神霊装甲 つかの間の夢アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
3Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
7.9万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
08/18〜08/22
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●本文
・声優募集
ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』では、作品に参加する声優を募集しています。経験の有無は問いませんので、奮っての応募をお待ちしております。
審査のうえで配役を決定いたします。得意なタイプ、希望などありましたら事前にご連絡ください。
●ロボットアニメ『神霊装甲ヴァルキュリア』
・作品概要
戦いの世界ヴァルハラへと召喚された現代人たちが、この世界で起きている戦い「ラグナロク」にいやおうなく巻き込まれていく物語。
召喚された現代人たちは、それぞれが戦士の魂を持つ者であり、「魂の騎士(スピリットナイト)」と呼ばれる存在であった。彼らは、「神霊装甲(スピリチュアルアーマー=SA)」という巨大ロボットを託され、ヴァルハラに存在する国々の戦士として戦いを強要されることになる。
物語は、ラグナロク戦争を軸に、毎回違う主人公の物語が展開されるオムニバス形式。戦いに巻き込まれた現代人や、ヴァルハラ人たちがそれぞれの視点で物語を紡いでいく。
・世界設定
神霊装甲 アース神族、ヴァン神族が巨人族に対抗するために、それぞれ独自の技術によって作り出した戦闘用巨大装甲。操縦者が乗り込み、意志の力によって操縦する。通称SA(スピリチュアル・アーマー)。
魂の騎士 ヴァルハラに召喚された現代人のこと。彼らは、過去に起きた光と闇の戦いの英霊の魂を内に秘めた人間たちである。魂が力になるヴァルハラでは、絶大な力を持ち。神霊装甲の適正がヴァルハラ人よりも数倍上である。
覚醒 魂の騎士が、英霊の魂に目覚めること。過去に起きた戦いの記憶と共に、真の力(本来のSAの力)を発揮できるようになる。元々の人格が変わることはないが、過去の記憶に引っ張られて行動してしまう者も‥‥。
SA本来の力 SAとは現在ではロボットのような存在だが、元々は精神を具現化させた鎧である。そのため、覚醒し本来の力を取り戻した者は、SAの上に自分の精神を具現化させた姿を投影し、一時的に武装を変化させることができる。このようなSAは、従来機より数倍の能力を有する。イメージは変身といった感じ。
アース神族 神の国アスガルドを首都に持つ、好戦的な種族。力(精神的に)が強く、謀略にも長ける。侵略、支配を繰り返し、巨大な国を作り上げた。我々の世界でいう騎馬民族のようなイメージ。 君主制を敷いており、王の下に内政、外政、軍部の各担当者がそれぞれを指揮している。軍の様子は、規律統制のとれた現代軍隊に近いイメージ。
反アース勢力 アースに占領された様々な種族、巨人族やヴァン神族、ドヴェルグなど。またオーディンの侵略行為に批判的なアース神族などが集まって出来上がった反アース勢力。一応はお互いに協力関係を築いているが、その中には種族間など派閥ができており、微妙な温度差がある。
ヴァルキュリアーズ アース神族の王オーディンが、治安維持を名目に結成した、王直属のエリート軍隊。通常の軍とは管轄が別だが、様々な権限を与えられ、普通のアース軍よりも上位に扱われる。主な任務は、反アース勢力の駆除。何故か上官に多くの女性を起用しており、ハーレム軍隊などと揶揄されることも。
現代世界 魂の騎士達が召喚されるまえに暮らしていた世界。我々が暮らしている世界とほとんど変わりはない。こちらの世界では、魂の騎士達の召喚から一ヶ月が経っており、「無差別失踪事件」として大きなニュースとなっている。
