神霊装甲 レジスタンスアジア・オセアニア

種類 ショート
担当 緑野まりも
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 04/14〜04/18

●本文

●冒頭
「リーダー! もう敵に囲まれちまったぜ!」
「諦めるな! なんとしてもここを脱出するんだ!」
 仲間の叫びに、レジスタンスのリーダーは激励を飛ばす。しかし、周囲にはアース神族軍のSAが取り囲み、逃げ道は断たれている。しかも、レジスタンスのSAは旧式で、性能の差は歴然としており、囲みを突破することさえ望み薄であった。
「くそ、この情報をなんとしてでも持ち帰らねば‥‥」
 少しずつ囲みを狭めてくる敵。このままでは、全滅は必至といえる状況に、焦りを感じて小さく呟くリーダー。自分の戦いもここまでかと、諦めそうになったその時。
「あれはなんだ!?」
 仲間の一人が、空を指して叫ぶ。その先には‥‥。
「空中‥‥戦艦?」

・声優募集
 ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
 審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。

●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
 戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
 召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。

・世界設定
ヴァルハラ 我々の世界と対になる魂や精神が具現化した世界で、精神力(心の強さ)が力となる世界。絶えず争いが起きていることから、戦いの世界とも言われている。この世界には、それぞれアース神族、ヴァン神族、巨人族という三種族が国を作っており、それぞれがそれぞれの国と争っている。

神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。

ヴァン神族 新緑の森ヴァナヘイムを首都に持つ、平和的な種族。魔術が得意で、身のこなしも素早い。農耕を行い、大地に根付くことで豊かな国を作り上げた。農耕民族のイメージ。共和制を敷いており、国民に選出された長老会によって国の全ての政治を動かしている。軍の様子は、個々の力を重んじる中世騎士団と近いイメージ。現在はアース神族に首都を占領され、ごく一部の騎士が反抗勢力として戦っている。

レジスタンス アース神族の武力侵攻に対しての抵抗組織。以前に組織の主力を壊滅させられ、現在は辺境で小さな地下運動をしている程度。所属している者のほとんどが、アース神族の占領を拒否し滅ぼされた村の出身者。

それ以外の種族 ノッカーやピクシー、またドラゴンなど様々なモンスターが存在している。

・主な登場SA
SAフレイ改 アース神族との決戦で大破したSAフレイを改修した機体。従来の二人乗りのコックピットをそれぞれ二つに分け、高速飛行可能な戦闘機形態とSA形態を取れるフレイF。戦闘機時は重火力攻撃機、合体後はバックパックとなる、ソード・オブ・ヴィクトリー(S・O・V)、ソード・オブ・ブリーシンガメン(S・O・B)が使用可能なフレイBとした。

フレイのリミッター ロストテクノロジーによって作れているフレイには、本来の力が出ないようにリミッターが施されている。稀に巨大な意志力によってリミッターが外れる場合があるが、その際は数十倍のパワーを発揮するという。しかし、それはほとんど暴走状態のため、機体にも搭乗者にも大きな負担がかかる。

SAフレイア SAフレイを元に、SAヴァルキュリアの飛行技術を起用した、ヴァン神族の次期主力SA。量産のためにS・O・Vを無くし、代わりに意志力で飛ばした球体でバリアを発生させるアクセサリ・オブ・ブリーシンガメン(A・O・B)を搭載。現代人の意見を参考にし、形態を人型から飛行形態に変形することによって、空中での高速飛行が可能。

SAアンドヴァリ ドヴェルグ族が鉱山採掘用に開発したSA。すでに旧式であり、その性能はかなり低い。レジスタンスが戦闘用に改造し使用している。

SAヘーニル改 アース神族の汎用量産型SAヘーニルの発展型。若干の運動性能のアップ、対巨人族に実弾兵装の採用などのマイナーチェンジがされている。

SAベルセルク アース神族の秘密工場で開発中のSA。巨大なオーラソードを振るう近接型SAだが、一般兵が魂の騎士並に出力を出すために、意図的に意志力を暴走させるという危険なシステムを採用している。すでに数機がロールアウトされ、前線へ搬送されている。

SSスキーズヴラズニル ヴァン神族が秘密裏に開発した空中戦艦、通称スピリチュアルシップ(SS)。多くのSAを運用することができ、また高い機動力と防御力を持つバランスの取れた戦艦。

