事、パフォーマンス次第では軽業や踊りも鍛えられるいい機会だろう。
 尚、今回のゲリラライブは夜という事で、Succubusの本領発揮となる。女性はSuccubusのメンバー達に弄られる危険性があるので注意されたし。

●今回の参加者

 fa0034 紅 勇花(17歳・♀・兎)
 fa0069 イオ・黒銀(22歳・♀・竜)
 fa0175 クラウド・オールト(16歳・♀・竜)
 fa0506 鳴瀬 華鳴(17歳・♀・小鳥)
 fa2073 MICHAEL(21歳・♀・猫)
 fa3365 フランネル(21歳・♀・竜)
 fa3596 Tyrantess(14歳・♀・竜)
 fa4581 魔導院 冥(18歳・♀・竜)

●リプレイ本文


●弄られるのはお嫌い?
 最近ではレンタカーも24時間借りられる営業所があり、『Succubus(サッキュバス)』のゲリラライブには重宝している。
 シュタリアが手続きを済ませ、7人乗りのミニバンを2台借りた。
「シュタリアちゃん、途中で運転代わってもらいたいな。だって、いつも後ろが楽しそうなんだもの〜!」
 シュタリアは海外でも運転しており、MICHAEL(fa2073)がそう告げると彼女は快諾し、約束の代わりに頬に軽くキスを落とす。
「あー!? シュタリアお姉様ー!!」
「はいは〜い〜、ティリーナちゃんはこっちねぇ〜」
「悪魔と夢魔同士、仲良くしようじゃないか」
「わわ!? 僕もこっちなの!?」
 いきり立つティリーナ(fz1042)の、右腕を鳴瀬 華鳴(fa0506)が、左腕を魔導院 冥(fa4581)が絶妙のコンビネーションで掴み、ずるずるとミニバンの中へ連れ込む。更に華鳴の空いている手は、紅 勇花(fa0034)の腕も掴んでいた。
「ふふふ、ティリーナ様はモテモテですね」
「あれでシュタリア以外興味がないってんだから、もったいないよな」
「‥‥何が?」
「いや、何がって、可愛い女がこれだけいるんだぜ? ‥‥まぁ、いいけど(こういう女を目覚めさせるのも面白いよな)」
 その光景を微笑ましく見つめるフランネル(fa3365)とスティアに、Tyrantess(fa3596)が声を掛けると、クラウド・オールト(fa0175)が首を傾げた。クラウドはSuccubusのゲリラライブの常連だから、てっきり百合の気があると思いきや、実はそうでもないようだ。
「‥‥ティリーナ、ちょっといいか? ‥‥先日、ふらりと買い物をした時に見つけたのだが、今回の衣装これを着てみるのはどうだ? シュタリアが喜ぶかも知れんぞ?」
 クラウドはイオ・黒銀(fa0069)の運転する車に乗り込む前、ふと思い出したかのようにもう1台のミニバンへ近付くと、窓越しにティリーナへロリータ風のサンタ服をプレゼントした。「シュタリアが喜ぶ」という一言に、彼女は嬉しそうに受け取った。

