神霊装甲 AH攻防戦アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
2Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
3万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/19〜08/23
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●本文
・声優募集
新作ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。
●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。
・世界設定
ヴァルハラ 我々の世界と対になる魂や精神が具現化した世界で、精神力(心の強さ)が力となる世界。絶えず争いが起きていることから、戦いの世界とも言われている。この世界には、それぞれアース神族、ヴァン神族、巨人族という三種族が国を作っており、それぞれがそれぞれの国と争っている。
神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。
SAヴァルキュリア アース神族の作り上げた新型量産SA。新技術により、意志力を翼状のオーラに変えて空中を飛ぶことが可能になった。性能もさることながら、女性的で優美なフォルムを持ち、翼を広げた姿はまるで天使のようである。基本武装は近距離用オーラブレード、遠距離用スピリットガンなど。
SAロキ アース神族のプロトタイプSAの一つ。高い運動性能と、周囲に溶け込む迷彩ステルス機能を持つ隠密性の高い機体。戦闘でも、近接遠距離ともに優れた戦闘力を持っているが、薄い装甲や稼働時間に難があるため扱いづらい機体となっている。また、様々な特殊機能が備わっているそうだが、そのほとんどが不明。ボディの基本色は黒。アース神族の上級仕官トリックスターの専用機。
SAトール アース神族のプロトタイプSAの一つ。超高出力オーラ砲「ミョルニール」を搭載している。その威力は山を打ち砕くほどで、大気に電気がほとばしる様子から「神の雷」と称される。通常のSAの二倍以上の大きさであり、パイロットも複数人必要。
SAフレイ ヴァン神族の作り上げたプロトタイプSA。意志力によって複数の剣を飛ばし、自由自在な遠隔攻撃を可能にするソード・オブ・ヴィクトリーを持つ、ヴァン神族の切り札。その存在はいくつもの謎に包まれており、オーバーテクノロジーによって作られているといわれている。まるで炎に包まれたかのような、燃えるような赤いボディが印象的なSA。二人乗りで操縦と武装を分けて行う。パイロットはヴァン神族の双子の姉妹レイとリア。
SAスキールニル ヴァン神族の量産型SA。基本性能は低いが、肩に積んだ二門のオーラキャノンで、遠距離攻撃を得意としている。
SSグリンヴルスティ ドヴェルグ族の開発した、大型空中戦艦。高出力オーラ砲の強力な火力と、バリアによる高い防御力を持つドヴェルグ族の切り札。このようなSA技術を応用した乗り物はこれが最初であり。のちにSS(スプリチュアルシップ)と呼ばれることになる。
アース神族 神の国アスガルドを首都に持つ、好戦的な種族。力(精神的に)が強く、謀略にも長ける。侵略、支配を繰り返し、巨大な国を作り上げた。我々の世界でいう騎馬民族のようなイメージ。 君主制を敷いており、王の下に内政、外政、軍部の各担当者がそれぞれを指揮している。軍の様子は、規律統制のとれた現代軍隊に近いイメージ。
ヴァン神族 新緑の森ヴァナヘイムを首都に持つ、平和的な種族。魔術が得意で、身のこなしも素早い。農耕を行い、大地に根付くことで豊かな国を作り上げた。農耕民族のイメージ。共和制を敷いており、国民に選出された長老会によって国の全ての政治を動かしている。軍の様子は、個々の力を重んじる中世騎士団と近いイメージ。
