神霊装甲 混迷の大地アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 緑野まりも
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 01/20〜01/24

●本文

・声優募集
 ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
 審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。

●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
 戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
 召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
 物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。

・世界設定
ヴァルハラ 我々の世界と対になる魂や精神が具現化した世界で、精神力(心の強さ)が力となる世界。絶えず争いが起きていることから、戦いの世界とも言われている。この世界には、それぞれアース神族、ヴァン神族、巨人族という三種族が国を作っており、それぞれがそれぞれの国と争っている。

神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。

アース神族 神の国アスガルドを首都に持つ、好戦的な種族。力(精神的に)が強く、謀略にも長ける。侵略、支配を繰り返し、巨大な国を作り上げた。我々の世界でいう騎馬民族のようなイメージ。 君主制を敷いており、王の下に内政、外政、軍部の各担当者がそれぞれを指揮している。軍の様子は、規律統制のとれた現代軍隊に近いイメージ。

ヴァン神族 新緑の森ヴァナヘイムを首都に持つ、平和的な種族。魔術が得意で、身のこなしも素早い。農耕を行い、大地に根付くことで豊かな国を作り上げた。農耕民族のイメージ。共和制を敷いており、国民に選出された長老会によって国の全ての政治を動かしている。軍の様子は、個々の力を重んじる中世騎士団と近いイメージ。

巨人族 険しい山々に囲まれるヨーツンヘイムを首都にもつ、暴力的な種族とされている。全長十数メートルと大変体格に恵まれており、力が強く身のこなしも早い。内向的な種族で、自分達の暮らす山々から出ることはほとんどなかった。暴力的とされているが、実際は理知的で歌や詩にも秀でる文化的な種族。本来争いは好まないが、怒ると怖い。

それ以外の種族 ノッカーやピクシー、またドラゴンなど様々なモンスターが存在している。

・主な登場SA
SAヴァルキュリア�U アース神族の量産SAを基に、魂の騎士用に新しく作られた高性能SA。従来機より基本性能が3倍弱アップし、飛行能力も向上された。基本形態以外に、三種類の兵装が用意されており、局面にあわせて変更する。

SAフレイア SAフレイを元に、SAヴァルキュリアの飛行技術を起用した、ヴァン神族の次期主力SA。量産のためにS・O・Vを無くし、代わりに意志力で飛ばした球体でバリアを発生させるアクセサリ・オブ・ブリーシンガメン(A・O・B)を搭載。現代人の意見を参考にし、形態を人型から飛行形態に変形することによって、空中での高速飛行が可能。

SSスキーズヴラズニル ヴァン神族が秘密裏に開発した空中戦艦。多くのSAを運用することができ、また高い機動力と防御力を持つバランスの取れた戦艦。

SAムスッペル 巨人族の開発したSA。搭乗し操縦するロボットというよりも、身に纏い身体を強化するといったパワードスーツのような存在。オーラ兵器を弾くことができるオーラコーティングが施されており。後部スラスターにより短時間ながら空中を飛ぶこともできる。巨人族の戦闘スタイルに合わせ、装備は近接武器が主になっている。

・次話あらすじ
 ついにアース神族とヴァン神族の戦いは、ヴァン神族の降伏という形で決着がつく。これで人類のほとんどがアース神族によって統一されたこととなる。
 そんな中、ヴァン神族の一部の騎士と現代人達は占領を不服とし抵抗勢力として戦い続けていた。しかし、世界のあらゆる場所を見渡すミーミルの力で、抵抗勢力の基地は次々と破壊されていく。そして、現代人達のいる基地にも残党狩りの兵が向かっていた。現代人達は、秘密裏に開発していた空中戦艦で脱出を図ろうとするが‥‥。
 そして、しばらく沈黙を保っていた巨人族がついに動き出す。彼らは、アース神族から極秘に手に入れたSAの情報をもとに、独自のSAを開発。従来のSAに対し、圧倒的な性能の差を見せる巨人族のSAに、戦局は一変しアース神族は後退せざるを得ない。混迷を極めるヴァルハラは一体どこへ向かうのか。

