デポノート The2ndNameアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 香月ショウコ
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 9.4万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 06/28〜07/02

●本文

●デシノート
 舞い落ちてきたノート。それを拾った人物。一人、呟く。
「デシノート‥‥面白い、しかし、本当に良いノートはこっちのノート。この‥‥」

●デポノート
 デシノート。それは運命を司る神が使うノートの一冊だとも、運命を弄ぶ悪魔が使うノートの一冊だとも。そのノートに名前を書かれたものは、ノートに名前を書き込んだ者の弟子になる。
 こんなものは御伽噺である。そう思っていた者が大多数だった。デシノートなどというふざけた物が、実在するはずがない。
 だが。先にも述べたとおり、これは現実の脅威であった。

 ・ ・ ・

「大変だぞ聖! オクスフォード大がアラジンの魔法の指輪を秘密裏に回収・研究していたという事実が!」
「それ去年初崎さんが出したレポートにありましたよ。ガセだって」
「大変だぞ聖! ナスカの地上絵は、実は宇宙船専用の滑走路だったんだ!」
「それ去年織田さんが出したレポートにありましたよ。ガセだって」
 OIC(オーパーツ調査委員会)代表の土方 鎮(ひじかた まもる)が次々に叫ぶお題を片端から切り捨てるOIC特派員、聖 陽介(ひじり ようすけ)。
「いい加減、そろそろ叫ぶの止めませんか? 暑くてたまらないですよ」
「叫んでいないと、この湿度と温度の渦の中に飲み込まれてしまいそうなんだ‥‥耐えてくれ」
「外出しちゃいますよ?」
 OIC。それは、世の中に溢れるオーパーツの情報を集め、統合し、捜査、確保、調査までを行う私設団体である。私設、の文字通り、公的組織ではなく一種のファンクラブとかサークル的なものである。
 これまでに彼らが集めた情報量は膨大だ。博物館を作れるのではないかというほどの調査資料の山、山、山。しかしそれらは全て偽物で、オフィスの8割を無意味に占有している。
「この前のデシノート。あれを入手出来ていれば、今でも大忙しで楽しい日々だったのかもしれませんけどね」
「誰かに回収されてしまったのか‥‥だがそれにしては、何の事件も起こらない」
「多分その辺のワンちゃんが持って行ったんですよ」
「たたたたーいへんですぅぅ!!!」
 どたどたどたとオフィスに飛び込んできたのはOIC特派員木口 智也(きくち ともや)。いつもはあまり騒がないタイプの人間だけに、この取り乱しようは異常だ。
「何だ、何があったんだ!?」
「か‥‥壁が、迫って来る、んです‥‥」
「壁が、迫って来る?」

 ・ ・ ・

 見違える光景だった。リフォーム番組を逆回しで再生して「なんということでしょう」って感じだ。
 お世辞にも綺麗だったとは言えなかったが卓飲みくらいは出来た木口の部屋(アパートの一室)が、埋まっていた。
 机。テレビ。洗濯機。本。布団。生ゴミ。服。テーブル。洗面器。ぬいぐるみ。マネキン。ありとあらゆるものが、木口の部屋を埋め尽くしていた。
 しかも。
 しっかりと整理整頓されて。
 部屋の容積を完璧に把握して使い切った物の配置は、何がどこにあるか一目で分かり、どれも取り易く、通路もある。
 しかし、無駄に物が詰め込まれすぎている。これでは人の住む部屋というより‥‥デポ(物資集積所)だ。
「何なんだ、木口。この状況は」
「よく分からないんですよ。朝、チャイムが鳴ったんで通販で注文した軍隊式フィットネスのDVDが届いたのかと思ってドアを開けたら、マスクにサングラスの人が立っていて‥‥いきなり「世界を倉庫に、し〜てしまえっ!!」とか言ってきて。そしたら、その人が持っていた本が光って、そして」
「壁が迫って来るかのように、室内がこの有様か」
「土方さん。これは、まさか‥‥」
「ああ。おそらく本物の『デポノート』だ。そのノートに名前を書かれた人間の部屋は、デポになってしまう!」
「あれ? でもあの人、呪文を唱えましたよ?」
「呪文はフェイクだ。力の源が、ノートであると悟られないための」
「‥‥どうします?」
「ノートを確保する。危険な戦いだ。犠牲が出るかもしれない。それでも、ノートの悪用を防げるなら、人々の部屋を守れるなら、やるしかない」
「分かりました。ではOICの総力を挙げて、『デポノート』を捜索しましょう!」