ドヴェルグ族 森に囲まれた鉱山の町アールヴヘイムを首都にもつ、友好的な種族。人間ではなく妖精に分類されており、見た目は人よりも小柄ながらガッチリとした体格が特徴、男女共に豊かな髭を生やしている。力が強く(肉体的に)、また手先が器用なため、何かを作るということに長けている。近年ではSAの開発に携わることも多く、彼らの開発したSA技術は各国に有償で提供されている。政治は君主制、少数民族であるが高い軍事力を持ち、各国と中立を保っている。
それ以外の種族 ノッカーやピクシー、またドラゴンなど様々なモンスターが存在している。
・次話あらすじ
ついにアース神族とドヴェルグ族の決戦が行われる時がきた。アース神族側、仮面の道化師トリックスター率いる現代人の部隊は、遊撃部隊としてドヴェルグ軍と戦うことになる。一方、ヴァン神族側の現代人は、ドヴェルグ族と合流し、国の防衛をすることになった。
アース神族とドヴェルグ族が入り乱れる戦いで、二つの国に分かれ、戦場で再び相見えることになった現代人達。それぞれの想いも戦いは容赦なく飲み込んでいく。
劣勢となったドヴェルグ族はアールヴヘイムの守りを固め、戦いの切り札である空中戦艦グリンヴルスティを発進させる。グリンヴルスティが、強力な火力でアース神族軍を蹴散らし、再びドヴェルグ族を優勢にしようとしたそのとき‥‥。
アース神族の開発した秘密兵器、SAトールの放った神の雷ミョルニールが、グリンヴルスティを貫き、これを打ち砕く。墜落するグリンヴルスティを目の当たりにし、切り札を失ったドヴェルグ族にはすでに抵抗する余力は残されていなかった。
戦争はアース神族の勝利で終わる。しかし、戦いで残った傷跡は、現代人達に大きな衝撃を与えるのであった。
・登場人物
アース神族側現代人(2〜4名) アース神族側で戦うことになった現代人。トリックスターの部隊として、戦争に参加。主な機体はSAヴァルキュリア。
ヴァン親族側現代人(2〜4名) ヴァン神族側で戦うことになった現代人。ドヴェルグ族に協力し、戦争に参加。主な機体はSAスキールニル。
トリックスター(池内秀忠) アース神族側の上級仕官で、「仮面の道化師」と呼ばれている。その名の通り、素顔は仮面で隠されており、元々の素性も出生も本名さえもわからない謎の男。
その他 アース神族軍人、ドヴェルグ族兵士、レジスタンスメンバーなど
●リプレイ本文
●神霊装甲ヴァルキュリア『アールヴヘイム攻防戦』
「‥‥トリックスター、あんたに聞きたいことある」
「なにかな緑川君。私で答えられることがあるのなら、答えよう」
「今まで調べてきたこと。アース、ヴァン、双方の現代人はそれぞれお互いに相手が召還してきたと説明受けている。そして巨人族との衝突‥‥そして今回のこと、全部あんたの差し金ではないかと思っている」
基地内で、仮面の男トリックスター(CV:池内)に詰め寄る緑川安則(名無しの演技者(fa2582))。静かな口調だが、はっきりと強い意志を持って問いただす安則に対し、トリックスターは仮面の下で読み取れない表情のまま、安則を見下ろした。
「今回のこと、つまりアールヴヘイムへの進攻のことを言っているのだとおもうが、私はすべてオーディンの指示に従ったまでだよ。君たちの召喚についても、私のあずかり知らぬところであるし、買い被って貰っても困るな」
「しかし!」
「その辺にしておけよ」
「富嶽‥‥」
トリックスターの返答に疑いの視線を向ける安則。それを富嶽源(CV:伊達正和(fa0463))が止める。
「焦んなよ、今はまだその時じゃねえ、一人で動くな」
安則に耳打ちする源。安則はそれに小さく頷き、踵を返しその場を立ち去る。
「一つだけ答えられることがある。全てを知る者がいるとすれば、それはオーディンだろう。ミーミルによってね‥‥」
