GWShow☆ダイブンゴーアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
久条巧
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
フリー
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
05/04〜05/08
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●本文
●──事件の冒頭
「先生、ダイブンゴーの脚本は何処まで進んでいますか?」
そこはいつもの脚本家の書斎。
トミーTVの製作責任者の一人が、これまた特撮などの脚本をしている『りんくじょう』の元を尋ねて開口一発。
「ああ、とりあえず2クール分はそこに‥‥と」
これまた御存知着物姿にプチふとっちょ。
ハゲ面メガネに顎鬚少々。
過去にときめいていたらしい(本当か?)特撮シナリオライターの『りんくじょう』である。
「ふむふむ‥‥と。ほほーーーーーーーーーう。『テレビでお馴染みのあの人やあの人のポロリが連発』‥‥って、これは何の脚本で?」
手に取った脚本を眺めつつ、プルプルと腕を震わせてそう呟くプロジューサー。
「あ、それは別のやつぢゃな。ほれ、タイトルも『ドキッ☆政治家だらけの水泳大会』とかいてあるぢゃろ?」
「政治家って‥‥」
「当然、ポロリもアルぞ!!」
「しわくちゃ親父のポロリなんて見たくないでしょう?」
「いやいや、ポロリ発言。政治献金がどーだとか、とある企業との癒着とか、ほれ、北のなんとかいう政治家、あれは実は背後に暴力だ‥‥」
──ワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
そんなこんなで、とりあえず脚本を受け取って局へと戻るプロデューサーだとさ。
●ここからが本題
──とあるデパートの折り込みチラシ
某日午後1時に、新番組『文学戦隊・ダイブンゴー』のヒーローがやってくる。
サイン会&撮影会もありますので、チビっこのみなさんは屋上特設ステージに集合!!
●そんで、その台本
募集スタッフ:
・MC(女性)1名
・敵MC兼ボスキャラ『永井カフー』
以上2名は素顔もでますので。
・敵モンスター『ゾロウケー・サンジセメー』
・レッド・オーガイン(森林太郎:もり・りんたろう)
・ブラック・ブライオー(津島修治:つしま・しゅうじ)
・シルバー・サンシロー(夏目・ゴールド・三四郎:なつめごーるどさんしろう)
・ブルー・シラカバン(有島武郎:ありしま・たけろう)
・イエロー・サーティーン(樋口夏子:ひぐち・なつこ)
以上6名はスーツアクターとして。
敵兵士『オタンビー』6名
音響スタッフ
(敵兵士と音響スタッフは『WING企画』より若手が起用されました)
●リプレイ本文
●本番3日前
──とある稽古場
でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
殺陣師が静かに簡易舞台の上を見る。
そこでは、3日後に行われる『ダイブンゴーショー』の最後の打ち合わせが行われていた。
「はい、そこで怪人は後に‥‥そう、その立ち位置で‥‥ヒーローは4名、右奥からブラック、イエロー、左置くはブルー、シルバー‥‥と」
──パンパンとリズムを取りつつ指示を飛ばす殺陣師。
──パン!!
一回り大きく手が鳴ったと動じに、4名が側刀脚(右横蹴り)を叩き込む!!
──ドゴッ
(いてぇぇぇぇぇぇぇぇ‥‥誰かマジで入れなぁ?)
『ゾロウケー・サンジセメー』の着ぐるみを来ている雪野 孝(fa3196)がよたよたとふらつきつつ心の中でそう叫ぶ!!
「止めだっ!! 必殺『舞姫スラーッシュ!!』」
掛け声と同時に、レッド・オーガイン役の結城丈治(fa2605)が飛込んでくると、其の手に持った剣を右冗談から、さらに振りぬいて左上段から袈裟に切り付けたっ!!
「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
そのままふらふらと楽屋のポイントまで逃げて行く『ゾロウケー』。
「はーーーーーーーーーーーーーい。これで悪い奴等はいなくなったねー。皆でダイブンゴーに拍手ー!!」
MC役の碓宮椿(fa1680)がにこにこと笑顔を見せながら舞台に上がって来る!!
──カーーット!!
殺陣師がそこで止めを入れた。
「これでOK。MCのセリフ回しはアドリブを入れてOK。各俳優はテープに流れるセリフに合わせて、それぞれのポーズを動きを今一度チェック。以上!!」
さらに熱の入る殺陣師とスタッフ。
かくして、ダイブンゴーショーは本番を向かえるのであった‥‥。
●本番当日・天気快晴・されど‥‥
──シーーーン
デパート屋上。
既に機材の搬入を終えた一同は、ステージ裏で最後の合わせを終え、本番を待つばかりとなっていた。
「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
ステージの袖から客席を見ていた椿が腕を組んで唸っている。
「ん? 何かあったのか? 随分と難しい顔をしているようぢゃのう」
天音(fa0204)が椿にそう問い掛ける。
「ステージの最前列を見てくださいよー」
その声にヒョイと覗きこむ一同。
そこにはカメラを手にした『ちっちゃくない、精神年齢だけチビっこの大人達』が今か今かとワクワクとしているではないですか!!
