ヒカル! 写し身の鏡アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
01/29〜02/02
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●本文
ああ! なに? これってどういうこと!? なんで同じ姿の神様候補がこんなにいるの? 許せない‥‥無関係の人を操ってそんなことを! 絶対に、あんたを倒してみせる!
〜声優募集〜
アニメ『光の中のヒカル!!』では、劇中のキャラクターの声を演じてくれる方を募集しています。得意な役柄、演じたい役柄の希望と共にご応募ください。審査のうえ、ご依頼させていただきます。振るってのご応募お待ちしております。
〜作品紹介〜
明るくて運動の得意な少女蛍崎光流は、ある日不思議なヌイグルミのような生き物を見つける。それはなんと、光流達の住んでいる世界とは別の世界からやってきた異世界人(?)だった。
異世界人カトリは、500年に一度行われる神様決定戦に参加した神様候補だと光流に伝える。神様決定戦とは、異世界で一番の権力者を選ぶ戦いで、100人ほどの候補者から勝ち残った1人を神様とするものだった。神様候補は、こちらの世界を訪れ、パートナーとなるものを1人選び出し。パートナーとなったものに魔法を使える力を与え、この力で最後の一組になるまで戦いを生き抜くことになる。
カトリは光流にパートナーになってくれるよう頼み込む。最初は得体の知れない戦いに巻き込まれるのを嫌がった光流だが、優勝者のパートナーには一つだけ願いを叶える権利が与えられると聞いて、喜んでパートナーになることを了承する。
こうして光流とカトリはパートナーとなり、神様決定戦に参加することになった。しかし、実はカトリは神様候補の中で最低ランクの落ちこぼれであった。はたして光流は、頼りないカトリと一緒に神様決定戦を生き抜いていけるのだろうか‥‥。
〜世界設定〜
異世界人 異世界で暮らすヌイグルミのような外見をした生き物。言語を話し、現代世界の人間とほとんど変わらない知性を持っている。外見は様々で、人型や動物型、無機物型など、大きさはだいたい30センチほど。その造型に関係なく、空を飛ぶことができる。また現代世界では、人間の姿に変身することができる。
神様候補 異世界で選抜された神様決定戦の参加者達。彼らは、現代世界でパートナーを見つけ。最後の1人になるまで戦い続け、その最後の1人が神様となる。彼らは現代世界で魔法を使えないが、パートナーにその力を与えることができる。
パートナー 神様候補に選ばれて、一緒に神様決定戦を戦うと誓った者。彼らは、神様候補から魔法の力を与えられると、その姿を変身させて(必須)魔法を行使することができる。パートナーは人間でなくても良い、ただし生き物でなければならない。
魔法 異世界人が使うことのできる不思議な力。現代世界では、パートナーにその力を与えることによって使うことができる。異世界人にはそれぞれ得意な魔法属性があり、第一魔法にその属性(炎、水、身体強化など)が反映された魔法、その後第二魔法からは属性に特性を現す単語(炎の『壁』、『強い』身体強化など)を加えていく魔法が使えるようになる。第二魔法は単語が一つ、第三魔法は単語が二つといったように強くなっていく。ただし、それぞれ一つずつしか覚えられない(第二魔法を二種類覚えるなどはできない)。
写し身の鏡 神様候補が自分の姿をこの鏡に映すと、姿形をそっくりに写した自分の複製を作ることが出来る。作れる複製はほぼ無限、姿形と能力は同じだが、魔法だけは1ランク下がる(第四魔法が使える場合、使える魔法は第三魔法まで)。複製が持っている無色のパワーストーンを奪えば消える。また鏡を割るか、本体のパワーストーンを奪えば全ての複製が消える。かつて、500年前に行われた神様決定戦で使われた、異世界の魔法の道具の一つ。過去の戦いでは、このような異世界の魔法の道具を持ち込み可だったが、今回の戦いでは不可となっている。
〜次話あらすじ〜
冬休みも終わり、三学期のある日。光流達は、奇妙な神様候補に襲われる。それは、同じ姿、同じ力を持った三体の神様候補で、まるで協力し合う様に同時に襲い掛かってきた。光流達はかろうじて逃げることに成功するが、カトリはまったく同じ姿同じ力の神様候補がいるということは本来ありえないと顔を顰める。