「今回は久々の日本でのゲリラライブだからぁ〜、ファン達もかなり気合が入ってるはずよぉ〜。私達もぉ〜、それに負けないように頑張ろうねぇ〜」
「あなたが言うと逆に気合いが抜けます」
 気合いを入れる華鳴にティリーナが反論すると、華鳴は彼女の頬を「むに〜ん」と引っ張‥‥ろうとしてかわされた。Succubusに同じ技は二度通用しない!?
「ティリーナもギタリストだが、得意なテクニックはあるのか?」
「私はエレキギターでもフィンガー・ピッキングがメインですね」
 そこへ冥から助け船が出され、彼女とギターテクについて饒舌に語る。
 ティリーナは早弾きのスリーフィンガー・ピッキングを得意としているようだ。
「一緒にギターセッションをしたいものだな。私もゲリラライブからミュージシャンとしての活動を始めたようなものだ。今回は初心に返ると同時に、より腕を磨かせてもらおう」
(「前回のライブに参加できなかったのが、何故か残念でならないんだ‥‥弄られるのを期待してるのかな、僕‥‥」)
 冥達の談笑から取り残され、窓を見ながら1人溜息を付く勇花。
「勇花ちゃん〜、元気ないよぉ〜、リラックスリラックス〜」
「ひゃん!? や‥‥あぁ‥‥やめ‥‥」
「だからといって胸を揉みしだくのは‥‥きゃふぅ‥‥そこは‥‥ダメだ‥‥」
「ダメだって言ってる割には、先っぽが尖ってきてるわよ〜? クールビューティーな悪魔っ娘の艶めかしい吐息も萌えるわね〜」
 華鳴が勇花の胸を鷲掴みにし、リズミカルにマッサージを始める。襲われる心配がないと思っていた冥だが、彼女はいつの間にかシュタリアと運転を代わったMICHAELが耳たぶを甘噛みし、隙が出来るとやはり胸を揉まれてしまう。

「ビッグ・ベンのライブが終わった途端、今度はクリスマスイヴのライブとは、ハードなスケジュールだ‥‥だが日本に戻ってくるのも久々だな」
 クラウドとフランネルは、どこか懐かしい東京の灯りを目を細めて見ている。
「それにしても最近ドラム以外の楽器でのライブ参加が多いな‥‥ま、他の楽器も流石に慣れてきたが‥‥」
 ドラムは運搬が困難な上、セッティングが必要なので、ゲリラライブには向いていない。ドラマーであるクラウドやスティアは最近、ドラムとはご無沙汰だ。
「スティア、道は間違っていないかな?」
「それならカーナビで‥‥ふふ、そういう事ね」
「‥‥んん‥‥はぁっ‥‥そう来なくっちゃ」
 助手席に座るスティアに道を確認させながら、不意打ちで頬にキスを落とすイオ。乗ってる人を弄れないのでちょっと悔しいようだ。スティアはイオの気持ちを汲んだのか、彼女の下腹部へ手を伸ばすのだった。


●ゲリラライブin六本木けやき通り
 約400mに渡る、六本木けやき通りの街路樹全てに電飾が施され、白と青のイルミネーションがまるで木々に降り積もる雪のように、幻想的な空間を演出している。

 クラウドはフランネルと手分けして13個のワイングラスとペットボトルを持ち、リアドアから飛び出す。
「Merry X−mas、Boys&Girl! 僕らからのクリスマスプレゼントは、Succubusのゲリラライブだよ!」
 勇花の声と共に、クラウドが水を注いだワイングラスでグラスハープの演奏を始め、ゲリラライブの開始をアピールする。
 クラウドの『ジングル・ベル』に合わせ、その横ではサンタ服風ベビードールに身を包んだフランネルが、胸元に仕込んでおいた紙吹雪を取り出して、舞い散らせる。
 Succubusのゲリラライブを見に来たファンを始め、道行くカップルや人々に、さながらホワイトクリスマスのように紙吹雪は舞い落ち、澄んだグラスハープの音色が包み込む。
「‥‥グラスハープは余興程度だと思ってくれ。クリスマスと言えばこの曲だな」
 キーボードを肩から提げ、今度は『きよしこの夜』を演奏する。
 フランネルも雪をイメージした白のボンボンに持ち替え、足を上げ、手を振り、ライブを見ている人だけではなく、聖夜を楽しむ全ての人を応援し、祝福するイメージで踊る。
 その際、けやき通りの道幅を計算に入れてなく、軽やかにバック転した際、肩紐が木に引っ掛かってしまい、衣装が半ば脱げてしまったり、演奏が終わった後、クラウドのズボンがずり落ち、その下に隠された小さなホワイトクリスマスを覗かせてしまったのは、サンタクロースからのプレゼントという事で。


