恩返しと幼馴染と‥‥アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
恋思川幹
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
02/14〜02/18
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●本文
●プロローグ
物心ついた時、ボクにはご主人様がいたんだ。
やさしいやさしいご主人様。甘えさせてくれて、ご飯をくれて、ボクの頭を撫でてくれて、ぎゅっと抱き締めてくれた。
いつもボクのそばには、ご主人様の優しい笑顔があったんだ。
ボクが少し大きくなると、自分でご飯を獲る練習を始まった。
ご主人様からご飯をもらえなくって、ちょっと寂しかったけど、ボクが頑張ってご飯を獲るたびに、ご主人様はえらいえらいって誉めてくれた。まるで自分のことみたいに。ボクはそれがとってもとっても嬉しくて、もっともっと頑張ったんだよ。
ねえ、ボク、ご主人様のこと、本当に本当に大好きなんだよ。ご主人様が喜んでくれるなら、ボクはなんだってやってみせるよ?
でも、ボクはご主人様に裏切られた‥‥。
ご主人様達の使う車に乗せられて、ボクは深い深い森の奥に連れてこられた。
ご主人様、ここで何をするのかな?
「さあ、キミは野生に帰るんだよ。それが‥‥きっと‥‥」
ヤセイ? 帰る? ボクが帰るところはご主人様のところだよ?
「それがきっと‥‥キミの幸せ‥‥なんだって‥‥みんなが言うんだ‥‥っ」
零れ落ちてくる小さな雫。ご主人様、そんなに悲しい顔をしないで。
ボクがそばにいてあげるから。ね、いつもみたいに笑ってよ。
「‥‥もう、キミと一緒にはいられなくて‥‥だからね‥‥サヨウナラ」
ドウシテ!?
嫌だ、ご主人様、ボクを置いていかないでっ!
ボク、ご主人様に嫌われることしちゃった? もうそんなことしないからっ!
だから、ボクを置いていかないで‥‥。
遠ざかる車の赤い光が見えなくなってもボクは走った。だけど‥‥ご主人様はもっともっと遠くに行ってしまって‥‥。
お腹が空いてご飯を探す‥‥。たくさん、頑張ってようやくご飯にありつける。
ご主人様、ボク、頑張ったよ! ‥‥頑張ったねって、ボクの頭を撫でてくれる人は今はいない。
月冴える冬の空の下。あの暖かいご主人様の温もりはない。
命芽吹く春の風の中。あの楽しそうなご主人様の笑い声はない。
眩しく煌く夏の輝き。紅に染まる秋の夕暮れ。
もう、ご主人様は‥‥。
辛いよ。ご主人様と離れ離れになっちゃって。
ご主人様は、ボクのことが嫌いだったのかな? だから、ボクをこんなに苦しめてるのかな?
ねえ、ご主人様‥‥ボクはご主人様のことが大好きだから‥‥嫌いになっちゃったよ‥‥。
●キャスト
主人公‥‥プロローグの『ご主人様』。子どもの頃、野生動物を保護して飼育する。周囲の大人達に「野生動物は野生に帰すのが一番の幸せ」と諭され、涙ながらに野生動物を野生に帰す。今でもそれは苦い思い出になっている。
性別は未定。役者の集まり具合を見て要検討。
野生動物‥‥プロローグの『ボク』。『ご主人様』に保護された野生動物。生まれたばかりのところを保護されたので、野生動物としての自覚はなく、『ご主人様』に『捨てられた』ことを怨みに思い続けている。だが、その裏に隠された本当の気持ちは‥‥? 何故か、人間の姿、それも『ご主人様』の異性に変身して再会を果たす。
半獣化による演出も視野にいれている。ペットや家畜になる動物の獣人では「野生に帰す」動機が薄くなるので注意。また、舞台は現代日本とするので、その点も注意。ユニコーン、ドラゴンは問題外である。『ボク』の一人称は便宜的なもので、性別は主人公と逆の性別になる。
幼馴染‥‥『ご主人様』の異性の幼馴染。『ご主人様』が『ボク』を保護した時、一緒に面倒を見たりもしている。『ご主人様』に密かな想いを寄せていたが、人間の姿になった『ボク』の出現に果たして?
