特撮戦隊チュウシン蔵アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 香月ショウコ
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 易しい
報酬 8.5万円
参加人数 10人
サポート 0人
期間 01/19〜01/23

●本文

 時は元禄14年2月4日、江戸下向が予定されていた東山天皇の勅使・霊元上皇の院使を接待するため、幕府は勅使饗応役として播磨赤穂藩主浅野内匠頭、院使饗応役として伊予吉田藩主伊達左京亮をそれぞれ任じた。両名の指南役は高家の筆頭格である高家肝煎吉良上野介義央であった。
 勅使・院使は3月11日に江戸に到着、幕府の伝奏屋敷に入る。浅野はこの前日に伝奏屋敷入りしており、以降数日間、吉良の指南を受けながら勅使の饗応にあたるはずであった。
 14日。この日は勅使・院使が江戸城に登城、将軍綱吉に先の勅宣と院宣に対して返事を奏上するという奉答の儀式が執り行われる予定になっていた。しかし同日巳の刻、江戸城本丸御殿松之大廊下において、吉良と旗本梶川与惣兵衛頼照が儀式の打合せをしていたところへ浅野が現れ、事件は起こった。
「吉良上野介! この間の遺恨おぼえたるか!!」
 浅野は脇差を抜き放つと、松之廊下を駆け吉良へ襲い掛かった。
「喰らえ我が家に伝わる一子相伝の技! 『大回転旋風稲妻恵比寿斬り』ぃぃぃぃっ!」
 吉良の目の前まで肉薄した浅野はその場で大きく垂直に跳躍し、空中で高速の回転を始める。その回転の速さに周囲の風が巻き込まれ、つむじ風というにはあまりに凶悪な旋風が雷を纏う。旋風と稲妻を纏った浅野は、回転の勢いそのままに吉良を一刀両断せんと刀を振り下ろす。
「くっ、浅野血迷ったか!? ええい、『アルティメット鶴亀イージスバリア』ァァッ!」
 咄嗟に吉良の振るった右手。その軌道に沿って黄金に輝く光の幕が展開される。そこへ浅野の『大回転旋風稲妻恵比寿斬り』が激突、激しい火花を散らす。
 次の瞬間。何百枚もの硝子を一度に叩き割ったような盛大な破壊音と共に、吉良の『アルティメット鶴亀イージスバリア』が砕け散った。浅野の『大回転旋風稲妻恵比寿斬り』が吉良に迫るがしかし、互いの渾身の技がぶつかりあった反発により間合いが離れ、額に一筋の刀傷を作るに留まった。
「吉良、ここで必ず討ち果たす! 次は外さん、『ハイパードラゴニックプラズマブレード・斬』ッッ! 悪は斬るっ!!」
 浅野の脇差が光って唸る。吉良を倒せと轟き叫ぶ。側にいた旗本梶川与惣兵衛が浅野を止めようと前に立ちはだかるが、金色に逆立った浅野の髪の毛と周囲に溢れ出す黄金のオーラは止まらない。
「浅野内匠頭そこまでだっ! この拳で貴殿を止めるっ!! 『一撃必殺クラッシュアーム閃光スペシャルリミッターカット‥‥デンチュー・デ・ゴザール』ゥゥゥゥッ!!!」

 ・ ・ ・

 で、色々あって。

 ・ ・ ・

 翌年11月5日。浅野の忠臣大石内蔵助らは江戸に到着。大石は本所吉良屋敷を同志に探らせ、討ち入りの日取りなどを決めた。討ち入りが12月14日と決まり、同志は47名となっていた。
 吉良屋敷の前へと集まった四十七士。‥‥いや。四十七士のうち四十人は。
「『質量のある残像』でござる」
「さすが大石殿!」
 計四十一人の大石内蔵助。むさい。
「よし、それではこれより主君浅野内匠頭の仇討ちのため、吉良屋敷への討ち入りを行う。皆の者、準備はよいか!?」

