光の中のヒカル!!アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 緑野まりも
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 10/02〜10/06

●本文

 私は蛍崎光流(ホタルザキ・ヒカル)、元気がとりえの中学2年生! 勉強は苦手だけれど、運動だけは学校で一番の女の子よ。そんなどこにでもいるような私が、アイツを拾ったときから、大変な事件に巻き込まれてしまう。本当にこんなヤツのパートナーになって大丈夫なのかしら? 考えたって仕方がない! 私は私の願いのために、全力で戦うよ!

〜声優募集〜
 新作アニメ『光の中のヒカル!!』では、劇中のキャラクターの声を演じてくれる方を募集しています。得意な役柄、演じたい役柄の希望と共にご応募ください。審査のうえ、ご依頼させていただきます。振るってのご応募お待ちしております。

〜作品紹介〜
 明るくて運動の得意な少女蛍崎光流は、ある日不思議なヌイグルミのような生き物を見つける。それはなんと、光流達の住んでいる世界とは別の世界からやってきた異世界人(?)だった。
 異世界人カトリは、500年に一度行われる神様決定戦に参加した神様候補だと光流に伝える。神様決定戦とは、異世界で一番の権力者を選ぶ戦いで、100人ほどの候補者から勝ち残った1人を神様とするものだった。神様候補は、こちらの世界を訪れ、パートナーとなるものを1人選び出し。パートナーとなったものに魔法を使える力を与え、この力で最後の一組になるまで戦いを生き抜くことになる。
 カトリは光流にパートナーになってくれるよう頼み込み。最初は得体の知れない戦いに巻き込まれるのを嫌がった光流だが、優勝者のパートナーには一つだけ願いを叶える権利が与えられると聞いて、喜んでパートナーになることを了承する。
 こうして光流とカトリはパートナーとなり、神様決定戦に参加することになった。しかし、実はカトリは神様候補の中で最低ランクの落ちこぼれであった。はたして光流は、頼りないカトリと一緒に神様決定戦を生き抜いていけるのだろうか‥‥。

〜世界設定〜
現代世界 光流達の暮らす、実際の現実世界とほとんど変わらない世界。500年に一度、異世界から神様候補達が現れ、その戦いの舞台となる。
異世界 現代世界とはまったく異質の世界。現代世界からみるとヌイグルミのような生き物が暮らし、魔法という不思議な力で生活している。通常は二つの世界を行き来することは不可能。500年に一度だけ、この世界の神様(最高権力者)を選ぶために現代世界とゲートを開く。
神様決定戦 500年に一度行われる異世界の神様を選ぶ戦い。神様候補を戦わせ、最後の1人になったものを神様とする。現代世界では異世界人は魔法が使えないため、神様候補はパートナーを選び、彼らに魔法の力を与えて、二人で協力して戦う。パートナーとなった者には、候補が神様となった時に一つだけ願いを叶える権利が与えられる。
異世界人 異世界で暮らすヌイグルミのような外見をした生き物。言語を話し、現代世界の人間とほとんど変わらない知性を持っている。外見は様々で、人型や動物型、無機物型など、大きさはだいたい30センチほど。その造型に関係なく、空を飛ぶことができる。また現代世界では、人間の姿に変身することができる。
神様候補 異世界で選抜された神様決定戦の参加者達。彼らは、現代世界でパートナーを見つけ。最後の1人になるまで戦い続け、その最後の1人が神様となる。彼らは現代世界で魔法を使えないが、パートナーにその力を与えることができる。
パートナー 神様候補に選ばれて、一緒に神様決定戦を戦うと誓った者。彼らは、神様候補から魔法の力を与えられると、その姿を変身させて(必須)魔法を行使することができる。パートナーは人間でなくても良い、ただし生き物でなければならない。
魔法 異世界人が使うことのできる不思議な力。現代世界では、パートナーにその力を与えることによって使うことができる。異世界人にはそれぞれ得意な魔法属性があり、第一魔法にその属性(炎、水、身体強化など)が反映された魔法、その後第二魔法からは属性に特性を現す単語(炎の『壁』、『強い』身体強化など)を加えていく魔法が使えるようになる。第二魔法は単語が一つ、第三魔法は単語が二つといったように強くなっていく。ただし、それぞれ一つずつしか覚えられない(第二魔法を二種類覚えるなどはできない)。
パワーストーン 神様候補達が現代世界にいるために必要な特殊な石。候補達はかならずこの石を持っており、これがなくなると異世界に強制的に戻されることになる。つまり、これを奪い合い、候補達を全て異世界に送還し最後の1人になった者が神様決定戦の勝者となる。