SAと近代兵器 現代世界では、SAの周囲にオーラの膜が張られ、近代兵器の衝撃をほとんど無効化するため、近代兵器でのSAの破壊はほぼ不可能。そのため、SAはSAでしか破壊できない。
それ以外の種族 ノッカーやピクシー、またドラゴンなど様々なモンスターが存在している。
・主な登場SA
SAヴァルキュリア�U アース神族の量産SAを基に、魂の騎士用に新しく作られた高性能SA。従来機より基本性能が3倍弱アップし、飛行能力も向上された。基本形態以外に、ゲイレルル(遠距離射撃)、スルーズ(高火力)、フリスト(近接)、ヘルヴォル(特殊遠隔)の四種類の兵装が用意されており、局面にあわせて変更する。
SAフレイ改 アース神族との決戦で大破したSAフレイを改修した機体。従来の二人乗りのコックピットをそれぞれ二つに分け、高速飛行可能な戦闘機形態とSA形態を取れるフレイF。戦闘機時は重火力攻撃機、合体後はバックパックとなる、ソード・オブ・ヴィクトリー(S・O・V)、ソード・オブ・ブリーシンガメン(S・O・B)が使用可能なフレイBとした。
SAフレイア SAフレイを元に、SAヴァルキュリアの飛行技術を起用した、ヴァン神族の次期主力SA。量産のためにS・O・Vを無くし、代わりに意志力で飛ばした球体でバリアを発生させるアクセサリ・オブ・ブリーシンガメン(A・O・B)を搭載。現代人の意見を参考にし、形態を人型から飛行形態に変形することによって、空中での高速飛行が可能。
・次話あらすじ
軌道衛星ミーミルと空中要塞バルドルの力の衝突により生じた空間の歪みに飲み込まれた現代人達。彼らは、見覚えのある世界で意識を取り戻す。そこは彼らの住んでいた現代世界だった。
元の世界へと戻れたことに安堵する現代人達。家族に迎えられ、日常を取り戻そうとする彼ら。しかし、喜びもつかの間、彼らと共に、ヴァルハラの軍勢が現代世界へと現れたことを知ることとなる。そして現代人達は、家族の元へと戻るか、再び戦いに身を投じるかの選択を強いられる事となるのだった。
・登場人物
アース神族側現代人 アース神族に収容され、魂の騎士として戦うことになった現代人。
ヴァン神族側現代人 ヴァン神族に協力し魂の騎士として戦うことになった現代人
その他 魂の騎士達の家族など
・備考
魂の騎士達の、現代世界の出現場所は、その者の一番思いいれのある場所になりやすい。基本的にSAも一緒に出現することになるが、場合によっては出現場所が微妙に異なることもある。これは同じSAに一緒に乗っていた者も同じで、それぞれが別々の場所に出現することもある。
ヴァルキュリアーズ、反アース勢力などヴァルハラの軍勢がメインで登場するのは、次話以降とする。
●リプレイ本文
「ん‥‥なにがどうなって‥‥。っ!? ここは!!」
鹿島駈が意識を取り戻した時、そこは意識を失うまでにいた場所ではなかった。しかし、駈にはいま自分が居る場所に見覚えがあるのだった。
「ここは‥‥僕の街‥‥。それじゃ、僕は戻ってきたの!?」
空を飛ぶSAヴァルキュリアから見下ろす景色は、たしかに自分が元の世界で住んでいた場所であった。驚きに目を丸くしながら、眼下に広がる鹿島の町並みを見下ろす駈。
「そっか‥‥戻って‥‥これたんだ‥‥。本当によかった‥‥。っと、いけない、突然こんなロボットが現れたら、みんなパニックになっちゃうよ」
徐々に実感が湧いてくると、駈は安堵のため息をついて、嬉しさを噛み締める。そして、早く家に帰りたいという逸る気持ちを抑えて、機体を鹿島神宮の鳥居がある海に隠すと、駈は自分の家へと向かった。
「お父さん! お母さん!」
駈の姿をみた両親は、涙を流しながら彼を抱きしめた。駈も、長く会えなかった両親に会えた喜びに、涙を流す。両親の話では、駈が一年近くヴァルハラ世界へ行っていたにも関わらず、居なくなってから一ヶ月しか立っていないらしい。そして、世界中で同じような失踪事件が起きていることから、無差別失踪事件として大きな事件になっていたようだ。
