ロック天国バレンタインアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 緑野まりも
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 02/13〜02/17

●本文

・出演者募集
 新番組『歌え! ロック天国』では、ロック業界で活躍中のアーティストを中心に、アーティストを募集しております。出演希望者は、下記の要綱を参考に応募してください。皆さんのご参加をお待ちしております。

・番組内容
 番組名『歌え! ロック天国』
 現在ロック業界で活躍中のアーティストを紹介し、トークなどを交えながら、曲の紹介を行う歌番組。トーク及び曲の紹介は、50人ほどの観客を呼んだスタジオにて行われる。

・特別企画
 今回は『バレンタインデー』企画として、『愛の手作りチョコレート作り』を行います。出演アーティストの中から希望者(男女可)数名に、特設されたキッチンで実際にチョコレートを作ってもらいます。

・トーク内容
 トークの形式は、司会者から聞かれた質問を出演者が答える『受け答え形式』。スタジオには出演者全員が入場し、トークの順番にスタジオ中央の司会者席に呼ばれますので、そこでトークを行っていただきます。質問の内容は、出演者によって変わります。出演者側からの希望を参考にしますので、事前に希望を出してください。

・演奏会場備考
 出演者はトーク終了後、スタジオ内に設置されたライブ会場へと移動していただき、紹介曲の演奏を行っていただきます。会場の大きさは一般的なライブハウス程度。同スタジオ内のため、観客はトークと同じ50人ほどとなります。
 楽器の用意、及び搬入搬出は番組スタッフが行います。時間短縮のため、ドラムなどの移動の困難なものは、備え付けとさせていただきます。また、マイクなどの音響設備も備え付けになります。
 演奏時の演出は、出演者の希望に沿って行います。ただし、大規模なもの、費用が掛かりすぎるものなど、問題のある演出は使用できません。以上のことを踏まえた希望をお願いします。また、バックバンドの必要なアーティストは、こちら側で用意いたします。
 出演者のメイク、衣装などは、希望があれば番組側で用意いたします。また、獣人化は、半獣人まででお願いします(オフィシャルで獣人の姿で活動しているアーティストは除く)。

・バレンタイン用質問
 今回は、バレンタインに近い日程ということで、バレンタインに関わった質問をさせていただきます。例えば「バレンタインにチョコを贈る(貰う)相手」「バレンタインデーの思い出」など。
 質問の内容は、出演者の希望に沿ったものになりますが、できるかぎりバレンタインに関連した話題にも触れるようにしてください。

・愛の手作りチョコレート作り
 バレンタイン特別企画として、参加アーティストの中から数名(2〜4名)の希望を募り、手作りチョコレート製作をしていただきます。場所はスタジオ内特設キッチン、料理器具や材料などはすべて用意してあります。完成したチョコレートは視聴者プレゼントとなりますが、複数作って自分用にしていただいてもかまいません。
 事前のリハーサルで、チョコレート作りのレクチャーを行いますので、初めての方もご安心ください。ただし収録の時間の問題から、極端に凝った製作(チョコレートケーキ作りなど)はできませんので、ご容赦ください。また前述の通り、視聴者プレゼントのため、生モノもご遠慮ください。

 その他、通常のトーク・ライブも行われます。

・番組スケジュール
 司会者入場 司会者の入場。中央司会者席にて挨拶。
 出演者入場 順番に入場していただき、同時に簡単な紹介を行う。その後、トーク会場の所定の席に着席。
 トーク開始 司会者に呼ばれた出演者は、司会者席隣に着席後トークを行う。
 曲演奏 トーク後、出演者はスタジオ内ライブ会場へ移動。紹介曲の演奏を行う。演奏後、トーク会場の所定の席に戻る。
 (以後繰り返し)
 (途中特別企画挿入)
 終了挨拶  全てのアーティストの演奏が終了後、司会者の挨拶を行い、番組終了。終了後、出演者退出。

 以上が番組概要となります。他わからないことなど質問がありましたら、番組スタッフのほうにお尋ねください。

●今回の参加者

 fa0588 ディノ・ストラーダ(21歳・♂・狼)
 fa1102 小田切レオン(20歳・♂・狼)
 fa2605 結城丈治(36歳・♂・蛇)
 fa2837 明石 丹(26歳・♂・狼)
 fa2899 文月 舵(26歳・♀・狸)
 fa3596 Tyrantess(14歳・♀・竜)
 fa3867 アリエラ(22歳・♀・犬)
 fa5241 (20歳・♂・蝙蝠)