・次話あらすじ
 SA技術者シンドリを仲間に迎えたヴァン神族の騎士達は、シンドリの助言を元にレジスタンスの協力を得るため、抵抗活動をしているという辺境へと向かった。しかしその途中、SOS信号を受けた騎士達はアース神族に囲まれたレジスタンスの部隊を発見する。これを助けた騎士達は、レジスタンスのリーダーと接触することに成功した。
 ちょうどこのとき、レジスタンスはアース神族の秘密SA工場を襲撃する計画を立てており、騎士達にも協力してくれるよう頼まれる。計画は、レジスタンスと騎士の主力が前面で囮となり、フレイとフレイヤ部隊が狭い谷を抜けて側面攻撃を行うことになる。はたして、作戦を成功させレジスタンスの協力を得ることはできるのだろうか。

・登場人物
 ヴァン神族側現代人 ヴァン神族に協力し魂の騎士として戦うことになった現代人
 レジスタンスリーダー レジスタンスを率いるリーダーの一人。以前の戦いで主力はバラバラになってしまい、現在は小規模な部隊に分かれ、各地で抵抗活動を行っている。
 シンドリ(池内秀忠) SA開発の第一人者と呼ばれる男性。容姿端麗だが、顔の左側に大きな火傷を負っている。しかしその顔立ちは、ある人物にとても酷似している。現在はヴァン神族に協力することになり、空中戦艦に搭乗している。
 その他 ヴァン神族の騎士、レジスタンスメンバー、アース神族兵など

●今回の参加者

 fa0352 相麻 了(17歳・♂・猫)
 fa0463 伊達正和(25歳・♂・竜)
 fa0509 水鏡・シメイ(20歳・♂・猫)
 fa0868 槇島色(17歳・♀・猫)
 fa1435 稲森・梢(30歳・♀・狐)
 fa2401 レティス・ニーグ(23歳・♀・鷹)
 fa2582 名無しの演技者(19歳・♂・蝙蝠)
 fa2772 仙道 愛歌(16歳・♀・狐)

●リプレイ本文

 偶然、アース神族軍に囲まれたレジスタンスを助けたヴァン神族の騎士達は、レジスタンスリーダーの男性、スヴェンによって彼らの基地に招かれていた。
「ここが温泉? へぇ、結構良さそうね」
 夜、月明かりに照らされながら、ヴィオとマリアは話に聞いた温泉へと来ていた。
「さっそく入りましょ」
「ちょ、ちょっと待って、誰かいる?」
 そう言って温泉へと入るヴィオに、マリアは温泉の奥の人影に気づいて慌てて止めようとした。ちょうど湯気が晴れて人影が姿を現す。
「スヴェン!」
「お前達は!?」
 お互い顔を合わせ、ヴィオ達は慌てて身体を隠そうとするが、気づけばスヴェンの方も同じように胸元を手で隠そうとしている。その胸元はふっくらと膨らんでいて‥‥。
「え、スヴェン、あなた‥‥女性だったの!?」
「‥‥‥」
 そう、スヴェンは女性だった。驚くヴィオとマリアに、スヴェンは困ったように顔を顰めて、リーダーが女性では色々不都合だと思い男装していると説明した。
「‥‥と、言うことだ。本名はスレイと言う。だが、このことはくれぐれも秘密に願いたい」
「わかったわ、よろしくね、スレイ・ニール」
 話を聞き、マリアが納得したように笑みを浮かべると、スレイは苦笑しつつ頷いた。そんな話をしていると、突然スレイがナイフを取り出し誰もいないところへと投げつける。
「何奴!!」
「うわ、バレた!」
 ナイフの飛んでいった先、暗闇に声があがる。そして、バタバタと逃げていく足音。そして‥‥。
「‥‥エリス、こんなところで何してるのかしら?」
「いえ、私は、丈さんに無理矢理連れてこられただけで、覗こうという気は全く‥‥スヴェンさんは、女性だったんですね‥‥あはは」
 一人取り残されたような銀髪の青年エリス・リヴァイアに詰め寄るヴィオとマリア。そのこめかみには怒りのマークが激しく点滅している。エリスは顔を引き攣らせながら乾いた笑みを浮かべ。
「問答無用!!」
 次の日、エリスの顔にはいくつもの青痣ができていたとか。