〜第一話あらすじ〜
 異世界人カトリと出会った光流は、色々とすったもんだの末パートナーとなることを誓う。そんな彼女の前に、同じように異世界人のパートナーとなった者達が現れる。初めは戦いを避けようとする光流とカトリ。しかし、魔法の力を得て増長した者達は一般人にさえその力を行使するようになっていた。そんな彼らに、光流は怒りを覚え戦いを決意する。
 そんな光流に魔法の力を与えるカトリであったが、落ちこぼれの彼が使える魔法は、なんと『光』だけだった。ただ光を発するだけの魔法を与えられた光流は、はたして敵に勝つことができるのだろうか‥‥。

〜登場人物〜
蛍崎光流(CV:牧村ユミ) 本編の主人公。運動神経抜群の中学二年生の少女。明るく元気で、ちょっと勝気な性格。偶然異世界人カトリと出会い、神様決定戦のパートナーに選ばれる。愛称はヒカル。
異世界人カトリ(CV:南方雄治) 本編のもう1人の主人公。異世界より神様決定戦に参加する、神様候補として現代世界に現れた。神様候補の中でも落ちこぼれの存在で、使える魔法属性は『光』。弱気で争いごとが苦手な性格で、一見するとやる気がなさそうに見える。しかし、無関係の者を傷つけるなど間違った行為が大嫌いで、そういう相手には勇気を持って戦う。外見は羽の生えたレッサーパンダのような姿で、人間時はボサボサ髪の冴えない高校生くらいの少年。
ライバル達 神様候補とそのパートナー達。様々な願いを持って戦いに参加し、光流やカトリと対決していく。また、何かのきっかけで仲間になったりする。
学校の友人 光流の学校の友人達。神様決定戦のことは知らないが、事件に巻き込まれたり、場合によってはパートナーに選ばれていく。
その他 光流の両親、学校の先生など

〜備考〜
 今回の話では、第一魔法(属性を現す初期魔法)のみ登場。今後、光流達が成長していくに従って第二魔法、第三魔法と増えていく予定。
 パートナーの変身はいわゆる魔女っ子物などの服装の変化といったイメージ。また、異世界人はパートナーが変身すると、本来の姿(ヌイグルミ)に戻る。
 蛍崎光流役には現在売り出し中のアイドル声優牧村ユミ氏を、カトリ役にはイケメン声優南方雄治氏を起用します。

●今回の参加者

 fa0330 大道寺イザベラ(15歳・♀・兎)
 fa0921 笹木 詠子(29歳・♀・パンダ)
 fa2178 リアラ(11歳・♀・猫)
 fa2738 (23歳・♀・猫)
 fa2772 仙道 愛歌(16歳・♀・狐)
 fa3426 十六夜 勇加理(13歳・♀・竜)
 fa3863 豊田そあら(21歳・♀・犬)
 fa4643 夕波綾佳(20歳・♀・犬)

●リプレイ本文

「光流ちゃ〜ん、朝よ〜! 起きなさ〜い」
「ううん、あとじゅ〜ぷんだけ‥‥」
 母親優子(CV:夕波綾佳(fa4643))の声に、むにゃむにゃと布団の中で返事をする蛍崎光流(CV:牧村)。毎日の朝の光景である。
「ヒカル? 起きないとママさんが来るよ?」
「う〜、うるさいなぁ」
「うわ!?」
 枕元の棚に置かれていたヌイグルミのカトリ(CV:南方)が、光流を起こそうとするが、寝ぼけた彼女はカトリをぽ〜んと投げ捨ててしまう。
「いたた、酷いよ‥‥とと!」
「ほら光流、ちゃんと起きないとだめでしょう? あら?」
 クローゼットに投げ飛ばされて地面に落ちるカトリ、と同時に部屋に入ってくる優子の姿に、あわててヌイグルミのフリをした。優子は、落ちているヌイグルミに不思議そうに首を傾げるも、どうやらまだカトリの存在には気づいていないようである。

