ヒカル! 神様達の初詣アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 緑野まりも
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 01/01〜01/05

●本文

 今年ももう終わりかぁ。なんか、色々あって、あっという間だったなぁ。それもこれも、神様決定戦なんてものに巻き込まれたせい。大晦日とお正月、来年はいい年になるようにって初詣にでも行こうかな。っと思ったら、またあいつがついてくるって言い出した。はぁ、また面倒なことにならなければいいんだけど?

〜声優募集〜
 アニメ『光の中のヒカル!!』では、劇中のキャラクターの声を演じてくれる方を募集しています。得意な役柄、演じたい役柄の希望と共にご応募ください。審査のうえ、ご依頼させていただきます。振るってのご応募お待ちしております。

〜作品紹介〜
 明るくて運動の得意な少女蛍崎光流は、ある日不思議なヌイグルミのような生き物を見つける。それはなんと、光流達の住んでいる世界とは別の世界からやってきた異世界人(?)だった。
 異世界人カトリは、500年に一度行われる神様決定戦に参加した神様候補だと光流に伝える。神様決定戦とは、異世界で一番の権力者を選ぶ戦いで、100人ほどの候補者から勝ち残った1人を神様とするものだった。神様候補は、こちらの世界を訪れ、パートナーとなるものを1人選び出し。パートナーとなったものに魔法を使える力を与え、この力で最後の一組になるまで戦いを生き抜くことになる。
 カトリは光流にパートナーになってくれるよう頼み込む。最初は得体の知れない戦いに巻き込まれるのを嫌がった光流だが、優勝者のパートナーには一つだけ願いを叶える権利が与えられると聞いて、喜んでパートナーになることを了承する。
 こうして光流とカトリはパートナーとなり、神様決定戦に参加することになった。しかし、実はカトリは神様候補の中で最低ランクの落ちこぼれであった。はたして光流は、頼りないカトリと一緒に神様決定戦を生き抜いていけるのだろうか‥‥。

〜世界設定〜
異世界人 異世界で暮らすヌイグルミのような外見をした生き物。言語を話し、現代世界の人間とほとんど変わらない知性を持っている。外見は様々で、人型や動物型、無機物型など、大きさはだいたい30センチほど。その造型に関係なく、空を飛ぶことができる。また現代世界では、人間の姿に変身することができる。

神様候補 異世界で選抜された神様決定戦の参加者達。彼らは、現代世界でパートナーを見つけ。最後の1人になるまで戦い続け、その最後の1人が神様となる。彼らは現代世界で魔法を使えないが、パートナーにその力を与えることができる。

パートナー 神様候補に選ばれて、一緒に神様決定戦を戦うと誓った者。彼らは、神様候補から魔法の力を与えられると、その姿を変身させて(必須)魔法を行使することができる。パートナーは人間でなくても良い、ただし生き物でなければならない。

魔法 異世界人が使うことのできる不思議な力。現代世界では、パートナーにその力を与えることによって使うことができる。異世界人にはそれぞれ得意な魔法属性があり、第一魔法にその属性(炎、水、身体強化など)が反映された魔法、その後第二魔法からは属性に特性を現す単語(炎の『壁』、『強い』身体強化など)を加えていく魔法が使えるようになる。第二魔法は単語が一つ、第三魔法は単語が二つといったように強くなっていく。ただし、それぞれ一つずつしか覚えられない(第二魔法を二種類覚えるなどはできない)。

光流の家族 光流の家は母子家庭で、光流は一人っ子。父親は光流が幼いころにすでに他界している。母親の収入は十分で、生活には特に問題はないが、家に遅く帰ってくることが多い。現在カトリは、光流の部屋にヌイグルミとして暮らしている。

〜次話あらすじ〜
 今回は、神様候補達それぞれの年末年始のお話。いまだ神様候補達のバトルは世界のどこかで行われている。そんな中でも、光流とカトリは平和な毎日を送っている。
 光流は、クラスメイトと正月の初詣に行くことになった。それを聞いたカトリは、やはり一緒に行くと言い出す。仕方なく、カトリも連れて初詣に出かける光流。クラスメイトには従兄弟のお兄さんとカトリを紹介するが、クラスメイトの質問攻めに焦る光流。
 お参りでは、様々な願い祈られる。しかし、神様が叶えてくれるのはたった一つ。世界中の願い、はたして最も強く最後まで願い続けることができるのは誰なのか‥‥。