「準備はいいか? 全員作戦開始!」
 スレイの号令で、レジスタンスが鉱山への攻撃を開始する。レジスタンスは、鉱山にあるアースの秘密工場の情報を入手し、この襲撃作戦を計画していたのだった。
 アース軍もレジスタンスの襲撃に気づき、司令官の女性士官イオの命令のもと、SAヘーニル改を繰り出し反撃してくる。
「只のアンドヴァリだと思ってると痛い目見るぞ!」
 接近してきた一機を、パイルバンカーで打ち倒したスレイ。レジスタンスは工場から敵を離すように徐々に後退していく。
「このあたりでいいだろう、全員反撃開始!」
「了解、ヴィザール降下っ!!」
「ベオウルフ行きまぁす!」
 十分工場から敵を引き離すと、待機していたヴァンの騎士達が反撃を開始する。竹内虎雄のSAヴィザール、黒木丈のSAベオウルフが飛び出す。ヴィザールは背中のブーストで間合いを一気に詰めオーラナックルで敵の頭部を破壊。ベオウルフも高い機動性からの射撃で次々と撃破していく。敵の新手に浮き足立つアース軍だったが。
「レジスタンスにこの拠点を知られた? しかし、部隊構成が‥‥どうやらヴァンの残党が残っていたというのは本当らしいな。ふむ‥‥前の戦いで痛めた左肩がまだ疼くが、何とかなるか」
「あれはヴァルキュリア!? こんな工場に配備されているなんて‥‥」
 工場から現れたのはSAヴァルキュリア�Uヘルヴォル。頬に傷持つ無精髭の守備隊長の機体だった。
「くっ!」
「あぶない!」
 動揺したスレイに敵が襲い掛かり、スレイは敵の攻撃を受け体勢を崩す。そこへ、ヴィオのヴァルキュリアが救援に入った。スレイを庇い、ヘーニルの銃撃を受けるヴィオ。
「早く態勢を立て直して! スレイ!」
「ヴィオ! 私に構うな!」
「スレイ、貴方が倒れたら路頭に迷う人達がいるのよ。それに、あたしはもう守れないのは嫌なの!」
 ウィングスラスターを利用したオーラシールドを張って耐えるヴィオだが、限界は近い。
「ブーステッドアッパーッ!!」
「虎雄!?」
「ヴィオの馬鹿っ、目を覚ましてよっ!! 一人でやろうとしないで! 仲間がいるじゃないか!」
「え、あ、有り難う虎雄、そうだね、一人じゃなかったんだ」
 助けに入った虎雄の言葉に、ヴィオは一瞬きょとんとなり、すぐにその言葉を理解したように微笑を浮かべるのだった。
「貴様がヴァンのジョーカーか! 食らえエンフェリア、アサルト!」
「誰であろうと俺を止められやしない! やってやるぜ!」
「なに、変形した!?」
 丈と守備隊長の戦い、ヘルヴォルのエンフェリアがベオウルフを襲うが、丈はビーストシステムを起動させる。そして、ベオウルフは四足歩行の肉食獣の姿へと変形した。
「くぅ‥‥凄い、5倍以上のエネルギーゲインがある」
「速い! くっ、化け物め」
 変形と共にあふれ出す金色のオーラ、丈は暴走しそうになる力を抑えながらも、その凄さに驚きを隠せない。疾走し牙で次々とSAを破壊していくその姿に、守備隊長は禍々しいものを見るように顔を顰めた。
「だが、それでも戦力は我々が上だ。ヤツラはなぜこんな無謀を‥‥。まて‥‥ヴァンにはたしか飛行部隊が‥‥」