●今回の参加者

 fa0225 烈飛龍(38歳・♂・虎)
 fa0280 森村・葵(17歳・♀・竜)
 fa0295 MAKOTO(17歳・♀・虎)
 fa2478 相沢 セナ(21歳・♂・鴉)
 fa2539 マリアーノ・ファリアス(11歳・♂・猿)
 fa2847 柊ラキア(25歳・♂・鴉)
 fa2993 冬織(22歳・♀・狼)
 fa4579 (22歳・♀・豹)
 fa4657 天道ミラー(24歳・♂・犬)
 fa5256 バッカス和木田(52歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

●色んな意味で勇者のキャストロール
大石内蔵助‥‥烈飛龍(fa0225)
大石青年期‥‥天道ミラー(fa4657)
大石前世、おトメ‥‥檀(fa4579)
大石主税‥‥マリアーノ・ファリアス(fa2539)
武林唯七‥‥柊ラキア(fa2847)
礒貝十郎左衛門‥‥冬織(fa2993)
吉良上野介‥‥バッカス和木田(fa5256)
清水一学‥‥森村・葵(fa0280)
女中/仮面ハンニャー‥‥MAKOTO(fa0295)
浅野内匠頭‥‥相沢 セナ(fa2478)

●浪士、襲来
 とりあえず、変な人がいた。皆の前にいるのは浅野内匠頭。デンチュー拳で昇天したんじゃないのか。
「そりゃ、墓にこんなものをセットされてはな。視線が気になって眠れぬ」
 浅野がその辺に放り捨てるのは堀部安兵衛人形。
「それはともかく。これより主君の仇討ち? のため討ち入りを行う。準備はよいか!?」
「何か知らないけれど、こんな寒い日に何が楽しくて外で屯ってるの?」
「討ち入りだーっ! 血が滾るぜ、シャーコラぁ!」
「美しい。君がここへ現れたのは僕と出会うため。愛は時を越えるのさ」
「これウゼェってレベルじゃねーぞ、景気よくバンバン増えやがってオヤジ!」
「いい加減に準備をしろっ! 『盗撮戦隊』に名前を変えるぞ貴様らぁっ!!」
 まとまらない浪士達に大石の怒り爆発金髪変化。
「な、なんと大石、お主既にこの技を会得しておったとは‥‥」
 浅野幽霊が取り出したのは奥義書。『奥義・黄金髪逆立』は使用すると髪が黄金に輝いて逆立ち、技の威力が極限まで高まる浅野家秘伝の奥義である。これを大石に授けるつもりでやってきた浅野だったのだが、この場合‥‥用無し?

 ・ ・ ・

「‥‥ハァ、磯貝様」
 磯貝の絵姿を持ち悦に浸っていた清水は、ふと遠く聞こえた盗撮とかいう声に身を起こす。盗撮とは聞き捨てならない、自分が女性である事がばれてしまう。と、明らかに誰が見ても男装してる女性と分かる清水は部屋の外へ。
 途中、同じく聞こえた騒ぎで起き出した女中と合流して屋敷の正門の方へ行ってみると。これは何ということか、同じ顔のオッサンが続々と行進しながら見張りと戦闘中。
「まったく、明日朝早いのに性質の悪い夢だ」
 踵を返す清水の背中に、共に来ていた女中の声がかかる。
「ああっ! 磯貝様っ!?」
「何、磯貝様‥‥じゃなくて、赤穂浪士だとっ!? 賊の侵入だ、返り討ちにせよっ!」
「「「イーッ!!」」」
 屋敷の色んな所からもりもり出てくるスローニン(戦闘員)。ツッコミどころは満載だが、都合により省略する。

