神霊装甲 戦いの世界アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 緑野まりも
芸能 2Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 3万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 07/22〜07/26

●本文

・声優募集
 新作ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
 審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。

●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
 戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
 召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
 物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。

・世界設定
ヴァルハラ 我々の世界と対になる魂や精神が具現化した世界で、精神力(心の強さ)が力となる世界。絶えず争いが起きていることから、戦いの世界とも言われている。この世界には、それぞれアース神族、ヴァン神族、巨人族という三種族が国を作っており、それぞれがそれぞれの国と争っている。

神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。

SAヴァルキュリア アース神族の作り上げた新型量産SA。新技術により、意志力を翼状のオーラに変えて空中を飛ぶことが可能になった。性能もさることながら、女性的で優美なフォルムを持ち、翼を広げた姿はまるで天使のようである。基本武装は近距離用オーラブレード、遠距離用スピリットガンなど。

SAロキ アース神族のプロトタイプSAの一つ。高い運動性能と、周囲に溶け込む迷彩ステルス機能を持つ隠密性の高い機体。戦闘でも、近接遠距離ともに優れた戦闘力を持っているが、薄い装甲や稼働時間に難があるため扱いづらい機体となっている。また、様々な特殊機能が備わっているそうだが、そのほとんどが不明。ボディの基本色は黒。アース神族の上級仕官トリックスターの専用機。

SAアンドヴァリ ドヴェルグ族が鉱山採掘用に開発したSA。すでに旧式であり、その性能はかなり低い。元々採掘用であるため戦闘力は無いに等しいが、一部の村々は購入したアンドヴァリを改造して、防衛用に使っているという話もある。

アース神族 神の国アスガルドを首都に持つ、好戦的な種族。力(精神的に)が強く、謀略にも長ける。侵略、支配を繰り返し、巨大な国を作り上げた。我々の世界でいう騎馬民族のようなイメージ。 君主制を敷いており、王の下に内政、外政、軍部の各担当者がそれぞれを指揮している。軍の様子は、規律統制のとれた現代軍隊に近いイメージ。

ヴァン神族 新緑の森ヴァナヘイムを首都に持つ、平和的な種族。魔術が得意で、身のこなしも素早い。農耕を行い、大地に根付くことで豊かな国を作り上げた。農耕民族のイメージ。共和制を敷いており、国民に選出された長老会によって国の全ての政治を動かしている。軍の様子は、個々の力を重んじる中世騎士団と近いイメージ。

ドヴェルグ族 森に囲まれた鉱山の町アールヴヘイムを首都にもつ、友好的な種族。人間ではなく妖精に分類されており、見た目は人よりも小柄ながらガッチリとした体格が特徴、男女共に豊かな髭を生やしている。力が強く(肉体的に)、また手先が器用なため、何かを作るということに長けている。近年ではSAの開発に携わることも多く、彼らの開発したSA技術は各国に有償で提供されている。政治は君主制、少数民族であるが高い軍事力を持ち、各国と中立を保っている。

レジスタンス アース神族の占領に不満を持つ一部の人々が結成した抵抗組織。規模は小さく、今まで大きな活動は行ってこなかった。しかし、アース神族によるドヴェルグ族への宣戦布告に対し、ついに蜂起することになる。ドヴェルグ族から購入した旧式のSAアンドヴァリを戦闘用に改造して使用している。