「もうすぐ谷を抜けるわよ!」
 先導するマリアのSAフレイア。フレイアの飛行部隊は別働隊として、飛行機形態で狭い谷を抜け、側面から工場を攻撃する作戦だった。
「エリス、この間からマリアが機嫌悪いけど、理由を知っているか?」
「い、いえ‥‥あ、あはは‥‥」
 レイとエリスも、分離し飛行機形態になったFフレイ、Bフレイで作戦に参加していた。レイの疑問に、顔を引き攣らせて笑うエリス。やがて、谷を抜け工場が見えてきた。守備部隊のほとんどは、レジスタンスが工場から引き離しているはずで、別働隊はその間に一気に工場を叩く予定だった。しかし‥‥。
「敵の新型!?」
 そこで待ち構えていたのは、二機のアースの新型SAベルセルクだった。黒く巨大なオーラソードが禍々しい光を放っている。
「かかったな、計略はアノ女の専売特許ではないのだよ」
「うっ、気持ち悪い‥‥なにこのオーラ」
「破壊する‥‥破壊する‥‥うおおおお!!」
 イオは事前の情報でレジスタンスの計画に気づいていた。そこで別働隊をベルセルクで待ち伏せし、各個撃破を狙ったのだ。ベルセルクの放つ禍々しいオーラに、マリアは吐き気を催す。
「どうやら、私達は相手の罠にはまってしまったようですね」
 エリスも苦々しげに笑みを浮かべる。そして、フレイFを人型形態に戻し、両手に二振りの剣を持つ。
「リミッターが解除された時ほどではありませんが、確実にフレイの性能が以前より上回っていますね。いきます!」
 そして、高速で間合いを詰めるとベルセルクの両腕を切断せんと双剣を振るう。
「まさか、T・V・Sが効かない!? くっ!!」
「エリス!」
 しかし、切り裂いたはずのベルセルクは、なにごともなかったかのように大剣を振るう。エリスはかろうじてそれを双剣で受けるも、驚きは隠せなかった。マリアがベルセルクの背中に数発の射撃を命中させるが、出力を向上させたはずのこれも効いていないようだ。
「ベルセルクを甘く見るな! 巨大な意志力が敵の攻撃さえ弾く。これさえあれば、魂の騎士など不要なのだよ!」
 勝ち誇るイオ。凶悪なほどの意志力を発揮するベルセルクに、エリス達はなすすべが無い。そこへ‥‥。
「俺に任せろ! 俺の魂が猛り‥‥お前を倒せと熱く叫ぶ!!」
「まさか、あの囲みを抜けてきたのか!? 守備隊長はなにをしている!!」
 現れたのは丈、黒い獣は黄金のオーラを纏い、ベルセルクへと突っ込んでいく。
「必殺!! 閃光ぉ幻狼拳!!」
「なに、ベルセルクが!!」
 疾走するベオウルフのオーラが、光の槍となりベルセルクを破壊する。イオはその光景に驚きの声をあげた。
「何だアイツは! 同種のオーラがベルセルクのオーラを中和!? あの黒い機体にもベルセルクと同じシステムが組み込まれているというのか!? ちぃ、ここまでか‥‥まあいい先行量産機は生産完了した。工場施設は全て破壊。合流ポイントまで撤退だ」
 イオは一瞬顔を顰めるが、すぐに表情を戻し撤退指示を出す。こうして、レジスタンスは鉱山を奪取することに成功した。しかし、工場はすでにもぬけの殻で、施設は破壊されているのだった。

「今回は、君達のおかげで作戦は成功した。感謝する」
 作戦終了後、スレイはヴァンの騎士達に礼を述べた。騎士達も、レジスタンスの協力を得て、祖国奪還へ大きく前進したかに思えた。
「リーダー! 大変だ! 空が!!」
「な、なんだあれは!?」
「光の‥‥柱?」
 部下の叫びに、その指差す方向に視線を向けるスレイ達。そこには、はるか彼方で雲を切り裂き地上へと降り注ぐ、巨大な光の柱が見えるのだった。
「ミーミル‥‥」
 そして、そう呟きニヤリと笑みを浮かべるシンドリに気づいたものはいなかった。

●キャスト
 黒木丈
  相麻 了(fa0352)
 竹内虎雄 アース一般兵
  伊達正和(fa0463)
 エリス・リヴァイア
  水鏡・シメイ(fa0509)
 ヴィオ・ローザ レイ
  レティス・ニーグ(fa2401)
 緑マリア
  稲森・梢(fa1435)
 スレイ・ニール
  槇島色(fa0868)
 イオ
  仙道 愛歌(fa2772)
 守備隊長 レジスタンスメンバー
  名無しの演技者(fa2582)