ゆかな プロモＣアジア・オセアニア
| 種類 | ショート |
|---|---|
| 担当 | 呼夢 |
| 芸能 | 3Lv以上 |
| 獣人 | 1Lv以上 |
| 難度 | 普通 |
| 報酬 | 9.4万円 |
| 参加人数 | 8人 |
| サポート | 0人 |
| 期間 | 06/25〜06/29 |
●本文
この夏リリースされる西条ゆかなのニューシングルの収録曲が一般公募され、選考会が取り行われた翌日‥‥。「なんとか決まったみたいですね」
会議室の中、手元に配られた資料を眺めながら本間加代は溜息をついた。
予想以上の秀作が集まり、選びあぐねた選考委員の一部からは「こんなことなら始めからアルバムの全曲募集にしたほうが良かったんじゃないの？」っというボヤキも出たとか出ないとか――それはともかくとして。
「まあ、なにはともあれ、すぐにプロモーションビデオの作成にかかることになるわけだが、引き続き撮影スタッフや演奏その他の出演者関係を募集するほうの手配にかかってもらおうか」
例によって打診ではなく決定事項ではある。
「解りました、それではさっそく‥‥」
最終選考に残った２曲が交互にＢＧＭとして流れる会議室の中、手元に広げられた２通の資料を改めて見比べる――２曲分のプロモが作成され、その出来次第でいずれかが今回発売されるＣＤのタイトル曲になるのだ。
更にいくつかの点が話し合われ、募集がかけられた。
●募集されるキャストの内容
・コーラスや演奏などのバックミュージシャン
・バックダンサー
などのプロモーションの映像に登場するキャストの募集です。
もちろん演奏しながらダンスで絡むというのもあり。
出演者は人間形態もしくは半獣化で統一することになります。
楽器構成などについては、コンペ時の演奏は注にあるように比較的シンプルになっていますので、曲調を損なわない程度にパートの追加等アレンジしていただいてかまいません。
演奏、ダンス共に参加者内で不足するパートは要望があればエキストラのＮＰＣを当てます。
なお、選考会については１５日番組表の『ゆかな New Release』を参照願います。
●プロモーションビデオ製作対象曲
『真夏のライオン』
「 ふわり舞う麦わらの帽子 届いたら思い出して
歌は風になって流れてゆく 夏にまた会える祈りのように
白い砂浜を抱く 蒼いグラデーション
クツを脱ぎ捨て 裸足で駆け出す ｓｅａ ｓｉｄｅ ｂｌｕｅ
転びそうなときは 誰よりも強く抱きしめて
グラスの雫より眩しい真夏の太陽 繋いだ手よりも熱く
ゆらめく陽炎のようなメロディ 言葉にはできないけれど
知らずに口ずさんでいた
あなたにまた会える呪文のように
小さな星が流れる ささやく海
スコールの香り まだ潤している ｓａｎｄｙ ｂｅａｃｈ
軌跡を見上げた時 人は何を願うのだろう
夜明けの空を見上げる真夏のライオン 私は手を広げるの
太陽が大好きな向日葵 花はあなたのために歌う
一人じゃ叶わない想いが 眩しいあなたに届くように
また会える呪文のように
ｌａｌａｌａ‥‥ 」
注：コンペではキーボードとアコースティクギターによる生演奏で歌われた曲。
『prayer』
「 差しこむ日差 みたいに
受け止められる存在を 初めて知った
囲む全ての ひとつひとつが
私の中に染み込んでゆく
そよぐ風の音 こんなにも心地よいものだったなんて
未知の世界への 扉を開くのは
ささやく羽音
summer holiday， my memory
ゆらめく水面 みたいに
変わらない時間が いつまでも続けば良いのに
降り立った湖に ひかり舞降り
私を根本から清めてくれそうで
撥ね舞う飛沫 天の恵みが舞い降りてきて
次の場所へと 導く道となる
かかる虹いろ
summer holiday， my desire
away．．．away ground， I miss， I love．．．
包むくろやみ みたいに
落ち着ける場所が いつもそばにあるなら
星を目指して のぼっていけるよ
前に進める力になるから
瞬くほたるび 今を生きる光が集い
目指す高みを 優しく照らして
見下ろす月光
summer holiday my prayer
I miss．．．I love．．． 」
注：コンペでは、ピアノソロの伴奏を録音したものをバックに歌われた曲。
●リプレイ本文
