神霊装甲ヴァルキュリアアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 緑野まりも
芸能 1Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 やや難
報酬 1万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 01/27〜01/31

●本文

新作ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
 戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
 召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
 物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。

・世界設定
ヴァルハラ 我々の世界と対になる魂や精神が具現化した世界で、精神力(心の強さ)が力となる世界。絶えず争いが起きていることから、戦いの世界とも言われている。この世界には、それぞれアース神族、ヴァン神族、巨人族という三種族が国を作っており、それぞれがそれぞれの国と争っている。

神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。

SAヴァルキュリア アース神族の作り上げた新型量産SA。新技術により、意志力を翼状のオーラに変えて空中を飛ぶことが可能になった。性能もさることながら、女性的で優美なフォルムを持ち、翼を広げた姿はまるで天使のようである。基本武装は近距離用オーラブレード、遠距離用スピリットガンなど。

SAフレイ ヴァン神族の作り上げたプロトタイプSA。意志力によって複数の剣を飛ばし、自由自在な遠隔攻撃を可能にするソード・オブ・ヴィクトリーを持つ、ヴァン神族の切り札。その存在はいくつもの謎に包まれており、オーバーテクノロジーによって作られているといわれている。まるで炎に包まれたかのような、燃えるような赤いボディが印象的なSA。

魂の騎士 ヴァルハラに召喚された現代人のこと。彼らは、「戦士の魂」という過去の英霊の魂を内に秘めた人間たちである。魂が力になるヴァルハラでは、絶大な力を持ち。神霊装甲の適正がヴァルハラ人よりも数倍上である。

アース神族 神の国アスガルドを首都に持つ、好戦的な種族。力(精神的に)が強く、謀略にも長ける。侵略、支配を繰り返し、巨大な国を作り上げた。我々の世界でいう騎馬民族のようなイメージ。

ヴァン神族 新緑の森ヴァナヘイムを首都に持つ、平和的な種族。魔術が得意で、身のこなしも素早い。農耕を行い、大地に根付くことで豊かな国を作り上げた。農耕民族のイメージ。

巨人族 険しい山々に囲まれるヨーツンヘイムを首都にもつ、暴力的な種族とされている。全長十数メートルと大変体格に恵まれており、力が強く身のこなしも早い。内向的な種族で、自分達の暮らす山々から出ることはほとんどなかった。暴力的とされているが、実際は理知的で歌や詩にも秀でる文化的な種族。本来争いは好まないが、怒ると怖い。

それ以外の種族 ノッカーやピクシー、またドラゴンなど様々なモンスターが存在している。

・声優募集
 新作ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。

・第一話あらすじ
 突然ヴァルハラ世界に召喚されてしまった現代人たち。彼らに、ヴァルハラ人たちは神霊装甲(SA)を託し戦いを強要する。選択肢を与えられぬままに、戸惑いながらも戦いに巻き込まれていく現代人たち。この戦いの世界で、彼らに安息の日々は訪れるのだろうか‥‥。

・登場人物
 現代人(男女可) 3〜5名
 アース神族軍人(男女可) 1〜2名
 巨人族(男性のみ) 1〜2名

 審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。

●今回の参加者

 fa0374 (19歳・♂・熊)
 fa0463 伊達正和(25歳・♂・竜)
 fa0675 恵・ミルク(18歳・♀・兎)
 fa0832 醍全 史郎(55歳・♂・蝙蝠)
 fa1511 ルーファス=アレクセイ(20歳・♂・狐)
 fa2401 レティス・ニーグ(23歳・♀・鷹)
 fa2554 リーベ(17歳・♀・猫)
 fa2582 名無しの演技者(19歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