 ・ ・ ・

「イーッ!」
「いーッ!」
「Eーッ!」
「良ーッ!」
 一瞬にして人口密度が3倍近くまで跳ね上がった吉良邸。
「弱い、弱いっ! もっと強い奴はいないのか!?」
 刀を抜いて人格変化、武林・ザ・リッパーがスローニン達と明らかに暑苦しい40人のオッサンを切り倒す。‥‥あの、それ一応味方なんですけど。
「いいんだよ、真冬に熱中症に陥りそうなくらい暑苦しくちゃ、おちおち戦ってもいられねぇ。‥‥でも一応、本物は残しとけよ!?」
 息子主税のお墨付き。
 ところで。ここで同じ顔のオッサンの数を数えてみる。2人ばかり足りない。
「誰が足りないって!?」
 いえね、大石の残像が足りないんですよ。
「ふっふっふ、天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ、吉良を倒せと俺を呼ぶ。討ち入りと聞いたら即参上、大石内蔵助カッコ青年期カッコ閉じ!!」
 あー、変なのも召喚されちゃったのね。別の方には何か主税を誘惑してるやつがいるし。
「誘惑? 何を言ってるのよ、私は次の世の自分の息子に愛の抱擁をしようとしているだけですわ。お〜っほっほっほ」
 と残像に紛れ込んだ大石前世、おトメ。あーそうすか。
「とりあえずそういうのは置いといて、さっさとキラ公とっ捕まえよーぜ」
 両手広げてニコニコ笑顔のおトメを意識的に視界から外し。
「『サーティーンストリングクラッシュ斬』! ‥‥美しくない者は散れ」
 磯貝の振るう13絃琴が大石の残像をバラバラに切り裂く。「美しくない者は」って、物凄く失礼なお言葉。すぐ近くに本人いるのに。
 次から次へ雑兵と残像を潰しているはずだが数が減らない。ザコが幾らでも出てくるのは斬られても起き上がるどこぞの黄門様方式だからなのだが、残像が減らないのは。
「秘儀、『兎角黄泉返』!」
 アンタのせいか浅野幽霊。


 そして、そんな光景を見下ろす視線。
「やはり、ザコ共では相手にならぬか‥‥儂が出る幕はそろそろか」
 塩を一つまみ口に放り込み。

●世界の中心蔵でアイを叫んだロウシ
「スローニン、まとめて30人で行くのだ! ‥‥これで、あのにーさんは撃破予定っと」
 手下への指示の片手間で取り出した手帳の文字に傍線を引いていく清水。その手帳は音に聞こえし『死手帳』。西洋ではデスのノートと呼ばれているとか何とか。
「そんなイモムシすら斬れぬ太刀では、30本降り注ごうと無駄だっ! アコゥ・ロウシスラッシャー!」
 大石(青年期)の刀からバチバチと電気が発生し敵を引き寄せる。そして間合いに入った者からぶった切る。
「貴様、何をするっ!」
 と、一緒に引っ張られてきた武林が、大石(青年期)の刀を受け止める。
「‥‥真に強い者は、刀を一度合わせただけで分かる‥‥貴様、強いな!?」
 唐突に表情の変わる武林。大石(青年期)は一瞬で状況を把握し戦闘開始。‥‥討ち入り終わってからにしません?
「お主やるな!」
「貴様もな!」
 聞いちゃいねぇ。
「よし、合体だ!」
 何故!? しかもどうやって。
 何やらもぞもぞと始める武林と大石(青年期)。作業完了までしばし待て。


 闇夜に光る般若の面。溜まった恨みのボルテージが女を変える。
「‥‥あれは」
 五重塔の屋根に登場した何者か。磯貝がその姿を見上げると、そこには白い脚絆と真紅の襟巻きが小粋な般若マスク。
「ひと〜つ! 人の純情を弄び!」
「ふた〜つ! 不埒な悪行三昧!」
「み〜っつ! 淫らな不貞の武士を!」
 お、このノリは、かの有名なっ!
「よ〜っつ! 黄泉路の果ての比良坂へと!」
 あれ?
「いつ〜つ! 一気に叩き落してくれようぞ!」
 何か多いよ。
「大自然が生んだセイギの使者! 仮面ハンニャー!」
 名乗りの最後、大自然ってどこから来たんだろう。
「磯貝、行くわよ!」
「その声は‥‥○○か(何/設定無し)! いいとも、僕の胸に飛び込んで来るんだ!」
「月面稲妻電光ハンニャーキーーック!」
 空中ムーンサルトから某バッタ仮面のように物理法則を無視した角度で蹴りを放つ仮面ハンニャーこと序盤で登場していた女中。この辺、地の文で補足しなければ仮面のせいでこいつ誰だか分からない。
「あの時の貴方の言葉、私は信じてずっと待っていたのに! 私は遊びだったの!?」
 仮面ハンニャー自体はともかく、会話の内容は子供にゃ興味無い昼メロチック。
「ふ‥‥怒った顔も可愛いね。僕は裏切ったわけじゃない。僕は今、君を迎えに来たのさ。さあ、僕と一緒に行こう」
「い、磯貝様‥‥」
「おっと、そこを行くのはおトメ嬢。どうかな、討ち入りが終わったら一杯」
「ひと〜つ! 人の(略」
 エンドレスループ。


