神霊装甲 英雄の死アジア・オセアニア

種類 ショート
担当 緑野まりも
芸能 3Lv以上
獣人 1Lv以上
難度 普通
報酬 7.9万円
参加人数 8人
サポート 0人
期間 04/28〜05/02

●本文

・声優募集
 ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
 審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。

●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
 戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
 召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
 物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。

・世界設定
ヴァルハラ 我々の世界と対になる魂や精神が具現化した世界で、精神力(心の強さ)が力となる世界。絶えず争いが起きていることから、戦いの世界とも言われている。この世界には、それぞれアース神族、ヴァン神族、巨人族という三種族が国を作っており、それぞれがそれぞれの国と争っている。

神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。

アース神族 神の国アスガルドを首都に持つ、好戦的な種族。力(精神的に)が強く、謀略にも長ける。侵略、支配を繰り返し、巨大な国を作り上げた。我々の世界でいう騎馬民族のようなイメージ。 君主制を敷いており、王の下に内政、外政、軍部の各担当者がそれぞれを指揮している。軍の様子は、規律統制のとれた現代軍隊に近いイメージ。

バルドル要塞 アスガルドへの道の要所にあるアース軍の要塞。如何なる物も傷つけることができないと称されるほど強力なバリアを持ち、難攻不落の要塞と言われている。密かに空中要塞としての機能を有しており、前回の戦いでその全容を現した。

軌道衛星ミーミル 世界中に散らばった極小監視装置から送られる映像を受信し、アスガルドにある知恵の泉へと送信する、天空にある衛星。これにより、世界中のあらゆる場所を見ることができる。その存在は、アース神族の王オーディンと一部の者しか知らない。また、ミーミルには通称『神の怒り』という兵器が搭載されているという。

巨人族 険しい山々に囲まれるヨーツンヘイムを首都にもつ、暴力的な種族とされている。全長十数メートルと大変体格に恵まれており、力が強く身のこなしも早い。内向的な種族で、自分達の暮らす山々から出ることはほとんどなかった。暴力的とされているが、実際は理知的で歌や詩にも秀でる文化的な種族。本来争いは好まないが、怒ると怖い。

それ以外の種族 ノッカーやピクシー、またドラゴンなど様々なモンスターが存在している。

・主な登場SA
SAヴァルキュリア�U アース神族の量産SAを基に、魂の騎士用に新しく作られた高性能SA。従来機より基本性能が3倍弱アップし、飛行能力も向上された。基本形態以外に、三種類の兵装が用意されており、局面にあわせて変更する。
ヘルヴォル ヴァルキュリア�Uの4つめの兵装として開発された、遠隔兵器エンフェリア搭載型。エンフェリアとは、機体から分離した複数の小型射撃兵器を、意志力によって遠隔操作し、自由に敵を攻撃する兵器である。以前の試作型よりも扱いやすくなっており、搭乗者の負担も少ない。

SAヘーニル改 アース神族の汎用量産型SAヘーニルの発展型。若干の運動性能のアップ、対巨人族に実弾兵装の採用などのマイナーチェンジがされている。

SAベルセルク アース神族の新型SA。巨大なオーラソードを振るう近接型SAだが、一般兵が魂の騎士並に出力を出すために、意図的に意志力を暴走させるという危険なシステムを採用している。全てを破壊するまで止まらないとされるほど、絶大なパワーで敵をなぎ払うが、その搭乗者は廃人になるとも‥‥。

SAムスッペル 巨人族の開発したSA。搭乗し操縦するロボットというよりも、身に纏い身体を強化するといったパワードスーツのような存在。オーラ射撃兵器を弾くことができるオーラコーティングが施されており。後部スラスターにより短時間ながら空中を飛ぶこともできる。巨人族の戦闘スタイルに合わせ、装備は近接武器が主になっている。

