豚子をメタモ! ドラマアジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
2.3万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
02/13〜02/26
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●本文
漫画『豚子をメタモ!』をドラマ化。イジメられっ娘の少女が、ふとしたきっかけでクラスの協力を得て素敵な女性に変身(メタモルフォーゼ)、学園のアイドルになっていくサクセスストーリー。
「ごめん、私ブスだから‥‥もう諦めてる」
「え‥‥無理だよそんなの‥‥」
「うん、がんばる‥‥がんばるよ!」
「みんな‥‥ありがとう‥‥」
原作者がドラマ用に新しく脚本を書き上げた意欲作! ヒロイン皆町詩子(豚子)役には、オーディションにより選ばれた新人俳優、伊藤ミリを起用。
●俳優募集
学園サクセスドラマ『豚子をメタモ!』では、ドラマに出演する俳優を募集しております。生徒役や教師役など、広い年齢層の俳優を募集しておりますので、要項を確認のうえ奮っての応募をお待ちしております。
●募集要項
ドラマの舞台になる学園の、生徒役、教師役を募集いたします。以下の要項に従い、希望の配役をご連絡ください。多少の年齢のずれは問題ありませんが、外見上あまり無理のある配役は審査の対象になります。
生徒役 15〜17歳の男女
教師役 22歳以上の男女
●物語のあらすじ
皆町詩子は私立雛川学園の一年生。暗くていつもオドオドとしている彼女は、豚子というあだ名を付けられ、日々イジメられて生活していた。
この冬から、従兄弟の畑山麦ノ介が詩子の家に居候することになり、詩子と同じ学園の同じクラスに転入してきた。彼は持ち前の明るさでクラスの人気者になっていくが、子供の頃一緒に遊んだ詩子が、すっかりと変わってしまっていることにショックを受ける。
麦ノ介は、詩子が昔の明るさを取り戻すために、クラスを巻き込んで詩子の変身計画を立ち上げる。戸惑う詩子やクラスメイト達も、麦ノ介の熱意に徐々に動かされていく。
様々な苦難を乗り越え、詩子は可愛い素敵な女性へと変身していく。そして文化祭の日、学園のアイドルであり、詩子をイジメてきた主犯、ライバルの雛川優梨子とミスコンで対決した詩子は、ついに勝利し学園のアイドルとなるのであった‥‥。
●主要人物紹介
皆町詩子(豚子) 私立雛川学園に通う高校一年生の少女。背が低くぽっちゃりしている体型のせいか、小さい頃から『豚子』というあだ名を付けられイジメられていた。本来は明るく心優しい少女だが、イジメのせいで無口で暗い、自分に自信の持てない性格になってしまっている。
畑山麦ノ介 この冬から雛川学園に転入し、詩子の家に居候することになった従兄弟。詩子と同じクラスになったが、見栄えのする容姿と、明るく社交的な性格のためあっという間にクラスの人気者になる。小さい頃一緒に遊んだ詩子が、暗い性格になってしまっていることを心配して、彼女を人気者に変身させようと奮闘する。自分の名前にコンプレックスを持っている。愛称は『ムギ』。
雛川優梨子 雛川学園理事長の娘で学園の一年生。詩子とは別クラス。詩子の幼馴染だが、彼女をイジメている主犯。容姿と立場から、入学当初から学園のアイドルとして周囲には認知されている。元々、詩子を嫌っていたわけではなく、お気に入りのおもちゃのような感覚だった。しかし、麦ノ介が転入した直後に一目ぼれし、彼が詩子を気遣うことが気に入らない。しかも自分の知らないところで元気になっていく詩子に、憎悪に近い感情を抱くようになる。
クラスメイト(男女可) 詩子のクラスメイト達。元々は存在感の薄い詩子に興味はなかったが、転入してきた麦ノ介に促されて、詩子の変身に協力していくようになる。
優梨子の取り巻き(男女可) 優梨子の機嫌をとり、一緒になって詩子をイジメる取り巻き達。
クラスの担任教師(男女可) 詩子のクラスの担任。
保険医の教師(男女可) 雛川学園の保健室にいる保険医。詩子の相談相手で、詩子を気遣っている。
その他教師 雛川学園の教師。基本的に理事長の娘である優梨子の行動を黙認している。
『皆町詩子』以外のキャストは決まっておりませんので、自分に合った配役を希望してください。『畑山麦ノ介』『雛川優梨子』役の希望者は、容姿のイメージも審査の対象になりますのでご注意ください。
●リプレイ本文
「貴女がミリさん? よろしくお願いしますね」
西園寺 紫(fa2102)が、ヒロイン役の伊藤ミリに挨拶をする。ミリは大きく頭を下げて挨拶を返した。
「ふ〜ん‥‥豚子役、お似合いですね♪」
「あ、ありがとうございます‥‥」
ミリの全身を見渡してからニッコリ微笑む紫、演技はすでに始まっている‥‥のか?
