光の中のヒカル 文化祭アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
10/30〜11/03
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●本文
この時期になると、うちの学校では文化祭があるんだけど。それに、アイツが遊びにきたいなんて言い出した! おかげで、あちこちで騒ぎを起こすし、クラスメイトに私とアイツの関係を疑われるし、ついには他の神様候補とのバトルまで始まっちゃう! お願いだから、せっかくの文化祭を楽しませてよ〜。
〜声優募集〜
アニメ『光の中のヒカル!!』では、劇中のキャラクターの声を演じてくれる方を募集しています。得意な役柄、演じたい役柄の希望と共にご応募ください。審査のうえ、ご依頼させていただきます。振るってのご応募お待ちしております。
〜作品紹介〜
明るくて運動の得意な少女蛍崎光流は、ある日不思議なヌイグルミのような生き物を見つける。それはなんと、光流達の住んでいる世界とは別の世界からやってきた異世界人(?)だった。
異世界人カトリは、500年に一度行われる神様決定戦に参加した神様候補だと光流に伝える。神様決定戦とは、異世界で一番の権力者を選ぶ戦いで、100人ほどの候補者から勝ち残った1人を神様とするものだった。神様候補は、こちらの世界を訪れ、パートナーとなるものを1人選び出し。パートナーとなったものに魔法を使える力を与え、この力で最後の一組になるまで戦いを生き抜くことになる。
カトリは光流にパートナーになってくれるよう頼み込む。最初は得体の知れない戦いに巻き込まれるのを嫌がった光流だが、優勝者のパートナーには一つだけ願いを叶える権利が与えられると聞いて、喜んでパートナーになることを了承する。
こうして光流とカトリはパートナーとなり、神様決定戦に参加することになった。しかし、実はカトリは神様候補の中で最低ランクの落ちこぼれであった。はたして光流は、頼りないカトリと一緒に神様決定戦を生き抜いていけるのだろうか‥‥。
〜世界設定〜
異世界 現代世界とはまったく異質の世界。現代世界からみるとヌイグルミのような生き物が暮らし、魔法という不思議な力で生活している。通常は二つの世界を行き来することは不可能。500年に一度だけ、この世界の神様(最高権力者)を選ぶために現代世界とゲートを開く。
神様決定戦 500年に一度行われる異世界の神様を選ぶ戦い。神様候補を戦わせ、最後の1人になったものを神様とする。現代世界では異世界人は魔法が使えないため、神様候補はパートナーを選び、彼らに魔法の力を与えて、二人で協力して戦う。パートナーとなった者には、候補が神様となった時に一つだけ願いを叶える権利が与えられる。
異世界人 異世界で暮らすヌイグルミのような外見をした生き物。言語を話し、現代世界の人間とほとんど変わらない知性を持っている。外見は様々で、人型や動物型、無機物型など、大きさはだいたい30センチほど。その造型に関係なく、空を飛ぶことができる。また現代世界では、人間の姿に変身することができる。
神様候補 異世界で選抜された神様決定戦の参加者達。彼らは、現代世界でパートナーを見つけ。最後の1人になるまで戦い続け、その最後の1人が神様となる。彼らは現代世界で魔法を使えないが、パートナーにその力を与えることができる。
パートナー 神様候補に選ばれて、一緒に神様決定戦を戦うと誓った者。彼らは、神様候補から魔法の力を与えられると、その姿を変身させて(必須)魔法を行使することができる。パートナーは人間でなくても良い、ただし生き物でなければならない。
魔法 異世界人が使うことのできる不思議な力。現代世界では、パートナーにその力を与えることによって使うことができる。異世界人にはそれぞれ得意な魔法属性があり、第一魔法にその属性(炎、水、身体強化など)が反映された魔法、その後第二魔法からは属性に特性を現す単語(炎の『壁』、『強い』身体強化など)を加えていく魔法が使えるようになる。第二魔法は単語が一つ、第三魔法は単語が二つといったように強くなっていく。ただし、それぞれ一つずつしか覚えられない(第二魔法を二種類覚えるなどはできない)。