〜登場人物〜
蛍崎光流(CV:牧村ユミ) 本編の主人公。運動神経抜群の中学二年生の少女。明るく元気で、ちょっと勝気な性格。偶然異世界人カトリと出会い、神様決定戦のパートナーに選ばれる。愛称はヒカル。
異世界人カトリ(CV:南方雄治) 本編のもう1人の主人公。異世界より神様決定戦に参加する、神様候補として現代世界に現れた。
ライバル達 神様候補とそのパートナー達。様々な願いを持って戦いに参加し、光流やカトリと対決していく。また、何かのきっかけで仲間になったりする。
学校の友人 光流の学校の友人達。神様決定戦のことは知らないが、事件に巻き込まれたり、場合によってはパートナーに選ばれていく。
その他 光流の両親、学校の先生など

〜備考〜
 パートナーの変身はいわゆる魔女っ子物などの服装の変化といったイメージ。また、異世界人はパートナーが変身すると、本来の姿(ヌイグルミ)に戻る。変化するのは服装のみで、その人を知っている者にはもちろん気づかれる。
 アニメ的ご都合主義で、バトルによって街や人に被害が出ても、一般人が事件について騒ぎたつことはない。魔法でいつのまにかバトルのことを忘れてしまうという設定。ただし、関係者はその限りではない。
 蛍崎光流役には現在売り出し中のアイドル声優牧村ユミ氏を、カトリ役にはイケメン声優南方雄治氏を起用します。

●今回の参加者

 fa1772 パイロ・シルヴァン(11歳・♂・竜)
 fa2029 ウィン・フレシェット(11歳・♂・一角獣)
 fa2724 (21歳・♀・狸)
 fa2738 (23歳・♀・猫)
 fa3426 十六夜 勇加理(13歳・♀・竜)
 fa3863 豊田そあら(21歳・♀・犬)
 fa4643 夕波綾佳(20歳・♀・犬)
 fa4713 グリモア(29歳・♂・豹)

●リプレイ本文

「新年あけましておめでとうございます」
「はい、あけましておめでとうございます、光流」
 年が明けて1月1日。光流(CV:牧村)は、母親の優子(CV:夕波綾佳(fa4643))と新年の挨拶を交わす。優子はおっとりとした美人で、母子家庭の中で光流を大事に育ててきた、しっかりとしたお母さんだ。
「はい、これお年玉」
「わーい! ありがとうお母さん!」
「それと、今日はこれからお友達と初詣に行くんでしょう? ‥‥はい! お母さん、こんなの用意しちゃいました〜!」
 光流にお年玉の袋を手渡した優子は、なにやらリビングに用意してあった包み紙を開けて、満面の笑みで中から出てきたそれを見せた。
「え、え〜っと、これってもしかして‥‥着物?」
「そう! こんな日のために、光流の振袖を奮発して買っちゃったの!」
「こんな日のためって、ただの初詣なんだけど‥‥」
「ほらほら、早く着て見せて! 着付けてあげるから、お母さんに光流ちゃんの晴れ姿を見せて〜!」
 光流に嬉しそうに振袖を見せ、親バカモードに突入した優子は、早速振袖に着替えさせるのだった。

「ヒカルちゃん、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします」
「あけましておめでとう! スバルちゃん、凄く綺麗! 舞妓さんみたい!」
「ヒカルちゃんも、とっても似合ってて可愛らしいです」
 待ち合わせ場所につくと、髪を結った振袖姿の本田すばる(CV:豊田そあら(fa3863))が待っていた。スバルに駆け寄り、嬉しそうにお互いの振袖姿を称えあった。
「あの、ところでこちらの方は?」
「ほ、ほら、前に言った親戚で‥‥どうしても着いて来たいって言うものだから」
「カトリです、よろしく。スバルちゃんだよね」
「そうなんですか〜。はい、本田スバルと申します」
 しばらくして、ふと今気づいたように、隣にいる人になったカトリ(CV:南方)に視線を向けるスバル。ヒカルの紹介で、二人はお互い自己紹介した。
「お、いたいた! お〜い!」
「ん? 月舘と‥‥風祭くん」
「ヒカルくん‥‥」
 あまりカトリとの関係を深く追求されるまえにと、光流はスバルの手をとって神社へと向かおうとするが、それを呼び止める少年の声。声の先には、クラスメイトの月舘乾(CV:ウィン・フレシェット(fa2029))と風祭千尋(CV:晨(fa2738))。そして、千尋の背中に隠れるように神様候補のリリー(CV:パイロ・シルヴァン(fa1772))がいた。