「ミーミル‥‥」
立ち去る安則に、意味深な言葉を伝えるトリックスター。安則は振り返ることなく、ただその言葉だけを呟くのだった。
「さて富嶽君、ちょうどいいところで会った。君に新しい任務をお願いしようと思って、呼ぼうとしていたところだ。その前に、紹介しておきたい子がいる」
「新しい任務‥‥?」
安則が立ち去った後、同じく立ち去ろうとした富嶽を呼び止めるトリックスター。彼の傍らには、いつのまにか一人の少女が立ち、口元をにやりと吊り上げ笑みを浮かべていた。
場面は変わり戦場、アース神族とドヴェルグ族がぶつかり合う前線。剣と剣の響きあう音、光線の飛び交う音、そして機体を破壊され朽ち果てる音。いくつもの争いの音の中で、華麗に舞う天使達の姿。
「あははは! アタシの能力は上がってるんだ!」
その中の一機、鞭のようにしなり、巻きつき、打ち砕く光の帯オーラウィップを巧みに扱い、すばやい動きで敵を翻弄するピンク色に染められたヴァルキュリア。その搭乗者シェリー・ローズ(CV:大道寺イザベラ(fa0330))は、楽しげに笑いながら次々と敵を撃破していく。
「これで今回も撃墜王はいただ‥‥ちっ!」
シェリーが周囲の敵を撃破し、撤退しようとする相手に最後の一撃を当てようとしたその時、一条の光線がそれを遮る。舌打ちをしてそれを避けるシェリーの視線に、新しい敵の姿が映る。
「それ以上はやらせないわよ!」
「我々ヴァン神族が援護する、ドヴェルグ軍は態勢を立て直しなさい!」
シェリーを足止めしたその一撃は、ヴァン神族のSAスキールニルのオーラキャノンによるものだった。その搭乗者緑マリア(CV:稲森・梢(fa1435))が、アース神族軍を睨みつけ。深紅のSAフレイの搭乗者レイ(CV:レティス・ニーグ(fa2401))が、ドヴェルグ軍に指示を送る。
「邪魔をするなぁ! 当たらなければどうという事ないのさ、分かるだろぉ!!」
邪魔をされキレるシェリー。スキールニルの砲撃を掻い潜り、彼らに肉薄しようとする。しかし、そこに一機のヴァルキュリアがシェリーを阻んだ。アース神族からヴァン神族に付いたヴィオ・ローザ(CV:ニーグ)だった。
「敵にもヴァルキュリア!? そうか、アンタ、あの裏切り者!!」
「どうして、どうして戦わなきゃならないの? お願い引いて!」
「アタシはねぇ、自分の為に戦うのさ!」
対峙する二機のヴァルキュリア。悲痛に叫ぶヴィオだが、シェリーは怒りに燃える瞳で鞭を振るうのだった。
「あなた方も来たのですね、この戦場に‥‥やはり私達は戦い合わなければならないのでしょうか? 勝者が決まるまで‥‥」
「私達にも戦わなければならない理由がある‥‥美剣涼香、参る!」
「やはり戦いになってしまいましたか‥‥しかたありません、コックピットへの直撃は避けてください。命を奪ってはいけない」
フレイと対峙するのは、美剣涼香(CV:リーベ(fa2554))の駆るヴァルキュリア。オーラブレードを構え、向かってくる彼女に、フレイのもう一人の搭乗者エリス・リヴァイア(水鏡・シメイ(fa0509))は悲しげに呟く。
「これはまさにあれね。悪代官とそれを守る手下の侍。問題なのは、これが殺陣じゃない事と、相手が悪代官じゃない事ね。けど、私的に燃えるシチュエーションである事は確かね」
フレイの後部から射出される幾本の剣。それが、意志を持ったかのように涼香に立ちふさがり襲い掛かる。しかし涼香は、一対多、そのような状況になろうとも、不敵な笑みを浮かべては、払い、受け流し、避けて、フレイと互角以上の戦いを繰り広げた。
「でも、きりが無いわねこれじゃ‥‥え、なにあれ!?」
二つの勢力に分かれた現代人達、彼らが戦いを繰り広げる頭上に、巨大な影が現れる。その姿は、今までに見たことのないものだったが、魂の騎士達は何故かそれを知っていた。
「‥‥スピリチュアルシップ?」