 慌てて車内へ引っ込んだクラウドの代わりに、ワイングラスを片付けるイオとMICHAELの前へ、ミニスカートのサンタ服を纏ったTyrantessと冥が飛び出してくる。
「ふははは! 私の故郷、魔界の旋律を聴くがいい!」
「楽しもうぜ? イロイロとな」
 2人とも半獣化し、Tyrantessは三本角の、冥はねじ曲がった二本角の、背中に黒い翼を湛えた、さながらサンタクロースの姿を借りた悪魔だ。
 高らかに邪笑を浮かべる冥と、愛用のエレキギターを抱いてギターヘッドにキスを落とすTyrantess。
 それが『Unholy Feast』の始まりの合図だ。

♪★聖なる夜に孤独抱えた 神に見放された子羊?
 ☆毛皮の中身はオオカミだろ? 口元から牙が出てるぜ
 ☆底意地悪いカミサマなんかが お前に何かしてくれたか?
 ★祈っていても救いなどない そろそろ気づいたらどうだ?

 ○We know you want us!
 ☆ほら 手を伸ばして 捕まえてみろよ?
  モタモタしてたら 気が変わるかもしれないぜ?

 ○We sure you will dare!
 ★もう 迷うフリなど やめたらどうだ?
  心の中では とうに答えは出ているだろう?

 ◎We’re the feast and now you’re the beast
 ☆ガマンなんかしなくていい ホントのカオを見せてみろよ
 ◎We’re the game and now you’re the same
 ★このままずっとどこまでも 一緒に堕ちてみないか?

 ◎Come on to the unholy feast!♪
(☆=Tyrantess、★=冥、○=ユニゾン、◎ハモリ)

 歌い出しはゆっくりと絡みつくような感じで始まり、ロリ声のTyrantessがソプラノを、冥がアルトを務める。
 それぞれの個人パートでは、その時点の歌い手を引き立てる為、演奏者は一歩後ろに下がる。
 最初のユニゾンパートから激しく、力強くなり、悪魔らしいヘビメタ調の曲調へ変わる。
 冥のパートでは、Tyrantessが独りきりの男性にキスをしたり、カップルの間に割って入ってみたりと、その小悪魔ぶりを遺憾なく発揮する。後に“カップルキラー”“ロリータデビル”の二つ名が付いたとか付かないとか。
 最後のハモリは演奏をシャットアウト、Tyrantessから冥に身体を絡め、彼女は最初戸惑いつつもTyrantessを受け入れ、ぎこちなく身体をより重ねてゆく。
 そして絡み合ったまま、自分たちへ誘うように甘く囁きフェードアウト。


 2人の小悪魔が下がると、今度は2人の天使――華鳴と勇花――が前へ歩み出る。
 小悪魔と同じ、2人共お揃いミニスカートのサンタ服だが、華鳴は背中には金糸雀の翼を湛え、勇花は頭にウサミミをぴょこんと生やしている。白のニーソックスにガーダーベルトを装着し、“絶対領域”を完備した神々しい姿はまさに天使といえよう!