「なぁなぁ、二人はどんな関係なんだ?」
「え、か、関係って‥‥さっきも言ったようにただの親戚のお兄さんよ」
 二人の様子に興味津々の乾の問いかけに、一瞬神様候補のパートナーの関係を思い浮かべてドキリとする光流。
「知ってる? 親戚でも、四親等以下なら結婚できるんだぜ」
「はぁ? 結婚? 何だそういうことか‥‥あはは、ありえないよ!」
 しかしすぐに違うとわかった光流は、笑ってそれを否定した。
「千尋、恋のライバル登場だな!」
「こ、恋!? ぼ、僕はヒカルくんをそういう風には‥‥」
「隠さなくていいって、俺とお前の仲だろ」
 乾は、光流から少し離れて歩いていた千尋に近づき、コソコソと楽しそうに耳打ちした。千尋は慌てて否定しようとするが、乾はニヤニヤ笑って聞いていない。そんな千尋の服を、ちょんちょんと引っ張るリリー。
「ちひろぉ‥‥恋って?」
「え、いや、だからそういうのは‥‥」
「神社につきましたよぉ」
 スバルの指差す先に赤い鳥居が見えてるのだった。

「今年こそは‥‥恋になります様に、恋が実ります様に、結婚できますように!」
「今年も、生徒達が元気に、大きな怪我もなく過ごせますようにっと」
 神社の境内で、光流達のクラスの担任教師鈴木楓(CV:夕波)が、なにやらブツブツと必死に神様にお祈りをしていた。その隣では、体育教師の夏川陸(CV:グリモア(fa4713))が、学校の生徒達のことを大雑把に祈っている。
「あ、先生達だ!」
「蛍崎さん!? それに、みんなも‥‥」
 楓は光流に声をかけられ、自分のお願いを聞かれたかと少し慌てた声をあげた。
「あれぇ? 鈴木先生と夏川先生。もしかしてデートっすか?」
「ははは、君達が同じクラスの友達と初詣にきたように、俺達も同じ職場の友達と初詣に来ただけだよ」
「そ、そうよ? あなた達も冬休みだからって、あまり羽目をはず過ぎないように。‥‥はぁ、友達かぁ」
 乾の問いかけに、笑って否定する陸。楓も陸に頷いて、光流達に一言注意するが、こっそりため息をついていた。
「おや、彼は蛍崎か本田の彼氏か?」
「はい、僕はヒカルの‥‥おふぅ!」
「親戚のお兄さんです! そういうときは、否定しなさいよバカ!」
「ははは、相変わらず蛍崎は元気だね」
 陸は光流達の隣にいるカトリを見て、冗談交じりに問いかける。それに、はいと答えるカトリに容赦なくツッコミを入れる光流を見て、楽しそうに笑った。
「風祭も、蛍崎に負けないくらいに頑張れよ?」
「は、はい‥‥」
「ちひろぉ‥‥」
 千尋は掛けられた言葉に少し暗い表情で頷いた。リリーがそんな千尋を心配して見上げる。過去の怪我で運動が上手く出来ない千尋を知っている陸は、応援のつもりで言ったのだが、諦めきっているその表情に少し顔を顰めるのだった。