「なんで学校にまでついてくるのよ?」
「ヒカルの学校に、神様候補がこないとも限らないし」
「‥‥いいけど、ちゃんとヌイグルミのフリしてるんだよ?」
「うん、わかってるよ」
 学校へと向かう通学路、カバンから顔を出したカトリに、光流は不承不承といった表情でため息をついた。
「おはようございます、ヒカルちゃん」
「わわ‥‥! お、おはよう、すばる!」
 そんな光流に、後ろから声がかかる。光流は少し慌てた様子で、声の主で親友の本田すばる(CV:豊田そあら(fa3863))に挨拶をした。すばるは、長く綺麗な黒髪の少女で、頭のカチューシャが良く似合っている、上品で大人しそうなお嬢様だった。
「どうかなされたんですかぁ?」
「う、うん、なんでもないよ!」
「あら、可愛らしいヌイグルミですねぇ。ふふ、ヒカルちゃんが学校にヌイグルミを持っていくなんて珍しいですわね」
「そ、そうかな! ちょ、ちょっとね、えへへ‥‥」
「?」
 すばるは、光流のカバンに入ったカトリに気づくと、柔らかい笑みを浮かべる。しかし、なんとなく光流の様子が気になったように、首を傾げるのだった。
「そういえば、ここ最近おかしな事件が多いようですね」
「え?」
「なにやら、火の無い所で突然炎があがったり、空き地にいつのまにか大きな石が置いてあったりするらしいですわ。不思議ですわねぇ、まるで魔法ですわぁ」
「そ、そうなんだ‥‥」
 その後、二人で話しをしながら学校へ向かう。すばるの話に、ヒカルはカトリを見つめて神様決定戦との関係を疑うのだった。

「おっはよ〜!」
 学校に着き、教室へと入る光流達。光流はクラスメイトに明るく挨拶を交わし、自分の席に腰を下ろした。
「あの、蛍崎さん‥‥」
「ん、なに、風祭くん?」
 光流に声をかけたのは、制服をかっきり着込んだ生真面目そうな少年、風祭千尋(CV:晨(fa2738))だった。幼さを残し、まだ声変わりもしていない少年は、少し曖昧に笑って。
「部活のことでちょっと話があるんだけど‥‥」
「ほら、席につけ〜! ホームルームを始めるぞ!」
「あ、えっと、また後ででも!」
 千尋が話をしようとすると、教室に担任の教師の鈴木楓(CV:夕波)が入って来て、生徒達に着席を促す。千尋は慌てて、結局話もできないまま自分の席へと戻っていった。

 授業が終わって放課後。光流は、体育館裏でカトリとこっそりと話をする。
「くれぐれもバレないように注意してよね」
「わ、わかったよ。えい! これならいいかな?」
 カバンから出したカトリに、光流は念を押すように言う。すると、カトリはポンという音と共に、その姿を人間にするのだった。そんな体育館裏に、千尋が誰かを探すように周囲を見ながら歩いてくる。
「蛍崎さん、どこいったんだろう? あっ!?」
「へぇ! カトリって人間に変身できるんだ。でも、なんか頼りない姿だね」
「そ、そうかな‥‥とにかく、僕はこの姿でしばらく街を見てから帰るよ」
「蛍崎さんと‥‥、高校生みたいだけど誰だろう?」
 千尋は、光流と人間になったカトリを見つけて、慌てて体育館の壁に身を隠す。そして、光流とカトリの様子を盗み見ては、関係を疑うように顔を顰めるのだった。

 光流は、テニス部に入っていて、毎日練習を頑張っていた。そんな中、男子テニスの憧れの先輩に話しかけられて嬉しそうに目を輝かせる光流。
「お兄ちゃんに近づく女は許さない。お兄ちゃんは私のものなんだから!」
 テニス場のフェンス越しに、光流と先輩の様子を見つめる少女(CV:リアラ(fa2178))。赤いランドセルを背負った幼い少女は、可愛らしい顔を嫉妬に歪める。その少女の腕の中、一つのヌイグルミが抱かれ。そのヌイグルミからは妖しげなオーラが立ち上っていた。

 一方その頃、カトリは街の様子を物珍しそうに眺めながら歩いていた。
「そっちはどうよ? ケケ、もう6つだ。お前もこいつらの仲間に入れてやろうか? ケケケッ」
 そんなカトリに、声をかけてくる小学生ぐらいの男の子。その正体はカトリと同じ神様候補ヴィアン(CV:笹木 詠子(fa0921))であった。。
「パートナー、連れて来いよ。相手してやるぜ? ケケケッ」
「ぼ、僕は、戦いなんてしたくない」
 ヴィアンの後ろには、彼のパートナーである高校生ぐらいの無口で根暗そうな少年の姿立っている。しかし、挑発するヴィアンに、カトリは逃げ腰な様子で首を振った。
「馬鹿じゃねーの?」
「見逃して‥‥くれた?」
 弱気なカトリを軽蔑したように言葉を吐き捨て、ヴィアンはパートナーを連れてその場を去っていった。それを呆然と見送って、カトリはポツリと呟く