●スタジオ風景
「よっしゃぁ! こういう役を待ってたぜぇ!」
「セリフ少ないな‥‥寡黙な設定じゃしかたないか。俺には丁度いいし」
 それぞれの役柄が決定し台本を渡された一同。伊達正和(fa0463)は自分の役柄に満足そうに笑みを浮かべ、焔(fa0374)も言葉の割りには自分にあった配役に満足している様子であった。
「えっと‥‥そ、その程度でいきがるな‥‥ちからのつ、つかいかたを‥‥。けっこう感情を込めて言うのって難しいわね‥‥なんか身体動いちゃうし」
「そうそう、あたしも声出すのは得意なんだけどさ、演技するのは難しいな」
 恵・ミルク(fa0675)は、台本を読みながらセリフを口に出してみるが、なかなかうまくいかず四苦八苦しているようだ。セリフを口に出すたびに何かしらのポーズを取っている。それを見て、レティス・ニーグ(fa2401)も同じように苦笑して頷いた。
「若いということはいいもんぢゃのう‥‥そう思わんか?」
「はい? ああ、そうですね。実に面白い台本です。読み物としてもなかなか‥‥」
 醍全 史郎(fa0832)も恵を見てニヤニヤと笑みを浮かべていた。その視線は彼女の胸に集中していて、恵が何かしらのポーズを取るたびにフヨンフヨンと揺れる大きな胸に見惚れているようである。醍全は、隣にいたルーファス=アレクセイ(fa1511)に同意を求めるが、読書好きの彼は台本を読みふけっていて醍全とは会話が噛み合っていない。
「ああ、私にももう少し胸があれば、役に幅が持たせられるのに‥‥」
「あそこまで大きいのも考え物だと思うのであるが‥‥」
 リーベ(fa2554)も羨ましそうに恵の胸を見てため息をついた。その呟きを聞いて、名無しの演技者(fa2582)は肩を竦めて苦笑した。
 他にも数人の出演者達が、自分の役とセリフを覚えるために真剣に台本を読んでいる。そんな中に収録スタッフが入ってきた、どうやら収録がそろそろ始まるようだ‥‥。

●神霊装甲ヴァルキュリア第一話『喚ばれし者たち』
 作品冒頭、現代の日常風景が描かれる。
「お母さんいってきます!」
 高校の制服を着たポニーテールの少女美剣涼香(CV:リーベ)が、元気に家から出てくる。片手には学生鞄、肩には袋に入った竹刀を背負っていて、これから学校に向かうようだ。
「ん、楽っ勝!」
 場所は変わってアメリカ・マンハッタンの路地裏。屈強な男数人を華麗な足技で打ち倒すヴィオ・ローザ(CV:レティス)。苦痛に呻く男達を無視して、路地裏から大通りに出てくるヴィオは、空を見上げて呟く。
「やな天気、悪いことが起きなければいいけど‥‥」
 再び場所は変わり日本の学校。友人の男子生徒に別れを告げて、学校を出てくる富嶽源(CV:伊達)。
「見晴らしはいいんだけど、落ちたら一貫の終わりだよなぁ」
 活発そうな様子で坂道を走り降りてくる富嶽は、ふと立ち止まりガードレール下の街並みを見下ろしたあと、ハッと空を見上げた。
「なんだ? 今一瞬光ったような‥‥く、急に目眩が‥‥う、うわぁ!!」
 突然激しい目眩に襲われ、ガードレールを乗り越えて崖に落ちてしまう富嶽。しかし、落下していく富嶽の身体を光が包みこむと、富嶽は粒子となって消えてしまうのだった。

「う‥‥、いったいなにが。僕は‥‥ここはどこ‥‥う、思い出せない」
 場面は戦いの世界ヴァルハラへ。荒野に一人倒れ伏していた学生服の少年緑川安則(CV:名無し)。意識を取り戻し、ゆっくりと立ち上がる緑川だが、彼は全ての記憶を失っていた。制服に入っていた学生証で自分の名を知るが、何故自分が一人荒野にいるのかわからなかった。そのうちにフラフラと荒野をさ迷い歩いている緑川の前に、巨大な巨人が姿を現す。
「記憶が無くてもわかる‥‥これは夢‥‥だ」
 驚きと疲れで気を失ってしまう緑川。倒れ伏す緑川に、巨人のシルエットが近づいていくのだった。