・登場人物
 アース神族側現代人(2〜4名) アース神族に収容され、魂の騎士として戦うことになった現代人
 ヴァン神族側現代人(2〜4名) ヴァン神族に保護され、魂の騎士として戦うことになった現代人
 巨人族(2〜4名) SAを用いアース神族に攻勢を開始する巨人族の指揮官やその部下。
 トリックスター(池内秀忠) アース神族側の上級仕官で、「仮面の道化師」と呼ばれている。その名の通り、素顔は仮面で隠されており、元々の素性も出生も本名さえもわからない謎の男
 その他 各神族一般兵士など

●今回の参加者

 fa0330 大道寺イザベラ(15歳・♀・兎)
 fa0352 相麻 了(17歳・♂・猫)
 fa0509 水鏡・シメイ(20歳・♂・猫)
 fa1435 稲森・梢(30歳・♀・狐)
 fa2401 レティス・ニーグ(23歳・♀・鷹)
 fa2582 名無しの演技者(19歳・♂・蝙蝠)
 fa3610 ユキイ・アバンサール(36歳・♂・獅子)
 fa3623 蒼流 凪(19歳・♀・蝙蝠)

●リプレイ本文

「そうして、私は偶然通りかかったヴァン神族の方に助けていただいたんです」
「よかった‥‥とにかく、貴方が生きていてくれて本当に良かったわ」
 戦いの後の自分のことを話すエリス(CV:水鏡・シメイ(fa0509))。それを聞いてホッと胸を撫で下ろしたのはマリア(CV:稲森・梢(fa1435))。場所は、ヴァナヘイムから少し離れた所にある民家。戦いから数週間が経ち、エリスの傷もある程度癒えていた。マリアは、ヴァナヘイムの現状を確認するため潜入し、そこでエリスを助けたという話を聞いて、ここに訪れていた。
「私はリアさんを奪われただけでなく、レイさんの命までも危険に晒してしまった」
「あの戦いでは仕方ないわよ‥‥生きているだけでも奇跡なんだから‥‥でも‥‥。ヴァンはアースに下り、守るものも無くなってしまった‥‥。今まで戦って来た意味は何だったの? 私達は嵐に飛ばされる木の葉だったというの?」
 落胆するエリスに言葉を掛けるマリア。しかし、彼女も自分の無力さに苛まれていた。彼女が見てきたヴァナヘイムの現状、降伏を決めた長老会は戦犯として処罰され、投降した騎士達は収容所送り。民達は高圧的な支配は受けていないにしても、どこか怯えるように下を向き、普段の明るさが鳴りを潜めている。
「今見つかれば私達もただではすまないでしょうね。でも、勝ち目の無い戦いを続けるより、アースに下りて現代へ還れるかもしれない可能性に賭けることも考える。って言ったら、アースを抜けたヴィオや、アールヴヘイムを焼かれたフォーは承知しないでしょうね。貴方はどう思う?」
「私は‥‥この世界を護る資格は、私にはないのかもしれません‥‥ですが‥‥たとえ私に護る資格がないとしても、私は護る事を止めません。これ以上、争いで傷つき悲しむ人を増やさないためにも」
「そう‥‥」
 自分の言葉に対して苦笑を浮かべるマリアに、エリスは真正面から向き合った。マリアは、そんなエリスの言葉に、先ほどとは違う少し穏やかな笑みを浮かべるのだった。

