魔女×王子 チョコ騒動アジア・オセアニア
種類 |
ショート
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担当 |
緑野まりも
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芸能 |
1Lv以上
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獣人 |
1Lv以上
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難度 |
普通
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報酬 |
1万円
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参加人数 |
8人
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サポート |
0人
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期間 |
02/20〜02/24
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●本文
バレンタイン‥‥、平凡な毎日を愛する僕にとっても、この日は少しドキドキしてしまう。そりゃ、チョコレートを貰うことなんてほとんどないけど、やっぱりちょっとぐらいは期待してしまう。でもそれも、去年までの話だ。まさか今年、こんな騒ぎになるとは思わなかったのだもの‥‥。
〜声優募集〜
TVアニメ『魔女(おとめ)が王子(ぼく)を狙ってる』の声優を募集いたします。新人・ベテラン関係なく、広く参加者を募集いたしますので、奮ってのご応募をお待ちしております。
〜作品内容〜
主人公『伊藤悠李(いとう・ゆうり)』は平凡を愛する普通の高校二年生。冬休みも終わり、学校は三学期の初め。今年は三年に進級し、進路も真剣に考えなければと思っていた悠李の前に、突然魔法の国の使者と名乗る人物が現れる。
使者は、悠李が魔法の国の王子であり、18歳になった際には王位を継承するために魔法の国に戻らなければならないと告げる。そして、それまでに花嫁を娶るように言われるのだった。
その日から、悠李の前には花嫁候補という『魔女っ子』たちが次から次へと現れ。悠李の花嫁の座を狙って様々な騒動を巻き起こす。平凡を愛する少年悠李は、突然そんなとんでもない騒動の当事者となってしまうのだった。
〜次話あらすじ〜
突然自分が魔法の国の王子と告げられ、戸惑う悠李だが、そんなこともお構いなく、花嫁候補の魔女っ子たちが悠李の前に現れ始めた。その後、最初のパニックが終わり、魔女っ子たちはそれぞれ普通の少女を装い悠李の街で暮らすようになる。ようやく静かな毎日を取り戻せてホッとする悠李だが。
2月14日バレンタイン。日本の習慣を知った魔女っ子たちは、この日のためにチョコレートを用意する。そして運命の日、魔女っ子たちは様々な方法で悠李にチョコを渡そうと奮闘し始めるのだった。
〜募集キャラ〜
花嫁候補の魔女っ子(女性限定)3〜5名
主人公の友人(男性限定)1〜2名
魔女っ子のマスコットキャラ(男女可)若干名
〜作品備考〜
主人公伊藤悠李役には最近売り出し中のイケメン声優、南方雄治(みなかた・ゆうじ)を起用。
毎回新しく3〜5名の魔女っ子が登場し、主人公の花嫁になるべく様々な騒動を起こします。
担当は、審査のうえイメージにあったキャラを担当していただきます。得意なタイプなど希望がありましたら、事前に申し出てください。
魔女っ子の基本設定として、『変身する』『変身後は想像を具現化する魔法を使える』『決め台詞』があります。これらを踏まえて希望を出してください。
●リプレイ本文
「みなさん、お世話になっているお礼です、受け取ってください」
アニメの収録開始日、作中がバレンタインということもあって、緑川メグミ(fa1718)がスタッフや声優の男性陣に手作りチョコを配る。
「おおきに〜、やっぱり女性に手渡されるとテンションあがりますわ!」
「僕にもくれるんですか? 嬉しいです!」