パワーストーン 神様候補達が現代世界にいるために必要な特殊な石。候補達はかならずこの石を持っており、これがなくなると異世界に強制的に戻されることになる。つまり、これを奪い合い、候補達を全て異世界に送還し最後の1人になった者が神様決定戦の勝者となる。ちなみに、パワーストーンは各候補者固有で、他のパワーストーンを代用することはできない。
〜次話あらすじ〜
お互いパートナーとなって神様決定戦を戦っていくと決めたヒカルとカトリ。しかし、初めてのバトルにぼろ負けした二人は、自信をなくしてしまう。
それからしばらくたち、ヒカルの学校では文化祭が開かれていた。文化祭を見て見たいというカトリを、ヒカルは来ないようにと断るが。カトリは、人間の姿でこっそり遊びに来てしまう。そして、はじめて見る文化祭に、色々とハプニングを起こしてしまうのだった。
そんな中、カトリ達のパワーストーンを狙って、神様候補が現れる。勝つ手段を持てず、戦いを避けようとするカトリ達。しかし、業を煮やした相手が文化祭の人々を巻き込もうとしたとき、第二の魔法が目覚めるのだった‥‥。
〜登場人物〜
蛍崎光流(CV:牧村ユミ) 本編の主人公。運動神経抜群の中学二年生の少女。明るく元気で、ちょっと勝気な性格。偶然異世界人カトリと出会い、神様決定戦のパートナーに選ばれる。愛称はヒカル。
異世界人カトリ(CV:南方雄治) 本編のもう1人の主人公。異世界より神様決定戦に参加する、神様候補として現代世界に現れた。神様候補の中でも落ちこぼれの存在で、使える魔法属性は『光』。弱気で争いごとが苦手な性格で、一見するとやる気がなさそうに見える。しかし、無関係の者を傷つけるなど間違った行為が大嫌いで、そういう相手には勇気を持って戦う。外見は羽の生えたレッサーパンダのような姿で、人間時はボサボサ髪の冴えない高校生くらいの少年。
ライバル達 神様候補とそのパートナー達。様々な願いを持って戦いに参加し、光流やカトリと対決していく。また、何かのきっかけで仲間になったりする。
学校の友人 光流の学校の友人達。神様決定戦のことは知らないが、事件に巻き込まれたり、場合によってはパートナーに選ばれていく。
その他 光流の両親、学校の先生など
〜備考〜
今回の話で第二魔法が登場。文化祭を襲う悪役は、第一魔法のみ使用。そのほかの、直接対決しない候補者は第二魔法まで覚えている。
パートナーの変身はいわゆる魔女っ子物などの服装の変化といったイメージ。また、異世界人はパートナーが変身すると、本来の姿(ヌイグルミ)に戻る。
蛍崎光流役には現在売り出し中のアイドル声優牧村ユミ氏を、カトリ役にはイケメン声優南方雄治氏を起用します。
●リプレイ本文
●冒頭
「ふぇ〜ん、ふぇ〜ん‥‥」
ある雨の夜、白いワンピースを着た少女(CV:KISARA(fa0389))が、雨に濡れながら泣いていた。道端で座り込んだ少女を、周囲を歩く者は皆避けて通り、誰も声をかけたりはしない。
キキキーー!! 突然、路上でスリップした車のランプが、少女をまぶしく照らし出す。少女は恐怖に身をすくめ、身動きもとれずに顔を伏せた。
「!!」
「だいじょうぶ‥‥」
「‥‥?」
そのとき、少女に覆いかぶさるように、ライトを遮る影。態勢を取り戻した車は、何事もなく過ぎ去っていき。少女を身を挺して守ろうとした影が、優しく声をかけた。
「君、迷子?」
「リリーは‥‥」
影の問いに答えようとする少女の視線は、影の足元、残された酷い傷痕に向けられていた。
「リリーは、貴方の願いを叶えられるの‥‥」
●光の中のヒカル「第二魔法覚醒!?」
「ヒカルちゃん、最近元気がないようですが、どうされたんですかぁ?」
「え!? そ、そんなことないよ! ほら、私はいつもどおり!」
「それならばいいのですけどぉ」