 緑川が再び目を覚ました場所は、アース神族の首都アスガルドであった。彼は、巨人‥‥神霊装甲によって、アスガルドの城へと連れて来られていた。
「はじめまして皆さん、アスガルドへようこそ」
 緑川と同じように城に連れて来られた富嶽、美剣、ヴィオ。この四人の前に、親しげな笑みを浮かべた青年レノ(CV:ルーファス)が現れる。彼は、緑川達が魂の騎士として召喚された者ということと、戦いの世界ヴァルハラについて、自分達が何者かという説明をする。
「‥‥と、言うわけで。我々はいま、ヴァン神族や巨人族という脅威に晒されているわけです」
「それで、あたし達を戦争の道具として召喚したってわけ?」
「ああ、勘違いしないでいただきたい。外の世界、私達はニブルヘイムと呼んでいますが、つまり貴方たちの世界から無差別に召喚しているのはヴァン神族なのです。私達アース神族は、そんな貴方がたを保護しているわけで」
 説明を聞き、怪訝な顔で睨みつけるヴィオに、レノが困ったような表情を浮かべて首を振る。
「あれが、保護だって!? 剣を突きつけて、無理やり連れてきたんじゃないか!」
「非礼はお詫びしますが、なにとぞ抑えて‥‥」
「あの、今すぐ私達を元の世界に帰してください」
「申し訳ありません、先ほども申し上げたとおり召喚したのはヴァン神族で、我々では貴方がたを帰すことはできないのです。といっても、ヴァン神族も貴方がたを帰すつもりはないでしょうが」
「そんな‥‥」
 怒る富嶽に頭を下げるレノだが、続く美剣の願いに対しての答えに、一同は絶句する。その後、戦いに勝ち世界を統一することが唯一元の世界への帰還の方法だと言われ、いやおうなく戦いを強要される緑川達。
「これが、我々の開発した新型SA『ヴァルキュリア』。貴方がたにはこれに乗って戦っていただきます」
「これがSA‥‥私達の戦乙女‥‥」
「兵器だなんて思えない‥‥なんて綺麗なんだ‥‥」
 案内された格納庫に並ぶ、数機のSAヴァルキュリア。まるで芸術品のような、美しい銀色の戦乙女の姿に見惚れる美剣と緑川。
「お前達がニブルヘイムの魂の騎士か。話は聞いている、今後お前達は私の下で働いてもらうよ」
 SAの姿に見惚れていた四人の前に、露出度の高い鎧を纏った妖艶な美女ミルージュ(CV:恵)が現れる。彼女は、現代人を集めた遊撃隊の隊長として、隊を率いることを一同に伝えた。しかし、そのことに激昂する富嶽。
「ざけんな! 人を無理やり連れてきて、命令するんじゃねえ! ぐあ!」
「ふっ、その程度で粋がるな! 力の使い方を教えてやる!」
「く、くそぉ‥‥」
 猪突猛進でつっこんでくる富嶽を、軽くいなすミルージュ。結局富嶽は、コテンパンにやられてしまうのだった。
 その後すぐに緊急警報が発令され、戸惑いながらもSAに搭乗する富嶽達。
「うそ‥‥頭の中に、動かし方が流れ込んでくる‥‥」
「あたしの中のなにかがざわめく‥‥戦えと‥‥」
 美剣達が操縦席に座ると、まるで昔から知っていたかのようにSAの操作を理解していく。ヴァルキュリアの瞳に青い光が灯り、美しき戦乙女たちが起動していく。
「ヴァルキュリア隊出るよ!」
 ミルージュの号令に、5機のヴァルキュリアは次々と格納庫から射出され、淡く光るオーラの翼を広げて飛び立つのだった。

 場面は変わり、巨人族の宿営地。山ほどの大きさがあるかと思える巨大なテントに、二人の巨人があぐらをかいて座っていた。
「ガノンよ、戦況はどうだ?」
「は‥‥、いまのところ我々が優勢のようです」
 巨人軍の隊長タイタス(CV:醍全)に、ガノンと呼ばれた巨人(CV:焔)が戦況を伝える。タイタスは厳つい顔で、筋骨隆々の男。ガノンは、やや細めの寡黙で無表情な男だ。
「やつら、性懲りも無く巨大装甲を前線に送り出してきているようだが、何を用いようが人間が我々に敵うはずもなかろうに」
「人間は傲慢に満ちています、族長の言うようにやはり我々が粛清せねばならぬのでしょうか‥‥」
「むやみやたらに争えば良いというものでもないであろうに」
 二人がそのような話をしているところに、一人の兵士が慌てた様子でテントに入ってくる。それは、空を飛ぶ敵の新型に部隊が被害を受けているという報告だった。
「なんだと!? よし、ワシが出るぞ! ガノン!」
「はっ!」
 報告を聞き、タイタスは立ち上がると体格に見合った巨大なハルバートを持ってテントを出る。ガノンも立ち上がり、冷静な面持ちでタイタスの命に従うのだった。

 戦場では、SAの残骸と、同じように倒れ伏した巨人族の姿があった。そして、その中央で銀色の戦乙女達が剣を振るっていた。
「やぁ! たぁ! 私はこの剣で道を切り開くしかない!」
「こんな人の生き死にに関わる戦いなんてしたくないのに‥‥私の中のもう一人の私が戦えと叫ぶ!」
「こんなわけのわからないとこで、死んでたまるか! ぶちかましたるぞーー!!」
「くっ、頭が‥‥イラつくんだよ! 消えてなくなれーー!」
 現代人達は、何かに突き動かされるように敵の巨人族を切り裂いていく。その様子を、ミルージュが満足そうに見ていた。
「ふふふ‥‥やればできるじゃない。これから楽しくなりそう‥‥」
 戦況の不利を悟ったタイタスが、全軍の退却を命じる。戦いが終わると、疲れ果てたように肩を落とす一同。双方の屍が散乱する戦場で、5機の血塗られた戦乙女達が佇んでいた。