・次話あらすじ
 アース神族はオーディンの切り札、軌道衛星ミーミルの超高出力オーラ砲『神の怒り』によって、巨人族に壊滅的打撃を与える。そして、要塞バルドルが空中要塞の全容を現した。
 オーディンはついに巨人族への反撃に出る。新型SAベルセルクが投入され、その圧倒的なパワーが巨人族をなぎ払う。そして、主力を失った巨人族は後退を余儀なくされた。オーディンはその勢いのまま、巨人族の領地へと進軍する。
 ミーミルの破壊力を目の当たりにし、対抗する手段を得られぬまま追い詰められていく巨人族。そこへ、しばらく沈黙していた巨人の英雄スルトが立ち上がった。スルトは少数の精鋭を率いてアースの首都アスガルドを襲撃する。しかし、オーディンはその動きを読んでいた。魂の騎士とベルセルクの部隊をアスガルドに配置し、スルトを待ち受けるオーディン。スルトは、待ち伏せに遭いながらも巨人族のため死力を尽くすのだが‥‥。

・登場人物
 アース神族側現代人(2〜4名) アース神族に収容され、魂の騎士として戦うことになった現代人
 巨人族(2〜4名) SAを用いアース神族に攻勢を開始する巨人族の指揮官やその部下。
 オーディン アース神族の王。王は代々この名を継いでおり、現在の王は見た目20台の若い男性。実際は王位についてからすでに20年以上で、40歳を越えている。今代になってからSAの量産、積極的な侵略戦争を行い。アース神族を、世界の半分以上を統治する種族にのし上げた張本人。
 巨人スルト 『伝説の炎の巨人』の名を与えられた、巨人族の英雄。優しく、人の良い性格であったが、ある事件をきっかけに人間に対し激しい怒りを持つ事となる。その力は巨人族最強で、苛烈な戦いから人間には鬼と恐れられる。
 その他 各種族一般兵士など

●今回の参加者

 fa0330 大道寺イザベラ(15歳・♀・兎)
 fa0463 伊達正和(25歳・♂・竜)
 fa0868 槇島色(17歳・♀・猫)
 fa1058 時雨(27歳・♂・鴉)
 fa2582 名無しの演技者(19歳・♂・蝙蝠)
 fa2712 茜屋朱鷺人(29歳・♂・小鳥)
 fa3654 RURI(18歳・♀・一角獣)
 fa3928 大空 小次郎(18歳・♂・犬)

●リプレイ本文

「‥‥‥」
 バルドル要塞での戦いで、軌道衛星ミーミルの攻撃により主力を失った巨人族。その報告を受けた巨人族の部族長達は大きな衝撃を受ける。混乱する部族長会議の中、一人の男が立ち上がった。
「私が打って出る」
 巨人族において、伝説の炎の英雄スルトの名を冠する男。その言葉に、一同は騒ぎをやめ期待と不安の眼差しで彼を見つめた。スルトは、その視線に応えるようにゆっくりと頷き、決意の表情を浮かべるとその場を出て行くのだった。
「全員よく聞け! これより我々はアース神族首都への強襲電撃作戦を敢行する! これに負ければ我らは滅びる。しかし恐れることはない! なぜなら我らにはあの炎の巨人たる英雄スルトがいる!」
 隻眼の巨人クラウゼビッツの檄に、おおー!! と歓声をあげる兵士達。主力壊滅の報告を受け、動揺していた巨人族であったが。スルトの登場に、その士気を取り戻しつつあった。
「我々は、人間の暴挙を止めねばならん! 消えていった者達のためにも私は勝つ!」
 スルトは、巨人族の期待を一身に受け、出撃していった。その胸に深い想いを秘めて。
「あの者達のためにも‥‥私が止めねばならぬ‥‥」

 アース神族の首都アスガルド。バルドル要塞での戦いが終わった後、現代人達はアースの王オーディンに、首都への帰還を命じられていた。
「帰ってきたのはいいが、いつまで待機していればいいんだ?」
「命令があるまでだ。オーディン、あの男にはなにか考えがあるのだろう」
 富嶽源がいらただしげに呟いた。前線ではすでに反撃作戦が開始されている。主力を失ったとはいえ、巨人族に対してはまだ魂の騎士としての自分達の力が必要のはずなのにと、疑問で表情を曇らせた。それに対し、隣を歩いていた柳川敦は冷静な態度で答える。
「あれは‥‥」
 そんな源が、ふと視線を止めた先。訓練用SAの搭乗席に座る一人の少女が居た。ずっと訓練をしていたのか、荒い息をしながら脱力したようにシートに身体を預けていた。その表情は、どこか思いつめた様子で‥‥。
「あのバカ‥‥」