「あー、俗に言う『アキバ系』の客だな‥‥チビっこはほら、あちこちに点々と‥‥」
シルバー・サンシロー役の伊達正和(fa0463)がちらほらとする子供達を指差す。
「それにしても‥‥この衣裳はなんとかなりませんか‥‥」
ミニスカートを押さえつつ、椿が現場監督にそう呟く。
確かに、MCというりはF1のキャンギャル。
カメラ小僧に『どうぞ撮ってぇぇぇぇぇ』とでも力説しそうな衣裳である。
「こいつが間違って詰めたんだから‥‥まあ我慢してくれっ!!」
駆け出しのスタッフの頭をどつきつつ、そう告げる監督。
「‥‥ふむ。美しい‥‥」
ドーランを塗りこみ綺麗にメイクした永井カフー役の鬼頭虎次郎(fa1180)。
鏡を覗きこんで最後の確認である。
「もう少し耽美さを出すのなら‥‥ここをこう‥‥と」
草壁 蛍(fa3072)がさらにメイクの手伝い。
今にも『私は美しい‥‥』とでも言いそうな感じに仕上がってきた。
「ふーーーーーーーーーーー。本番まであと何分や? かなり辛いで」
雪野がスーツを着けつつそう呟く。
「あと10分です。全員マスク以外着用、準備お願いしまーす」
スタッフが中に声を書ける。
と、全員が円陣を組むと、レッド役の結城が声を出す。
「このステージの命運は私達の手に掛かっています。必ず成功させましょう‥‥いくぞーっ」
『応!!』
その掛け声で全員がマスク着用。
そしていよいよテーマ曲が会場に響き渡った‥‥
──BGMボリュームダウン‥‥MC登場
『はーい、よいこのみんなー! こんにちはーっ!』
MC椿颯爽と登場。
「こんにちは‥‥」
『うーん、声が小さいなー。それじゃあもう1度、こんにちはーっ!』
駄目出ししつつ、そう叫ぶ。
「こんにちはーーーーーーーーーーーーっ!!」
『これからダイブンゴーのみんなに会えるけれど、ダイブンゴーはご挨拶きちんと出来るよいこが好きなんだって。だから、みんなで椿お姉さんと一緒にご挨拶の練習しちゃいましょー♪』
(っていうか‥‥子供じゃないし‥‥)
そんな心の呟きはおいといて。
まあ挨拶の練習もそこそこに、突然BGMが切り替わる。
──BGMチェンジ‥‥美しき永井カフー登場
「ハーーーーーーーーーーーーッハッハッハッ。本日はこの○○デパートにお漉し頂き真にありがとう。我等が女王、ハーレ・ロマンス様に成り代わりお礼を言わせて貰おう。ついでに、ここの会場は我々ロマンス帝国がのっとったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
鬼頭虎次郎、会心のMC。
──イーーーーーーーーーーーーーッン
そしてバッと手を振ると同時に、会場に忍び込んでいたタンビ兵が変装を解いてステージに駆けあがる。
「きゃー。貴方たちは悪の帝国ロマンス。一体何を企んでいるのっ?」
「我等の目的はひとーつ。ここの会場のちびっこ、特に女の子を、立派な『腐女子』に教育するのだぁぁぁぁぁぁぁぁ。男の子もまあそれなりにな‥‥」
「腐女子ですって? そんなことはさせないわよっ。みんなっ、ダイブンゴーを呼ばなくっちゃ!! 声を揃えて、せーのっ! ダイブンゴーッ!!!」
「ダイブンゴ‥‥」
『声が小さいよっ! それじゃダイブンゴーに届かないよっ! もっと大きな声でっ、せーのっ!! ダイブンゴーッ!!!!!」
──ダイブンゴーーーーーーーーーーっ
もうノリノリのお姉さん。
ステージ下の赤外線カメラの盗撮もお構いなしであろう。
そしてデパートの屋上に、ダイブンゴーの声がこだますると‥‥
──BGMチェンジ・ヒーロー見参!!