「何も───何もなかったんだよ」
居なくなっていた間を問われると、駈はそう答えるしかなかった。今までの出来事は、あまりにも突拍子の無く、それを信じてもらえるとは思えなかったのだ。しかし、これでようやく平和な日常が送れる、駈はそう思っていた‥‥。
「まさか! ‥‥いえ、間違いないわ。私は戻って来たのね」
東京上空、SAフレイアに乗った緑マリアは、突然の転移に驚きながらも、見覚えのある風景にホッと安堵する。
「でも何故いまになって。それにあの現象‥‥あの周囲全てが飲み込まれていった」
しかし、すぐに何故戻ってきたのか疑問に感じ、喜びよりも不安を感じ始める。
「っ! 何か来る!? もしかして‥‥自衛隊!?」
人目の多く付く場所にいたマリア機は、すぐに発見され。不審物体として、自衛隊のジェット戦闘機がマリアに迫る。
「大人しく投降する? ‥‥ダメね、そうなったら二度とフレイアに乗れなくなるわ。それに、ヴァルハラの技術を現代に持ち込むわけにはいかないわ」
一瞬のうちに判断したマリアは、ジェット機以上の速度でその場から逃げ出すのだった。
「‥‥そうかあの子は死んだのか。爆弾テロで巻きこまれたがゆえに、転移に際し記憶を失っていたのか」
そう呟いて、読んでいた新聞から顔をあげる緑川安則。場所は図書館の中、安則は自分がヴァルハラに行っていた間の情報を得るため、過去の新聞を読んでいた。記事は一ヶ月前、英字で『マフィアによる爆弾テロ、死傷者十数名』と書かれている。マフィア間の抗争によるもので、狙いはマフィアボスの娘とある。安則は、小さくため息をつくと、新聞を一通り読み終え、席から立ち上がる。そしてそのまま、黒いグラサンをつけると図書館をあとにした。
「‥‥やあ、富嶽、生きているか? 今現在、私は飛ばされる前にいたラスベガスにいるよ。そっちは‥‥日本にいるのかな?」
歩きながら、携帯電話を取り出し電話をかける安則。数度のコールの後、電話からは興奮したような大きな声が聞こえてくる。
「それで‥‥君のお姫様はどこにいるのかな? ‥‥わかった。何とかアメリカに来てくれ。そっから先はこちらの伝で何とでもできる。これでも‥‥傭兵だ。裏社会などにもいくつか顔が通じるさ」
安則は、相手の興奮にもクールに返事を返し、簡単に用件を伝えると電話を切った。そして、歩きついた先は墓地。途中で買ったのか、その手には花束が握られている。
「‥‥父親がマフィアというだけで吹き飛ばされた女の子か‥‥」
一つの墓の前に立ち、花を手向ける。そこには、彼が守れなかった少女の亡骸が納められていた。安則はグラサンを取り、墓を見つめると、目を瞑り黙祷を捧げる。そして、目を開けた後は、墓から背を向け再び振り向くことはなかった。
「どうも気になるな。シェリーのやつ、あそこまでの人間が裏社会に顔が利かないというのは信じられん。ほうっておくわけにもいかないな‥‥」
自分達と同じように戻ってきているであろう、ヴァルキュリアーズの司令官を思い浮かべると、キッと表情を厳しくして、安則は街中へと消えていった。
「アタシの居ない間に随分と偉くなったもんだねぇ」
マフィアのボスの部屋といった、豪華な部屋の一室で、シェリー・ローズは多くの部下を従える壮年の男と対峙していた。一対多、どうみても勝ち目が無いように見えるこの状況に反して、シェリーの凄みをかけた冷笑に、壮年の男は凍りついたように頬を引き攣らせている。
「いいねぇ、そういう眼好きだよ」
男の命で、マシンガンをシェリーに向け構える部下達。しかし、シェリーは余裕の表情で男達を見据える。
「いいよ撃ってごらん。あんたらの本当のボスが誰なのか教えてあげるよ」
シェリーの凄みに堪えきれず、撃てと命じる壮年の男。それを合図に、複数のマシンガンからシェリーに向かって弾が放たれる。しかし、弾はシェリーに届く前に、見えない障壁に阻まれて弾かれてしまう。あまりのことに呆然とするマフィア達。