打合せに集まった面々が、自己紹介を兼ねて抱負などを述べる。「どちらの歌も情景の浮かぶ素敵な曲だわ。作った人達の気持ちも大事に、皆で良いものにしましょうね！」
「ゆかなさん、僕達も精一杯頑張るからよろしくね」
バックバンドとして応募した蓮 圭都（fa3861）や小桧山・秋怜（fa0371）が意気込みを語れば。
「まだまだアイドル修行中で、踊りは未熟だけど‥‥頑張りたいと思います！ ゆかなさんや皆さんの素敵な演奏が楽しみなうかなです‥‥☆」
「ゆかなさん、スタッフの皆さん、映像のお仕事は初めてなので色々勝手が分かっていませんが、ご迷惑をお掛けしないよう一生懸命がんばりますので、よろしくお願いしますね」
「こんな有名な人のシングルＰＶ製作に関れるなんて幸せだよ。全力でがんばるんだよ♪」
バックダンサーとして応募した角倉・雨神名（fa2640）とコーラスのリュティス（fa1518）も控えめに決意を述べ、やはりダンサーの甲斐・大地（fa3635）も張り切っている。
一通り顔合わせを終えると、プロモに出演するメンバーは音響関係のスタッフと共に録音スタジオに籠った。
打合せの結果、『prayer』側のバックは『DreamGarden』の三人がユニット単体で担当してみたいということで、ピアノをシュレが、コーラスとダンスをそれぞれメンバーのリュティスとアルエ（fa0646）が担当することになる。
一方『真夏のライオン』は、キーボードを駒沢ロビン（fa2172）が、ギターは圭都、コーラスは姫乃 舞（fa0634）にロビンと圭都も加わり、ダンスをだいちとうかなが勤める。
さらに圭都からの、「ベースが入ることでリズムがしっかりしますから、きっと良い音になると思います」と言う提案によりウッドベースのメンバーが入って総勢６名。
「曲ごとに分かれる形になるけど、大丈夫かしら？」
という圭都の懸念もあり、ロビンやだいち、マイなども手が必要ならば協力すると申し出たが、結局諸々の事情もあってそのままの組合せで行くことになる。
組合せが決まると、各パートに分かれた編曲やアレンジが始まった。
最終的に作成される映像は、演奏シーンだけでなくＣＧ加工された情景やロケで別撮りするイメージシーンも組込んで再構築されるため、録音自体は専用のスタジオを使って何度か通しで行い編集される。
『prayer』側はショルダーキーボードとノートパソコンを持込んだシュレが、ゆかなや音響スタッフと相談して、原曲にいくつかのアレンジを加えていく。
唯一の男声コーラスにやや不安を見せていたロビンも、コーラスであれば単純な声の足し算よりも大きな効果をあげることが出来ると言うことで参加決定。
一方リュティスは歌の調子などをゆかなに合せる事を意識して、曲合せの間もゆかなの歌いぶりや表情に気を配っている。
ダンス練習のタイミングを取るために必要な音源が完成し、スタッフから渡された絵コンテから、立ち位置やダンスに使えるエリアを割出すと、ダンサー達は振付けと練習の為にダンススタジオへと移動した。
アルエの場合は後方に位置したグランドピアノとコーラスのリュティスの手前でゆかなの周囲を回るように一人で踊るので、それぞれの立ち位置とカメラの方向からポジションや動線を割出し、効果的な振付けを作り上げていく。
だいちとうかなは基本的にゆかなの両サイドからスタートするが、こちらはロケ地を移動しながら部分ごとに撮影するので、ある程度現地の足場とも相談が必要。
ロビンの提案でそれぞれのメンバーとのツーショットも盛込まれることになった為、ゆかな自信も歌いながら動き回ることになるので、その辺りの絡みは録音が終ってからの練習ということに。
夕方までには収録される曲の部分も録り終え、全員が撮影の段取りにかかる。
時折スタジオのセット製作の様子なども覗きながら、休憩時間などには若い女の子が集まっているだけにおしゃべりも華やかである。
「今までライブのお仕事ばかりだったので、映像に映るっていうのは緊張しますね‥‥できる限り息の合ったプロモに仕上げたいですし、癒しの歌なのでお互い肩の力を抜かないと、ね」
「僕達のユニットはまだ動き始めたばかりだけど、いつかゆかなのバックでなくてそれぞれが自分の名前で一緒にライブをやってみたいな」
「ボクはねぇ演技力も付けて見てる人を引き込めるような踊りを踊れる様になったり、グラビアアイドルとしても喜んで貰える様なアイドルになりたいんだ」