「マリアは無事にヴァナヘイムに入れただろうか‥‥」
 造船ドックで、少し心配そうに呟いたフォー(CV:ユキイ・アバンサール(fa3610))。戦争終結後、抵抗勢力となったヴァン神族軍の残党は、幾つか残っている秘密基地に身を隠した。フォーも、その一つに移り、かねてより開発していた空中戦艦の製造に従事していた。
「船、完成したみたいね」
「ん、ああ、細かい調整は飛びながら行うよ」
 そんなフォーに声をかけるヴィオ(CV:レティス・ニーグ(fa2401))。彼女達の前には、ほとんど完成された空中戦艦。ヴィオはそれを見上げ、少し悲しげに笑う。
「お前さんはこれからどうするんだ?」
「まだ身の振り方は迷い中なの、でも今の現状を見過ごせないわ」
「もう勝ち目の無い戦いだぞ‥‥」
「でも諦めてない、でしょ?」
「まぁな」
「あたしは本当はどこに行くのがいいんだろう?」
「俺が答えられることじゃない」
「あたしがこの世界に来て見たもの、凄惨な戦いの現場、そして、それに反して争いなんて起こっているとは思えないような美しい景色、あたしはその世界を守りたい」
「‥‥‥」
 ヴィオの言葉、それは自分の中でも何度も自問した言葉。フォーは、答えを押し付けることなく、ただ自分の決めた道を確認するように無言で頷いた。そんな時、基地内に警報が鳴り響く。それは、アース神族の残党狩りが近づいてくる報だった。
「でも、まずはこの場を切り抜けてから‥‥ね」
「ああ、そうだな‥‥」

「何だ! 敵が取り付いただと? SA隊は何をしている!! まだ基地内には入れさせるな!」
 基地の司令官である女性騎士モリガン(CV:蒼流 凪(fa3623))の指示が飛ぶ。基地はすでに敵に囲まれ、応戦するSAも次々と撃破されていく。基地防衛の部隊は、旧式のSAしかなく、アース軍との性能差は歴然であった。
「ぜ、全滅? たった5分でか? くっ、防壁を降ろし、少しでも時間を稼ぐんだ!」
 防衛隊の全滅の報に、歯を食いしばるモリガン。そんな時、一機のSAが基地から飛び出していく。その黒い機体の姿に、モリガンは叱責の言葉を叫ぶのだった。
「出るな! ジョーカー!」

「はっ! 随分あっけないもんだね。他の基地はもう少し抵抗したってのに」
 ピンク色にカラーリングされたSAヴァルキュリア�Uに搭乗したシェリー(CV:大道寺イザベラ(fa0330))は、彼女が率いる残党狩り部隊に全滅された基地の防衛隊に嘲笑の笑みを浮かべた。
「さて、じゃあそろそろ基地を破壊して‥‥なんだい、新手か?」
 シェリーが見下ろす基地から、一機の黒いSAフレイアが飛び出してくる。そしてそのフレイアは、高速で飛び交い、次々と残党狩り部隊のSAを撃破していく。
「ふふ、歯応えのあるやつがいるじゃないか!」
「お前がアースの夜叉姫かあ!!」
 数刻の間に、部隊の3分の1を撃破した黒いフレイアに搭乗した丈(CV:相麻 了(fa0352))は、次にシェリー機に向かっていく。しかし、仲間がやられたというのに、シェリーは嬉しそうに歪んだ笑みを浮かべた。
「アンタが噂の黒い奴かい?」
「俺は漆黒のジョーカー、悪を葬る戦場の道化師さ」
 お互いがお互いを名だけは知っているエース同士の対決。フレイアは、両手に二刀の小刀持ち、高速で周囲を飛び交いながら、相手を翻弄するようにトリッキーに動き回る。それに対し、ヴァルキュリア�Uは背丈ほどもある長大なオーラソード『ブルドガング』を構え、少ない動きで攻撃を受け流す。
「俺の心が真赤に燃えるぜ! 必殺!! 幻狼剣!」
「ジョーカー! 無茶をしないで! 今のあなたに勝てる相手ではないわ!」
 攻撃を繰り返すジョーカーに、余裕の表情で嘲笑の笑みを浮かべるシェリー。怒りに燃えるジョーカーは、残像を生むほどの高速の動きと共に必殺の突きを繰り出そうとする。しかしそこへ、ヴァルキュリアを駆ったヴィオが止めに入ろうとする。
「だから甘いって言っただろう?」
「なっ!?」
「ジョーカー!」
 ジョーカーの繰り出した突きは、シェリーに容易くかわされる。そして、シェリーの瞬速の剣がフレイアの頭部と両足を切断した。
「格の違いが分ったかい坊や、エースだろうとアタシには勝てないのさ。道化師を名乗るなんて十年早いよ‥‥いや、手のひらで踊るピエロってことなら似合ってるか?」
「何だこの桁違いのパワーは‥‥これが意志力の差だというのか」
「やらせない!」
 実力の差に驚愕するジョーカー。シェリーは余裕の笑みを浮かべたまま、止めを刺そうとする。その姿は、邪悪なオーラを纏っているようにも見えた。だがそこへ、ヴィオのヴァルキュリアが助けに入ると、フレイアを抱えて基地へと逃げていく。
「ちぃ、逃がしたか‥‥。まぁいいさ、どのみち基地はもうおしまいなんだから」