● 注 意 !
 これはテレビ番組です。特撮番組です。決して事実ではありません。登場する人物・団体・地名などは、全て実在のものではありません。

 特撮番組『デポノート The2ndName』の出演者を募集しています。募集しているのは以下の通りです。
・OIC特派員‥‥2名〜
・ノート所持者‥‥1名
・その他の登場人物‥‥若干名
 OIC代表土方と、OIC特派員聖、木口は既に出演者決定のため、募集しておりません。

 CG合成やワイヤーアクションなどによって、ノートの恐るべき力やそれ以外の何かよくわからないけど恐ろしい力などが表現されます。出演者の方でも、何かしら面白いネタ案などありましたら、どんどん提案してください。

●今回の参加者

 fa1463 姫乃 唯(15歳・♀・小鳥)
 fa3306 武越ゆか(16歳・♀・兎)
 fa3571 武田信希(8歳・♂・トカゲ)
 fa3957 マサイアス・アドゥーベ(48歳・♂・牛)
 fa4354 沢渡霧江(25歳・♀・狼)
 fa5394 高柳 徹平(20歳・♂・犬)
 fa5775 メル(16歳・♂・竜)
 fa5778 双葉 敏明(27歳・♂・一角獣)

●リプレイ本文

「何だこの一帯は‥‥絶望的じゃないか! この散らかった世界、世帯、全て整理してやる‥‥っ!」

 ・ ・ ・

「レポート、持ってきたよ!」
 OIC特派員の鷲見 八馬宗(武田信希(fa3571))が持ってきて皆に配るレポートは、先の木口事件について。軍隊式フィットネス教材DVDが宅配便で届いたと思いドアを開けたらそこには不審人物。不審人物は右手を高く掲げ、左手を頭の上に乗せて足をクロスさせたポーズで「世界を倉庫に、し〜てしまえっ!!」と呪文を叫んだ。すると。
「そう、こんな状況に‥‥」
 現場写真を見ながら改めてしみじみと木口が呟く。室内のあらゆるものが整理され、しかも元々は存在しなかったぬいぐるみやマネキンなんかもどこからか沸いてきた。おまけに、整理用の棚なども自己増殖。
「ふむ、何としても解決してやらねばならんな‥‥と、失礼」
 OICの平均年齢を押し上げる一人、友利 信(マサイアス・アドゥーベ(fa3957))が携帯の着信に応答する。相手は同じく特派員の萌(姫乃 唯(fa1463))のようだ。
「ふむ‥‥なるほど、分かった。すぐに行く。‥‥皆、事件の手がかりが掴めたようなのである。萌が新たな被害者の家を発見した」
「なんだって! 友利さん!」
 驚く都丸 直(高柳 徹平(fa5394))。でもちょっと驚くタイミングが違ったかな。

 ・ ・ ・

「突撃隣の部屋内装ー!! さあ、本日お伺いしているのは某大手商社のやり手営業マン、三葉 葵(双葉 敏明(fa5778))さんのオタクなお宅でーす!! ‥‥元気出してくださいよ、こんなに私が頑張ってるのに」
「いや、あんまり励まされないよそれ」
「でも、この整理整頓されたお部屋、結構良くないですか〜? コレクションも見易いですし! ‥‥ちょっと生活には不便ですけど」
「ダメなんだ、どこに何があるのかもう分からなく‥‥私的こだわり配置っていうものがあるんだ」
 葵はデポとなった室内であれこれと漁ってまわる。要る物要らない物、元からあった物無かった物。
「何で買った覚えのない『奏デ完全変形ハーモニカ・久瀬 灯仕様』なんてものがあるんだ? ああ! そっちにはミラクル☆グラス・コンプリートセットが平らな箱に整然と並んでいるっ! こっちの陳列棚に入っているべきものなのに! ケーニッヒ7は何でそんなところで一人腹筋してるんだ!? ひい! 私が丹精込めて作ったNights、UBN新作フィギュアが天井すれすれに‥‥棚は出てきても踏み台は出てこない、これじゃ取れない、夏の祭典に出したいのに手が届かないぃぃ!!」
「じゃあとりあえず、邪魔なもの搬出して生活できるようにしましょーか」