三角関係を成立させる為の登場人物。当然、性別は主人公と逆の性別になる。動物としての『ボク』の存在は彼女にとっては主人公との思い出の一部である。
その他‥‥適宜、ストーリー展開上の必要に応じて。
●ストーリー
主要登場人物の3人による三角関係、愛情と友情の微妙なラインを描いた舞台演劇。
『鶴の恩返し』や『人魚姫』などを混ぜ合わせたようなお話になるものと思われる。
「‥‥という感じの企画になる。プロローグと主要登場人物の設定を基に、詳しい話やキャストの性別などは集めた役者の特性を見て決めていくことになる」
劇団の企画担当はそう言った。
「時間もないのに申し訳ないが、まあよろしく頼む。胸にキュンとくるようなラブストーリーに期待しているぞ?」
●リプレイ本文
照明が闇を優しく溶かしていくと、舞台中央に仁王立ちになっているのは「ふーこ」役の白井 木槿(fa1689)である。
「見つけた! ここで会ったが10年目っ!」
顔を隠すように目深に被っていたキャップを放り投げると、ふーこ=木槿は客席に向かって指を突きつけた。その頭にはかわいらしい、たぬきの耳がぴょこんと乗っている。
「『ご主人様』に捨てられてから‥‥ボク、ずっとずっと寂しくて‥‥だから‥‥だから‥‥」
なにか、感極まったように言葉が途切れる。
「ちょ‥‥いきなり何? というか‥‥誰?」
動転したのは、柚原 北斗役の玖條 響(fa1276)。
「ボクだよ! ふーこだよ! まさか、忘れちゃったの!?」
「ふーこ?」
「ちょっと! ご主人様とか、捨てられたととか、聞き捨てがたこと言ってる、この子は誰よ?」
「お、俺も知りたいよ」
浅葱いろは役の淡紅絆(fa2806)が北斗=響を肘でつつく。
この二人も体は客席に向かって真正面である。木槿と響・絆は客観的には向かいあっていない訳だが、そこは演劇空間特有の構造で、客席を経由して両者はまさに真っ向から対峙している。そういった理解は演劇におけるリテラシーの一つである。
「ほんとに? 北斗、私の知らないところで変な趣味もってないでしょうね? あの耳とか‥‥」
剣呑な様子を見せながら、いろは=絆がふーこ=木槿のたぬ耳に言及すると、
「わっ!? わっ! わわっ! け、消さなくちゃっ!」
ふーこ=木槿は大いに慌てて、両手を頭にのせてたぬ耳を叩く様な仕草を見せる。「引っ込め、引っ込め」と念じている様子が見えて微笑ましい。
後ろを向いてしゃがみ込み、客席から衣装の早変えと思わせるようにして半獣化を解除する。立ち上がった時、木槿の体は直接、響と絆を向いている。
「と、とにかく! ボクはご主人様に復讐する為に戻ってきたんだ! ボクのこと、すっかり忘れてさ‥‥だから‥‥覚悟!」
「うわっ!?」
木槿を「白井さんぴこぴこしてて可愛い」と評したのは絆であるが、その絆の感想通りのぴこぴこしたふーこ=木槿の突撃は客席からも迫力と威力に欠けるのは見て取れた。
「えと‥‥これはどうしたらいいのかな?」
あまりにへっぴりな攻撃にかえって、どう対処したらよいのか、迷ってしまう北斗=響である。
「君、ちょっといい加減にしなよ。北斗が困ってる」
見かねたいろは=絆が横合いから制止しようと試みるが、ふーこ=木槿はぴこぴこしたまま、不意に北斗=響に抱きついた。
「‥‥やっぱり‥‥やっぱり‥‥大好きだよ‥‥ご主人様‥‥嫌いになんてなれないんだ」
木槿の声は無邪気な響きを帯びていた。
「それで、なにゆえ、おぬしらは妾のマンションにおるのだ?」
場面が転換すると、そこはマンションの一室となる。適度な家具類がさっと運び込まれた。
そこにずらりと勢揃いする、浅葱空役の羅刹王修羅(fa0625)、香坂優奈役の一角 砂凪(fa0213)、美斗役の猫美(fa0587)、そして木槿と絆。女性陣が舞台上に溢れて、何とも華やかである。
「だって、お姉ちゃん! この子、北斗にくっついて離れようとしないし、帰れって言っても帰る場所もないっていうし‥‥」
浅葱姉妹の妹役である絆は修羅に向かって状況を説明する。
「だって、ボクが帰るところはご主人様のところだもん! ボクはご主人様の側に居たいの! ‥‥また頭を撫でて、ぎゅっと抱き締めて欲しいんだもん‥‥それがどうして駄目なの? わかんないよ‥‥」
一方のふーこ=木槿は拗ねたような口調で応じる。
「‥‥とまあ、こんな非常識なこと言う子、男の子と一緒にしておけないでしょ? 何か間違いでもあったりしたら‥‥」