 さてお待たせいたしました、あの二人組が仮装完了。どうぞ!
「必殺『二人羽織』!」
 でも高速移動。但しカニ歩き。
「そして奥義『前が見えぬぞ無節操乱れ切りアタアアック!』」
 だが武林、君には前は見えている。見えてないのは刀振り回す大石(青年期)。バッサバッサとスローニンが斬られていく中、背後に近づく怪しい影!

 ひざカックン。

「うぐおあぁっ!」
「ギャーーース!!」
 同時にバランスを崩され二人は分離、武林はうつ伏せに倒れ顔面強打で転げ回り、大石(青年期)は後ろに倒れたところを後頭部に強烈な膝蹴りを喰らいもんどりうつ。
「あら、あの変な動きは『あやかし』かと思いましたのに、人間でしたのね。ごめんなさい、お〜ほっほっほ!」
 しっかりニーキックの止めまでさしておいて、さらりと場を流すおトメ。
「ええい、私の存在を無視するな!」
「無視しておりませんわよ、えーと‥‥清水さん」
 帯の名前刺繍を見ながらいつの間にか脱がした清水の草履をペタリと清水の顔に押し付けるおトメ。
「ええいふざけたことを! くそ、これでも喰らえ!」
 いつの間にかスローニンも残像大石も消えてすっきりした画面の中央で、清水が抜刀する。ちなみにここ、最後の見せ場。
「「新合体攻撃、ショルダーカァァァァ!!」」
 肩車ね。
「ぎゃぁぁぁぁっ! ぼ、防刃ベストを着忘れた‥‥」
 よく分からない技に倒れる清水。防刃云々は最早つっこまない。
「さすが合体! 合体こそ最強!」
 合体というか組体操。


「オラぁ! キラ公出てこいやぁ!!」
 覚えていますか、一人真面目に戦ってる彼のこと。
 大石(青年期)は頼れる仲間だと思ったのは間違いだったのだろうか。大石(前世)が「おいでなさい」言った時に飛び込んでネタに走れば良かったのだろうか。
 いいやそんな事は無い。主税は頑張っている。ただ問題なのは。
 皆、当初の目的忘れてネタに走り過ぎ。そのせいで、ホラ。
「儂の出番、すぐだと思っておったんだがな‥‥」
 一人拗ねちゃった。

