曇り時々雨のち青空荘1アジア・オセアニア
種類 |
シリーズ
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
06/27〜07/01
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●本文
私、一宮由希奈は今年から都内の大学に通う為に田舎から上京することになった。東京での一人暮らしは不安だけれど、とりあえず不動産屋で見つけた格安の賃貸物件へと引っ越すことになったのだけれど‥‥。なんとそこは、築45年のオンボロアパート、しかも聞くところによれば、今年の10月には取り壊しが決定しているらしい。騙された!!
いまから新しい物件を探すにも時間がかかり、しかたなくそこで暮らすことになったのだけど。こんなところに住んでいるだけあって、住人も変な人たちばかり。果たして、私の新生活はどうなってしまうのだろうか!?
・俳優募集
ドラマ「曇り時々雨のち青空荘」を撮るにあたって、作品に出演してくれる俳優を募集します。審査のうえ主人公、ヒロイン、またその他の登場人物を担当していただきます。奮ってのご応募をお待ちしております。
・ドラマ内容
大学進学のために東京へと上京してきた一宮由希奈は、引越し先である「青空荘」を見て愕然とした。なんとそこは、築45年のオンボロアパート、しかも10月には取り壊しが決定しているというのだ。悪徳不動産屋に騙された由希奈だが、新しい物件が見つかるまでしかたなく「青空荘」で暮らすことになる。
「青空荘」で暮らす住人達は、様々な理由でアパートから出れない人達ばかり。由希奈は、ちょっと変な住人達と付き合っていきながら、やがて不思議な連帯感が生まれていく。
短い間の住人達との楽しい日々、そして訪れる別れの日‥‥。どこか懐かしく、ちょっと面白おかしいご近所付き合いハートフルコメディ。
・登場人物
一宮由希奈(大林巳奈穂) 取り壊し間近のオンボロアパート「青空荘」に引っ越してきた女子大学生。出身は結構な田舎で、ご近所付き合いは苦にならないほう。ごくごく一般的な女の子。
青空荘住人 由希奈が引っ越してくる前から住んでいる、「青空荘」の住人。それぞれが様々な理由で(金銭的な問題や、人間的な問題、性格など)、取り壊し間近の「青空荘」から出ることができない人達。ほとんどが一癖も二癖もある人達。
・舞台設定
青空荘 物語の舞台。都内にある築45年のオンボロ二階建てアパート。部屋は2DKトイレ付き、敷地内に共同浴槽有り(男女兼用)。都内にしては格安の家賃だが、見た感じかなりの老朽化が見られる。周囲は高層マンションが立ち並び、青空荘もすでに10月の取り壊しが決定している。
共同風呂があることから、お風呂の使い方、敷地の掃除当番などなど、簡単な取り決めの中で、住人同士の交友が頻繁に行われており、都会では珍しい親しいご近所付き合いが行われている。そのために、住人はお互いを愛称で呼び合うことが多い。(例 「親父さん」「ホスト」「お天気さん」)
・備考
主人公一宮由希奈役には、女優大林巳奈穂(オオバヤシ ミナホ)を起用。大林は、今年二十歳の女性俳優で、三歳のころから子役で活躍、演技派として知られており、特に勝気な女性役で定評がある。
・スケジュールと話の流れ
6月22日(公開) 4月、一宮由希奈が「青空荘」に引っ越してくる。そこで、一部の住人が歓迎会を開いてくれることになったが。由希奈と住人との出会い、住人達の紹介。
7月6日(公開予定) 6月、新生活にも少しずつ慣れて来た由希奈だが、「青空荘」のハプニングに巻き込まれて‥‥。住人達のそれぞれの事情が少しずつ明らかになっていく。
7月20日(公開予定) 7月、やはり「青空荘」のハプニングに巻き込まれる由希奈。由希奈と住人達が少しずつ親しくなっていく。
8月3日(公開予定) 8月、海へ遊びに行くことになった由希奈と「青空荘」の住人達。やはりここでもハプニングに巻き込まれ‥‥。
8月24日(公開予定) 9月、そろそろ新しい転居先を見つけなければならない由希奈だったが‥‥。
9月14日(公開予定) 10月、ついに別れの時がくる。由希奈と「青空荘」の住人達はどうなるのか‥‥。
●リプレイ本文
「ようこそ、青空荘へ! わたしは管理人で、水無月綾と言います。これから宜しくね、一宮さん」
「は、はい、よろしくおねがいします」