声優として参加している桐尾 人志(fa2341)と河田 柾也(fa2340)にもチョコが手渡され、一様に喜びの言葉を返す。やはり男の性か、義理とわかっていても嬉しいもののようだ。
その後、男性陣はほろ苦い‥‥むしろかなり苦い(砂糖入れ忘れ)チョコの味を堪能したようだ。
「鈴木さんですね、よろしくお願いしますわ」
「は、はい、よろしくおねがいします!」
槇島色(fa0868)が鈴木 舞(fa2768)に挨拶をする。舞は台本から顔をあげると、慌てて挨拶を返した。
「すいません、お邪魔だったかしら?」
「いえ! そんなことは‥‥。今回は、チョコレート作りのシーンでセリフが長いもので」
台本を一生懸命読んでいる舞の様子に、色が少し申し訳なく言うと、舞は少し苦笑しながら首を横に振る。舞は今回、料理好きの魔女として、3分クッキングばりの長いセリフが入っているようで、覚えるのが大変だ。
「今回が初声優なので、私も緊張するわ。お互い良い仕事をしましょう」
「そ、そうですよね、初仕事はやっぱり緊張しますよね。はい、がんばりましょう」
言葉のわりに冷静な色、それに対し本当に緊張している様子の舞。ちなみに、舞のほうが年上である。
「プ〜♪ ‥‥今回も上手くできるかしら‥‥少し不安‥‥プ〜♪」
皆の様子を隅で壁に寄りかかりながら見ている稲馬・千尋(fa0304)。不安をポツリと呟くと、気持ちを落ち着かせようとしているのかハーモニカを軽く吹いたのだった。
●新魔女登場
月夜の晩、学校の屋上にたたずむ女性のシルエット(槇島)。
「ここが人間界ね。こちらに住んでいる王子を口説き落として、王妃の座を私のものに‥‥。ふふふ、男を魅了するなど私には容易いことよ‥‥」
自信に満ち溢れた涼しげな声が響き渡り、シルエットは黒いつむじ風に包まれて消えてしまうのだった。
次の日、学校に新しい転入生灰原エルが現れる。クールなその視線に男性達はメロメロに、一気に人気者になることになる。
「お前、そんな羨まし‥‥もとい、大変なことになってたのか!?」
日は変わって日常シーン、休日の伊藤宅。事件に巻き込まれ事情を知った、伊藤悠李(南方)の友人柿本悟(桐尾)は、悠李に詳しい話を聞いて驚きの声をあげる。
「うん、いまだに僕は半信半疑なんだけどね」
「っていっても、あの魔女っ子たちの魔法を見れば信じるしかねえよな」
「はぁ、僕は平凡な普通の毎日を送りたいのに」
「ユーリ‥‥」
大きくため息をつく悠李に、悟は少し顔をしかめて苦笑する。そんな二人の前に、突然、光の玉が窓から飛び込んでくる。驚く二人をよそに、光の玉はテーブルの上に降り立ち‥‥。
「小生、バルダザール・ゴア・パラケリウスと申す。花嫁候補達のお目付けと王への報告を仰せつかった者ですじゃ。悠李どの以後お見知りおきを」
光の玉から現れたのは、サッカーボールほどの大きさの毛むくじゃらな老人(河田)。バルダザール、通称バル爺は花嫁候補の魔女達が人間界で目立ちすぎた行動を取らない様にするためのお目付け役であった。
バル爺の話では、人間界と魔法界に軋轢を生まぬように、極力隠密に行動を起こすよう魔女達に申し付けたそうだ。これにより、魔女達は人間界では普通の少女を装うようになることになる。
●魔法のチョコは恋の味?
「お兄様が婚約!?」
ボゥ! 魔法で作った洋館で、羊皮紙の手紙を読んでいた金髪ロングのお嬢様魔女グレース・グリーンリバー(緑川)の背後に炎が燃え上がる。と、同時に、手紙も燃え尽きて消える。
「そ、そんな、私の愛するお兄様が‥‥。私だけのお兄様が‥‥」
わなわなと震えるブラコンのグレース。完全に悠李のことなどそっちのけだ。そんな彼女が、ふと見つけたのはバレンタインのチラシ。
「これですわ! お兄様の心を私に取り戻すために、魅了の魔法入りのチョコをお渡しして‥‥うふふ。そうですわ、王子に実験台になってもらいましょう」
ぽんと手を叩いてニッコリ微笑むグレース。その後、なにやら怪しげな調理タイムが始まるのだった。
「はぁ、いまだにちゃんと王子様に自己紹介もできてない‥‥」
割烹着姿の魔女カオリ(鈴木)は、ガックリと肩を落とした。恥ずかしがりやで消極的な彼女は、作中でも悠李に話しかけようとしては空回りしている。彼女の住んでいる質素で庶民的なアパートは、彼女の心を表しているかのようだ。
「で、でも、バレンタインには必ずチョコをお渡ししないと‥‥カオリガンバ!」