「爆薬は仕掛け終わったな? 爆破後、その爆風に乗り急上昇! この場を離脱するっ」
 ヴァン神族の新造空中戦艦スキーズヴラズニルで、フォーが搭乗員に指示を出す。
「あれは、敵の新造戦艦!? ちっ、完成していたのかい! なに!? 爆発物反応! 全員緊急待避!」
「いいか、お前達は生きろ‥‥そして真の敵を‥‥」
 モニターに映る戦艦の姿を目に留めながら、モリガンは司令室のコンソールパネルを操作した。シェリーは敵戦艦を発見するが、基地の自爆反応に緊急脱出するしかなかった。シェリー機が脱出した直後、基地は大きな爆発をして崩壊する。そして、その混乱に乗じてスキーズヴラズニルは敵からの追撃を逃れるのだった。

 場所は変わり、アース神族と巨人族の国境近くにある基地。アース神族軍のSAと、謎の新型SA部隊が交戦していた。突然現れたその新型SA部隊に、オーラガンで応戦するアース神族軍。しかし、新型SAはオーラガンを弾き無効化していた。
「我が名はクラウゼビッツ! 我と思わん猛者は我に挑め! 最高の戦を楽しもうぞ!」
 謎の新型SA、それは巨人族の開発したSAであった。搭乗するのではなく、身に纏うといった感じのSAムスッペルは、巨人族の身体能力を驚異的に高めていた。
「ふむ‥‥これは助かる。敵の銃器の攻撃を緩和してくれるのか‥‥」
 巨人族部隊の隊長クラウゼビッツ(CV:名無しの演技者(fa2582))は、オーラガンを無効化するオーラコーティングを用い敵の攻撃を弾くと、一気に間合いを詰め二本の斬機刀を振るい、次々とSAを撃破していく。
「たあいもない! 鎧袖一触とはこのことか!」
「ムスッペルの調子はいいようね?」
 基地のSAをほとんど撃破したころ、クラウゼビッツの前に、金色のカラーリングが施されたムスッペルが現れる。
「‥‥巫女殿か。このようなところへいったい?」
「うふふ、ちょっと戦況をじかに見たくなったの。ついでだから、私も戦闘に参加させてもらうわね?」
 金色のムスッペルを纏っているのは巨人の巫女ベルデ(CV:蒼流)。彼女は、簡単に事情を説明すると、巨大な鎌を手に持って残りのSAの掃討に参加した。
「うふふ、私を見た者は死にますわよ」
「‥‥巫女とはいえ、他部族の戦闘に参加するとは、なんと傍若無人な」
 華麗な舞いのように、SAを撃破していくベルデの姿に、しかしクラウゼビッツは苦々しげに呟くのだった。