「お前達そんなに死にたいか!」
無傷のシェリーは、動きの止まった男達に、素早く鞭を放ち、持っていたマシンガンを弾いてしまう。
「ペットがご主人様の顔は忘れんじゃないよ!」
そして、一気に壮年の男に詰め寄ると、怯える男の顔面に拳を叩き込む。吹き飛び鼻血を出して放心する男を一瞥すると、シェリーは部下に視線を向けた。マフィアの部下達は、慌ててシェリーに対し敬意を払う。
「この街の闇は全てアタシのモノなのさ、ハハハ!」
シェリーはそんな部下の態度に満足したように、勝ち誇ったように高笑いをあげるのだった。
「いっつつ‥‥。リリィ! 大丈夫か?」
意識を取り戻した黒木丈は、自分の側らで倒れているピクシーのリリィに声をかけた。しかし、リリィは意識を失ったままぐったりとしていた。
「俺が不甲斐ないばっかりに‥‥ごめん」
シェリーとの戦いで、その攻撃を防ぐために力を使ったリリィ。おかげで助かることができたようだが、丈は自分の未熟さを思い知ることとなった。
「それにしても、ここはどこなんだ? って、もしかしてグランドキャニオン!? まさかユタ?」
自分の居る場所が、ヴァルハラとは違うことに気づき、驚きの声をあげる丈。見に覚えのある場所に、一瞬呆然とする。
「事情はわからねぇが、戻ってきちまったようだな‥‥。けど、とにかくリリィをなんとかしないと」
そう呟くと、丈はSAベオウルフを適当なところに隠し、人里へと向かうのだった。
「ふぅ、久しぶりだったけど、ちゃんとできたかな」
籠一杯の果実に笑みを浮かべながら、額の汗を拭うミユキ・デリカット。その様子は、ごく普通の平凡な日常といった様子だ。ミユキは、見渡す限りの果樹園を、とても懐かしい様子で見つめている。
「このあいだまで、ロボットに乗って戦ってたなんて嘘みたい。全部、夢‥‥だったんじゃないかな」
そう呟き、視線を少しはなれた崖にある滝へと向ける。そこには、何故か自分と共に現れた愛機のSAヴァルキュリア�Uが隠されている。
「あれ?」
ふと、視線に人影が映る。それはたしかに以前この地で出会った人物で。
「ミユキ? おい、俺だよ」
「あなた、丈なの?」
「元気してた? もしや俺に会いたくて毎晩泣いてたとか?」
「あはは、うんうん、やっぱり丈だ。変わってないね」
丈もミユキに気づいたようで、二人は久しぶりの再会を果たす。しかし、お互いにヴァルハラに召喚されていたなどとは露にも思っていないようだ。
「また熊退治?」
「いや、まぁ‥‥これって、借りたままだったよね‥‥。アララ? ハハハ‥‥」
ミユキの言葉に、少し言葉を濁すと、丈はハンカチを取り出す。しかし、それはボロボロになっており、丈は困ったように照れ笑い。
「これ、まだもってたんだ。って、そうかこっちではまだ一ヶ月だもんね‥‥」
「え?」
「あ、うん、なんでもない。それはあげた物だから返さなくてもいいよ」
ミユキの言葉に、一瞬不審気な表情を浮かべる丈。ミユキは小さく首を振って笑みを浮かべるのだった。丈もそれにつられ、笑みを返す。
「ミユキ!」
「え、富嶽!? 富嶽!!」
突然ミユキを呼ぶ声、その声の先には、ヴァルハラで知り合い恋人になった富嶽源の姿。ミユキは、嬉しさに大きな声をあげて、源に手を振る。
「‥‥無事で良かった、無理矢理アース軍から連れ出したのは済まない俺にはミユキの魂を救うにはアースから連れ出すしか思いつかなかった」
「え、あ‥‥うん‥‥もういいよ、帰ってきたんだしさ」
源はミユキと再会し、大きく安堵すると、申し訳なさそうにヴァルハラでのことを口にする。戦いのことを忘れようとしていたミユキは、そんな源に少し苦笑を返した。
「アースって‥‥お前もヴァルハラに!?」
「何だお前? そういえば、さっきミユキとなんかいい雰囲気に笑ってやがったな。ミユキ! もしかして‥‥?」
「え、あ、違う違う、丈は以前に熊に襲われそうになった私を助けてくれた命の恩人よ」
「そんなことより! 俺の質問に答えろ!」