何の躊躇いもなく無邪気に答えるふーこ=木槿に対する、いろは=絆の苛立ちが台詞ににじみ出ている。
「まあ、そうじゃろうな。北斗殿と間違いを起こしたいのは、いろは、おぬしじゃものな?」
ニヤニヤと笑う空=修羅。
「えぅ!? はっ、お姉ちゃん!?」
赤面してあたふたするいろは=絆。
「して、そちらの二人は何用かの? 優奈殿、美斗殿?」
空=修羅は興味の対象を残る二人に移す。
「はい、その子をとりあえず預かるのに空さんのマンションを選んだんですけど、やっぱり‥‥もしも、万が一に備えて人は多いほうが‥‥と」
「兄貴の不行状を妹としての責任において見に来ました♪」
優奈=砂凪は友人とその姉を心配して、美斗=猫美は好奇心から、という様子で答えた。
「なるほどのう。まあ、そういうことならよかろう。女の子だけのお泊り会のつもりで盛り上がるとするかの」
修羅の口調は独特であるが、これでも空という役は修羅自身と同じく若い女性である。
「いつ聞いても空さんの喋り方って‥‥」
「あっ、優奈さんも? あたしも空姉の喋り方ってジジく‥‥」
ひそひそ話をする優奈=砂凪と美斗=猫美。
「物腰に威厳があると言って貰おうか?」
それが聞こえたものであろうか、空=修羅はやんわりと、しかし裏に迫力を宿した言葉を紡ぐ。
「「はっ、はい!」」
二人は硬直したように背筋を伸ばして答えた。
「では、そろそろ本日のメインディッシュといこうかの?」
「はいっ! ずばり兄貴との関係は?!」
元気よく挙手と同時に発言する美斗=猫美。
「‥‥ご主人様はご主人様だよ?」
きょとんとして答えるふーこ=木槿に邪気はない。
「‥‥でも、ご主人様はボクのこと、思い出してくれなかった‥‥」
一転してしょぼんとする木槿。
「やっぱり人違いなんじゃないかしら? 柚原くんだって知らないっていってるんでしょう?」
優奈=砂凪が常識的な発言をする。
「ちがうもん! ボクがご主人様を間違えたりするはずないもん!」
ムキになって反論するふーこ=木槿。喜怒哀楽が非常にストレートで、くるくると回る表情が見ていて楽しい。
「間違えてないもん!」
そのまま、舞台からはけるふーこ=木槿。
「あっ、ふーこさん、待って」
美斗=猫美がそれを追いかけてはける。
「‥‥悪人には見えないよね」
いろは=絆が考えあぐねたように言う。悪人には見えないが、正体も知れない。
「ねえ、動物が人間になることってあると思う?」
「なんじゃ、それは?」
優奈=砂凪が呟くように言った言葉に、空=修羅が問い返す。
「えと‥‥そのなんとなくなんですけど。ご主人様とか、また頭を撫でて、ぎゅっと抱き締めて欲しい、とかそういうあの子の言動って、ペットと飼い主に当てはめてみたら、しっくりくるかもしれない、なんて思って‥‥」
一つ屈託があるような表情で優奈=砂凪が答える。
「ふむ。まあ、ふーこ殿にどんな思惑や過去があるにせよ、妾にとって重要なことはあの娘が我が妹の恋敵であるということじゃな」
「こ、こっ‥‥こここっ!?」
「妾は鶏の妹を持った覚えはないぞ?」
動揺するいろは=絆を空=修羅がからかう。
「どうする? 恋は先着順ではない。悩んでる間に奪われる‥‥ということも考えに入れておいた方が良いぞ」
「わた、私は‥‥ただ幼馴染で、あいつの面倒見てるだけで、ふーこがああなのが北斗のせいだって言うなら、‥‥責任だって取らせなきゃ‥‥」
素直ではない女の子。マンガやアニメでならともかく、生身で演じるのは難しい。台詞とは裏腹の気持ちを観客にわかるように、しかし不自然にならないように演じなくてはならない。
「あんな様子の相手じゃからのう、何がしかの訳ありには違いなかろうが‥‥。人は人魚姫に同情する。じゃが、人間のお姫様の恋心とて偽りであろうはずがない。遠慮することはない」
優奈の話があったので思いついたのだろうか? 人魚姫の物語に話を絡める空=修羅。
「お姉ちゃん‥‥」
場面が転換すると、北斗=響が舞台上に姿を見せる。
「今日はあの、ふーことかいう女の子が押しかけてきて随分と大変だった。いろはのやつも訳わかんねえでピリピリしてたし、美斗などは兄貴のピンチを傍観者として楽しむ気持ち満々といった様子だ」
北斗=響は舞台の端にある舞台装置に腰掛ける。
「今日は随分とつかれたようだ。自分の部屋でくつろいでいると、あっという間に意識が遠のいていった。俺は懐かしい夢を見た‥‥」
薄暗い舞台上でかわいらしい声が響いた。
「ふーこ! ふーこぉ!」