 ・ ・ ・

 ぴくり。彼女の耳がふと聞こえた単語に反応する。何と無しに眺めていた窓の外の風景、流れる雲。思春期の少女的物思いに耽っているように見える彼女の視線が、空からゆっくりと下へ降りていく。
「何だか騒がしいですわね‥‥何かあったのかしら?」
(「ちょ、今『夏の祭典』って聞こえたわよ?」)
 名門女子高の制服に身を包み、これから部活動に行こうと準備を進めていた意識が停止する。視界に捉えたものは、ご近所の三葉さん家から運び出される荷物。引越しか?
「‥‥あ、あら、三葉さんたら、あんな趣味を持っていらしたのですね‥‥」
(「私はBL本もBL原稿も自由好き勝手に読み書き出来ないってのに、羨ましい‥‥!」)
 葵の家から搬出されているのは彼女も言っているようBL本などグッズ類。残念ながら彼の趣味ではなく、よって室内整理のために運び出されているわけだが‥‥いったん思い込み妄想回路が動き出したら彼女はもう止まらない。もうお気付きだろうが実は彼女、見た目はお嬢様女子高生、頭脳は腐女子、その名は湯川 縁(武越ゆか(fa3306))!!
「趣味人の方はとても素晴らしいですわね。あの方々とお知り合いになれたら、どんなにか見聞が広がることか‥‥一つのことを深く追究し極めようとする、その姿勢は見習わなくては」
(「ああ、あんなに大事そうにフィギュアを抱きかかえて運んで‥‥あれは限定BLフィギュア! 原画師サークルの特典ポスターも臨戦態勢だわ! か、語り合いたい‥‥一緒に夏の一般参加列に並びたいっ!」)
 そう、このタイミングで思ってしまったのが彼女のミスだった。次の瞬間、視界の隅で何かが光った。その光の方向には、変なポーズの変態。
「うぐぇ!!」
 突如、窓ガラスに押し付けられる縁の身体。後ろから強く圧迫して来る人の気配。それも、多数。
 部屋に突然現れた人々。チェックのシャツにリュックにバンダナ、一部メガネで一部おでん缶。4列に整列して、縁のすぐ後ろにいる人物は最後尾札を持って‥‥こ、これは!!
「いやぁ! 整理券なくなりましたぁ!」
 少しして事件を聞きつけた萌や友利が駆けつけた時、室内はビッシリと並んだその道の人々によって完全封鎖されていた。
「はわ〜、人間も整理整頓されてしまうのですね〜」
「何という恐ろしいノート‥‥彼らはどこから連れてこられたのであろうな?」

 ・ ・ ・

 下の部屋から聞こえて来る叫び声は、笹倉 桜(沢渡霧江(fa4354))の耳にも届いていた。だがそれに反応しないのは、反応するだけの気力が残っていないから。
「どうしてゲーテと沼正三が並んでいるんだ‥‥? チェーホフ著でも『職務』の次に『妻』が来てるのは‥‥発行年でもタイトル順でもないし」
 ぼうっと棚の一列を眺めていると、ふと見える『ある法則性』。
「‥‥まさか、これは‥‥タイトルの一番上の文字を並べて左から右に読んでいくと‥‥『しつてるか でぽしんはでしをつくらない』‥‥やられた!!」
 何が。
「どうしたんですか、何をやられたんですかっ!? って、うわぁ!」
 すぐ階下にいて、近くの部屋の被害者を探していた萌が駆けつける。そして驚き。部屋中を埋め尽くすような本棚と本の山。
「すごい、図書館並みですよ〜!」
「萌ちゃん、レポート持ってきたよ! さっきの葵さんの分と、縁さんの分!」
「待て、これ以上床に負荷がかかると‥‥っ!!」