「ありす、収録お疲れ様」
「ありがと、マネージャー次のスケジュールは?」
「一時間後に他局でバラエティの収録よ。その後は‥‥」
 場面は変わりテレビ局の収録現場。美少女アイドル夢村ありす(CV:大道寺イザベラ(fa0330))と、そのマネージャー花園蘭(CV:仙道 愛歌(fa2772))が、仕事の話をしている。そして話の終わったありすに、一人の少女が駆け寄る。
「ありす、疲れてない? 大丈夫?」
「大丈夫よ、ミュウ。でも、ちょっとお腹が空いちゃったかしら」
「あはは、ちゃんとお弁当作ってきたよ」
 ミュウ(CV:十六夜 勇加理(fa3426))と呼ばれた少女は、ありすと楽しそうに笑って、まるで姉妹のようである。
「ありす、ミュウちゃん、そろそろ移動するわよ。お弁当は車内で食べてね」
「は〜い」
「ふふ、ミュウちゃんが来てから、ありすも随分と元気になったわね」
 ありすとミュウの様子を眺めながら、蘭は嬉しそうに微笑んだ。そんな蘭の見ていないところで。
「ミュウ、本当にいるの?」
「うん、間違いない。力を感じるの。神様候補がこの街にいる‥‥ありす、お願い私を助けて。私はね‥‥優しい神様になって皆を幸せにしたいの!」
「私でよければ、その『優しい神様』への夢、手伝わせて頂戴」
 神様候補とそのパートナー‥‥二人は、決意の表情を浮かべて頷きあうのだった。

 次の日曜、先輩の試合の応援に来ていた光流達は、再びヴィアンと出会う。ヴィアンの周りには、数人の不良が倒れていて、パートナーが無言で懐から財布を奪っていた。光流は、魔法を悪いことに使っている彼らに怒りを覚え、売り文句に買い文句でヴィアンに勝負を挑むことに。
「ラッキー7って言葉があるそうだ。元の世界に戻っても幸せに暮らせるな」
「あんたみたいに、魔法で無関係の人を傷つけるのは許せない! ライテ!」
「ちっ! 眩しい!」
 魔女っ子に変身した光流は、同じように変身したヴィアンとそのパートナーに、唯一の魔法である『光』を放つ。突然の光に目をくらまされたヴィアン達の隙をついて、そのすばやい運動神経でヴィアンのパワーストーンを奪おうとする光流だったが。
「リフレ‥‥」
「きゃあ!?」
「ヒカル! だいじょうぶ?」
 しかし、光流は飛びついた勢いをそっくり返されて吹き飛ばされてしまう。
「そんな眩しいだけの魔法で勝とうなんて無理無理。お前らは俺達に触れることもできないのさ、ケケケ」
 攻撃を『返す』ヴィアンの魔法に、光流はなすすべもない。ヴィアンの術中にはまり、やられそうになるその時‥‥。
「グラビ!」
「な、なに!? 身体が急に‥‥!!」
「この魔法は、重力を操る魔法。直接的攻撃ではないこの魔法に、貴方の魔法は通用しないわ!」
 突然、ヴィアン達の身体が重しを着けたように鈍くなる。そして、どこからともなく、ピンクのエナメルスーツの様な衣装を纏ったありすが現れた。その傍らには、青いドラゴンのヌイグルミ姿のミュウ。
「カトリ‥‥」
「そちらの神様候補の方。今回はミュウに免じて、見逃してあげる」
「え!?」
 ミュウはカトリの姿を見ると悲しそうに呟き、ありすは光流に向かって言い放つ。
「く‥‥そ‥‥俺をなめるなぁ! この借りはいつかかえしてやるぅ〜」
 そんなやり取りの中、ヴィアンが渾身の力を振り絞って呪縛から抜け出す。しかし、勝ち目は無いと悟ったヴィアンは、捨て台詞を残して逃げていくのだった。
「逃げ足だけは速いヤツ‥‥ミュウ行きましょう」
「うん‥‥さようならカトリ‥‥」
 逃げたヴィアンに軽蔑の言葉を呟き、ありす達もその場を去る。それを見送った光流達は、自分達の非力さに大きくため息をついた。そして‥‥。
「ああ! 先輩の試合終わっちゃった!!」
 応援に来ていた試合が終わっていたことに落胆する光流であった。