神霊装甲 王の思惑アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
05/26〜05/30
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●本文
・声優募集
ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。
●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。
・世界設定
ヴァルハラ 我々の世界と対になる魂や精神が具現化した世界で、精神力(心の強さ)が力となる世界。絶えず争いが起きていることから、戦いの世界とも言われている。この世界には、それぞれアース神族、ヴァン神族、巨人族という三種族が国を作っており、それぞれがそれぞれの国と争っている。
神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。
魂の騎士 ヴァルハラに召喚された現代人のこと。彼らは、過去に起きた光と闇の戦いの英霊の魂を内に秘めた人間たちである。魂が力になるヴァルハラでは、絶大な力を持ち。神霊装甲の適正がヴァルハラ人よりも数倍上である。
覚醒 魂の騎士が、英霊の魂に目覚めること。過去に起きた戦いの記憶と共に、真の力(本来のSAの力)を発揮できるようになる。元々の人格が変わることはないが、過去の記憶に引っ張られて行動してしまう者も‥‥。
SA本来の力 SAとは現在ではロボットのような存在だが、元々は精神を具現化させた鎧である。そのため、覚醒し本来の力を取り戻した者は、SAの上に自分の精神を具現化させた姿を投影し、一時的に装甲を変化させることができる。このようなSAは、従来機より数倍の能力を有する。イメージは変身といった感じ。
アース神族 神の国アスガルドを首都に持つ、好戦的な種族。力(精神的に)が強く、謀略にも長ける。侵略、支配を繰り返し、巨大な国を作り上げた。我々の世界でいう騎馬民族のようなイメージ。 君主制を敷いており、王の下に内政、外政、軍部の各担当者がそれぞれを指揮している。軍の様子は、規律統制のとれた現代軍隊に近いイメージ。
オーディンの思惑 彼は、ヴァルハラ世界を統一後、魂の騎士達の住んでいた現代世界への侵攻を考えている。その理由は、魂の世界(ヴァルハラ)と肉体の世界(現代世界)を一つにすることにより、完璧なる者(神)となるためである。そのために、現代世界より魂の騎士達を(無差別に)召喚したのも彼である。神となったあとは、世界を再構築し、女性上位の新世界を作ろうと画策している。実は、オーディンの魂とロキ(半分)の魂を持っている、現在はオーディンの魂が強いため覇道を突き進んでいるが‥‥。
トリックスターの設定 トリックスターは、オーディンが初めて現代世界から魂の騎士を喚んだ際現れた者。姿が似ているのはロキ(半分)の魂を持っていたため。当初、ヴァルハラの僻地の村に現れ、自分の喚ばれた理由もわからぬまま、しばらくその村で暮らす。その後、ある事件によりロキの魂が覚醒。存在を偽りトリックスターとしてアース軍へと入る。ロキ本来の目的、全てを無に返すことを目的としているようだが、他にも何かオーディンに対し思惑があるようで‥‥。本名は進鳥貴幸。
それ以外の種族 ノッカーやピクシー、またドラゴンなど様々なモンスターが存在している。
・主な登場SA
SAヴァルキュリア�U アース神族の量産SAを基に、魂の騎士用に新しく作られた高性能SA。従来機より基本性能が3倍弱アップし、飛行能力も向上された。基本形態以外に、三種類の兵装が用意されており、局面にあわせて変更する。