リュティスがほわほわとした中にも緊張を隠せない様子でゆかなに声をかければ、シュレとだいちも将来の夢を語る。
一緒に作品を作っていく仲間として親交を深めるのも重要だ――そして翌日、完成されたセットでの一曲目――
●『prayer』
画面に『prayer』と表題の記された１冊の絵本が映る。
静かに表紙が開くと、
『 作詞：所所楽杏
作曲：林檎
唄 ：西条ゆかな
演奏：DreamGarden
ピアノ ：小桧山秋怜
コーラス：リュティス
ダンサー：アルエ 』
の文字が並ぶ。
更にページがめくられ、純白のマーメイドドレスを纏い大きな両開きの扉の前に立つ少女――ピアノのイントロが流れ始めると共にパステル調の絵が徐々に実写に変化していく。
実写化し、微かに微笑んだゆかなが振り向き、扉を押し開く。
外に広がるのは夏の日差しを浴びて煌く湖と畔に立つ神殿。
ゆかなを飛び越し、映像は湖面を滑るように神殿へと向う――そして。
画面は突如灰色の石柱に囲まれたステージに切り替わる。
右奥には、ゆかなとお揃いのデザインでコバルトブルーのマーメイドドレスを身に纏ったシュレが、真白なグランドピアノを奏でている。
左側にはやはりコバルトブルーのワンピースを纏ったバックコーラスのリュティスが立ち、中央にはひざまづいたアルエが両手をコバルトブルーのワンピースの前で組み静かに瞳を閉じて祈りを捧げている。
神殿のステージに続く大理石の階段をゆかながゆっくりと上っていき、ステージに立つと正面を振り返ると、影に沈んでいた神殿へ雲の切れ間から幾筋もの光の柱が差し込み、ステージ上の一同を照らし出す。
「 差しこむ日差 みたいに 」
歌が流れ出すと同時に、アルエがゆっくりと立ち上がり、緩やかな動きで踊り始め――
「 受け止められる存在を 初めて知った
囲む全ての ひとつひとつが
私の中に染み込んでゆく 」
ゆかなの歌声にリュティスの高音部が加わりハーモニーを奏で――
「「そよぐ風の音 こんなにも心地よいものだったなんて
未知の世界への 扉を開くのは
ささやく羽音 」」
「 summer holiday， my memory 」
最後の小節をリュティスの声だけが囁くように歌う中、残像を残しながら神殿の全景に切替った画面では、鳩が飛び立ち、上空に残っていた雲が風に吹き払われた。
シュレのアレンジによって長めに取られた間奏部分、ステージ中央に立つゆかなの周りで、アルエがゆったりとした動きの中に情感を込めたダンスを披露する。
普段からあまり動かさないらしいアルエの表情が踊りに神秘的な色合いを添える。
間奏が終るとカメラはアルエから再びステージ中央に戻り――
「 ゆらめく水面 みたいに
変わらない時間が いつまでも続けば良いのに
降り立った湖に ひかり舞降り
私を根本から清めてくれそうで 」
神殿のステージに湖面の画像が重なり、風に吹き上げられた波の飛沫が小さな虹を形作る。
「「撥ね舞う飛沫 天の恵みが舞い降りてきて
次の場所へと 導く道となる
かかる虹いろ」」
「 summer holiday， my desire 」
「「away．．．away ground， I miss， I love．．． 」」
ふたりのハーモニーからリュティスのソロを経て再びテーマとなるフレーズを共に歌い上げる。
突然、暗転した画面は満月の浮かぶ満天の星空へと変り、再び映し出されたステージでは月光を思わせる青みを帯びた光が差し込む中、しなやかに舞うアルエの姿――
「 包むくろやみ みたいに
落ち着ける場所が いつもそばにあるなら
星を目指して のぼっていけるよ
前に進める力になるから
「「瞬くほたるび 今を生きる光が集い
目指す高みを 優しく照らして
見下ろす月光
summer holiday， my prayer I missI love．．．」」
ほのかな余韻を残しながらリュティスとゆかなの声が消えていくと共に、アルエも舞を終えて再び祈りのポーズをとる。
シュレのピアノだけが静かに流れる中、ステージの四人は次第に絵本の中のパステル画の存在へと変化していき、最後の音が余韻を残して消えると共にゆっくりと背表紙が閉じられた。
●沖縄ロケ
スタジオ撮影を終えたゆかなと共にその日の遅い便に乗った一行は、先行したプロデューサーらに迎えられて現地入りする。
「さすが暑いですね‥‥日焼けしそう」
