ストレス解消しよ!アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
やや易
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報酬 |
1.5万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
10/19〜10/21
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●本文
現在売り出し中の俳優、伊藤ミリ16歳。小さくて可愛らしいぽっちゃり系の女の子といった容姿で、一生懸命だけど少しオドオドとしたイメージから、愛称は『子豚ちゃん』。その愛称の通り、豚の獣人である。初主演の『豚子をメタモ!』で人気を得て、ドラマやCMで活躍中。そんな彼女の毎日は‥‥。
「ミリ! 今日はまずCMの撮影よ!」
「はい!」
「ミリ! 次はドラマの撮影! 急ぎなさい!」
「は、はい!」
「ミリ! 次は時代劇の撮影に向かうわよ!」
「あ、あの、まだお昼が食べ‥‥」
「そんなのは、後にしなさい! 時間が無いわ、行くわよ!」
「はい〜!」
「ミリ!!」
「はう〜‥‥」
マネージャーの春原美香子の管理で、秒刻みのスケジュールをこなすミリ。とにかく彼女を知ってもらうために、来る仕事はえり好みせず請け続けていた。しかも‥‥。
「もっと運動しないと体重は維持できないわよ。有酸素運動と無酸素運動を交互に行うことが大事ね」
「はい!」
「規則正しい生活を行いなさい。朝起きたらまず日の光を浴びる。それと夜は夜更かししないで早く寝る、寝不足は美容の天敵よ。もちろん、仕事があるときはそちらを優先してね」
「は、はい‥‥」
「一日の摂取カロリーは1400カロリーよ! 間食禁止! 貴女は太りやすいんだから注意しなさい!」
「はう、お腹空いたよぅ‥‥」
毎日、厳しい食事制限と生活管理を行っている。彼女は元々太りやすい体質で、今の体重を維持するためには大変な努力を要するのだ。しかし‥‥。
「も、もうだめ〜! 私、お腹いっぱい食べます!!」
ミリは、ストレスが溜まると暴飲暴食してしまうのだった。その量や、一食で一般人の十人前を軽く平らげてしまう。しかも、彼女の体質は、これら食べたものが体重に直結してしまうのだ。
「ミリ!! 貴女、また勝手に食べたわね‥‥。そんなに太っちゃってどうするの!」
「す、すみません〜〜」
太ってしまったミリを見て、大きくため息をつく美香子。ミリも、やってしまった後に、後悔して萎縮する。そしてまた、厳しい食事制限が行われるという悪循環だった。
「というわけなの。大変な苦労を強いてることはわかっているけれど、あの子にとって今という時期はとても大切で、がんばらせないといけないんです」
と、美香子は零す。厳しい言葉を言うことも多いが、彼女もミリのことを思っているようだ。
「それで、またあの子のストレスが爆発するまえに、なにかでストレス解消させようと思うのだけど、何か良い方法ないでしょうか。ちょうど、スケジュールが三日間空くので、その期間にリフレッシュしてもらおうと思うんです。みんなで、遊びにでも誘ってもらえたらいいのだけれど?」
美香子の話は、ミリがまた暴飲暴食をする前に、ストレス解消をさせようというものだった。休日を利用して、遊びや買い物などに連れて行ってもらい、上手くストレスを解消して欲しいようだ。
「たいしたお礼はできないけれど、費用などは事務所側で負担します。それで、条件ですが‥‥」
美香子が出した条件は以下の通り。
・食事には特に気をつける。カロリーを無視して飲食することは、本末転倒。
・スキャンダルは厳禁。容姿を隠す必要はないが、男性と二人きりになるなどは避ける。
・未成年であるため、飲酒・タバコなどは禁止。
・夜遊び禁止。深夜12時以降は出歩かない。自宅での夜更かしは可とする。
・買い物は自己負担。また、あまりに高い贅沢(10万円以上)は控える。
・旅行する場合は、国内に限る。
・その他、一般良識に反することはしない。
「ということで、お願いしますね。あ、これ、ミリのプロフィールです。何かの参考にしてください」
こうして、美香子にミリのストレス解消をお願いされたあなた達は、色々と計画を練ることになったのです。
伊藤ミリのプロフィール
・年齢 16歳
・性別 女
・出身地 栃木
・現在の住まい 東京の2LDK賃貸マンション(事務所管理、ペット不可)
・趣味 TVゲーム(特に対戦モノ)、小銭集め、読書
・好きな事(物) 食べる事、役を演じる事、小動物
・嫌いな事(物) 喧嘩、虫、怖い事・物(幽霊など)