そう呼びかける声は北斗(少年時代)役の小鳥遊 つばさ(fa0394)である。
「あっ、ふーこ、ぼくだよー、北斗だよぉ」
舞台中央に用意されていたタヌキのぬいぐるみに向かって、つばさは必死に演じようと四苦八苦している。うまいとはけして言えないが、懸命な様子は感じ取ることが出来る。
「ふーこ、ほら」
タヌキのぬいぐるみと戯れ始めるつばさ。
「ボクがボクのことを、ボクっていうのは、あの頃のご主人様とお揃いだから。あの楽しかった日々。そこに戻りたいだけなんだ、ボクは。その方が、絶対ボクもご主人様も幸せになれるもん!」
舞台袖からふーこ=木槿がそっと現れる。
「‥‥ふーこ、ふーこはね、野生に帰るのが一番の幸せなんだって。ぼく、ずっとずっとふーこと一緒にいたいけど‥‥でもね、だからぼくは頑張ってふーことお別れしなきゃダメだよね? だって、ずっと一緒にいたい以上に、ふーこにはしあわせになってほしいから」
演技はまだまだ未熟である。だが、懸命にけなげに感情を自分の中にリフレインさせようとする少年北斗=つばさの演技は好感の持てるものであった。
「ボクは‥‥ご主人様と一緒にいるのが幸せなんだよ! だから、そんなのやだ!」
ふーこ=木槿は必死に呼びかける。
「‥‥それほどまでに、彼の少年とともにあることを望むのか?」
スモークマシンの煙とともに、古代ギリシャ風の衣を纏った猫頭の人間が現れる。スモークマシンの煙は臭いが強烈であるが、そこはぐっと我慢している猫美である。
「我は動物の神。我が力により、そなたに人間となる力を与えよう。人に囚われし心、人の体をもて、決着をつけてくるがよい」」
「‥‥神様っ!?」
ふーこ=木槿が反応した時には既に神様=猫美は舞台からはけていた。
「でも、これでご主人様に会いにいける!」
ふーこ=木槿の表情がぱぁっと明るくなる。
「やめておけ」
静止した声の主は鷹見 仁(fa0911)であった。
「馬鹿なまねはやめて山へ帰れ、今なら誰も傷つけずにすむ」
「誰?」
突如、現れた謎の男=仁に対してふーこ=木槿は問い返す。
「‥‥そうだな、『人』生の先輩ってところだ。人の姿をしているだけじゃ、人にはなれないんだ」
反対側の袖から、優奈=砂凪が登場する。
「会いたかった! 俺だよ、ハヤテだよ!」
ハヤテ=仁と優奈=砂凪の再会シーンが再現される。
「誰です? あなた」
突然、男性に話しかけられて、警戒する優奈=砂凪。
「ハヤテだよ。優奈がつけてくれた名前じゃないか! 俺が巣立ちしたばかりで翼を傷めた時‥‥」
ハヤテ=仁もこの時、ふーこ=木槿と同様に、ただただ再会の嬉しさにはしゃいでいた。優奈=砂凪の温もりを感じようと無意識に手を伸ばした。
「触らないで! 人を呼びますよ!」
断固たる拒否。人間側の事情としてみれば当然の結末。
「俺は‥‥神様に人間の姿をもらって、やっとここまで来たのに、どうしてだよ!」
「だって、動物が人間にだなんて‥‥そんな話、信じられるわけないじゃない!」
ハヤテ=仁の慟哭が響いた。
「‥‥俺みたいに‥‥なってほしくない‥‥」
最後の言葉は回想ではなく、ふーこ=木槿への言葉。
「‥‥そんなの‥‥わかんないよ。ボクはただご主人様の傍にいたいだけだもん!」
ふーこ=木槿の一途な想いがそこにあった。
「‥‥懐かしい夢を見た。ふーこ、俺はその名前に聞き覚えがあったのだ。あの夢はどこからどこまでが現実なのだろうか? ただ、覚えていることは、俺は幼い頃に怪我をしていた狸の子どもを保護して育てていたということだ。名前はもちろん、ふーこ、とつけて」
舞台装置の上に腰掛けていた北斗=響が立ち上がり、舞台上に入り混じっていた時間と空間を元通りにした。
「だけど、俺の前に現れた女の子の『ふーこ』と、タヌキのふーこが同一人物であるのか。おれ自身、どうしようもないジレンマに陥って‥‥どうしようもないまま、ズルズルとふーこと過ごす時間を積み重ねていった」
物語はこの後、北斗=響、ふーこ=木槿、いろは=絆の三角関係から大団円へと向かっていくが、残念ながら絞込み切れていないと言う評価に終わってしまう。
テーマとして日常性を重視したかったものの、それを描く為の細やかなエピソードに欠け、しかし仮にエピソードが作られても脚本に差し込めば、大幅な公演時間のオーバーともなる。また、物語としても冗長であろう。
「この失敗は活かしてみせる」
監督志望である仁はそう言って、次なる挑戦への糧にすることを誓った。