とりあえず、私は管理人さんの所へ顔を出した。管理人の水無月さんは、落ち着いた感じの優しそうな人で、アパートの酷さに戸惑っていたけれど少しホッとした。
「はぁ、まいったなぁ。まさか、こんなところだったなんて。それに、管理人さん良い人そうだけど、おせっかいの押しが強いし‥‥」
しばらくあと、管理人さんがお風呂にどうぞと誘ってくれた。私は、あとからでいいと遠慮したのだが、せっかくだから一番風呂にと強く勧められて断れきれなかったのだ。
「私、本当にここでやっていけるのかしら‥‥。まぁ、お風呂に入りながらゆっくり考えよう」
「ん?」
そう思って、脱衣場へと入った私の目に映ったのは、腰にタオルを巻いただけの、全裸の男だった‥‥。
「それじゃ隆くん、お願いね」
「まっかせておいてください! 力には自信ありますから!」
夕方、由希奈の荷物が届くと、綾は筋骨隆々の青年、八尋隆に荷物を運ぶようお願いした。隆はその鍛えられた腕に力こぶを作り、気さくに笑って頷く。
「それで、この荷物を9号室まで運べばいいんですよね。で、肝心の新しい住人はどこに?」
「せっかくだから、一番風呂に入ってもらおうと思って。都会は初めてだっていうし、疲れてるでしょうから」
「そうなんですか。あ、でも‥‥バイト君がさっき風呂に入ってったような‥‥」
「きゃーーーーーー!!」
隆がそう呟いた矢先、共同浴場から悲鳴があがるのだった。
「何だお前、ここは青空荘の共同浴場だぞ」
男は、不審者を見るような目で私を見つめ、言い寄ってくる。しかし、そんなことより、その男がほとんど全裸だということのほうが問題だった。
「ち‥‥」
「ち?」
「ちかよるな、変態!!」
「ぐはっ!!」
バチーン!!
私は、近づいてくるその男を、思いっきり引っ叩いた。虚をつかれたのか、男はそのまま倒れこみ‥‥。その拍子に、腰のタオルが‥‥。
「きゃーーーーーー!!」
私はとにかく、ありったけの声で悲鳴をあげるしかなかった。
「うう、昨日は最悪よ‥‥」
次の日、私は部屋の整理をしながら昨日のことを思い出して気を重くした。あのあと、管理人さんたちがやってきて、手違いであんなことになってしまったと謝罪されたけど。あんな、無神経で無愛想な男が同じアパートに住んでるなんて、最悪だ。青空どころか、先行き不安の曇り空よ。
「とりあえず、気を取り直してでかけよう」
なにはともあれ、私はここで生活していかなくてはならないのだ。私は、この辺りに慣れるためにも、外へ出て日用品などを買いに出掛けることにした。
「ついでに、管理人さんに聞いた、美味しいケーキのお店にも行ってみよ」
と、部屋から出て階段を降りると、ちょうど部屋から出てきた見知らぬ男性と目が合った。男性は、ニコリと笑みを浮かべて会釈をするとそのまま外へと出て行った。
「うわぁ、すごくカッコいい人。あんな人も住んでるのね‥‥」
私は、思わずその端整な顔に見惚れて、挨拶も出来ないまま見送ってしまった。でも、平日のこんな時間に家にいるなんて、どんな仕事の人なのだろう。
「ホスト‥‥とか」
そんなことを考えていると、ふと子供の声が聞こえる。声の方へ振り向くと、二人の子供が遊んでいた。一人は活発そうな男の子、もう一人は儚げな女の子。見た感じ姉弟かな。
「こんにちは〜。あなた達もここに住んでるの?」
声をかけた私に、二人は少し驚いたように私を見る。私はなるべく親しげな笑顔を浮かべるが。
「‥‥‥」
「あ、あれ?」
突然、女の子のほうがぴゅ〜っと逃げ出してしまった。人見知りする子だったのかな。
「あ、姫! ごめん、お姉ちゃん、またね! 待てよ、姫〜」
そして、男の子の方も、女の子を追っていってしまった。
しばらく付近を見て廻って、家へと戻ってくると、部屋の前にお客さんがいた。
「アナタが新しく越してきた人ですネ? ワタシ、十号室のエルバ・ディエス、よろしくネ! 同じ歳くらいの女の子はいなかったから嬉しいでス。ぜひ仲良くしてくださいネ!」
「は、はぁ」
突然、外人に片言の日本語を一気に捲くし立てられ、私は戸惑った。しかも、勝手に手を取って握手すると、何度もそれを勢いよく振られてちょっと痛い。見た感じ、南米系の人に見えるけど。
「そうそう、みんなで由希奈サンの歓迎会をやろうと思ってるんでス。落ち着いたら、由希奈サンも庭の方に来てくださいネ!」
彼女はそう言うと、手を振りながら勢いよく下へと降りていってしまった。
「はい、では一宮由希奈さんの歓迎会を兼ねて、毎年恒例のお花見を行います」