SAヘーニル改 アース神族の汎用量産型SAヘーニルの発展型。若干の運動性能のアップ、対巨人族に実弾兵装の採用などのマイナーチェンジがされている。
SAベルセルク アース神族の新型SA。巨大なオーラソードを振るう近接型SAだが、一般兵が魂の騎士並に出力を出すために、意図的に意志力を暴走させるという危険なシステムを採用している。全てを破壊するまで止まらないとされるほど、絶大なパワーで敵をなぎ払うが、その搭乗者は廃人になるとも‥‥。
・次話あらすじ
巨人族は英雄スルトを失い、アース神族の侵攻を抑える力を弱め、降伏するのも時間の問題であった。そして、ヴァルハラ世界がアース神族によって統一されるのも後一歩となっていた。
戦いもほとんど大勢が決したため、現代人達は休暇を与えられ、各々自由に過ごしていた。オーディンからは、元の世界へと戻る方法の目処がつきそうだと伝えられ、長かった戦いももうすぐ終わると、明るい雰囲気が広がっている。一人考え事をする者、友人と過ごす者、街へと出かける者‥‥。
しかしオーディンは、その先の戦いのための準備を進めていた。彼の野望の行き着く先ははたして‥‥。
・登場人物
アース神族側現代人 アース神族に収容され、魂の騎士として戦うことになった現代人。
オーディン アース神族の王。王は代々この名を継いでおり、現在の王は見た目20台の若い男性。実際は王位についてからすでに20年以上で、40歳を越えている。今代になってからSAの量産、積極的な侵略戦争を行い。アース神族を、世界の半分以上を統治する種族にのし上げた張本人。
その他 一般兵士、町人など
●リプレイ本文
「ついに修理が終わったか。修理ついでに改造も加えさせたが。これまたかなりどころかえげつないじゃじゃ馬だろうな」
基地から発進したSAヴァルキュリア�U、しかし緑川安則の駆るそれは、通常のヴァルキュリアとは違っていた。本来は様々な装備を用途に合わせて換装するはずのヴァルキュリアだが、それはあらゆる装備が搭載されていた。全身に兵器を装備し、重量過多を補うために巨大スラスターを装着し元々の数倍の大きさになったその姿は、まるで小型のスピリチュアルシップのようだ。
「く!! この‥‥! 殺人的加速だな‥‥!! 追加武装で増加した重量を高出力のスラスターで強引に補う‥‥! 原始的だがその分有効‥‥だが! 目標設定‥‥いけ! エンフィリア、アサルト!」
巨大なGに全身を締め付けられ、額から汗を流しながらブレる機体を抑えつけるように操縦する安則。地上すれすれを大量のオーラ炎を撒き散らしながら高速で飛行し、数機の遠隔兵器エンフェリアを射出、その攻撃と共に大型オーラソード『ブルトガング』で標的を切り裂く。その破壊力は脅威と言ってもよかった。
「どう? 安則さんのご注文どおりにしてみたわ。ここまでクレイジーな機体は絶対に量産化できないわね。まあ、サンプルのための実験機と偽って作ったわ。感謝してよね」
「‥‥‥」
練習を終え、安則が機体から降りると、作業服に白衣を着た丸眼鏡の女性が声をかけた。小柄で一見すると子供のようにも見えるその女性は、メグ・アナスタシア。アース軍、SA開発局に所属する立派な軍士であった。しかし、自慢げに胸を張って見せている姿は、やはり幼い印象を与えている。
「ヴァルキュリア�U改修型フェンリル。短銃身化により、命中率よりも中距離での砲撃力を向上させた小型グングニールと、それを内臓した対オーラコーティングされた楯。エンフィリアなどの各種武装。すでに実用化された技術を1つにまとめたら重過ぎるから、追加スラスターで無理やり機動力を上げる。クレイジーすぎるわ。計算してみたら最大加速で肋骨ぐらい折れそうよ」