「そういうお前こそ‥‥まてよその声‥‥お前がジョーカーか、あの戦いでアースを抜けた富嶽だ」
「ああ、マリアってやつが現れたときのあれか‥‥それじゃ、キミもまさか魂の‥‥」
「うん‥‥でも、もう帰ってきて終わったことだし‥‥」
一瞬睨み合う丈と源。丈の問いに、ミユキは苦笑を浮かべたまま答えるが。
「そうとも限らないんじゃないか?」
「安則‥‥」
「え? どういうこと?」
ミユキの言葉を否定する声。視線を向けると、そこには安則が。どうやら源と一緒に来ていたようだ。安則の言葉に、不安げに問いかけるミユキ。
「今朝のテレビは、見てないか? アメリカ太平洋沿岸に謎の巨大飛行物体出現のニュースだ」
「!!」
「どうやら、俺達だけでなく、ヴァルハラの軍勢もこちらの世界に来てしまったようだな」
「そんな‥‥」
安則の言葉に、愕然とするミユキ。源はそんなミユキを気遣うように、肩に手を置く。
「俺は連中と戦う、俺が愛するミユキと未来を歩む為に」
「富嶽‥‥でも私は‥‥」
源の決意に、不安そうに見つめるミユキ。彼女は、まだどうすればいいのか決心はつかないようで。
「俺は先に戻って準備を進めておく。源、お前も‥‥」
「わかっている‥‥」
そう言って立ち去る安則。源は、一瞬ミユキを心配そうに見つめ、安則に頷き返した。
「そういうことなら、俺もゆっくりしてられねえな。今度会う時は戦場なんてゾッとしない話だけど‥‥これが現実なんだ」
丈もそう残し立ち去る。残された源とミユキ。
「でも、やっぱり‥‥戦えないよ‥‥」
「ミユキ‥‥」
源を抱きしめ、胸の中でそう呟くミユキ。源はただ悲しそうな表情で、彼女を抱きしめ返すのだった。
「はぁ! そんなんじゃ、死地を乗り越えたあたしにはかなわないよ」
屈強な男を蹴り飛ばし、つまらなそうに呟くヴィオ・ローザ。現代世界に帰還後、ヴィオはストリートファイトに明け暮れていた。失踪事件のせいで、ヴィオに奇異の目が集まり、本業であるダンスの機会を自ら蹴飛ばした彼女。しかし、この数日のヴィオを見る目に、彼女はうんざりしていた。
「あたしはあたし、何も変わってはいないのにね」
そんな彼女に、アメリカ沿岸にヴァルキュリアーズが出現のニュースが入る。
「あいつら、こっちの世界でも始めようとするんじゃないだろうね‥‥人間なんてつまらない存在かもしれない、でもあたしはこの世界の人々が好きなの、だからそのときは戦う!」
ヴィオは、そう決意を込め、電話のダイアルを押した。
「虎雄! 立ち上がるわよ!」
「東京湾沿岸に巨大未確認飛行物体!? あれは‥‥スキーズヴラズニル!!」
機体を隠し、身を潜めていたマリアは、街頭テレビに映ったそれに驚きの声をあげる。そして、一目散に機体の隠し場所へと走り出した。
「いけない‥‥このままでは、この世界で戦いが起きてしまう‥‥」
「オーディンの戦艦、予定通りだ」
シェリーは、豪華な椅子に座りながら、テレビの画面に映るヴァルキュリアーズの軍勢に満足そうに笑う。
「お前達は手筈通りワシントンDCで暴れてやりな。アタシを裏切ったこの国に、たっぷりお仕置してやろうじゃないか」
「何で平和な日々を過ごさせてくれないの?」
ヴァンとアースの軍勢、そして次々と世界各国に現れるヴァルハラの軍勢達。駈は辛そうに呟き、家族の眠る我が家を玄関から見つめる。未練を振り切るように、夜の闇へと走り出す駈。そして零れる涙を振り払いながら、決意の表情を浮かべるのだった。
「お父さん、お母さんさようなら、今度は生きて帰れるとは思わないで───でも、帰ってくる、必ず!」
●キャスト
シェリー・ローズ
大道寺イザベラ(fa0330)
黒木丈
相麻 了(fa0352)
富嶽源
伊達正和(fa0463)
緑マリア
稲森・梢(fa1435)
ヴィオ・ローザ
レティス・ニーグ(fa2401)
緑川安則
名無しの演技者(fa2582)
鹿島駈
晨(fa2738)
ミユキ・デリカット
RURI(fa3654)