夜、水無月さんに呼ばれて、裏庭へと来てみると、桜の木の下で宴会が開かれていた。水無月さんの話では、私の歓迎会も兼ねているらしい。
「は、恥ずかしい‥‥」
「まぁまぁ、そう言わないで。これが此処のやり方だから‥‥由希奈さんも気に入ってくれると嬉しいわ」
「は、はぁ‥‥」
戸惑う私を、木の下に敷いたビニールシートに座らせて、水無月さんは満面の笑みを浮かべた。座るとき、ちらりとあの変態男と目があったが、お互い無視した。
「えっと、それじゃ由希奈さんのために、皆さんに自己紹介してもらいましょう」
「ハイ! 一番、エルバ・ディエスです! ニッポンには、勉強するために来ましタ! よろしくネ!」
水無月さんの言葉に、さっきのディエスさんが元気に立ち上がって挨拶をしてくれる。さっきも思ったけれど、とても大きくてテンションの高い女の人だ。
「あ〜、次は俺だな、八号室の八尋隆だ、よく間違われるがリュウで無くゆたかと読む、で、肝心の俺からの差し入れは鶏モモ。バイト先から安く仕入れたからいくらでもあるぞ! お前等遠慮なく食え〜!」
次に立ち上がったのは、これまた大きな男の人。見た目はちょっと怖そうだけど、昨日は荷物の運びいれを手伝ってくれたそうで、結構良い人なのかもしれない。それにしても、あの鶏肉、いったい何キロあるのかしら。
「はじめまして、五十嵐龍牙です。これからよろしくお願いしますね。これ作ったんですけど、よかったら皆さんでどうぞ」
「弟の朔也だよ。よろしくな、お姉ちゃん!」
その次は、ホストの人、じゃなくて五十嵐さん。優しそうな笑みを浮かべた、凄く格好良い人だけれど、お仕事はなにしてるんだろう。綺麗な散らし寿司を持ってきてくれたけれど、これを手作りって‥‥。その隣には、今日会った男の子もいる。二人は兄弟だったんだ。
「ほら、姫也も」
「ん‥‥わかったの‥‥。あの‥‥姫也って言うの‥‥この間は逃げてゴメンナサイ‥‥。これ‥‥」
「ありがとう、綺麗なお花ね。大事にするわ」
五十嵐さんに促されて、彼の背中に隠れるように立っていた女の子も挨拶してくれる。そして、持っていた鉢植えを手渡してくれた。ちょっとぼ〜っとしてる子だけれど、凄く綺麗な子。
「六城奈央です。よろしくお願いしますね。由希奈さんは、ケーキはお好きですか?」
「え、あ、はい」
「よかった〜。これ、私が作ったものですけれど、どうぞ〜」
そう言って差し出してくれたのは、美味しそうなケーキ。六城さんは、ほんわかとした人の良さそうな女性で、明るい笑顔が印象的だ。
「奈央さんは、ほら昨日教えたケーキ屋さんでパティシエをしているのよ」
「ええ〜! あそこでですか? 今日行ってきましたけど、とても美味しかったです!」
「私はまだ見習いなんですけどね〜。ありがとうございます」
穏やかに笑う六城さん。このケーキも、きっと美味しいんだろうな、楽しみだ。
「‥‥二村慶悟だ。お前さんの大学の先輩という事になるな。まあ。宜しく頼む」
そう無愛想に名乗ったのが、あの変態男。なによ、被害者面しちゃって、驚いたのは私のほうだっての。
「慶悟君も誤解されやすいけど、けして悪い子じゃないかな‥‥それだけは分かって欲しいかな?」
水無月さんは、そう言うけど。そう簡単に、納得できる物じゃないと思う、うん。
挨拶の後は、宴会が始まって。朔也君が鍋奉行だったり、五十嵐さんがちょっと怖い笑顔浮かべたり、八尋さんとディエスさんが二人で大食い大会始めちゃったりと大騒ぎ。姫也ちゃんは、何故か木とお話してる。私は呆気にとられていたけど、こういうのもいいかなとか思ったり。しかし‥‥。
「それにしても、由希奈ちゃんもこんな時期によく来たわね」
「どういうことです?」
「どういうって、うち、10月には取り壊しが決まってるでしょ?」
「え?」
取り壊し? 10月? どういうこと? 私は大学の4年間、ここで暮らす予定ナンデスガ‥‥。
「もしかして知らなかったの?」
「えええーーーーーー!!」
水無月さんの意外そうな表情を見ながら、私は叫ぶしか思いつかなかった。どうやら、私の新生活は暗雲立ち込めているようだ。
●キャスト
一宮由希奈
大林巳奈穂
八尋隆
かいる(fa0126)
五十嵐龍牙
蘇芳蒼緋(fa2044)
エルバ・ディエス
ティタネス(fa3251)
姫也・A・五十嵐
カナン 澪野(fa3319)
五十嵐朔也
ウィルフレッド(fa4286)
二村慶悟
日向翔悟(fa4360)
六城奈央
花香こずえ(fa5563)
水無月綾
浦上藤乃(fa5732)