●豚子の受難
私立雛川学園に通う皆町詩子(伊藤)は、地味でいつも俯いている暗い印象の少女だった。背も小さく、ぽっちゃりとした体型のためにあだ名は豚子と呼ばれ、毎日イジメられている。
「豚子おはよう!」
バシ! 早朝、校門を抜けた詩子の後頭部を叩く少女。それは学園の理事長の娘、雛川優梨子(西園寺)だった。彼女は、詩子の幼馴染で、学園のアイドル、そしてイジメの首謀者であった。
「相変わらず肥えてるわねぇ。私の幼馴染なんだから少しぐらい痩せなさいよ。見ているだけでも太りそうだもの」
「ご、ごめんなさい‥‥」
「謝るくらいなら、早く痩せなさいよね、豚子♪」
優梨子は詩子の頬を突っつき、お腹を抓り、冷たい視線を向ける。そして、謝る詩子をもう一度叩き爽やかに去っていくのだった。
「ポンチ絵描きごときにドラマのシナリオが書けるのかしらね?」
左目の眼帯が印象的な畑ヶ谷惇子(fa0437)が渡された台本に目を通しながらポツリと呟いた。餅は餅屋、ドラマの脚本をわざわざ原作漫画家に書かせるのはたんに話題づくりでしかないのではと、小さくため息をつく。
「あら、私はこの漫画好きよ? ちょっと荒唐無稽としてるけど、人物描写とか上手でストーリーもよく書けてるわ」
惇子の呟きが聞こえたのか、三条院真尋(fa1081)が原作の話を簡単に説明してフォローする。
「よければ、これ読んでみて」
「む‥‥まぁ、ためしに読んでみるわ」
ポンと、真尋が何も無いところから原作漫画を手品で取り出し、惇子に手渡す。惇子は出番までしばらくのあいだ漫画を読むことにした。その後、こっそり抜け出し全巻揃えてきたというのでハマッたらしい‥‥。
●傷つける者、守る者
「先生、詩子さんが学校の備品を壊しました!」
「詩子さん、また貴女なの?」
「あ、あの‥‥」
優梨子の証言に、詩子をギロリと睨みつける美人教師岸谷(畑ヶ谷)。もちろんその備品を壊したのも優梨子であるが、岸谷はそのことを承知の上で詩子を叱りつける。
「貴女のようなダメな子はいままで見たことがありません! 学校の備品をなんだと思っているのです! まったく貴女ときたら‥‥」
キツイ言葉で詩子を罵り、最後に掃除を命じて立ち去る。それを、満足そうな笑みを浮かべて優梨子もその場を離れた。詩子は反論もできず、ただ俯いて命じられた掃除をするだけだった。
しかし、周囲の助けも無く、ただ耐えるだけの詩子にも、少ないながら心の拠り所、味方と呼べる者がいた。
「豚って可愛いから私は好きよ?」
辛くなると、詩子は保健室へと逃げ込む。そこには、保険医の猪俣(三条院)が彼女を優しく迎えてくれた。オネェ言葉の男性だが、どの生徒にも優しい教師である。
「詩子さん、もっと自信を持って。ほら、これはただの棒だけど、こうすると‥‥綺麗な花になったわ。貴女もこんな風に変身できるのよ?」
猪俣は、趣味だという手品で、木の棒を花に変えて詩子を励ます。詩子にとって、この一時の安らぎが、辛い学校生活を続ける活力になっているのだろう。
●やってきた変革者
ある日、詩子の家に従兄弟の畑山麦ノ介(和山 繁人(fa2215))がやってくる。彼は、海外に転勤する両親には着いていかず、親戚の詩子の家に預けられることになったのだ。突然のことに戸惑う詩子も、幼い頃の話をして楽しい頃を思い出すのだが。
「でもあの頃は詩子、みんなの人気者だったよな。いまもそうなんだろ?」
「‥‥!」
「詩子‥‥?」
無邪気な麦ノ介の言葉に、動揺し逃げ出す詩子。その様子に困惑する麦ノ介だった。
「今日はこのクラスに転入生がいます、畑山君入っていいわよ」
「畑山だ、よろしくな!」
「麦ちゃん!」
「麦って呼ぶな!」
「なんだ、豚子の知り合いか?」
「豚子?」
次の日、詩子のクラスに麦ノ介が転入してくる。担任の雪道(高村瑞希(fa2770))と共に入ってくる麦ノ介に、まさか同じクラスになると思っていなかった詩子は驚きを隠せず、クラスメイト達に関係を疑われるのだった。しかし、麦ノ介にはもっと気になることがあった。
「なぁ、おい。豚子ってどういうことだ?」
「‥‥知らねえよ。詩子だから豚子なんだろ、それにちょっと太ってるしな」
「な!」
詩子の変わりようを心配した麦ノ介に聞かれ、詩子を無視に決め込んでいたクラスメイトの犬飼亘(水月悠華(fa2918))が詩子について答える。それを聞き、詩子を取り巻く状況に驚愕する麦ノ介。
「畑山君、校内を案内してあげるわ」
「あ、いや、詩子に案内してもらおうと思ってるんだけど」
「そう? 従兄弟なんですってね。でも、皆町さんならさっき呼び出されてたみたいだけど?」
クラス委員長向坂瑞紀(白蓮(fa2672))が校内の案内を申し出る。詩子に案内を頼もうと思っていた麦ノ介であったが、しかたなく瑞紀に案内してもらうことになる。
瑞紀は眼鏡をかけたキリッとした少女で、公平さをモットーにした生真面目な委員長であった。しかし、誰でも公平に見るということは、皆を同じようにしか見ないということで、周りからは冷たいと思われていた。それゆえ、麦ノ介が詩子について聞いても、そっけない答えしか返せなかった。
「さぁ? 理事長の娘さんと仲が良いようだけど。私はよく知らないわ」
その後、優梨子と麦ノ介がぶつかり、優梨子が麦ノ介に一目惚れする事件が起きる。しかしそれは、詩子に新しい受難を与える結果となってしまう。
●私、変わりたい!