その後、他の神様候補と協力して、この神様候補を倒すことに成功した光流達だったが。この奇妙な神様候補が、写し身の鏡で複製された物だと気づく。そして、その複製達が無関係の人を操り、敵対する他の神様候補を駆逐していることを知る。
自分勝手に無関係の人を巻き込んだそのやり方に、怒りを覚えた光流達は、他の神様候補達と協力して、世界中にばら撒かれた複製とその本体を倒すことを心に決めるのだった。
〜登場人物〜
蛍崎光流(CV:牧村ユミ) 本編の主人公。運動神経抜群の中学二年生の少女。明るく元気で、ちょっと勝気な性格。偶然異世界人カトリと出会い、神様決定戦のパートナーに選ばれる。愛称はヒカル。
異世界人カトリ(CV:南方雄治) 本編のもう1人の主人公。異世界より神様決定戦に参加する、神様候補として現代世界に現れた。
謎の神様候補 写し身の鏡を用いて、世界中に自分の複製をばら撒いた神様候補。その目的は、邪魔な神様候補達駆逐すること。魔法の力とは別に、一般人を操り自分の思うがままに動かすという能力を持っている。本体は固有のパートナーを持っているが、複製達はその力を使って、一般人を自分の都合のいいパートナーにしている。また、複製達に指示を出すため、数人の神様候補を自分の部下に加えている。
ライバル達 神様候補とそのパートナー達。様々な願いを持って戦いに参加し、光流やカトリと対決していく。また、何かのきっかけで仲間になったりする。
学校の友人 光流の学校の友人達。神様決定戦のことは知らないが、事件に巻き込まれたり、場合によってはパートナーに選ばれていく。
その他 光流の両親、学校の先生など
〜備考〜
パートナーの変身はいわゆる魔女っ子物などの服装の変化といったイメージ。また、異世界人はパートナーが変身すると、本来の姿(ヌイグルミ)に戻る。変化するのは服装のみで、その人を知っている者にはもちろん気づかれる。
アニメ的ご都合主義で、バトルによって街や人に被害が出ても、一般人が事件について騒ぎたつことはない。魔法でいつのまにかバトルのことを忘れてしまうという設定。ただし、関係者はその限りではない。
今回より、非道で強力なライバルに、仲間と協力して対抗する光流達の活躍を描くストーリー展開になる。
蛍崎光流役には現在売り出し中のアイドル声優牧村ユミ氏を、カトリ役にはイケメン声優南方雄治氏を起用します。
●リプレイ本文
「はぁ、冬休みも終わっちゃったねぇ」
「そうですねぇ、やっと三学期ですわ。あら、ヒカルちゃんはお疲れですか?」
「お疲れっていうか、休み終わっちゃったんだなぁって思うと、脱力しちゃわない?」
「私は、また毎日ヒカルちゃんと一緒に勉強できて嬉しいですけど」
学校の三学期初日、冬休みが終わってなんとなく机に突っ伏すした光流(CV:牧村)と、そんな彼女に朗らかな笑顔で話しかける親友の本田すばる(CV:豊田そあら(fa3863))。いつもと変わらない学校風景で、今日はちょっとした変化があった。
「はいみんな、席について〜!」
クラス担任の鈴木楓(CV:夕波綾佳(fa4643))の声に、生徒達が席に着く。そして、いつもどおりホームルームが始まるという時、楓はいつもと別の言葉を口にした。
「まずホームルームを始める前に、転校生を紹介します」
「転校生? どんな子だろ」
「この時期に転校生だなんて、珍しいですわね」
教師の言葉に、ガヤガヤと騒ぎ出す教室。光流とすばるも、新しいクラスメイトが気になって言葉をかわす。
「入って来ていいわよ」
「始めまして、戎橋茜です。世界一のお好み焼屋を目指す美少女です」
楓に呼ばれ、教室に入ってきた少女(CV:十六夜 勇加理(fa3426))は、明るい笑顔と共に関西のイントネーションで自己紹介をする。そんな彼女に、クラスメイト達は一瞬あっけにとられたが、「世界一のお好み焼き屋?」「可愛いけど自分で美少女って言うか?」など、ツッコミどころ満載な自己紹介にドッと笑いが起こる。
「あ、いやそこ笑う所ちゃうって」
「面白そうな方ですわね」
「うん、そうだね。でも、あの子どこかで‥‥」
すばるが光流に話しかけると、光流は頷くが少し首を傾げた。