それ以外の種族 ノッカーやピクシー、またドラゴンなど様々なモンスターが存在している。

・次話あらすじ
 アールヴヘイムの休暇からしばらくたった頃、ついにアース神族はドヴェルグ族への宣戦布告を行う。目的は、アールヴヘイムの豊富な地下資源とドヴェルグ族の技術力である。もちろんドヴェルグ族も抵抗し、二国は戦争状態へと入った。
 アース神族側現代人達も、複雑な思いながら戦わざるを得ず。出撃の命令が発せられるのも時間の問題であった。しかし、それは意外なところからもたらされた。アース神族軍の補給路を狙い、山賊が現れたのだ。現代人達は遊撃部隊として、トリックスターに率いられ、この山賊を駆逐する任務を受けることになる。
 一方その頃、ヴァン神族にもアース神族の宣戦布告の報は届いてた。戦力的に劣勢であるドヴェルグ族から、救援の要請を受けるヴァン神族。しかし元々他国の戦争に関わらないことを主としたヴァン神族。ヴァナヘイムの長老会は、自国防衛を考え、救援を送らないことを決定する。その考えに反発する現代人達であったが、どうすることも出来ずにいた。
 補給部隊を襲う山賊を駆逐するため出撃した現代人達。しかし山賊達は、実際はアース神族に占領され、不満を持つ一部の人々が結成したレジスタンスであった。彼らと戦い、より一層戦いに疑問を持つことになる現代人達。しかし、情勢は刻一刻と大きな戦争へと向かい進んでいくのだった‥‥。

・登場人物
 アース神族側現代人(2〜4名) アース神族側で戦うことになった現代人。
 ヴァン親族側現代人(2〜4名) ヴァン神族側で戦うことになった現代人。
 レジスタンスリーダー(男女可1名) アース神族に対抗するレジスタンスのリーダー。正義感が強く、メンバーの信頼も厚い。アース神族の横暴を食い止めようと、蜂起した。
 トリックスター(池内秀忠) アース神族側の上級仕官で、「仮面の道化師」と呼ばれている。その名の通り、素顔は仮面で隠されており、元々の素性も出生も本名さえもわからない謎の男。
 その他 アース神族軍人、ヴァン神族長老会、レジスタンスメンバーなど

●今回の参加者

 fa0509 水鏡・シメイ(20歳・♂・猫)
 fa0658 梁井・繁(40歳・♂・狼)
 fa1435 稲森・梢(30歳・♀・狐)
 fa1449 尾鷲由香(23歳・♀・鷹)
 fa2401 レティス・ニーグ(23歳・♀・鷹)
 fa2554 リーベ(17歳・♀・猫)
 fa2582 名無しの演技者(19歳・♂・蝙蝠)
 fa3599 七瀬七海(11歳・♂・猫)

●リプレイ本文

●収録スタジオ
「次に、梁井さん担当のヴァン神族長老ですが。元騎士団長から長老になり、革新的な性格とします」
「ふむ、ではもう少し意欲的な姿勢をもった感じで演じるかな」
「次に、七瀬さんの演じるゴットフリートですが。アールヴヘイムの貴族は必然的にドヴェルグ族になるので、レジスタンスのスポンサーの裕福な商人の息子に変更になります」
「は〜い、じゃああまり気取り過ぎないようにしたほうがいいんですね」
 ミーティングルームでは、スタッフがキャラクター設定について補足を行っていた。梁井・繁(fa0658)と七瀬七海(fa3599)も、自分の担当についての説明を受けて、キャラのイメージを膨らませる。
「以上で皆さんよろしくお願いします」
「あの‥‥あたしはどうしたらいいんだ」
 スタッフの説明が終わった後、尾鷲由香(fa1449)が少し戸惑った様子で質問した。本職がスタント役者の由香だが、彼女の役については特に補足説明はなかったのだ。
「あ、尾鷲さんは、そのまんまでお願いします」
「‥‥そのまんまって、演技は?」
 あまりに大雑把な指示に、それ以上なにも言えず、由香はぽか〜んと口を開けてスタッフを見送るのだった。

●神霊装甲ヴァルキュリア『戦いの世界』
「トリックスターめ、鉱物資源と技術力、その二つを得るために我々をたばかったか‥‥。戦略的には正しいが、感情がそれを納得させられん」
 アース軍基地の廊下を歩く学生服の少年、緑川安則(CV:名無しの演技者(fa2582))が顔を顰めて呟く。アールヴヘイムへの宣戦布告、それは現代人達を少なからず動揺させていた。
「緑川君、遅いわよ」
「すいません‥‥」
 作戦室に入る安則に、現代人の一人、美剣涼香(CV:リーベ(fa2554))が小さくため息をつきながら声をかける。その表情は、少し疲れているようでもあった。
「どうしました?」
「はぁ‥‥また戦いね‥‥好きになれないわ」
「そうですね」
「君はずいぶん落ちついてるね。私より年下には見えないわ」
「‥‥そうですか、僕だって戦うのは‥‥好きではないです」
 しかし、言葉のわりに安則は冷静な表情を浮かべている。その様子に、涼香はなんとも納得できない様子で肩をすくめた。
「諸君、アールヴヘイム戦については話に聞いていると思う。我々にも出撃の命令が下った。今回の作戦の目的は、補給路を襲う山賊の排除だ」
 その後、彼らは仮面の男トリックスター(CV:池内秀忠)によって出撃を命令されるのだった。