●リプレイ本文

「新ユニット『スウィートハウス』を結成したディノ・ストラーダさんと、結城丈治さんです。まず、お二人は元々どういったご関係で?」
「同じ事務所に所属しているんです」
「あと、プライベートでも知り合いでして」
 トーク席に呼ばれたディノ・ストラーダ(fa0588)と結城丈治(fa2605)は、司会者の質問に笑みを浮かべながら答えていく。
「なるほど、では以前から知り合いで、親しい間柄だったというわけですね。美形のお二人が並んでいるとさぞかしモテるでしょう。特にバレンタインのときなど大変だったんじゃないんですか?」
「バレンタインチョコですかぁ‥‥実は俺、あんまり貰った事ぉ無いんですよね」
 話題がバレンタインの方へと流れると、ディノが少し照れたように答える。それを聞いた観客達から意外そうな声があがると。
「あ、いえ本当なんですよ」
「実はね‥‥ディノの奥さんは、すんごいヤキモチ焼きなんですよ。だから、ディノも貰おうにも貰うわけにいかず‥‥と」
 観客の声に、苦笑を浮かべて宥めようとするディノ。それに対し丈治は、少し可笑しそうに笑って真相を暴露する。その話に、観客からドッと笑いがこぼれる。
「ははは、なるほどそれは大変ですね。さて、貴重なお話も聞けたところで、そろそろ歌の紹介を。歌っていただきますのは、スウィートハウスで、『はじまりが歌えない』」

 ステージに上がったディノと丈治は、スタンドマイクを自分に合わせるように調整する。
「‥‥‥」
 ディノは、一度バックバンドへと視線を向け確認すると、丈治と小さく頷きあって、ゆっくりと目を閉じた。それを合図に、バックバンドからゆっくりとしたバラード系の曲が流れ始める。
「RAINY DAY 君の笑顔を忘れられなくて RAINY DAY 想い出はすべて幻に」
 ディノの甘い歌声に、丈治がコーラスとして声を合わせる。そして、二人の派手な容姿は見るものを楽しませた。
「I LOVE YOU 今宵も踊るよ道化師のように はじまりが歌えない俺が そこにいる‥‥」

「二組目は小田切レオンさんです」
「ども」
 ディノ達の曲が終わると、再びトーク席が映り、小田切レオン(fa1102)が司会者の紹介を受ける。
「‥‥では次に、バレンタインの思い出などお聞きしてよろしいですか?」
「バレンタインか、たいした話はないんだけど。そうそう高校生の頃、幼馴染のコから『チロルチョコ100個』を貰った時は色んな意味で衝撃だった。シャレなのかマジなのか見当が付かずに困ったぜ」
 レオンがバレンタインの思い出を語ると、会場から笑い声が漏れる。レオンはそのときの気持ちを思い出したのか、なんともいえない微妙な表情を浮かべた。
「その後、その方とどうなったのかお聞きしたい所ですが、そろそろ時間なのでステージの方へ移動していただきましょう。曲は、小田切レオンさんで、『ShininStar』。ではお願いします」

 バックバンドから静かな調子の曲が流れ出し。レオンは優しくバラードを歌いだした。
「神様に逢った事は 無い と思う でも 神様に一番近いコを知っているんだ 全てを持ち 全てを失う 孤独なそのコ いつも穏やかに微笑んで‥‥」
「Youre My Only ShininStar」
「もし 神様が祈るとしたら 何に祈るのだろう? 自分自身? 夜空の星?」
「I want to become Your Star」
「諦めなければ願いは叶う 君はそう言ったね 未だ見ぬ過去、過ぎてしまった未来‥‥」
「遠い約束 信じて僕は君を待つ Youre My Only ShininStar!!」
 サビに差し掛かると、優しい調子から徐々に感情を出した力強い歌声に変わり、ラストは遠くの誰かに伝えるように叫びを上げる。そして、ゆっくりと静かな余韻を残して消えていった。

「バンドアネモネに所属し、ソロでも活躍中の欅さんです」
「どうも」
「今回は、ソロでの曲とのことですが、曲についてご説明願えますか?」
「『幸せで嬉しい』って花言葉を持つくちなしの花と、数年間連れ添った恋人同士がテーマの曲です。恋人や夫婦って似てくるって言いますけど、幸せの感じ方も似てきたらとても幸せだろうなと。そんな曲です」
「素敵なテーマですね。今の時期はバレンタインもあって、多くの恋人達がこの歌を聞いて幸せになるといいですね」
 落ち着いた雰囲気で会話をする欅(fa5241)。そのままトークは和やかにバレンタインの話に移る。
「ドイツでの生活が長かったんですが。男女共に、身近な人に感謝する日って感覚です」
「では、チョコレートを贈るという習慣は馴染みが無いと。どなたかから貰ったとかは?」
「貰う相手は‥‥どうでしょう? 貰えるなら光栄ですけど。思い出というか、日本だと14日前は男女共意識してる感じがして、特に女性は可愛いなとか思いますね」
 司会者の質問に、微笑を浮かべながら感情を表に出さずに答える欅。何故かその様子を、アリエラ(fa3867)が出演者席でそわそわとしながら聞いている。それに気づいているのかいないのか、最後にニッコリと笑みを浮かべてトークが終了した。
「では、そろそろ歌っていただきましょう。欅さんで、『ガーデニア』」