●決戦、第3新吉良邸 〜瞬間、技、重ねて〜
「ハッハッハ、儂のところまで簡単に来られると思うでないぞ! アレもコレもの豪華な罠が貴様らを阻むのだ!」
「とう。意外と簡単に登ってこれたな」
 高笑いの吉良の背後、窓からのそのそ入ってくる赤穂浪士達。特撮といえばワイヤー駆使してのハイジャンプですよ。‥‥罠とか台無し。
「ええい、ならば儂が直々に相手をしてやろうぞ。喰らえ塩吹雪、パーフェクト利権ソルテックフィールド!」
 ばーっと塩が舞う室内。後片付けのことは考えていない。
「くっ、これでは前が見えない‥‥ハンニャー、お願い出来るかい?」
「任せてください、磯貝様!」
 そうか、彼女は仮面つけてるから。
「目が、目がぁぁ!」
 ‥‥まあ、そりゃ仮面にも覗き穴くらいついてるわな。
「どうだ、それでは戦えまい。追撃じゃ!」
 吉良は懐から巻紙を取り出すと、筆を構える。何と、吉良がこの式次第の紙に書いた事象は現実になるのだ。踊らせるのも3回まわってワンも思いのまま!
「目が、目がぁぁ! 字が書けぬぅぅ!」
 おばか。
「今が好機、スカイアッパークラッシャー超スペシャルアコウジャンプ!」
 一瞬塩の嵐が止んだ隙を突いて大石(青年期)が高く飛び、全体重をかけた一撃を放つ! 「あれ、天井は?」とかいうツッコミは無しだ!
「ぐはあぁ‥‥ぁっはっは! 儂はまだ死なぬ、ボス標準装備の第二段階じゃ!」
 起き上がった吉良。いや、その姿は何と幕府側用人、柳沢吉保!
「最凶庭園、シックスリバティガーデン発動! ここでは儒学ハートが無ければ生き残れぬのだ!」
 庭の池からぶわりと広がる異空間。「あれ、ここ五重塔の天辺」とかいうツッコミは無しだ!
「儒学ハート、まずは『仁』! 貴様らは人を思いやる心があるか!?」
「まず、こんなフィールド張ったアンタに思いやりが無ぇだろ」
「‥‥ぐほぉ!」
 主税の指摘に断末魔の叫びを上げて倒れる柳沢。収束するフィールド。この辺扱いが薄いのは勘弁だ。そろそろ次の番組が待っている。
「ぉっほっほ、まだ終わらぬのでおじゃる! 第三段階徳川綱吉でおじゃる!」
 粘り過ぎ。そして絶対口調違う。他にも突っ込むとこはあるけど。
「さすがにそろそろ終わりにするのじゃ‥‥武家諸法度術式開放『SHOW竜! 憐れみの霊! お犬さまーソルト乱舞!』」
 意味不明な衝撃波と共に襲い掛かってくる綱吉。その蹴りが某中国拳法サッカーの如く赤穂浪士達を弾き飛ばす!
「アレを倒すには、皆の力を結集しなければならんな‥‥すまんが、皆の力を貸してくれ」
 満身創痍の体に鞭打って大石が仲間達に頭を下げ、綱吉に顎思いっきり蹴り上げられる。
「ったく、いくつになっても不器用なオヤジだ‥‥俺と一緒だな」
 立ち上がる主税。いや、オヤジさんはタイミング読めないだけ。
「よし、合わせていくぜ! 『超音速振動剣・スーパー・ソニック・スラッシュ』っ!!」
 立ち直りの速い大石の一撃に重ね、主税が放つ。そこに続いて武林が、磯貝が、大石(青年期)が、おトメが、ハンニャーが派手なエフェクトの必殺技をぶっ放す。
「『ハイパースラッシュ・仇討ちでござるスペシャアアアル!』
「『雪月花ロイヤル琴爪クロスソニック!』」
「『アコゥスパークリングハリケーン!』」
「『アブソリュート・ア・コロゥ〜シ・キック!』」
「『月面稲妻電光ハンニャーキーーーック!』」
 放った必殺技は、綱吉に向かう途中でひとつに融合。巨大な渦巻く力の光は、おトメとハンニャーが叩き込む蹴りによって超高速で綱吉に向かい‥‥
「おじゃるぅぅっ!!!」
 眩い光と激しい衝撃を伴って、綱吉にぶつかった必殺技が大爆発。同時に技の振動ゆえか遠くの富士山大噴火。

「‥‥吉良上野介、討ち取ったりー!!」
 大石の声に、それぞれに勝どきを上げる赤穂浪士達。そこへふわりと舞い降りる浅野幽霊。
「吉良、迎えに参ったぞ。さぁ共に冥途へ逝こうではないか」
 浅野幽霊が綱吉の顔の皮をつまんで引っ張ると吉良の顔が出てくる。ビバ特殊メイク。体からは浅野同様の半透明吉良が抜け出して、浅野に卍固めをされながらどこかへ飛んでいく。
「冥途は冥途でも喫茶店がいい‥‥」

 ・ ・ ・

 その後、四十七士はどうなったのか。柳沢も綱吉もいない。
 この曖昧に終わった結末を含めて後に物語として編集したものが、かの有名な『忠臣蔵』という作品なのである。





 なんちって。