『封印』を探る者中東・アフリカ

種類 ショート
担当 香月ショウコ
芸能 1Lv以上
獣人 4Lv以上
難度 難しい
報酬 12.7万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 05/30〜06/01

●本文

●『封印』を狙った者
 見上げる夜空には無数の星がこれでもかというほど輝いている。その星を眺めていると、ふいに耳に入る足音。いや。この足音が聞こえるだろうことについては彼は予測済みだった。
「手当てでもしてくれるのかい? 優しく頼むよ」
「『封印』を寄越せ」
 御影 永智は口元で小さく笑って、全くいつもの調子と変わらないシャルロに。
「ダメ」
「命と天秤にかけろ。どちらが大事だ?」
「力尽くで奪うのかい? 君が? NWと、あの虎男を足してやっと僕と戦える程度の、君が」
「怪我人が粋がるな。今の貴様相手なら片足で充分だ」
「‥‥その通りだ。頭を潰して終わりか」
 今度は、永智は声を出して笑う。
「『封印』を寄越せ」
「これはどういう意味のあるものなんだい?」
「知る必要は無い。答えは出たか? 『封印』と貴様の命」
「命は、惜しくないねぇ。ただ。これから起こるだろう楽しそうな出来事を見られないのはつまらないな。‥‥うん分かった、渡そう。でも、観客ではいさせてくれよ? 座席は最前列指定だ」
 永智が懐から取り出したものを、乱暴に奪い取るシャルロ。それをじっくりと見て、一言。
「『鍵』か」
 直後、永智の頭部を狙い高速で繰り出される蹴り。サッカーボールでもゴールへシュートするように振るわれた足は。
「‥‥‥‥」
 またいつぞのように闇に沈んだ永智に当たることはなく。そのまま行き場を失った勢いのまま、振りぬかれる。
「シャルロ様」
 ジェリコの声に、振り向くシャルロ。彼らが到着したのは車の音で分かっていた。ジェリコと、他9名の部下達。カイロ美術館から『封印』を護送した面々。当時のメンバーのうち8名はこの場にはいないが。
 2日前に出発したあの仕事は、全てシャルロ達が仕組んだものだった。仕事のメンバー18名には過去にWEAの仕事を実際に請けた者もおり、カイロ美術館からの運び出しを容易にする駒となった。収蔵の『封印』は無事手に入った。また大々的な行軍で永智をおびき出し、シャルロに対抗するために彼が探していた彼の『封印』も奪うことが出来た。最上級の成果だ。
 彼女らの唯一のミスは、仕事の依頼時に資料を提示するのに使ったプロジェクタ。担当者が新しい機器に慣れようという努力をしないせいか、エジプトのWEA職員はOHPを用いることが多いようだった。WEAを完全に装うため色々と工作したが、OHPだけがどうしてもその時までに間に合わなかった。まあ、その程度のことで感付くものなど100%いないだろうから問題は無い。
「これで、我々が所持する『封印』は4つです」
「WEAが持っている3つと、エイの持っている2つは後回しだな。まだ誰も手をつけていない、他の5つを入手する」
「了解しました。‥‥シャルロ様。ダークサイドは」
「ジェリコ、その話は尚早だな。私の目的が達せられたなら、その時にすぐ教えてやる」
「‥‥了解」

●『封印』を探る者
「ということで、この未発掘の‥‥厳密には、一度盗掘者が入った痕跡がありますが‥‥この遺跡に潜り、調査を行ってほしいのです。内部の様子については一切分かりませんが、『封印』の手がかりがあるかもしれません。一刻も早く『封印』を揃えなければならない今、どんな小さな情報でも欲しいのです。現地にはWEAの調査チームもおりますので、必要な物などは彼らから用立ててもらってください」
 少々前時代的なOHPによってスクリーンに映し出された遺跡の入り口、その遺跡について書かれたとされる石板、内部の様子など数枚の写真。石板に書かれていた『呪い』の言葉から、WEAは便宜的にこの遺跡を『呪いの遺跡』と名付けた。余談だが、セト神を善の神とする新興宗教について研究する、セト神の子孫とされる人物はこの遺跡を『封印の遺跡』と呼び、シャルロ達は『神話の遺跡』と呼んでいる。
 調査に必要な食料、機材、車両などなどは全てWEAが用意する。それらを使い、WEA調査チームと共に遺跡の調査を行う。それが今回の依頼。猫の手も借りたい状況と分かる。
 必ず成果を上げることが目的ではない。何か見つかれば僥倖。そんな地味な仕事。