無言で歩き出す安則の後ろを追いかけながら、計画書の束をぺしぺしと叩いて、呆れたように呟くメグ。
「ベルセルクのオーバードライブは?」
「ああ、あれは‥‥。開発局でもトップシークレットで、フェンリルへの流用はできなかった。でもあんな危険な物、無いほうがいいわよ。聞くところによると、あれの雛形を設計したのは、なんとあのトリックスターだって話よ?」
「トリックスターが? いったい何者なんだ‥‥」
「さあ? 結局本人はスパイ容疑とかで雲隠れしちゃったし」
そんな話をしていると、格納庫にミユキ・デリカットが現れた。
「ねえ、私の機体直ってる?」
「あ! 丁度良い所にいらっしゃいましたね、今完成した所ですよ。こちらです」
ミユキの問いに、一人の青年整備士が慌てたように駆け寄って答える。その青年、ロウは少し照れたように顔を赤らめて、ミユキを彼女の機体へと案内した。
「あの、このヴァルキュリアには、従来の装備に加え、射出槍を搭載した盾を装備してあります」
「ふ〜ん」
「盾の槍は都合上一回しか撃てません気をつけてくださいね。スピードは若干遅くなってます、少し重くなってますから。ですがそれを補って余りある攻撃と防御の向上が‥‥」
ロウはミユキに一生懸命、機体の説明をするのだが、ミユキはあまり興味がないようだ。はたから見れば、ロウがミユキに気があるのがわかるのだが、どうやらミユキは気がついていないらしい。
「そ、それでですね‥‥」
「お〜い、ミユキ〜」
「あ、富嶽さん!」
必死に説明を続けようとするロウの声を遮るように、ミユキを呼ぶ声が響き渡る。その声に振り向いたミユキは、こちらへと走ってくる富嶽源に嬉しそうに手を振るのだった。
「‥‥ミ、ミユキっ!! ‥‥お、俺とっ!! デ、デートしないかっ?」
「デ、デート!? は、はい、よろこんで!」
ミユキの前で立ち止まった源は、軽く息を整えデートの誘いの言葉を言う。その言葉に、少し驚いたミユキだったが、すぐに嬉しそうにOKして二人はそのままその場を出て行ってしまった。
「あ、あの‥‥」
「あきらめなさい」
あまりの突然なことに、呆然として二人を見送るロウ。その一部始終を見ていたメグが、哀れみをこめた笑みでポンと肩を叩くのだった。
「富嶽‥‥本当に守るべきものを見つけたようだな‥‥」
そして、安則は二人の様子に微かに笑みを浮かべるのだった。
「シェリー・ローズ上級特佐参りました」
「はいりたまえ」
オーディンの執務室に呼ばれていたシェリーは、魅力的な笑みを浮かべたオーディンに迎えられた。
「スルト討伐の件、よくやったね特佐。いや、もう上級特佐だったね」
「ありがとうございます」
「堅苦しい挨拶は抜きだ。さあ、こっちへおいで私のシェリー」
オーディンの誘いに、ゆっくりとその側らへと近づくシェリー。オーディンは満足そうに笑みを浮かべ、シェリーの肩を抱き。
「今度、エリートを集めた王直属の軍隊を作ることになってね。君にはその軍の指揮を引き受けてもらいたいんだ。勿論できるよね?」
「私が司令官ですか‥‥お歴々の方々を差し置いて宜しいので?」
「頭の固い無能な老人どもになど任せられないよ、君もわかっているのだろう? その深い闇のような瞳、凄く好きだよフフフ」
「‥‥私はそんな‥‥あぁ」
オーディンに見つめられ、抵抗できずに唇を許すシェリー。そして抱き合う二人。
「君はもう‥‥私のもの」
オーディンは、シェリーの耳元で妖しく囁き、ニヤリと笑みを浮かべるのだった。
街へと出掛けた、源とミユキ。二人は買い物などしながら楽しく街を見て廻っていた。
「私、デートって初めて何だよね」
レースをあしらった可愛らしい洋服を着たミユキは、少し緊張した面持ちで笑みを浮かべた。
「そ、そうなのか! お、俺も、女の子と二人きりってのは初めてだ!」