 淡いオレンジの照明の中、欅は自らベースを持ち、ドラムとギターのバックバンドと共にゆっくりとしたテンポの曲を奏でる。
「似てきたよねと言われる度に 言いづらくなる気持ち抱えながら」
「手にしていたのは 街路樹通りを歩いた時に 目に止まったモノ」
 照明が濃くなり、全体がオレンジ色で彩られる。ギターの高音が、細かく華やかな音を奏で、存在感を出す。
「君は分からないだろうと 自己満足で買ったのに 出し合った掌を見て 笑顔が零れた」
 再び淡い照明に戻り、それにあわせクルクルと回転するオレンジ色の花のシルエットが、優しい雰囲気を演出した。
「幸せで嬉しい 言葉にはしないけど 季節外れの くちなしの花が二つ 僕らの手で甘く香る‥‥」

「バレンタイン特別企画! 愛の手作りチョコレート作り〜!」
 女性司会者の明るい声と共に、特別キッチンが映し出される。そして、それぞれエプロンをつけた、レオン、Tyrantess(fa3596)、アリエラ、その他数名。各々、自分の作りたいチョコの材料をキッチンに用意してある。
「‥‥参加してくださったのは以上のみなさんで〜す。それでは、さっそく始まってもらいましょう。クッキングスタート!」
 参加者の紹介が一通り終わり、司会者の開始の合図でチョコレート作りを開始する参加者達。
「アリエラさんはどういったチョコを作られるんですか?」
「あ、うん、シンプルにチョコを溶かして色々な型で固めようかなと」
「では、ハート型もあったりしますかぁ?」
「え、あ、それはぁ‥‥あ、あったり、なかったりかな?」
 アリエラは、作っている内容を問われると、ちらちらと出演者席のほうを見ては、ごまかすように笑う。
「では次に、タイランテスさんはどういったチョコを?」
「俺はこれを使う」
 次に聞かれたタイが取り出したのは、オレンジピールのシロップ漬け、を乾燥させたもの。
「こいつを、溶かしたチョコレートで包んで、オランジェットを作るんだ」
 そう言いながらオレンジピールを長細い短冊切りにしようとするが、包丁を持つ手がぎこちない。どうやら料理は慣れていないようだ。しばらくしてようやく切りそろえることができる。
「チョコを溶かして固めるのは温度管理が大事なんだったか? 結構めんどくせーな‥‥って、おまえなにしてんだ!?」
 アリエラとタイは、事前で習ったとおり刻んだチョコをお湯で湯煎して溶かしていくのだが。タイの視線にはとんでもないことが映る。
「なにって、チョコ溶かしてんにきまってんじゃんかよ」
 レオンが鍋に火をかけて、板チョコを直接その中に放り込んでいた。もちろんそんなことをすれば焦げる。リハーサルの時のチョコ作りの説明を、レオンはまったく聞いていなかったようだ。
「うぉ、なんか煙でてきたぞ! とりあえず生クリームでも入れてごまかすか!」
「‥‥‥」
 そんなこんなで、バレンタイン企画は一部アクシデントに大騒ぎしながらも、なんとか終了した。

「タイランテスさん、チョコレート作りお疲れ様でした」
「けっこう面白かったぜ」
「あ、頬にチョコが」
「んん‥‥ちゅぱ‥‥」
 再びトーク席に戻り、先ほどチョコ作りをしていたタイランテスが話をする。チョコ作りの名残か、頬についていたチョコを指で掬い取り、咥えるようにチョコを舐めとって見せ。カメラ目線でセクシーさをアピールするが、どちらかというと可愛らしい感じがするようだ。
「せっかくなのでバレンタインの話を聞いてもいいですか?」
「俺はアメリカ出身だからな。少なくともガキのうちは単なるお祭りだ。あ〜、でも、毎年結構な数配ってたな。もらう方も結構な数だったけど」
「やっぱり、男女共に人気がありそうですからね」
「まあな。工作の授業で、もらったお菓子とかを入れておく箱作らされたりするくらいだし」
「特別な相手に贈る、ということはなかったんですか?」
「別に? ほとんどクラスの全員に配るのが基本だな、特に低学年のうちは」
 そっけなく答えるタイだが、まだ中学生ほどにしか見えない彼女を見る側は、なんとなく微笑ましい気分になるようだった。甘酸っぱい青春を語るにはまだ早いと思われているのかもしれない‥‥。
「では、そろそろ歌っていただきましょう。Tyrantessさんで、曲は『Bittersweet Trap』」
 歌は、自らギターを演奏し歌う、バレンタインを意識した歌詞のミディアムスローなロックだった。