「ここまで至近距離からのスピリットガンの攻撃をもろともしないバリアに、圧倒的な火力のオーラ砲‥‥こいつは神霊装甲なんてレベルじゃねえ‥‥神霊戦艦‥‥スピリチュアルシップだぜ!」
突如現れたドヴェルグ軍の切り札、空中戦艦グリンヴルスティ。いままでにないその姿に、アース神族軍は驚愕し、その絶大な火力により薙ぎ払われる。アース神族軍が優勢だった戦場は、一気に押し返されることになる。
安則は、グリンヴルスティに果敢に攻撃をしかけるも、周囲に張られたバリアが攻撃を弾き、圧倒的な弾幕が機体を近づけさせない。そうする間にも、友軍機は数を減らしていった。
「この世界を動かす風の中心には、トリックスターがいる筈だわ。会えばきっと何かわかるはずよ!」
そんな中、グリンヴルスティの登場により混乱する戦場を、マリアのスキールニルが疾走する。自分の中のもう一人の自分の声に導かれ、彼女は漆黒のSAを追い求める。
「富嶽、あなたのやる事はミョルニールの射界にまでトールを機動させ続ける事よ!」
「わかっている! ったく、俺の新しい任務は子守かよ‥‥」
アース神族の部隊の後方。通常のSAの二倍もある大型SAトールが、ホバー移動で前線へと近づいていた。トールにはノエル・ロシナン(CV:晨(fa2738))という名の現代人の少女と、富嶽が搭乗しており、ノエルの言動に富嶽は小さく毒づいた。
「紹介するよ、彼女はノエル。SAトールのテストパイロットとして、いままで別部隊に所属していた。今回、君と共にトールに搭乗してもらう」
「あなたが富嶽? せいぜい私の足を引っ張らないでね♪」
ノエルを紹介するトリックスターの回想シーン。無邪気に笑みを浮かべながら、富嶽をからかうノエルの姿を思い出し、富嶽は顔を顰める。
「あれが目標の空中戦艦ね。ふーん、それでこの美少女に勝ったつもりでいるんだ? くすくす、すぐに落としてあげるからね!」
「スピリチュアルシップ‥‥あんなものが空を飛ぶなんてな」
彼らの前方には、グリンヴルスティの姿。トールがそれを捉えると、移動を止めて、地に巨体を下ろす。
「ミョルニール発射準備!」
「まて! 射間に味方機がいるぞ!」
「うるさい! 邪魔をするなら巻き込んだっていいわよ!」
「バカ野郎、トールはお前の玩具じゃねえっ!!」
トールの足が鍵爪のように地面に固定され、バックパックに収納された全長の2倍ほどもある巨大な砲塔が姿を現す。味方ごと敵を打ち抜こうとするノエルに、富嶽が叱咤しつつも、発射の準備は整っていく。
「発射までの秒読みを開始する。ドライ、ツヴァイ、アイン、ヌル! ミョルニール、ファイエル!!」
ノエルの叫びと共に、トールの砲塔から超高出力のビームが発射された。神の雷と称されるそれは、大気を帯電させながらグリンヴルスティへと突き進む。
「なに、あれは!」
山間から発射された光線は、一瞬のうちにグリンヴルスティを打ち抜いた。その轟音に、驚きの声をあげるレイ達の目の前で、爆発し落ちていく空中戦艦。
「ここはひとまず引くわよ!」
「どうやら、そのほうが良さそうですね」
いち早く状況を察したヴィオとエリスは、撤退を決意する。
「シェリー、私達も撤退しましょう。状況を見極めないと」
「アタシに命令するんじゃないよ! ちっ、しかし、ここはしかたないようだね」
「なんてこと、あの戦艦が一撃で落ちるなんて‥‥」
やはり、落ちる空中戦艦を呆然と見るマリア。彼女は、SAロキによって壊滅させられたドヴェルグの部隊から生き残りを助け出し、なんとか撤退することに成功した。
「ち‥‥こいつは戦争なんて代物じゃねえな‥‥虐殺だぜ」
間近で戦艦が落ちるさまを見ることになった安則は、苦々しげに顔をゆがめて眼下を見下ろすのだった。
その後、切り札を失ったドヴェルグ軍は降参し、アールヴヘイムを明け渡すことになる。そして、戦後のどさくさに紛れ、涼香がアース神族から脱走し行方がわからなくなるのだった。