「戎橋さんは、そこの蛍崎さんの隣に座ってね」
「はいな‥‥あー! アンタはこの間の!」
「へ? あ、神社のお好み焼き屋の‥‥?」
光流の隣、窓際の席へと向かう茜。そこで、光流と顔をあわせると、驚いたような声をあげた。光流もようやく以前に会った事のあることを思い出して、目を丸くする。ちなみに、席の列の一番後ろに茜・光流・すばると横に並んでいる。
「なに、二人とも知り合いなの? でもいまはホームルームだから、そういうのは後にしなさいね」
「「はーい」」
楓の注意に、声を合わせて返事をする光流と茜。そんな風に出会った二人だが、休み時間に光流から話しかけると、茜はどこかよそよそしい態度を取るのだった。
「あちゃ〜、まさか同じ学校、しかも同じクラスになるなんてなぁ」
「?」
「ヒカルくん、ちょっと話があるんだけど‥‥」
「え、あ、うん?」
次の休み時間、クラスメイトの風祭千尋(CV:晨(fa2738))が話しかけてきた。彼は、光流と同じ、神様候補のパートナーだった。
「転校生の戎橋さんのことなんだけど‥‥気をつけたほうがいい」
「へ?」
「リリーが言っていたけど。あの子も、神様候補のパートナーだよ」
「ええ!?」
教室を出た廊下で話を聞いた光流は、驚きの表情を浮かべた。神様候補のパートナー、つまりは光流とは神様決定戦のライバルということだった。
「あれ? でも、なんでそんなこと教えてくれるの? 風祭くんもライバルだよね?」
「い、いや、それは‥‥」
光流の素朴な疑問に、少し頬を赤くして口篭る千尋。その様子に、光流は首を傾げるのだった。
学校が終わる時間、放課後。
「はぁはぁ、くそ、やつら一体何者だ‥‥?」
路地裏を駆ける一組の影、彼らは何かに追われる様に焦った様子で逃げていた。
「どわ!?」
「うわぁ!?」
そして、彼らが路地裏を抜けると、ちょうどそこを通りかかったカトリ達と鉢合わせになる。ぶつかりそうになった両者は、驚きの声をあげた。
「カトリ!」
「え? 誰‥‥だっけ?」
「てめぇ、このヴィアン様を忘れるな!」
ヴィアン(CV:笹木 詠子(fa0921))と名乗ったのは、以前光流と達戦ったことのある神様候補の一人で、いまは小学生くらいの人間の姿をしていた。その横には、彼の無口なパートナーも一緒にいる。
「アンタ、また襲いに来たの!」
「カトリを倒すのは俺だ! って、今はそんなことはどうでもいい‥‥カトリ! 俺を攻撃しろ!」
「は? って、やっぱり戦う気じゃない!」
「違う! こっちは反撃しない。変身もしないから、いいからやれ!」
わけもわからないまま、とりあえず人目のつかない所で変身し、ヴィアンに攻撃魔法をぶつける光流。それを受けて吹き飛びながらも、拘束が外れて助かったとヴィアンは安堵した。彼の話では、突然三人の謎の神様候補に襲われ、なんとか逃げてきたらしい。
「あいつら、まったく同じ姿をしていた‥‥三つ子の神様候補なんていたか!?」
ヴィアンの言葉に、戸惑う光流達。しかし、すでに彼ら囲むように謎の神様候補達の人影が集まっているのだった。
「茜、ここ曲がるよ」
「また?」
「あれ〜? おかしいなぁさっき同じ感じの子と出会ったんだけど‥‥」
茜とそのパートナーの神様候補レベッカ(CV:結(fa2724))は学校の帰り道、謎の神様候補を避けるように回り道を繰り返していた。しかし、不思議なことに何度避けても、レベッカは同じ候補の気配を感じてしまう。
「同じ子が複数? そう言えば、自分の複製を作る方法が有るって聞いたこと有るなぁ」
しばらくして、レベッカは何かに気づいたように小さく呟くのだった。
「ちひろぉ」
学校帰りの千尋を呼ぶ声。白いワンピースを着た黒髪のおかっぱ少女が、慌てた様子で駆けて来た。
「リリー、どうしたんだい?」
「ちひろぉ、嫌な感じがするのぅ、たくさんの怖いものがやってくるよぅ」
千尋はパートナーの神様候補リリー(CV:KISARA(fa0389))に優しく話かけるが、リリーは千尋の足にしがみつくと何か怯えたような声でふるふると首を振った。
「たくさんの‥‥怖いもの? っ! ヒカルくんに知らせないと!」
「なんなのこいつら!?」
「残念ですが、ここであなた方には舞台から降りていただきます」