「はぁはぁ、まだだめ、こんなんじゃ‥‥」
 搭乗席に座っていた少女ミユキ・デリカットは、息を整えながらそう呟いた。魂の騎士として、自分の力を過信していた自分。しかし、以前の戦いでは力を出し切れず撃墜され、その未熟さを知ることとなった。魂の騎士への期待、それに応えられなかった焦りからか、彼女はアスガルドに戻ってきて以来、過酷な訓練を自分に課していた。
「よしもう一度!」
「ちょっと待て」
「え?」
 そんなミユキに、源が声をかける。誰かに声をかけられると思っていなかったのか、驚いたように源を見つめるミユキ。そんなミユキに、源は険しい表情を向けていた。
「最近のお前、ちょっとおかしいぞ」
「はい?」
 源は、ミユキの度の過ぎた訓練に注意をする。一人で無理な訓練をする姿に思うところがあるようだった。しかし、ミユキは源の言葉に耳を貸そうとしない。
「でも私は!」
「焦りからの特訓なんてするな、俺はお前が好きだ。今のお前じゃ、死んじまうぞ、俺はそんなのごめんだ」
「焦ってなんて! え‥‥、あの、それって?」
「とにかく、基礎から俺が付き合う」
 源のさりげなく出た言葉に、キョトンとするミユキ。聞きなおそうとするミユキだったが、源は背中を向け近くの訓練機に搭乗してしまう。
「いまのって、愛の告白‥‥よね‥‥。っ〜〜〜〜!」
「どうした、行くぞ!」
 さっきの言葉をもう一度思い浮かべ、耳を真っ赤にするミユキ。見ることはできなかったが、多分今頃、源の顔も似たような感じになっていることであろう。
「若いな‥‥ふっ‥‥」
 その様子を、敦は遠くで眺めて強面の表情に笑みを浮かべるのだった。

「スルトよ、狙い通り敵のほとんどは前線へと出ているようだな」
「うむ‥‥」
 クラウゼビッツの言葉に、小さく頷くスルト。しかし、スルトは違和感を感じるように表情を曇らせた。
「だが、おかしい、ここまであまりにすんなりと行き過ぎている。見張りの兵さえ居らぬとは‥‥オーディン───食えない男とは判っているがな‥‥」
「この谷を抜ければ‥‥アースの首都アスガルド‥‥です」
 巨人族の少女兵士クー・フェイルが、感情の無い声で報告する。現在スルト達は、アスガルドの近くまで来ていた。
「!!」
 険しい山間を進むスルト達は、突然の攻撃を受ける。オーラビームではなく、実弾による攻撃に、数機のSAムスッペルが爆発した。そして、いつのまにか周囲をアース軍に囲まれていた。
「待ち伏せ!?」
「‥‥読まれていたか」
「残念だが、君達の動きは筒抜けだよ。狙いは良かったが‥‥ここまでだ」
「オーディンか!」
 どこからか聞こえるアースの王オーディンの声。スルトは怒りの表情を浮かべ、姿無き敵を睨みつける。
「総員抜刀! 白兵戦用意! 囲みを突破し、そのままアスガルドを目指すぞ! 第一目標オーディン! 第二目標オーディン! 第三目標オーディンだ! 損害にかまわず前進しろ! 最後の一人でもいい! オーディンの首を取れば我らの勝利だ!!」
 クラウゼビッツの檄が飛び、巨人達は全員武器を構え、ブーストで一気に囲みを中央突破しようと突っ込む。対するアース軍のSAヘーニル改も、マシンガンで応戦する。
「‥‥あたしが風穴を開けます‥‥射線軸にいないでください‥‥目標捕捉‥‥発射‥‥」
 クーのムスッペルは、白兵戦主体の巨人族の中では珍しいガンナータイプ。両肩のビームキャノンで、突破を図るスルト達を援護した。
「乱戦にもつれ込ませろ、相手に上を取られるな!」
「怯えろ! 竦め! 性能を生かすことなく朽ち果てろ!」
 先陣を切る、スルトとクラウゼビッツ。素早い動きで敵の攻撃を物ともせず、一刀の下にヘーニルを破壊していく。スルトの部下達も精鋭が揃っており、多少の被害を出しながらも後に続く。そしてそのまま、敵の防衛線を突破しようとしていた。
「悪いがこれ以上は進ませねぇ!」
「相手はあの炎の巨人スルトか、敵に不足なしだな」
「ヴァルキュリア�U、魂の騎士か」
 そこへ現れたのは、源と敦の二人。共にSAヴァルキュリア�Uに乗り、大型オーラソード『ブルトガング』を装備していた。スルトも、相手の力量を感じ取り、炎の剣を構えようとする。そこへ。
「!? なんだ!!」
「スルト様はこのまま先へ‥‥」
「スルトよ、ここは任せておけ!」
「すまぬ!」
 源と敦にクーの砲撃が飛び、クラウゼビッツが二刀の大型刀で切りかかる。その動きに、一瞬虚を突かれた源と敦は、スルトの突破を許してしまう。
「待ちやがれ!」
「貴様の相手は私だ!」
「スルト様は‥‥追わせない‥‥」
「ならば、お前達を倒していくまでだな」
 源とクラウゼビッツ、敦とクー、スルトを追う者とそれを止める者がぶつかり合うのだった。