 ・ ・ ・

「ええいくそっ!! 一体何なのだこの事件は!! 人だけでも暑苦しかったというのに本に天井まで降ってくるとは‥‥もう勘弁ならんぞ!!」
 友利が女性用下着のページが開かれた通販カタログを頭の上に乗せて瓦礫の中から現れる。
 萌と八馬宗が飛び込んだことで床の抜けた桜の部屋と本は、そのまま下の階の縁の部屋に落下した。人がみっしり並んだ部屋に大量の物が落ちたにも拘らず、ケガ人が出ないのはお約束。
「そういえば、さっき天井がミシミシいってたですよ〜。油断しました‥‥み、皆さんお怪我はありませんでしたか〜? 何て危険な‥‥デポノート許すまじです!」
「そんな事以前にまず、お前達はいつまでこの部屋にいるのだ!! いい加減に元いた世界に帰るが良い!!」
 友利の爆発した怒りに、渋々帰る4列縦隊オタク軍2個小隊。
「‥‥酷い目に遭ったな‥‥一体なんなんだ、この事態は?」
 桜の尤もな疑問に、八馬宗がレポートを差し出す。たった今起きたばかりの桜の件まで書いてある暫定的完全版レポート。いつの間に。


 ・ ・ ・ レポート熟読中 少々お待ちください ・ ・ ・


「なるほど‥‥確かに恐ろしい事件だ。そういえば、私の部屋がああなる前に、あっちのコンビニの方で何かが光るのを見たぞ」
「それはわたくしも見ましたわ。何かが光って、その方向にはおかしなポーズをとった人がいましたわ」
「なんだって!」
 直、残念。まだちょっと使用場面が違う。
 部屋を急いで出るOIC。その場に残される驚いた表情のままの直。

 ・ ・ ・

「世界を倉庫に、し〜てしまえっ!!」
 また一つ、部屋が倉庫と化していく。デポノートを片手に満足した満面の笑みで悠々歩くのは真仁亜(メル(fa5775))という男。彼の懐にはもう一冊、デシノートと書かれたノートもある。
 ちなみに。桜の部屋にあった『デポ神は弟子を作らない』とはどういうことか。それは。
「やはり、信ずるものは他人から教えられるのではなく、自分で見つけ自分で信じなければ!」
 ということらしい。
「それはそうかもしれませんけど、無理やりはダメですっ! ジッチャンの名に懸けて、そのいかにもな怪しい格好から、罪のないお部屋をデポにしまくっている人はあなただと推理なのですっ!!」
「そのノート、こちらに渡してもらおうか! うちのオフィスを整理するのだ!!」
 その声に真仁亜が振り返ると、そこには萌と友利。それに遅れて、文字通り走り書きの八馬宗。さらに遅れて彼方に直。
「この世界にはまだまだ美しくない部屋がある。もっともっと倉庫を広めなければならない。倉庫の真の価値を分からない人間たちに、その価値を伝えてやることが何故いけない!?」
 逃げながら言う真仁亜。何もない道端では彼のノートの力は役に立たない。
「いらっしゃいませ、こんにちはー」
「萌、お前はそっちから回り込むのだ!」
「分かりました!」
 真仁亜が逃げ込んだのはコンビニ。左右から回り込んで、御用‥‥?
「甘いぞ! 世界を倉庫に、し〜てしまえっ!!」
 ずずん、と萌の前に張り出してくるコンビニの棚とお菓子類。友利は横からつっこんできたホットドリンク専用棚を避けきれず突き飛ばされ未成年閲覧禁止雑誌のコーナーに頭から突っ込む。萌と友利の被害が逆じゃないのは主に年齢上の理由。
「やはり倉庫は良い! 倉庫こそこの地球上で最も美しい部屋と言えよう! 店長、お前も感謝するが良い!」
 でも販売には少々向かない棚の配置。万引き防止のための監視カメラがうまく働かない。店の奥の在庫保管スペースが拡大して店内全部そうなった感じ。
「させないぞっ!!」
「通さないよ!」
 後から追いついた直と八馬宗が店の入り口に立ち塞がり、真仁亜の行く先を塞ぐ。だがしかし、真仁亜は足元に積まれたカフェオレ30本入り段ボール箱3つ重ねを踏み台に跳躍、二人の頭上を飛び越える!
「オ、オレを踏み台にしたぁ!?」
「飲み物を粗末に扱うとは‥‥許さんぞ!」
 復活した友利。顔が赤いのは怒っているからだろうか。
「急いで追いかけましょう! この方向だと‥‥うまく行けば捕まえられるです!」
 萌がそういう根拠。それは、真仁亜が逃げた方向にある橋にあるのだが‥‥