光流達は、三人の謎の神様候補(CV:水鏡・シメイ(fa0509))に襲われてしまう。しかも、その三人はまったく同じ姿の、銀色の蜘蛛の姿をしていた。三人ともそれぞれ別のパートナーを従え、光流達に襲い掛かってくる。
「ウェブ」
「気をつけろ、奴は動きを封じる糸を放ってくるぜ!」
敵の一人から糸が放たれ、光流は慌ててそれを避ける。糸は粘着質を帯びていて、触ればくっつきそうに見えた。
「「「これならばどうです? ズ・ウェブ」」」
「三人同時!? 避けられない!」
今度は、糸が刃となって襲い掛かってきた。しかも、三人同時に放たれたそれは避けられそうにない。
「ちっ、リバシル! さっきの借りは返したぜ!」
「ヴィアン!?」
刃が光流を切り裂こうとしたその時、見えない壁のようなものが刃を弾き返した。それは、小悪魔の姿に変身したヴィアンの第二反射魔法だった。そして、刃は反射し逆に敵を切り裂く。しかし、敵のパートナー達は傷を負おうと、まったくの無表情だった。
「なんで? 痛くないわけないのに‥‥」
「こいつら、操られてやがる‥‥」
相手の異様な様子に、驚きを隠せない光流達。いち早く状況に気づいたヴィアンが、憎憎しげに呟く。
「ふふ‥‥そう、彼らは私に操られているだけの一般人ですよ。それでも彼らを傷つけますか?」
「な、なんて卑怯な‥‥無関係な人を無理やり操るなんて」
敵の言葉に、カトリは怒りを覚えるが、操られているだけの一般人を攻撃できず動揺してしまう。それでなくても二対三の劣勢状態で、ピンチになる光流達。
「ウィンジェ!」
「ダクネス!」
「「「なに!?」」」
そこへ、二つの詠唱の声。風の渦と闇の空間が、謎の神様候補を縛り付ける。
「今日のアタシは機嫌が悪いんや、最初から全開やでレベッカ!」
「ライバルを助けちゃうなんてぇ‥‥協力するのは、今回だけだからねぇ」
「ヒカルくん! 敵が動けない今のうちに、本体を狙い撃つんだ!」
「うん! レイテ! レイテ! レイテ!!」
魔法を唱えたのは、千尋と茜。その側らにはハトの姿のリリーと、狸姿のレベッカが付いている。一瞬、身動きの取れなくなった敵に、光流の放った光線が撃ち抜く。そして、パワーストーンを破壊された三人の神様候補は、その姿を消してしまった。
「倒した‥‥の?」
「い、痛い‥‥腕が切れてる!?」
敵が倒され解放された人々(CV:夕波)。しかし、意識を取り戻した彼らは自分の負った傷に、苦しみを訴えた。慌てて応急手当をする光流達だったが、彼らは今まで自分が何をしていたのか覚えていなかった。
「酷いよ‥‥関係ない人をこんな風に巻き込むなんて‥‥」
「でも、なんだったのかな。まったく同じ姿の神様候補なんて‥‥」
「多分‥‥本に載ってた『写し身の鏡』だと思うの‥‥昔の神様決定戦で使われた、異世界の魔法道具の一つ‥‥今回はもう、使っちゃダメなのに‥‥」
「写し身の‥‥鏡?」
「あ〜、それ、聞いたことあるぅ。やっかいな相手だねぇ」
悔しがり首を傾げる光流とカトリに、リリーが小さな声で答える。それに、レベッカも納得したように頷いた。
「ふふ‥‥よく分かりましたね。そう、これは写し身の鏡によるものです」
「!!」
「ここには神様候補の方が集まっているようですね。ちょうどいいです、纏めて異世界へ送ってあげましょう」
突然、どこからともなく聞こえてくる声。全員、驚いたように周囲を見回す。
「あんた、何者なの!」
「私の名はシュバルツ。いずれまたお会いしましょう」
シュバルツと名乗ったその声は、再び唐突に消え去ってしまった。しかし、戦いは終わりではなく、始まりだということを、その場にいた皆は感じるのだった。
「いったいこれはなんですか‥‥? ヒカルちゃんが、魔法使い?」
そんな光流達を物陰で見守っていた一つの影。本田すばるは、最近様子のおかしい光流を心配して、彼女を探していたのだった。しかし、初めて目の当たりにした、神様決定戦という不可思議な光景に、驚きを隠せないすばる。
「おや‥‥どうやら神様候補の知り合いの一人のようですね?」
「どなたですか!? うっ‥‥」
「ふふ‥‥これは何かの役に立ちそうです‥‥」
そんな彼女の後ろから、男性の声。驚いて振り向こうとするすばるだったが、首筋に針を刺され気絶する。倒れこむすばるを抱きとめ、黒いスーツを着た長い銀髪の男は、その端正な顔に歪んだ笑みを浮かべるのだった。