・性格 努力家。言われた事を一生懸命やる真面目な性格だが、自分がやったことに自信が持てない。人前では元気に振舞うことを心がけている。しかし、言いたいことをハッキリ言えず、不安や不満を内に溜めやすい。対戦ゲームをすると性格が変わる‥‥らしい。
●リプレイ本文
「ミリちゃん、これから3日ほどお休みがあるって聞いたんだけど、よかったら皆で遊びに出かけない?」
以前ダイエットの世話で知り合っていた中松百合子(fa2361)の誘いで、遊びに出かけることになったミリ。今日のミリは、落ち着いた感じの洋服とシックなスカート、髪を軽く結って毛先を巻いて遊ばせている。いつもは子供っぽい感じのミリだが、少し大人っぽい雰囲気になっており、全て百合子のコーディネートだった。
「ふむ、このメガネもつけてみてくれ」
「あら、素敵ね♪」
織石 フルア(fa2683)が、ミリに伊達メガネをかけさせると、より大人しく清楚な感じになる。百合子もその姿に満足そうで。他のメンバーと合流した後、近くの動物園へと向かうことになった。平日のため比較的お客は少なく、ミリ達は珍しい動物や定番の動物を見て回る。
「よ、調子はどうだい? なになに、たまには逃げる動物を狩りたいって?」
虎獣人であるMAKOTO(fa0295)は、虎と会話などもしている。
「この中では、ミリとアスカが美味しそうだってさ、あはは!」
「ひええ〜!」
虎の言葉を通訳するマコトの話に、ミリと美角あすか(fa0155)は仲良く悲鳴をあげた。
「ミリ〜、こっちにふれあい広場があるでぇ」
動物園には、動物の子供や小動物を触れる広場もあり、敷島ポーレット(fa3611)がみんなに手招きする。
「ふかふかで可愛いな〜♪」
「本当に〜、私ちっちゃい動物とかって好きなんです〜。なんとなく仲間みたいで安心するというか‥‥」
「ミリさん、ここの隅にモルモットがみっしり!」
ポーレットと一緒に小さい子供の動物を抱かせてもらい、満面の笑みを浮かべるミリ。アスカも、広場の一角でもぞもぞしているモルモットなどを薦めて、一緒に楽しんでいる。
「‥‥‥」
なにやら、無愛想な表情で様子を見ていたフルアも。
「あ、あの、退屈なら別のところでも‥‥」
「小動物は大好きだ! 可愛い〜〜!」
タガが外れたように、ひたすら小動物達を愛でていた。結局、動物園は大成功のようで、ミリは小動物達と幸せな半日を過ごすのだった(ストレス100→90)。
その後、昼食に百合子が持参したヘルシー和食お重弁当を食べた一行(90→85)は、ミリが好きだというゲームをするために大型ゲームセンターへと向かった。
「‥‥ガンシューティングを一緒にやりましょう。‥‥面白いです」
「あ、はい♪」
いままで、無言で一行に着いてきていたアンリ・ユヴァ(fa4892)が、急にクイクイとミリの袖を軽く掴んで話しかけると、ゲーム用の拳銃で画面の敵を撃つゲームを薦めた。そしてミリとアンリは、ガンシューティングの二人プレイを始める。
「ターゲット‥‥オン」
「す、すごい‥‥」
ガガガガガガ! カチ! ガガガガガガ! ゲームが始まると、アンリはものすごい速さで弾を放ち、瞬く間に敵を倒していった。そして、そのまま全ステージをクリアしてしまう。その凄さに、ミリは驚きと感心の声を漏らした。
「凄いです、アンリさん!」
「‥‥実際の射撃練習のほうがもっと楽しいのですが」
感動の視線を送るミリ。アンリは聞こえないようにぽつりと呟いたのだった。その後は、音ゲーやレーシングゲーム、クレーンキャッチャーなどを楽しんだのだが。
「ミリちゃん、やっぱり気になるんでしょ?」
「あ、あの、その‥‥」
チラチラと格闘ゲームの筐体を見るミリを、堕姫 ルキ(fa4852)が目ざとく見つけた。ミリは慌てて視線をそらすが、やはり気になっているようで。ルキはニヤリと笑う。
「まぁ、いいから、ちょっと対戦しようよ! 我慢は身体に毒だよ」
「あわわわ‥‥」
ルキに強引に誘われて、格闘ゲームの筐体に座るミリ。『レディファイト!』の掛け声で対戦が始まった。
「ユーウィン♪ ふふ、もう一回やる?」
「むむ‥‥も、もう一回!」
初戦はルキが勝利を収めた。それにどことなく悔しそうなミリは、再戦を申し込む。そして、二戦目も拮抗しながらもルキが勝利する。そして三戦目、ルキが手を抜いてわざと負けると‥‥。
「ルキさん! 手を抜きましたね!! そんなので勝っても嬉しくないです! 本気でやってください!!」
「ちょ、ミリちゃん? そんな大きな声で‥‥」
いつもの弱気はどこへいったのか、ミリは大きな声で激怒し、目を吊り上げて再び再戦を望むのだった。結局その後、かなりの時間、対戦することになってしまった。
「絶対ぶっころ〜す!」
「キャラ変わってない‥‥?」