 その後、教師達を見送って、神社に願掛ける光流達。最初、実際に神様に会えると思っていたカトリに、精神的なものだと教えるなど一悶着あったが、無事お参りが終わる。
「ヒカルちゃん、おみくじの結果はどうですか? 自分は中吉でした〜」
「ん〜、末吉‥‥微妙かな」
「ヒカル! これって大って書いてあるけど、良かったのかな?」
「うわ、大凶。最悪って意味!」
「そっかぁ、僕ってやっぱり運が悪いんだね」
「あらあら、悪いおみくじは、あそこに結べば祓われますよ」
「結ぶと叶うっていう説もあるけどな!」
 おみくじで大凶を引いたカトリが、おみくじを結びにいっている間、光流はスバルに願い事について聞いた。
「ふふ『光流ちゃんとずっと仲良くいられますように』です。ヒカルちゃんは?」
「て、照れるね‥‥。私は‥‥願い事というか誓いというか、『絶対に願いは叶える』かな‥‥」
 そんな二人の会話を、千尋は複雑な思いで聞いていた。
「‥‥リリーはなんて願ったんだい?」
「リリが神様になれますようにって。ちひろは?」
「‥‥出来るだけ戦わなくて済むように、かな」
 リリーの無邪気な笑顔。千尋はその頭を優しく撫でながら、複雑な思いのまま答えるのだった。

「グラビ♪ グラビ♪ 私の恋は無重力なの♪」
 出店のお好み焼き屋では、プレーヤーから流れるアイドルの歌に乗って、関西弁の少女戎橋茜(CV:十六夜 勇加理(fa3426))が働いていた。
「あーあ、つまんないなぁ」
 その隣では狸のヌイグルミの神様候補レベッカ(CV:結(fa2724))が退屈そうに呟いた。
「チョット散歩にいって来るね♪」
「こら、まちぃな!」
 客に気づかれずに抜け出したレベッカは、人間になってお参りに行ってしまうのだった。
「まったく‥‥いらしゃいませぇ♪」
「一つください」
「わかってる? 二人で一つだからね!」
 小さくため息をついた茜。そこに、カトリと光流がお客として現れる。
「あ、これ、ありすの新曲だ」
「おお、姉ちゃんもありすのファンなんかぁ? 容姿端麗で頭脳明晰‥‥ありすはアタシの憧れ、いや神様なんや! ホラ見て、ジャーン!! これがアタシの宝もんや」
 光流が掛かってる曲に気づくと、茜は嬉しそうに頷いて、直筆サイン入りのDVDを取り出した。
「お、直筆サイン。私も持ってるよ! あとほら、ありすと友達なんだぁ」
「えー、うっそぉ友達なん!! ほんまマジでぇ? よっしゃ! 一枚オマケしといたるわ!」
「ほんと!? ラッキー♪」
「せやから、今度うちにも、ありす紹介したってな」
 アイドルのことで意気投合する光流と茜。以前携帯電話で撮ったツーショット写真に感激した茜は、お好み焼きを一枚サービスするのだった。

「どうか、今年も茜と一緒に楽しくいられます様に」
 しきたり従ってお参りを済ませたレベッカは、リンゴ飴を持ってふらふらと付近を散策してから、屋台に戻ってきた。
「他の神様候補がいる気配がしたんだけど‥‥まあ、良いか」
「あははぁ! うちは生まれたときからありすファンやで!」
「って、同い年なんだから、生まれたときはありすも赤ちゃんじゃない!」
「お腹空いたぁ、いただきまーす。うん、美味しい♪」
 ワイワイと盛り上がっていた屋台で、出来たばかりの光流達のお好み焼きを食べてしまうレベッカ。
「こらー! アンタは何してんねん!」
「だってぇ、お腹が空いたんだもん、てへ♪」
「てへやない! 罰として来月おこずかい無しやで」
「え〜、そんなぁ‥‥」
 見た目年上のレベッカに、お母さんのような態度で叱る茜。しかし、レベッカは懲りていないようだった。
「ヒカルちゃん、そろそろ行きましょう」
 スバルの呼ぶ声に、光流達は茜に挨拶して立ち去る。手を振る茜を、リリーがちらりちらりと心配そうに見てから立ち去った。
「茜‥‥今の男の子と、こっちを見てた小さい子。私と同類よ」
「え、神様候補!? ほな、あの子がパートナー‥‥」
「たぶん‥‥どうするの?」
「‥‥しばらく様子をみるわ」
 レベッカの言葉に、茜は真剣な表情で頷くのだった。