●ヴァナヘイム
「風が吹いてきたわ。‥‥嵐になりそうね」
 ヴァナヘイムの森を一望できる高台に立ち、現代人の一人、緑マリア(CV:稲森・梢(fa1435))が風に流される髪を押さえる。その視線の先は、アールヴヘイムのある方向へと向けられていた。
「この胸騒ぎ‥‥私が世界に喚ばれた意味‥‥それを知らねばならないというの‥‥?」

●ヴァン神族長老会
 ヴァン神族の中心、巨大樹ユグドラシルの内部にある一室では、ヴァン神族の政治をつかさどる長老会が話し合いを行っていた。
「では、ドヴェルグ族への加勢は行わず。我々は静観することとする。これにて閉会」
 会議は終わり、長老達は部屋を出て行く。その中の一人、比較的年若い長老シュー(CV:梁井)は、顔を顰めていた。彼は、ドヴェルグ族への救援に積極的な意見を出していたのだ。
「‥‥ドヴェルグ族の戦力がどれほどかはわからぬが、このままではアールヴヘイムはアース神族の手に落ちる。むざむざと彼らに豊富な資源を渡してしまっては、我らにとっても不利だというのに‥‥」
 シューは、廊下を歩きながら呟く。長老には、保守的な考えのものが多く、積極的な行動を起こそうとする考えは、なかなか通ることはなかった。
「戦いはSAの登場で変わった、森の防備がいかほどの役に立つというのだ。守っていても、いずれ滅ぼされる‥‥彼らはそれをわかっていない」
 苦虫をかみ締めたような表情を浮かべるが、今のシューはあまりに無力だった。
「シュー様、ドヴェルグ族への加勢はどうなりました?」
「レイか。長老会で我らは静観することに決まったよ」
「しかし、このままではアールヴヘイムの市民は‥‥」
「これは決まったことなのだ。後で正式に連絡が行くと思うが、国の防備を固めてくれたまえ。魂の騎士達には君から話してもらったほうがいいだろう」
「そうですか‥‥」
 ヴァン神族の双子の女性騎士の一人、レイ(CV:レティス・ニーグ(fa2401))が声をかける。シューの指示を聞くと、レイは納得の行かない表情を浮かべるが、落胆した様子で頷いた。
「我々は保守的過ぎる。長老になり、少しでもそれを変えられたらと思ったのだがね‥‥」
「シュー様‥‥」
 シューの呟きに、レイは掛ける言葉も見つからず、ただその背中を見送るだけであった。

●病室
「自分の国が安全なら、他の国はどうでもいいと‥‥」
 重症を負った双子の女性騎士の姉リア。彼女を見舞いに来たエリス(CV:水鏡・シメイ(fa0509))は、長老会の決定に苦々しく顔を顰めた。眠るリアの姿に、悲しみを滲ませて深くため息をつく。
「戦うことで平和が訪れるとは思いません。ですが、何の罪も無い人が傷つくことを、見捨てることはできません」
 エリスは胸の十字架に触れ、決意を秘めた表情を浮かべる。そして、リアに語りかけるように呟くと病室を後にした。