●今回の参加者

 fa0190 ベルシード(15歳・♀・狐)
 fa0640 湯ノ花 ゆくる(14歳・♀・蝙蝠)
 fa0780 敷島オルトロス(37歳・♂・獅子)
 fa2478 相沢 セナ(21歳・♂・鴉)
 fa3611 敷島ポーレット(18歳・♀・猫)
 fa3765 神塚獅狼(18歳・♂・狼)
 fa4768 新井久万莉(25歳・♀・アライグマ)
 fa4892 アンリ・ユヴァ(13歳・♀・鷹)

●リプレイ本文

●1日目は我慢
 ここで抜き打ちファッションチェックinエジプトby新井久万莉(fa4768)。色々と女性の服装に制約の多いこの地域において問題を起こさないための最低限の身だしなみ。
「‥‥よし」
 敷島ポーレット(fa3611)は合格。足まで覆うローブ。
「‥‥よし」
 アンリ・ユヴァ(fa4892)は合格。全身覆うつなぎ。
「‥‥まぁ、よし? 一応これもかぶっときなさい」
 ベルシード(fa0190)には久万莉が持ってきたフードを渡し。
「‥‥‥‥」
「ゆくるは‥‥大丈夫ですっ」
「どこが大丈夫なのさ、露出云々の前に作業出来ないでしょそのドレス! ほらドレスやめてズボンにして、これかぶって、これも着ておきなさい!」
 湯ノ花 ゆくる(fa0640)、失格。罰として強制お着替え。
「‥‥まったくもう、日差しも強いんだし、肌にシミが出来るよ? 今は若いからいいのかもしれないけど」
 女性陣最年長(男女合わせても次点)の久万莉が言うと説得力高し。
「服装、少しはセナ君を見習ったらどう? 彼は完璧じゃない」
「いえ、砂塗れだけは嫌だったので」
 男性だがしっかりとマントを羽織り帽子もかぶった相沢 セナ(fa2478)。不幸のマントのせいか砂を充分かぶってるが。髪とかパサパサ。


 とりあえず普通に始まった遺跡調査、WEAとの共同作業。3日間の調査方針などをベルがしっかりと確認し、非WEA調査隊の8人で色々とボロを出さないよう打ち合わせ。セナはさながら歴史バラエティのリポーターのように、調査隊で暇が出来た者に遺跡のアレコレを聞いている。久万莉とアンリは遺跡の外に。久万莉が手配を頼んだ機材が到着したとのことで、それを取りに行ったのだ。
 一方で普通には進まない遺跡調査。WEAに迷惑かける者も。あの悪名高い(?)敷島兄妹のデカい方、敷島オルトロス(fa0780)は、小さい方のポーが怪しい占いで導き出した方向にある第2階層への道にさっさと降りるぞオラと調査隊員を引っ張っていく。行くのは第1階層の調査が終わってから、と宥める調査隊員の声はきっと届かない。もう神塚獅狼(fa3765)が未知の階層の脅威に備えて警戒と臨戦の体勢を整えている。‥‥別にこの3人が無法者なワケではなく、ちゃんと理由はあるのだが。
 今回の調査期間は3日。その間に調べておきたいものがあった。最下層の扉やひび割れの壁。だが、WEAに自分達がこの遺跡に潜ったことがあることを知られてはいけない。そのため、短い期間で早くゴールに辿り着くため、セオリーブレイクをし始めからラストスパートで行く必要があったのだ。
 だからかどうかは定かではないが、ゆくるは入り口近くで現在一人ぼっち置いてけぼり。出来上がった第1階層のマップを元にサーチペンデュラムで『封印』を探す、時間のかかる作業を延々と。『封印』はWEAが所持しているものの写真を資料とし探したが、見つかることはなく。この階層には無いのか、写真の『封印』とこの遺跡にあるかもしれない『封印』が違うのか。それとも、そもそもこの遺跡に『封印』は無いのか。
「‥‥難しい、です‥‥資格無き者には呪いを‥‥入口の柱の跡‥‥」
 ひょいと自分の荷物からメロンパンを出し食べつつ、ヒントとなりそうなことを列挙しつつそこまで考える。そして中断。一度周囲を確認し誰もいないことを確かめてから。
「金属製の扉と3つの鍵穴‥‥三柱神? うーん、分からないです‥‥」
 むむむ、とパンを頬張りながら悩む。せめて何かしら手がかりを。まだ誰も気付かず、探していない何かはなかったものか。
「‥‥そうです、入口の柱です! きっと柱の中に鍵が‥‥」
 走って遺跡の入口へ戻るゆくる。だが。
「そういえば、そうでした‥‥」
 入口の柱はゆくるの姉らが粉砕済み。粉々。