学校の帰り、蛍崎光流(CV:牧村)と親友の本田すばる(CV:豊田そあら(fa3863))は帰り道を歩いていた。すばるは、光流の様子に心配そうに訊ねるが、光流は慌てて元気なそぶりを見せる。
「明日は文化祭だし、いっぱい楽しまなくちゃ!」
「そうですわね、私もヒカルちゃんと一緒に回るのを楽しみにしてますわ」
光流の学校では、明日が文化祭になっており、毎年一般のお客も参加しておおいに賑わうようだ。光流とすばるも、明日の文化祭を楽しみにしているように笑顔を見せる。
「そういえば聞きました? 明日の文化祭、テレビの中継があるそうですよぉ?」
「そうなの!? それは凄いね〜!」
「有名なアイドルを呼ぶんだって、お父様が言ってましたわ」
すばるの父親は、大変な資産家で大手企業の社長である。学校にも多額の出費をしており、イベントごとでは大きく関わりを持っているそうだ。しかし、すばるはそんなことを鼻にかけない穏やかな笑みで答えた。二人はその後、文化祭の話をしながら家に帰っていった。
「ヒカル、僕も文化祭に遊びに行っていいかな?」
「ぜったい、ダメ!!」
その夜、家で文化祭に行きたいとねだるカトリ(CV:南方)に、得意の踵落としで眠らせる光流だった。
「はーい! ありすでーす! 今日は此処、輝樹学園にお邪魔しまーす!」
次の日、文化祭で賑わう光流の学校に、人気アイドルの女の子夢村ありす(CV:大道寺イザベラ(fa0330))がテレビの撮影に来ていた。マイクを持ったありすが、色々な学園を紹介する番組のようだが、メインはあくまで可愛らしいありすの姿である。すばるの父が、文化祭のために呼んだものであり、周囲には多くの見物客がいる。
「今日は、文化祭のようですねー。私もいっぱい楽しんじゃおうと思います!」
校門前で、一通りの学校紹介を行ったありす。スタッフにOKを出されると、営業用のスマイルを消して、つまらなそう表情を浮かべた。
「あら? ミュウは?」
「ありすちゃーん、次いくよ!」
「あ、は〜い‥‥きっと文化祭が珍しくて見て回ってるのね」
ふと、自分の大切な何かを探すようにあたりを見回したありすだが、スタッフに呼ばれると小さく呟き自分を納得させて、笑みを浮かべて校内へと入っていった。
「いたた、ヒカル手加減無しなんだから‥‥」
そのころ校内では、冴えない高校生くらいの男の子の姿をしたカトリが光流に内緒で遊びに来ていた。教室巡りの途中で買ったヤキソバを持って、校内をうろうろとしていると。
「うわ〜、美味しそうな食べ物がいっぱい♪ きゃぁ!」
「わわ!? ご、ごめん、大丈夫ですか?」
「!!?」
ちょうど教室から烏賊焼きを頬張りながら出てきた少女ミュウ(CV:七瀬・瀬名(fa1609))と、ぶつかってしまう。カトリは慌てて頭を下げるが、ミュウはなにやら驚いた表情でカトリの顔を見ていた。
「はほり、はんへほほひひふほ!?」
「え〜っと‥‥もう一度お願い‥‥」
「んぐんぐ‥‥カトリ! なんでここにいるの!」
「‥‥あの、どこかで会いましたっけ?」
「!!!」
カトリを指差して、もがもがと烏賊を口にしたまま何か喋るミュウ。カトリに問い直されると、烏賊を急いで飲み込み、再びカトリに問いただす。しかし、返された言葉に驚き、怒りで顔を真っ赤にする。
「ああ! カトリ!! 来るなって言ったでしょ!!」
「ヒカル!? やば、ごめん、僕逃げないと!」
「え、ちょっとカトリ!?」
そんなとき、すばると出し物を巡っていた光流が、カトリを見つけて大きな声を出した。そして、ヒカルに見つかったことに慌てたカトリは、ミュウを置いて逃げ出してしまう。あまりのことに、呆然としてしまうミュウ。
「待ちなさいよ! カトリ〜!」
「‥‥カトリ、私のこと覚えてないの?」
カトリを追いかけていく光流。そんな二人の背中を見送って、ミュウは悲しげな表情を浮かべるのだった。
カトリを見失った光流は、悪態をつきながらあたりを見回していた。そこに、一人の少年が現れる。光流のクラスメイト風祭千尋(CV:晨(fa2738))は、光流のぬいぐるみが、人間に変身したところを見たと告げる。