グッとガッツポーズを取るカオリは、魔法のオタマを取り出して、台所でクッキング。かなり本格的なチョコレート作りのシーンだが、滋養強壮のマムシが入ってるところはちょっとおかしい‥‥。
「最後に、藍染の和紙に包んで完成!」
できたハート型のチョコを和紙に包み、効果音と共にバレンタインチョコが完成するが、果たして上手く渡せるのか‥‥。
「ふ〜ん‥‥なるほどこの国ではチョコレートを渡して愛を伝えるのね‥‥」
楽器だらけの部屋でテレビを見ていた音楽魔女ネスト(稲馬)は、バレンタイン向け番組で日本の習慣を知る。
「〜〜♪ これで‥‥いいわね。楽しくなりそう‥‥」
魔法のタクトを一振り、ポンと出てきたラッピングされたチョコ。あまりに簡単なチョコ作りだが、彼女の関心は別のところにあるようだ。
●チョコレート騒動勃発
「くそぅ、今年も期待薄だぜ。ユーリはいいよな、魔女のみんなからいっぱい貰うんだろ?」
「え、ど、どうなのかな?」
「あ〜、もう、お前は仲間だと信じていたのに! ユーリに作るついでに俺にもお恵みを〜!」
バレンタイン当日、羨み悔しがり、しまいにはメガホン持って叫ぶ悟に、困った様子の悠李。だが、悠李もこの日はちょっと期待しているようで、そわそわとしている。しかし、そんな期待も流れ来る音楽によってぶち壊される‥‥。
「チョコを渡す事で愛を伝える‥‥つまりチョコが無ければ愛を伝えられない‥‥なら」
なんと、魔女に変身したネストが、チョコをもらえなかった男子を操って、魔女っ子たちのチョコを奪い始めたのだ。モテない男子パワーに、教室は大混乱。
「愛は奪い取るものだってテレビでもやってたし‥‥」
「それはなにか意味が違うだろ〜!」
グッと親指を立てるネストに、悟がツッコミを入れるが暴走は収まらず。
「あ、私のも取られた‥‥」
「と、とにかく避難するぞユーリ!」
「う、うん‥‥」
自分のチョコを取られても動じないネストをよそに、暴走はエスカレートしていく。悠李と悟は教室から避難することに。
「あ、王子さま! あ、あの‥‥お慕いを‥‥あれ〜〜!!」
逃げる悠李を見つけたカオリが真っ赤になってチョコを渡そうとするが、暴走した男子に巻き込まれどこへとも無く流されていってしまう。今回もちゃんと話せない不幸なカオリであった。
「君、こっちへ‥‥」
「うわ!?」
逃げる悠李は何者かに図書室に引っ張り込まれる。暴走した男子達は、悠李を見失ってどこかへいってしまう。
「た、たすかった‥‥?」
「貴方だいじょうぶ?」
「あ、ありがとう‥‥」
図書室にいたのはエルであった。悠李は、男子の話題に上る美女にドキっとする。
「よかったらちょっと手伝ってくれない?」
エルのお願いに、付き合うことを約束する悠李。何故か誰もいない図書室で二人っきりという状況にドキドキする悠李だったが。
「私のことはエルって呼んで?」
「君、魔女でしょ?」
「私の魔法が効かない!?」
上手くシチュエーションを作って魅了の魔法をかけようとしたエルであったが、悠李に見破られる。
「ち、ばれたか‥‥吹き荒れるは黒い風、疾風魔女エル・グレイスとは私のことよ、覚えておいて!」
カードを頭上に掲げ、黒ききわどい衣装に変身したエルは、捨て台詞を残して黒いつむじ風に消えていくのだった。
その後、結局チョコをもらえなかった悠李と悟。とぼとぼと帰宅する途中。
「王子! 私からチョコのおすそ分けですわ! あくまで義理ですけどね? それと、そこの従者にもついでに差し上げますわ」
「従者!? そ、それでも嬉しい!」
華麗に現れたグレースが、謎の魔法入りチョコを渡しに来る。従者扱いされた悟だが、それでも嬉しそう。
「君! 怪我してるけど大丈夫?」
「え‥‥こ、これは‥‥たいしたことありませんわ」
「そう‥‥、とにかくありがとう、嬉しいよ」
「ふ、ふん! そんな優しい事を言っても無駄ですわよ、私の心はお兄様のものなのですから‥‥。それではごきげんよう!」
魔法の薬を作る際に切った指を心配した悠李に、戸惑いながらもツンとした捨て台詞を残しグレースは立ち去るのだった。
「悠李‥‥好きだ〜!」
「うわぁ!」
「悠李殿、あぶないですじゃ!」
「ぶちゅ〜!」
その後、チョコを食べた悟が魔法の効果で悠李にキスをしようとするが、間一髪、バル爺が身代わりになり事なきを(?)得るのだった。こうして、悠李の大変なバレンタインは幕を閉じる。