 ベルが灰代傀儡で作った身代わりを先行させるなど、未開の遺跡だということをアピールしつつ進むこと半日。第1階層は何も無いだろうと分かり、第2階層は複雑な構造もしておらずすぐに調査終了。ゆくるのペンデュラム捜査と、久万莉の超音波探査機による壁の向こう側のチェックを除けば一通り終わった。
 オルトロスや獅狼が警戒しつつ降りた先の第3階層では、かの難解な、最下層への道のりを塞ぐ仕掛けが立ち塞がった。悩むWEA調査隊。この部屋は一体何なのか。戸惑う彼らに、オルトロスがラーの瞳を用いてどこかにNWが存在することを伝える。上にはいなかった。超音波探査機によれば壁の向こうでもない。となると。
「もう一つ、下に階層がある!?」
「な、なんだってー」

●2日目は苦悩
 第3階層のあれこれを調査しているWEA調査隊と、各々考えるふりをしながら暇潰しの8人。オルトロスはやっと休憩に入った調査隊員に、幾つか聞いてみたかったことを尋ねる。現在までにWEAが入手している『封印』の数とその入手経路。その目的は。
(「金だろ金。金持ちの方に高く吹っかけて売る。これしかねぇ」)
 お主もワルよのぉ。
「WEAが持っている『封印』は3つだよ。『右腕』『右脚』『胴体』。それぞれ、ナセル湖からの発掘品、個人美術館からの接収、そことはまた別の美術館の収蔵品。他の『封印』は所在が不明だったり、何者かに襲撃されて奪われてる。ここ以外の遺跡でも同じく調査をしてるんだけど、どこからもまだ発見の報告は無いよ」
 思ったよりもすらすらと答える隊員。今さら入手経路を教えたところで問題は起きないだろうという考えだろう。入手済みの『封印』はWEAが厳重に警備しているわけだし。
 なるほどな、と礼も言わずふらりと上の階層へ戻るオルトロス。得られた情報を頭の中で確認する。
(「あいつの言ってたことは真実‥‥WEAは俺達を騙す考えは無いってことか? 他の遺跡どうこうは、そりゃ誰も報告しねぇよな」)
 カルア・ミンジャルやリバーススフィアにも関わりを持つオルトロスだからこそ知り得る裏事情。あのへんの関係者は一筋縄ではいかない変人ばかりだ。


 そして、たっぷりシンキングタイムをとった後。セナの書いたメモ(イシスの数と石の数、オシリスの特徴など)から、もしかしたら壁画にあるそれぞれのイシスの高さにあった石を置いていけばいいんじゃないかという推測に至ったふり。次の階層の調査は翌日となった。