「な、なんのことかな?」
「いいよ、とぼけなくて。異世界人‥‥そして神様決定戦。僕は全部知っているから」
千尋に隠れるように、小さな少女リリーが彼の足にしがみついて光流を見ていた。その子は、ある雨の日の少女だった。
「君の願いはなんなの? 僕は‥‥自分のこの身体を治す。もう一生治らないはずのこの身体を、昔のように元気な身体に治すんだ」
「リリー、ホントは戦いたくなんて、無いの‥‥でも、ちひろの身体‥‥治してあげたいの‥‥だって、リリーの事助けようとしてくれたモン‥‥」
「もし、100人の願いを踏みにじってでも叶えたい夢が無ければ、戦いに加わらない方が良い‥‥」
「私は‥‥」
「今はまだ、蛍崎さんと戦うつもりはない。でも、いつかその日は来ると思う。僕は絶対に願いを叶えるから」
そう告げて、その場を去る千尋。光流は、身近なところに現れたライバルと、自分の願いを叶えることは、人の願いを奪うことだということを強く意識させられたことに、険しい表情を浮かべるのだった。
「お帰りヒカルちゃん! 出し物は楽しかった?」
「う、ん、まあね‥‥」
クラスに戻った光流は、クラスメイトの少女富岡花梨(CV:鈴木 舞(fa2768))に話しかけられる。花梨は短い髪型で男の子のような喋り方の少女で、光流とは元気者同士仲がいいようだ。そんな二人が、雑談をしていると。
「うわ、なんだあれ! 噴水が!」
ドパーン! 突然、何かが噴出すような音が聞こえると、花梨の指差す先、校内にある噴水から突然水柱があがる。しかも、水道など水周りのいたるところで水が噴出していた。
「これって、魔法!?」
「あ、ヒカルちゃん、待って!」
この現象に、思い当たることがある光流は、慌てて教室から飛び出した。途中でカトリと合流して、二人は屋上に向かう。
「‥‥こんな学校、なくなっちゃえばいいんだ」
「そうさ! 全部水の中に沈めちまいな!」
屋上にいたのは、いじめられっ子の少年神田裕樹(CV:笹木 詠子(fa0921))と、そのパートナー水色の鬼の姿をした異世界人アクアン(CV:蘇馬 千賀子(fa3784))。裕樹は学校を嫌い、アクアンにそそのかされて水浸しにしてしまおうとしたのだった。
「やめなさい!」
「きやがったかカトリぃ! お前みたいな弱いのいじめるのが面白いのさぁ!」
「あんたも僕を邪魔するのか! 誰も僕を助けてくれなかった! 自分が苦しければ誰にでも助けを求めるくせに! ウォーテ!」
対峙する光流とカトリに、アクアンと裕樹は敵意をむき出しにして襲い掛かってくる。貯水庫の水を利用して、激しい水攻撃を繰り出す裕樹。
「ボクは夢を見ているのか? こんなことが現実にあるわけない」
「なんだ、目障りなんだよてめぇ!」
「うわぁ!」
「花梨!? ちょっと、関係ない人まで巻き込むつもり!」
「こんなチンケな場所がどうなろうと俺の知ったことかぁ、俺が王になれば全部海の底だぁ!」
「や、やめろ! 僕達の戦いは、無関係な人を巻き込んじゃいけないんだ!」
光流を追いかけてきていた花梨が、戦いに巻き込まれる。そんな、無関係な者まで巻き込む戦いに、怒りを覚えるカトリ。その気持ちに呼応したように、カトリのパワーストーンが輝きだす。
「この輝きは!? 光‥‥収束‥‥そうか! ヒカル、第二の魔法だ!」
「うん! カトリから力が流れ込んでくる! 第二魔法レイテ!」
「水を‥‥突き抜ける!?」
光流の掛け声と共に、魔法のステッキから光線が放たれる。極限まで収束された光は熱を持ち、裕樹の放つ水を突き抜けて、アクアンのパワーストーンを貫いた。
「そ、そんなバカな‥‥俺の野望が‥‥」
「う、うう‥‥こんな世界から抜け出すチャンスだったのに‥‥」
パワーストーンを失ったアクアンは異世界に送還され、裕樹は力を失いガクリと項垂れるのだった。
その後、駆けつけたありすと仲良くなる光流。そんな中、アイドルと出会えた喜びで、生きる意味を見出しちゃった裕樹。ミュウとカトリに一悶着あったりと、ドタバタの中で文化祭の日は過ぎていくのだった。