「‥‥‥‥な、なんだと‥‥道が、無い?」
「その通りです! もうあなたに逃げ道は無いのです!」
「この橋は現在建設中だ。だいぶ前に工事は始まったが、今は事情があるとかいって工事が止まっているのだ」
「OICとしては、工事が止まってるんじゃなく、これが橋の完成型だからって推測してるけどね。この半分しか出来ていない橋は、自衛隊が市街地に現れたUFOと戦うために使う滑走路なんだよ」
 ないない。
「さあ、大人しくノートを渡すのです」
「‥‥お前達には倉庫の良さが分からないのか? 空間を無駄なく使い切り、物の配置が一目で分かる。まさに機能美! 此程美しいものがこの世の中にあるだろうか、いやない!」
「確かに整理整頓されたお部屋は美しかったですが〜」
「お前はある意味では最もデポノートの持ち主に相応しいが、別の意味では最もデポノートを持たせてはいけない人物であるな。自分の理想は即ち他者の利益だと決め付けるその身勝手さが無ければ、英雄にもなれただろうが」
 英雄?
「はっ、そ、そうですそうです。いくら美しくても、無理矢理変えてしまうのは良くないのです! ‥‥危うく懐柔されるところでした‥‥」
 一歩、一歩、真仁亜を追い詰めていく4人。真仁亜も後ずさるが、もうその先には川しかなく。
「‥‥こんな素晴らしい芸術を作り出すノートを渡す訳には行かない!」
 まずは右に一歩。4人がそれに釣られた瞬間切り返し、左に開いたわずかな空間から逃げようとして‥‥
 ずるり。どん!
「な、何でこんなところにバナナの皮がっ!?」
「それはまさか、宇宙人が自衛隊の出撃を阻むために仕掛けたトラップ『バ・ナーナノ・カワー』!?」
 もうつっこまない。いいから、さっさとノートを確保してくれ。
「ノートノート‥‥ああっ、俺のノートが、機能美が〜」
「か、川の流れでどんぶらこ〜‥‥またこのオチですか〜?」
「ええい、これだけ走り回ってまた無駄足か!!」
 途方に暮れる5人。デポノート・デシノート、紛失。

 ・ ・ ・

「よしっ、と。これでレポート完成かな‥‥? あ、そうそう。追記」
 追記。
 ノートが所持者の手から離れても、その被害者のお宅は元には戻らなかった。
 葵さんは知人に不要なグッズを譲り、物々交換でレアグッズを手に入れることが出来たとか。
 縁さんはあの時自宅に現れた人たちを捜し求める途中でそのうちの一人と出会い、文通中と聞く。
 桜さんは納まりきっていなかった本や増えた本などの電子書籍化をさらに推進。でもやはり紙媒体は良いと新しく買い増してもいるとか。

 抜けた床の修理はどうなったかとか、そのへんは気にしてはいけない。

 ・ ・ ・

 川を流れてきた、薄汚れた2冊のノート。それを拾い上げる一人の人物。その拍子の文字を見て、そのノートの意味を知り。
「デシノートに、デポノートか‥‥こんな悪魔のノート、世に出しておいてはいけない。確保しておこう。やはり、世の中の治安を守るこのノートこそが、最高の‥‥」

 To Be Continued‥‥?