結局、なんだかんだとゲームを楽しんだミリ達(85→65)は、夕食を事前に調べておいたヘルシーで美味しいと噂の料理店で食べ(65→60)。
「え? うちに泊まりに来るんですか?」
「はい、ミリさんの為に‥‥いくら食べても太らないお菓子を作ります」
「お菓子♪ 楽しみですね」
湯ノ花 ゆくる(fa0640)の提案に、とても期待した表情を浮かべるミリ。結局、ゆくるとルキ、アンリが泊まっていくことになった。その夜‥‥。
「‥‥ゆくるのメロンパン3分クッキング〜♪」
「あの‥‥それは‥‥」
どこからか持ってきたペンギンのカキ氷機を取り出したゆくるは、誰もが聞き覚えのある料理番組の曲を口ずさみながらお菓子作りを開始した。
「それでは‥‥このカキ氷機で、氷を細かくしてお皿に盛ります‥‥そのあと、きなこと‥‥刻みメロンパンと‥‥メロン果汁をトッピングして出来上がりです」
そして、出来上がったそれは、メロンパン乗せきなこメロン味のカキ氷だった。正直、美味しくなさそうである‥‥。
「は、はう‥‥」
「ミリさん遠慮なさらずにどうぞです♪ バンバンおかわりして下さいデス♪」
期待していたミリはガックリと肩を落とすが、ゆくるは満面の笑みを浮かべていた。
「食べないと、ゆくるが代りに食べちゃいますよ♪」
「うう‥‥お、美味しいです‥‥はぅ〜」
正直な感想も言えないまま、ミリは小さくため息をつくのだった(60→65)。
「ルキさん、勝負の続きやりますよ!」
「トーナメント表、作りました‥‥」
その後は、目をギンギンにしたミリが、ルキを誘って対戦ゲーム大会。アンリがトーナメント表を作ったりして、おおいに盛り上がったようだ(65→45)。
「え、鬼怒川ですか? 私の地元の温泉地ですね」
二日目は、温泉に行く事になったミリ達は、新幹線と電車を使って栃木鬼怒川温泉へと向かった。山間になる温泉地は、少しずつ秋の色合いを見せていた。一行は、ホテルに付くと早速露天風呂に入ることにする。
「ふぅ、いいお湯ですねぇ。それにしても‥‥」
ちょうどいいお湯につかりながら、リラックスした表情を浮かべるミリ。しかし、なにやら気になることがある様子で。
「ん、どうかした?」
「みなさん、胸が大きくて羨ましいなぁって」
「ミリだって、十分大きいじゃない」
「私は太ってるだけですよ〜」
「そんなことないって、こことかこことか出るとこ出てるし、このプニプニ感が可愛いよねぇ」
「ひゃん、そんなとこ触っちゃダメですよ〜」
ドン! ドン! ドン! と、マコト・アスカ・ルキの三人の巨乳を羨ましがるミリ。そういう彼女も、けして小さいほうではないが。マコトが楽しそうにあちらこちら触っている。
「ゆくるちゃんも、細いわりに何気にあるよねぇ」
「うちは全然あらへんなぁ」
「そういうけど、ポーレットが一番綺麗な形じゃない?」
「いやいや意外に百合子さんも、綺麗だと思うなぁ」
「アンリちゃんは、大人になるにつれてよくなってきそうな感じですね?」
女性同士ということで、気兼ねなく体型の話に花を咲かせる一同。そんな中‥‥。
「く‥‥なんだ、この絶対的な敗北感は!」
一人悔しそうに、流れる川を眺めるフルアだった。
次に、フルアの勧めで流行の岩盤浴に挑戦するミリ達。
「‥‥うつ伏せになるのは体型的に楽だが、これはこれで切ない物があるな」
「私、岩盤浴って始めてなんです。ここに寝ているだけでいいんですか?」
「岩盤浴は汗が出にくい人もたくさん汗をかくのよ。身体の不純物が取り除かれて、美容にもいいの」
百合子の説明を聞きながら、初めての岩盤浴を体験するミリ。サウナとはまた違った、身体の芯まで熱を感じ、大量の汗を掻くそれを、一行はゆっくり楽しむのだった。そして、夜はみんなで部屋に集まり、深夜までカードゲームをしたり悩み打ち明け大会をしたりと、ワイワイガヤガヤ修学旅行のように楽しむのだった(45→15)。
三日目、紅葉が綺麗だという日光へと向かう一行だったが。
「あかん、酷い大渋滞や」
「しかたないわね、ここでUターンしましょう」
土曜日ということで、同じように紅葉を見に来た観光客で、道路は大渋滞。百合子の判断で、しかたなく紅葉は諦めて、都心へ戻っていくのだった。
「みなさん、ありがとうございます。本当に楽しい三日間でした」
「あたし達こそ、ミリちゃんが一緒で楽しかったよ♪ なかなか機会は無いかもだけど、また一緒に遊ぼうね」
「はい! 私、仕事以外でお友達なんてほとんどいなかったから嬉しかったです!」
帰宅後、心身ともにリフレッシュした様子で、ミリは感謝の気持ちを口にする。ルキも楽しそうに笑って、再び遊ぶ約束をし、携帯番号とメアドの交換をした。ミリにとって、友達ができたことが一番のストレス解消だったのかも知れない(15→0)。