翌朝、沖縄の青い海を目の前にしてロビンらも多少浮かれ気味ながら女性の多いメンバーが強い日差しにやられないようにそれとなく気を配る。
尤もロビン自身直射日光は苦手らしく、撮影用の衣装のネクタイも緩めたくてしょうがないらしい。
予定のコースに従って、浜辺やひまわり畑を回りながら演奏やダンスのシーンを次々と撮影していく。
移動やセッティングの間もすっかりゆかなと仲良くなっただいちたちメンバーは中々賑やかなようだ。
浜辺ではロビンから「沖縄にヤシの実は落ちてないですか？」などとのんびりした発言も飛び出す。
メインのシーンの収録後、プロデューサーのセッティングで観光に見せかけた隠密撮影部分なども織り交ぜた二曲目――
●『真夏のライオン』
大輪のひまわりと太陽の光をバックにクレジットが映し出される。
『 作詞・作曲：富士川千春
唄 ：西条ゆかな
ピアノ ：駒沢ロビン
ギター ：蓮圭都
・
コーラス ：姫乃舞・蓮圭都・駒沢ロビン
ダンサー ：角倉雨神名・甲斐大地 』
画面が変り、降り注ぐ太陽の下、サンゴの砂浜に波の音だけが響く――更にロビンの奏でるキーボードの音と同時に海を背景に砂浜に並んだメンバーが映し出される。
ゆかなを中心にマイ、圭都、ロビンのコーラスが沸き上がった。
麦藁帽子を被ったゆかなを中心に、女性陣はデザインにそれぞれ意匠を凝らした白のワンピースで統一、ゆかなの胸にはひまわりをモチーフにした飾りがあしらわれている。
いずれもサマーバケーションをイメージしたちょっとラフで可愛いデザイン。
一方唯一の男性メンバーであるロビンは白い麻のシャツに黒のズボン、空色のタイに銀のタイピンでアクセントをつけている。
「「ふわり舞う麦わらの帽子 届いたら思い出して
歌は風になって流れてゆく 夏にまた会える祈りのように」」
演奏に爽やかに曲の雰囲気を演出する圭都のギターと、曲調を支える為のベースも加わり、だいちとうかなのダンスも始まる。
だいちは白のワンピースを色気ではなく可愛さや清純さで勝負するということで、今回は爆乳を目立たせないよう胸元のデザインと着こなしを工夫。
一方のうかなは、トレードマークのリボンに合わせた青系をアクセントにしたひらひらのワンピースを着て、海で無邪気に遊ぶ妖精をイメージ。
「 白い砂浜を抱く 蒼いグラデーション
クツを脱ぎ捨て 裸足で駆け出す ｓｅａ ｓｉｄｅ ｂｌｕｅ
転びそうなときは 誰よりも強く抱きしめて
グラスの雫より眩しい真夏の太陽 繋いだ手よりも熱く 」
歌っているメンバーと、浜辺に向ったダンサー達が重なり、歌詞にあわせて裸足でくるくると砂浜を走るうかな、転びそうな場面の演技ではだいちに支えられ、手を繋ぎあうなどパントマイム的なストーリーを織り込んで踊りを披露していく。
優しい音を響かせるロビンのキーボードに、緩急を織り交ぜた表情豊かな圭都のギターが夏のバケーションを演出する。
「「ゆらめく陽炎のようなメロディ 言葉にはできないけれど
知らずに口ずさんでいた 」」
「あなたにまた会える呪文のように」
再びマイ、ロビン、圭都のコーラスが重なり――続くゆかなのワンコーラス。
間奏に入ると、ゆかなが演奏やダンスを続けるメンバー一人一人を回って笑顔を交わす。
更に浅瀬でふざけて水をかけあうシーンや、浜辺のビーチパラソルの下に置かれたテーブルで寛ぐゆかなとメンバーの映像がワンショット的に挿入される。
そして画面は一転、夜の浜辺へ――
「小さな星が流れる ささやく海
スコールの香り まだ潤している ｓａｎｄｙ ｂｅａｃｈ
軌跡を見上げた時 人は何を願うのだろう
夜明けの空を見上げる真夏のライオン 私は手を広げるの 」
星空をバックに演奏するメンバーに、夜の海辺で水しぶきをたてながら踊るうかなとだいちの映像がが重なる――定点撮影を合成して演出した星の軌跡に願いを込めるポーズの背景で夜が明けると、再び場面は一転、陽光の元、一面のひまわり畑を前に勢ぞろいしたメンバーのコーラスが響く。
「「太陽が大好きな向日葵 花はあなたのために歌う
一人じゃ叶わない想いが 眩しいあなたに届くように」」
再び夏のバカンスを楽しむ一行のシーンが差し込まれ――
「 また会える呪文のように
ｌａｌａｌａ‥‥ 」
ゆったりと流れるハミングとフェードアウトする音楽に合わせ、やがて画面は元のだれもいない砂浜に、ビーチパラソルの下のテーブルには、一輪のテディベアを飾られた麦藁帽子だけが残り、波の音だけが余韻を残して消えていった。