「そっか、じゃあ私たち初めて同士だね」
「お、おう」
源もやはり緊張した面持ちで受け答えしつつ、二人は洋服屋などを見て廻る。
「ねえ、この服似合うかな?」
「い、いいんじゃないか?」
「そっか、じゃあ買っちゃおう」
楽しそうに微笑むミユキを、眩しそうに見つめながらやはり嬉しそうに微笑む源。周囲からは、お似合いのカップルのように見えるだろう。しかし、そんな彼らを妬む者もいるようで。
「よう、兄ちゃん達羽振りが良さげだな。可愛い彼女もいて羨ましいねぇ。俺にも少し金分けてくれねえかな?」
「悪いが今デート中でな、てめえらの相手はしてられねえな」
途中数人のチンピラが現れ、源達を脅すようにナイフをちらつかせる。しかし源は、いつのまにか持っていた石ころをナイフを持っている手に投げつけ。それを落とした隙に硬貨を握った拳をチンピラの顎に叩きつけ、瞬く間に彼らを打ち倒した。
「すごい‥‥」
「‥‥悪い、ミユキが倒す分残してなかった」
感動するミユキに、何事もなかったかのように笑う源。そんなハプニングも、二人には新鮮で楽しいものだった。
「‥‥そ、そのっ‥‥何か思い出に残るような物を買わないか?」
源の提案で、二人はアクセサリー屋で竜の目のような石『竜眼石』が入ったペアのブレスレットを購入し、記念に持つことにした。
その後、二人はたくさんの買い物をして。源はミユキの荷物持ちになって。やがて、日が暮れて帰る時間になった。
「わりい、俺すっごい緊張してる‥‥俺、俺はお前の事が嘘偽り無く愛しいんだっ!!」
「!!」
夕焼けの丘、街並みが見渡せる場所で、源は素直に自分の気持ちを告白した。ミユキは、その言葉に夕焼けよりも顔を赤くしてコクリと頷く。
「‥‥俺、ミユキの事を一生愛するからっ!! だから、絶対に一緒に元の世界に帰ろう」
「うん‥‥」
そして、二人はゆっくりと抱き合うのだった。
「オーディン‥‥貴方は‥‥」
SAのコックピットの中で、シェリーは小さく呟く。そんな彼女の頭の中に、突然見覚えの無いビジョンが浮かび上がった。
「シギュン‥‥それは何? アナタの名前なの?」
全てを呪う女性の姿、その姿に過去の自分が重なり合う。そして、もう一つのビジョン。浮かび上がる、女性の愛する者の姿。その姿はシェリーの知る者と酷似していて。
「ロキ‥‥」
それは、オーディンと同じ姿であった。
「シェリー様が持ち帰った機体を調査した所、オーラによる自己修復機能など我々の技術力では再現不能な技術が多数搭載されておりました。おそらくは、進鳥の発掘したSAの内の一体かと‥‥」
「この短期間でよく調べてくれたね、有難う」
オーディンの執務室。女性秘書官ウルドの報告を満足そうに聞き労いの言葉をかけるオーディン。
「シェリー上級特佐のSAと対を為すようなSAも報告されているね。ベルセルクをあっさり撃破したとか」
「はい‥‥やはり二人は戦う運命なのですね‥‥あ‥‥んん!」
冷静な表情で報告を行うウルドだが、オーディンに唇を求められるとその仮面から、女の顔が浮かび上がる。
「トリックスター、いや進鳥君も楽しませてくれるじゃないかハハハ」
「はぁ‥‥オーディンさまぁ‥‥」
「だが、私の夢はもうすぐ叶う。新世界への扉が開かれるのだ」
赤いワインの満ちた杯を月へと掲げ、オーディンは怪しげに笑うのだった。
●キャスト
富嶽源
伊達正和(fa0463)
緑川安則
名無しの演技者(fa2582)
シェリー・ローズ
大道寺イザベラ(fa0330)
ミユキ・デリカット
RURI(fa3654)
オーディン
大空 小次郎(fa3928)
メグ・アナスタシア
緑川メグミ(fa1718)
ウルド
十六夜 勇加理(fa3426)
ロウ チンピラ
KOHAKU(fa5700)