♪光降頻る聖夜
 その陰で蠢く冥き者達
 醜き欲望の赴くままに
 生者達に牙を剥く

 夜空に聳える 摩天楼の上
 舞い降りたるは 銀(しろがね)の戦女神
 断罪の刃を振り翳して 仇名す者達を討つ

 小さな胸に使命宿し 愛在る者達護る為
 翼を紅に染めても 命を賭して
 乙女は 今宵も剣を振る――‥‥

「この命で、皆の愛を護れるなら‥‥」♪

 勇花のスピード感溢れる前奏と共に、華鳴は声や表情を引き締め、凛とした雰囲気を出す。
 華鳴がソプラノパートを、勇花がアルトパートを唄い、『剣護姫(short.ver)』の命題に相応しく、華鳴は右手を剣に見立て舞う。
 勇花はスピーディさの中に神々しさも織り交ぜる為、音を高く、そして力強く響かせる。
 そのままソロパートで、高音を多用した明るく陽気なメロディに乗せ、辺りをスキップして回っていた勇花を手招くと、その唇を自らの唇で塞ぐ。
 すると勇花から深く貪るキスを求めてくる。こんな事は初めてで、華鳴は目だけで微笑むと、勇花に応じて自らも舌を絡めてゆく。
「なーんか最近、キスシーンのピンチヒッターなのよねー、あたし」
 しかし、慣れない事はするものではない。甘い心地よさに酔いしれた勇花は手が疎かになり、演奏が止まってしまう。
 急遽、次に控えていたMICHAELが演奏を引き継ぐ事に。
 MICHAELの演奏のまま、最後の台詞はどこか苦しげに胸元を押さえ、膝を折りながら歌いきる華鳴。


 勇花がキスの余韻たる高揚を頬に残しつつ、恥ずかしそうに下がると、MICHAELが残る。
 スタンダードなサンタクロース服を纏ってスタイリッシュに決め、シークレット天使翼を展開させて、ネコミミを生やし、その姿はさながら“エンジェルキャット”だ。
 ギターソロは軽快なロック。バック転といったアクロバットパフォーマンスも織り込むMICHAEL。
 観客の声援には、チョーキングビブラートで音を途切れさせないようにしながら、投げキッスやウインクで応える。
 もちろん、投げキッスはカップルの男性へ向けて。


 MICHAELの傍らにイオが現れる。
「このラブソングって、珍しく弟が作詞してくれたのよね〜」
 MICHAELの演奏に合わせて、『Holly Christmas knight』を唄うイオ。

♪粉雪が舞う 一人立ちすくむ夜
 こんなにも寂しくって 切なくて 君が恋しいよ

 喧嘩した時には気付かなかったけど 僕は一人じゃ
 ちっぽけで 無力で 何もできやしない

 すれ違う人達の笑顔がセピアに見えるよ
 くだらない意地張って 君を泣かせた事 今じゃ後悔してるよ

 世界は変らずに僕を包み込む だけど心の隙間 君じゃなきゃ埋められないよ

 気付いたらもう夜の11時 あと1時間で今日が終わってしまう
 謝ろうと決意して 君のもとへ走り出す

 会ったら何て言おう ごんめんね? 愛してる?
 話したい事 多すぎて 頭の中じゃまとまらない

 何故か君がいると確信した 思いでの公園で 
 君は 待っていたね 頭に雪を積もらせて 

 どうしよう 言葉が出ない 伝えたい事あるのに
 人の温もり 愛の暖かさ 全部君から貰ったもの

 何も言わずに 僕を抱きしめてくれる
 君の 温もりに 僕はただ 抱き返す事しか出来ない

 ごめんね 僕が悪かったよと やっと言えた
 そんな僕に君は 微笑んでキスして 一緒に帰ろうと言ってくれた

 この世で一番愛しい人よ 誰よりも 幸せにしてあげるよ
 今宵 誓った Holly Christmas knight ♪


 イオが歌い終わると、MICHAELの元に、Tyrantessと冥、勇花とティリーナが集まる。
「今回はギタリストが5人も集まったの。だから、とっておきのギターイベントをプレゼントするわ♪」
 それはギターの五重奏――クィンテットギターだ。
 『アヴェ・マリア』をロック調にアレンジし、MICHAELからTyrantess、冥、勇花、ティリーナと1人ずつ自分をアピールする演奏やパフォーマンスを繋げていき、最後は着替えを終えたクラウドやフランネル、華鳴やイオ、シュタリアやスティアも一緒に合唱する。


 クィンテットギターの余韻をそのままにSuccubusも歌を披露すると、冥達は早々に、そして散り散りに撤収していった。