●SA格納庫
「待て、今行けば反逆罪で処分するぞ」
「どうして?! ねぇ! 目の前で人が死んで行くっていうのにどうして手をこまねいていなきゃならないの?!」
 SAが収められている格納庫では、二人の女性、レイとヴィオ(CV:ニーグ)が口論していた。しばらくの間、睨み合う二人。しかし、先に視線を外したのはレイのほうだった。彼女は、ヴィオのまっすぐな視線にため息をつく。
「ヴィオ‥‥演習に行く、場所はスヴァルト。なお、これはあくまで演習だが物騒なご時世だ、身に降り掛かる何かがあれば全力で排除することもいとわない」
「レイ‥‥」
 レイの出撃の指示に、嬉しそうに微笑を浮かべるヴィオ。
「行くんですか、戦場に」
「私も同行させてもらうわ。この世界が私を呼んだのなら、この胸騒ぎの意味がこの先にあるはずよ」
「エリス‥‥マリア‥‥貴方達まで」
 その二人に、エリスとマリアが声をかける。レイは、少しの驚きと、呆れたような苦笑を浮かべた。

●レジスタンスキャンプ
 アールヴヘイムから、少し離れた山の中に、隠れた様に張られたキャンプ。そこには旧式のSAと共に、レジスタンスの人々が集まっていた。
「おまえを失えばあたし達を信じて付いてきてくれたみんなが路頭に迷うことになるんだぞ! 少しは立場をわきまえろ!」
 ダン! 筋肉質で体格の良い女性レオーネ(CV:尾鷲)が、会議用テーブルを叩き声をあげた。彼女は、中央に座る身なりの良い少年ゴットフリートに対し、厳しい視線を向ける。
「わかっています。ですが、リーダーである僕が出なければ、皆に示しがつかないじゃないですか!」
「しかし‥‥」
「僕はレオーネさんを信頼しています。作戦はきっと上手くいきます‥‥」
 ゴットフリートに見つめられ、レオーネは渋々といった様子で頷くのだった。

●山道
「アース神族の補給路を叩く! アールヴヘイムをやつらに渡すわけにはいかない!」
 レジスタンスは、山道を進むアース神族軍の補給部隊への攻撃を開始した。これまで、数度の襲撃は成功を収めていたが‥‥。
「これ以上、戦況を遅らせるわけにはいかないのでね。排除させていただく!」
 今回の襲撃を察知したトリックスターの部隊が、逆に罠を仕掛けていたのだった。
「この時期に山賊が軍の輸送部隊を襲撃とはな‥‥レジスタンスと見るべきか」
「トリックスター、あなたは下がっていてくれないかしら。またやり過ぎて私達を離反させたくないのならね」
 SAの性能の差は明らかで、安則は銃で、涼香は空中を舞い、剣による一撃離脱を持って確実に撃破していった。
「アース神族の新型と黒いSA!? よりによって戦場を駈ける戦乙女と黒い死神のおでましかよっ!」
 次々と撃破されていく仲間達に、レオーネは唇を噛む。
「よくも仲間達を! 当たれ!」
「く‥‥なんだ‥‥襲撃部隊を見ていると何か‥‥思い出しそうで頭が‥‥うわ!!」
「緑川君!」
「あ‥‥くそ、思い出した。今思い出したぜ。俺は緑川安則、傭兵部隊フレイミング・ウルフの曹長!」
 ゴットフリートの砲撃が、安則の機体に命中する。その衝撃に、額を打ち付けた安則だったが、何かを思い出したように、ゴットフリートに銃を打ち返した。
「しま‥‥!」
「ゴットフリート! ‥‥リーダー、お前は逃げてまた兵をまとめてくれ、あたしは奴らと差し違えてでも一矢報いてやる!」
「レオーネさん!! ダメだ!!」
 安則の弾が、ゴットフリートの機体を打ち抜こうとしたそのとき、レオーネの機体が割って入る。レオーネの機体が火を噴き、彼女は炎に包まれながら、最後の力を振り絞ってトリックスターへと特攻。しかし、一歩及ばず機体は爆砕するのだった。

「見たことのない機体ね。‥‥状況を知るためにも助けて話を聞くわよ!」
「う‥‥レオーネさん‥‥」
 その後、彼を見つけたマリア達によって、かろうじて脱出したゴットフリートは助けられる。そして、アールヴヘイムではアース神族とドヴェルグ族との決戦が間近に迫っていた。