●3日目は騒動
 最下層への道が開く。と同時に飛び出してくる、小型のNW。初遭遇のゆくるなどはコアを探し、(建前上)初遭遇のオルトロスなどは「こんな奴潰したほうが早いぜ」とぶん殴り、蹴り飛ばし、踏みつける。合計で十体ほど潰したところで、最下層からの出現は止まった。

 緩い下り道を少し歩いた最下層では、チームが二手に分かれた。両側の壁にずらりと描かれた壁画を調査しつつゆっくり進む調査本隊と、先行してNW警戒にあたり調査を助けつつ、最下層のマップ製作を行う先行隊。本隊にはベル、セナ、久万莉にアンリと、これまでに最下層へ足を踏み入れたことの無い面々。残りが先行隊。
 壁に描かれているのは、第1〜3階層にもあったような壁画。WEAはそんな壁画がお気に召した様子で、撮影してデータにしたり、その場で解読を始めたり。
 調査隊が調べ物をしている間、4人はそれぞれに調査を行っていた。ベルは話に聞いた『ひび壁』はまだ先なのかと前方を気にしながら壁画を眺め、久万莉は完全獣化で壁に何か仕掛けがないかなど調べている。
「ちょっと待ってください」
 影査結界でどこかおかしな所がないか調べようとしたセナが、しゃがみ込んでいるアンリに声をかける。
「ここでそのオヤツは、匂いが篭りますよ」
「‥‥朝御飯がまだです」
 構わず持ってきたキムチ缶を開け食べはじめるアンリ。最下層が美味しそうになる。そして篭った埃っぽい空気と相まって、すぐに魔界化。

 少しして。ようやく辿り着いた『ひび壁』。
 早速調査を始めようとしたところで、一旦場面を転換。

 ・ ・ ・

 先行隊。
「くっ‥‥」
「ぐぬぬぬぬ‥‥」
 獅狼とオルトロスは、最下層の最奥部と思われる場所にある件の金属の扉を力づくに押していた。だが、全くびくともしない。押しても駄目なら引いてやれとも思ったが、引くためのノブなどが無かった。
「仕方ねぇ、ぶっ壊す。ポー、手伝え」
「いややよ、うちは本隊の人たちにオーパーツのこと聞いてくるわ」
 鍵穴に合うようなオーパーツなどをWEAは所持していないかどうか。その確認のため本隊の方へ戻っていくポー。つい先ほどのNWとの戦闘で使用した金剛力増の効力が残っている間に、オルトロスは扉に一発蹴りを叩き込む。蹴破るためというよりはストレス解消の一撃、調査隊員がおろおろする。
「相当分厚い扉だな、これは。鍵がかかっていないとしても、簡単には開きそうにない」
 その蹴った後の音の反響を聞いて、獅狼が呟く。
「‥‥敷島さん、どこに行くんだ?」
「暇潰しに宝探しだ」
 言ってわき道に消えるオルトロス。その道は2mほどですぐ行き止まりになる、確認済みの道だが。
「おおっ! こいつはっ!!」
 通路に響くでかい声。楽しそうな顔で戻ってくるオルトロス。手には龍玉「五」。それとほぼ同時に、ポーを先頭に本隊がやって来る。
「おい、こんなもんが奥から出てきたぜ。こいつが『封印』だ間違いない!」
 7つ集めれば開くのか?
「何だこの扉は。この鍵穴は‥‥妙な形状だな‥‥」
 オルちゃんスルー。でも文句言えないと思う。

 色々な機材も用いて始められる調査。鍵穴の形状はただの丸穴で、普通の鍵穴のようなデコボコはない。そこに特定の何かを差し込むことで開錠される、まさにオーパーツな鍵穴なのだろう。
 一旦調査が始まってしまうと、先行隊の4人は暇である。ゆくるは獅狼と共に作った最下層のマップでまたペンデュラムを使い始める。が、これは今までどおり反応無し。ポーはラーの瞳でNW探知を行うが、出てきた反応は扉の向こうのものなのか、どこかに潜んでいるあの小型NWのものかは分からない。オルトロスはやはり暇。NWでも出て来ないものか。
「ん? おいポー。ここのNWどもは、一体どっから出てきてるんだ?」
「‥‥そういえばそうやね。どっからやろ?」
 最下層はここで行き止まり。ほぼ一本道のここまでに遭遇したNWは全て倒してきた。それも今回だけではなく、以前も。なら。

 今、足元に向かってきたNWはどこから出た?