「バンド『アドリバティレイア』から、明石丹さん、文月舵さん、アリエラさんの三人にお越しいただきました」
「どうも」
「よろしゅう」
「よろしくおねがいします!」
 司会者の紹介に、三者三様の挨拶をする三人。落ち着いた様子で礼儀正しく頭を下げる明石 丹(fa2837)、優雅に笑みを浮かべる文月 舵(fa2899)、満面の笑顔で元気に声をだすアリエラ。
「明石さんは、バンドのリーダーですが、今後の活動について何かありますか?」
「そうですね、最近はドラマ出演のチャンスもあったり有難いことですよね。ライブも勿論、活躍の場を広げていけたら良いなと思ってます」
「なるほど、よりいっそうの活躍を期待しています」
「ありがとうございます」
「では、バレンタインの話でも」
「そういったことは、やはりうちのレディー達に聞いてあげてください」
「はは、ということだそうですが、今年のバレンタインはお二人ともどうされますか?」
「え、いややわぁ‥‥バレンタイン‥‥そうどすなぁ、ここ2、3年は特別なチョコはあげてませんし‥‥今年は予定があったらええんですけど。アリーちゃんは?」
「わ、わたしは! ‥‥バレンタインの思い出は、これから作れれば良いかなぁ〜?」
 丹に話を振られ、少しおどけた様子で答える舵。アリエラは、なにやら一瞬気合のこもった様子で背をピンと伸ばすが、なにやら微妙な答えでごまかす。
「マコちゃんは山ほどもらいそうやわ、絶対モテるでしょう」
「僕ですか? さぁ、どうでしょう。でもやっぱり気にはなりますからね、僕もちゃんと貰えるように祈っておかないと」
 そう答える丹、嫌味に聞こえないのは、やはり柔らかい物腰のおかげだろうか。
「アリエラさんは、チョコ作りに参加してくださいましたが、普段から作られるんですか?」
「え、ええっと、なんか失敗談しか思い出せないのは何故ー? チョコ作るの失敗して家族に押しつけた‥‥とか。あ、昔‥‥追っかけしてた人に送ったことはあるー! FANレターと一緒に! 相手は内緒ーだけど」
 わたわたと元気に答えるアリエラ、その様子がどこか芸能人というより、どこかで紛れ込んだ一般人の少女みたいで、会場の笑いを誘った。
「楽しい話をありがとうございます。ではそろそろステージへと移ってもらって‥‥アドリバティレイアで、『ブルーダリア』」

「〜〜♪ 〜〜♪」
 ブルーライトのみの仄かな光の中で、舵がメロディを歌い、担当のドラムでリズムを刻んでいく。丹もベースで優しくメロディを奏で、アリエラのギターがメイン演奏でイントロが始まる。そして丹の柔らかい甘い声、優しいバラードが流れる。
「甘い香りに誘われて 歌いだした 僕は静かに瞳閉じ 耳を澄ます」
 ゆっくりと照明が明るくなっていく。ギターも少しずつ音を上げ、明確に何かを語るように盛り上がっていく。
「あっという間に色褪せてしまう このメモリー そっと見つけだし白いページをめくる」
「「「言葉になれずに 泳ぐ想いたちよ」」」
 舵とアリエラのコーラス。女性特有の高い声が、ハーモニーとなって曲の彩を増す。
「小さな悲しみに溢れた涙も 今度こそ ブルーダリア咲かせるはず 君へ届け‥‥」
「「「My little love song!」」」
 ラスト、一気に照明が明るくなり、曲のテンションも上がる。三人の歌声のハーモニーと、それぞれの楽器の広がるような音の波。ゆっくりと余韻の中、観客達の歓声が響き渡っていた。

「‥‥抽選で、アーティストの作ったチョコレートとメッセージカード、本日の出演者全員に書いていただいた寄せ書きカードを付けてお送りいたします。なお、抽選の発表は発送を持って替えさせていただきます」

●おまけ
「こ、これ! 貰ってください!!」
「俺に? ‥‥ほんと、可愛いよね」
 番組終了後、欅に包装されたチョコを押し付けて脱兎のように逃げていくアリエラ。その様子に、一瞬きょとんとしつつ、欅は少し面白そうに笑みを零すのだった。