「豚子! SNAPの限定ポスター付きCDを買ってきて!」
「う、うん‥‥」
ある日、詩子にアイドルグループの限定CDを買うよう命令する優梨子。しかしそれは、優梨子の罠だった。そのCDはすでにどこも売り切れていたからだ。詩子は懸命に探すが、見つかるはずも無く、その努力は徒労に終わろうとしていた。
「俺も手伝う! 頼む皆も手伝ってくれ!」
事情を知った麦ノ介が、クラスメイトに頭を下げて協力を仰いだ。その気持ちに打たれたクラスメイト達は、CD探しに協力することになる。
「おい、知り合いに保存用に取ってあったやつを譲ってもらったぞ」
そして、亘の人脈でCDを手に入れることができた詩子だったが‥‥。
「こ、これは‥‥私に中古を持ってくるなんてどういうつもり!」
「あ‥‥!」
あるはずの無いCDを持ってきた詩子に動揺する優梨子だが、手に入れた経緯を聞き激怒すると、CDを地面に叩きつけ踏み砕いてしまう。あまりの悲しさと悔しさに打ちのめされる詩子。そして、麦ノ介の励ましに、新しい自分に変わる事を誓う。
「私‥‥こんな自分イヤ‥‥変わりたい!」
「大丈夫だ! 俺がお前を、キッラキラのスーパーアイドルにしてやるよ! プロジェクト・メタモルフォーゼ始動だ!」
●豚子をメタモ!
「あ、なんか俺、こんなに楽しいの久しぶりかもしれない」
「皆町さん‥‥、友達になってくれる? 一緒に、がんばりましょうね!」
ついに詩子のアイドル変身計画が始まる。麦ノ介の熱意に、亘や瑞紀が巻き込まれ、そして徐々にクラスメイト達が一丸になって詩子に協力しはじめる。
「もっと私にできることはないのでしょうか‥‥」
「いまは見守りましょう? 生徒達を信頼し、任せることも私たちの役目よ。でもいざっていうときは守ってあげて?」
「はい‥‥私も、勇気を持って!」
教師と生徒の間で揺れる担任の雪道も、猪俣のアドバイスに生徒達を信頼することと、彼女らを守る勇気を得て、活気付くクラスを見守っていく。
「詩子さんまた! いいかげんに‥‥」
「詩子はやってねえよ!」
「な、なんです、貴方達は!?」
「先生! 私たちは皆町さんと一緒にいました。無実です!」
「く‥‥」
そして、いくつもの挫折や、優梨子や岸谷の妨害を乗り越え、クラスは一つにまとまっていく。詩子もクラスの協力を得て、明るく可愛く、学園の人気者へと変わっていくのだった。
ついに運命の文化祭。学園のアイドルを決めるミスコンで、優梨子と対決する詩子。優梨子の取り巻きの妨害も、亘や瑞紀の機転によって難を逃れる。
「今年のミス雛川は‥‥皆町詩子さんに決定しました!」
「やった〜!!」
「みんな‥‥ありがとう‥‥」
すっかり強く明るくなった詩子。そして、コンテストで優勝し、喜びの涙を流しながら詩子とクラスメイト達は抱き合い喜び合うのだった。
「はい、カット!」
「クランクアップおめでとう!」
「おつかれさまでした! ありがとうございます!」
撮影終了し、スタッフから主演のミリや繁人に花束が贈られる。
「あ〜あ、水着審査があれば優梨子が勝ってたかもね?」
「す、すいません」
「冗談ですよ〜。素敵な演技でしたミリさん! 共演できてよかったです」
「ありがとうございます‥‥!」
諸事情により、ミスコンの水着審査はカットされることになった。紫の冗談を真に受けて頭を下げるミリだが、紫は彼女の演技を褒め称えるのだった。
こうして、『豚子をメタモ!』の撮影は無事成功で終わった。