「ここを抜ければ‥‥。ぬ! なんだこの禍々しいオーラは」
「へぇ、アンタが巨人の大将かい? ここまでこれたことを褒めてあげるよ! でもこのベルセルク部隊を抜けることは不可能。アタシに逢った事を不幸に思いな!」
 谷の出口で、スルトを待ち構えていたのは、シェリーとSAベルセルクの部隊だった。シェリーは、シンドリの工房で発見したSAベオウルフ二号機に搭乗しており、黒く禍々しいオーラを発していた。
「私はなんとしてでもオーディンを倒さねばならぬ! 邪魔をするなぁ!」
 スルトは、赤く燃える炎のようなオーラを纏い、ベルセルク部隊へと突き進んでいく。その炎の剣はベルセルクでさえ切り裂き、勢いを止められない。かに見えた。
「流石は巨人の王だ‥‥ベルセルク相手にここまでやるなんてね、だけど」
「ぬぅ、効いていないだと!?」
 切り裂かれたはずのベルセルク。しかし、暴走したオーラに守られた機体には、ダメージが少ない様子だった。
「そろそろ本気でいくよ!」
 シェリーのベオウルフが、一層強いオーラを放ち、機体は猛禽類のような姿に変形。そして、圧倒的なスピードとパワーでスルトを翻弄する。
「ぐ、くぅ‥‥なんという力‥‥ぐぉぉ!」
 シェリーの一撃が、スルトの腕を切り飛ばす。炎の剣が腕ごとスルトから離れ、苦悶の表情を浮かべ傷口を押さえるスルト。
「これで最後さ! 喰らえ! 暗黒鳳凰撃ぃ!」
「クラウゼビッツ‥‥クー‥‥同胞達よ‥‥すまぬ‥‥ぐあああ!!」
 黒き炎となったベオウルフ、その炎に焼かれ、スルトは断末魔の叫びをあげて谷底へと落ちていった。

「‥‥スルト様の‥‥反応が‥‥」
「まさか! くっ! 後のため、今は勝負は預けるぞ! 転進する!」
 スルトが敗れたことを知り、巨人族は撤退した。結局、巨人族は英雄スルトをはじめ、多くの兵士を失うことになった。そして、精神的支柱を失った巨人族は、敗退の一途を辿ることとなる。
「ついに巨星スルトも墜ちたか‥‥よし、巨人達に武装解除を勧告せよ! フフフ、私の思い描く世界まであと少し‥‥」

●キャスト
 富嶽源
  伊達正和(fa0463)
 柳川敦
  時雨(fa1058)
 ミユキ・デリカット
  RURI(fa3654)
 シェリー・ローズ
  大道寺イザベラ(fa0330)
 オーディン
  大空 小次郎(fa3928)
 スルト
  茜屋朱鷺人(fa2712)
 クラウゼビッツ
  名無しの演技者(fa2582)
 クー・フェイル
  槇島色(fa0868)