 ゆくるがスレッジハンマーを構え、獅狼が飛び掛ってきたNWを竹刀で弾き返す。
 全て退治したはずのNWの群れが、帰り道の向こうで蠢いていた。

 ・ ・ ・

「ほんとに脆いね、この壁‥‥どう? 向こうの感じ」
「ここの壁だけものすごく薄くなってるわよ。多分、通路か部屋が隠されてる。‥‥ちょっと待ってね」
 ベルが指先で擦っただけでボロボロと崩れる壁。超音波探査機を地面において、久万莉が金色の瞳を発動させ透視する。
「‥‥ビンゴ!」
 久万莉の視界に映ったものは、ひたすらに暗いものの続いている通路。こうして隠されているということは、何か重要なものがあるのだろう。
「‥‥では‥‥」
「ストーップ! 何ぶっ壊す気満々なのよ、もし崩落なんかしたら命が無いわよ!」
「ですが、これだけ脆い壁ですから、遺跡の天井を支えているとは思えませんよ。もしそうだったなら、とっくにこの壁は潰れていますし」
「‥‥では‥‥!」
 セナの言葉をゴーサインと見たか、アンリが気合を入れて壁にパンチ。久万莉はあーあやっちゃったかみたいな表情。
 簡単に壊れた壁。その向こうをアンリのヘッドランプが照らす。ほんの5mも進めばまた行き止まりに見えるが。
「‥‥いえ‥‥左右に道があります‥‥。錯覚を利用したトラップですね‥‥」
 ゆっくりと歩を進める4人。まずは左から、と思いきやこちらはまたすぐに行き止まり。
 ではなく。
「これもさっきのと同じ壁だね。壊す?」
 一枚壊したら二枚も三枚も一緒なのか、NWが飛び出してくる可能性にだけ注意して破壊する久万莉。体重をかけ、少し力を込めれば手で簡単に貫けてしまう。
「‥‥っと、あれ? 壊れるのはここだけ?」
 ボコボコと壁を叩いてみる。が、久万莉がちょうど手を置いたあたり以外は全くびくともしない。30センチ四方の空間があるだけ。そして、そこには。
「何これ?」
「これ『封印』だね、多分。見せてもらった写真のと同じ模様があるよ」
 WEA調査隊が『右脚の封印』と言っていたものとちょうど左右対称のもの。とするとこれは『左脚の封印』だろうか。
「じゃあ、早速皆に教えに行こうか‥‥え?」
 振り返った久万莉の目に映るもの。それは自分達が来たのとは反対側の通路。奥には巨大な何か。緑色の光る一対の瞳が自分達を凝視していて。これまでのと違うNW。しかし、微動だにしない。
「襲ってこないなら、ここは逃げましょう。‥‥あの大きい奴より、足元の奴らが問題です」
 セナの言う『足元の奴』。最下層入り口で戦った小型NW。
 その数、数十〜数百。
 走る。逃げる。同時に、捕食者の群れが全てを埋め尽くすように向かって来る。

●結末
 床の隙間から這い出してきたNWを突破してきた先行隊と合流し、脱出、最下層再封鎖までを何とかやり遂げた面々。だが、再調査は難しそうだ。
 WEAはこの遺跡を『多数のNWを閉じ込めるために造られた遺跡』と推定。NW掃討の戦力が集まるまでは触れず、最下層の壁画を元に『封印』捜索を続けると決めた。
 そして、『左脚の封印』は。
「おし、年長者が責任持って預かるぜ」
 むっちゃ信用ならねえ。勝手に売り払わないよう関係者間でしっかり監視しておくこと。