「そこまでよ永井カフー!!」
「ここで会ったが100年目っ!!」
詰め物の胸を強調しつつ、イエロー・サーティーンとブルー・シラカバンが登場。
ちなみにイエローは鬼道 幻妖斎(fa2903)、女性体形を作りあげるのに必死だった模様。
それとは対照的に、胸に晒しを巻いてさらに腰にも晒しを巻き付け、漢体形を作り上げた草壁にも脱帽。
「出たなお邪魔なダイブンゴー。タンビ兵どもよ、やれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぃ」
──シーン1、イエロー&ブルーvsタンビ兵
そのまま逃げ惑う耽美兵を追いかけてブルー&イエロー退場。
入れ代わりにブラック&シルバーが会場に飛込んでくる。
「何処に行った‥‥」
「見逃したか?」
悔しそうな演技のブラックと、周囲を見渡すように会場を見るシルバー。
そこにさらにタンビ兵、そして『ゾロウケー・サンジセメー』が登場する。
「ああっ。ブラック、シルバー、敵の怪人が来たわよっ!!」
椿がマイク片手に叫ぶ。
『ぐわっはっはっはっは!飛んで火にいる夏の虫とは、このことだなぁ? おまえらも一貫の終わりだ、ぐわっはっはっはっは!』
オーバーアクションで動きつつ、テープに合わせて演技を始めるゾロウケー。
なお、脚本家曰、ゾロは受けより攻めの方が好みらしい(なんのこっちゃ?)。
「我輩はシルバー・サンシローであるっ!! 貴様ら悪党に明日はないっ!!」
ゾロウケーを指差しつつ、そう叫ぶシルバー。
「我等が相手だ、掛かってこい!!」
拳をギュッと握り、相手に突き出すブラック
──ゾロウケー&タンビ兵vsシルバー&ブラック
その戦いの刹那、永井カフーがステージの下に姿を表わす。
「そーこーまーでーだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。これを見ろっ!!」
バッとマントを翻してサーベルを引き抜くカフー。
そのサーベルの指し示した先には、タンビ兵に囚われ、ロープで括られたイエローとブルーの姿がある。
「プルー、イエローっ!!」
「カフー、貴様卑怯だぞ!!」
悔しそうに演技する二人。
「なんとでも言え。さて、タンビ兵よ、その二人も捕らえよっ!!」
止む無く敵の手に捕われるブラックとシルバー。
そしてステージに1度集められた、レッドを除くヒーロー達。
「くっくっくっ‥‥これから貴様達には洗脳手術を受けてもらう‥‥連れていけぇぇぇぇ」
その声でステージから外に連れ出されていくヒーロー。
「さてと。邪魔者は消えた」
「ダイブンゴーを放しなさいよっ!!」
楓が必死に叫ぶ。
「そうだなぁ‥‥よし、それじゃあチャンスをやろう。この会場のちびっこと我々のタンビ兵が勝負をする。そしてチビっこが勝ったら、ダイブンゴーを解放しよう!!」
そう告げると、カフーは指をパチーンと鳴らした。
──ハイーーーーーッ
一斉に会場に飛び出す兵士達。
やがて、子供達(うち、二人は大人の子)を舞台に引きずり出した。
「さて‥‥我々との勝負。それは『ビバビバ旗揚げ対決』だぁ!!」
ルールを説明しよう。
兵士と子供達には赤と白、二つの旗が手渡される。
カフーの掛け声で旗を上げたり下げたりと、実に簡単なゲームであるが‥‥。
「それではいくぞっ!!」
──ゴクリ‥‥
「赤あーげないっ!!」
──パッ
全員の赤旗が上に上がる。
そう、対決している筈のタンビ兵まで‥‥
「きさまらぁぁぁぁぁ。もう一回だぁ!!」
会場を巻き込んでの爆笑ゲーム大会となってしまった。
──舞台裏
「はぁはぁはぁはぁ‥‥」
水分補給をする雪野と、他のヒーロー達はじっと出番を待つ。
「さて‥‥そろそろだな‥‥」
小道具の剣を手に、レッド役の結城が静かに身構える。
「短時間でこれだけのハードアクション。本業のスーツアクターを見直すわ」
「まあ、特撮ではスーツアクターって、俳優よりも冷遇されているけれどな‥‥」
天音の言葉に伊達がそう告げる。
「そろそろ後半戦ですよ──」
スタッフの掛け声と同時に、全員が再びマスクをかぶった。
●そして〜アフター
──とある居酒屋
「お疲れ様でしたーーーーーーーーーーーーッ」
各々がジョッキやジュースを片手に乾杯。
無事に一日2ステージをクリアした一行は、スタッフと一緒に打ち上げに参加していた。
「ぷっはぁぁぁぁぁぁぁぁ。あの暑い中から開放されたビールは美味いわ!!」
「そうですね。でも、楽しかったから良しという事で」
「いたたた‥‥もう、腕に痣が出来ちゃっているわよ‥‥」
そう告げつつ、腕に付いた痣を撫でる天音と、平謝りしているWING企画の兵士達。
とにもかくにも大成功、かくしてダイブンゴーショーは幕を閉じたのであった。
●後日談
──とあるインターネット
「ほほーう。これは赤外線カメラの‥‥」
とあるHPの掲示板では、ダイブンゴーショーのMCである碓宮椿の写真が『UP』されていた。
まあ、その当時のアクセス数は、瞬間15000を越えたというが、定かではない。
〜Fin